最近、依頼自体は増えてるのに、依頼時の情報の正確性が落ちてる。
MTの数が違ったり、ノーマルだと言われたら非正規オーダーがいたり。酷いときにはレイヴン複数人で袋叩きにされた。AP0と修理保険で助かったが。
ローゼンタールでも情報が間違ってるくらいだ。
この前は哨戒任務でレイヴンと遭遇した。
……これは運が無いだけか。ツイてねえ。
『ミッションを説明します』
『今回の依頼主はレオーネメカニカ。内容は国連軍基地の襲撃です』
『ミッション時、我々が別方向から攻撃を行います。あなたはその隙に基地の残存戦力を叩いて下さい』
『その際施設の破壊に応じて追加報酬を約束します』
『我々はあなたを高く評価しています。いい返事を期待しています』
なーにが高く評価しているだッ!
戦力量と依頼主の情報精度からして1000マシを持ちださなければ弾が足りなくなるだろう、とぼんやり思いつつガレージに歩みを進めるのだった。
「坊主、どうした?」
「オヤジさん。依頼です。ライフルから千マシに変えます」
「分かった。ああ、そういえばシャルから武装をプレゼントされたぞ」
「本当ですか!」
早速確認する。
「なんと最強2つだ。先ず、KARASAWAだ。そして、WL-MOONLIGHT、月光。両者、負荷を乗り越えれば強力な武器だ」
「これをシャルさんが?凄くありがたいですが、僕が持ってていいんでしょうか?」
「シャルがお前さんを認めたってことだろ。胸を張れよ」
そう言われると、なんか嬉しい。
「あと、シャルからじゃないがもう一つあるんだ」
「なんですか?」
「シャルの知り合いから送られてきたらしい。PB-DARKSLAYER。なんと持つ手を選ばない実体ブレードだ」
「実体ブレードですか⁉それってただの剣ですよね⁉何処が作ったんですか、そんなの」
「名義がFGWになってる。企業じゃないみたいだな」
実物を見ると、トンファーみたいだな形状でナイフがついている。
「コイツ、面白い剣なんだ」
「剣というよりナイフですよね、これ」
「ところがどっこい、内蔵されたナノマシンを使ってその場で刃を生成。斬るときだけ月光並の長さになる」
絶句。なんだそりゃ。
アナログな攻撃方法なのにハイテク過ぎませんか?でも、近接で物理攻撃が出来るのは心強い。パイルバンカーは使うの難しいし。
「試作だからアリーナには持って行くな。とコメントが残されてた。まあ使ってみろ」
お言葉に甘えて左手に装備する。そして重量数値:960を見て重さに頭を抱えた。
月光の2倍近い数値である。
□
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ARMORED CORE Ignition
HEAD:H02-WASP2
CORE:C02-URANUS
ARMS:A11-MACAQUE
LEGS:LH4-DINGO
F.C.S.:MF05-LIMPET
BOOSTER:CR-B83TP
GENERATOR:G02-MAGNOLIA
RADIATOR:ANANDA
INSIDE:None
EXTENSION:None
BACK UNIT R:None
BACK UNIT L:KARURA
ARM UNIT R:WE04M-PIXIE2
ARM UNIT L:PB-DARKSLAYER
All Green
ready
――――
『ミッション開始。敵基地の戦力を排除してください』
ヘリから投下されてすぐに前進を開始し、そのまま速度を緩めず基地の正門を突き破る。
そこからすぐに右に曲がって、兵器が保管されているであろう倉庫の入り組んだエリアに入った。
やはりというべきか、出会い頭に護衛と思われるMT2機を視認する。
早速ブレードを起動した。すると、ブレードの周りに黒いナノマシンの霧が現れ、それが集まってブレードを形成する。
「セェィッ!!!」
それでMTをたやすく切り裂く。レーザーブレードと遜色ない切れ味で、それでもってENを消費しないと来た。これはいい。
ただ、月光より重く機体がその質量で振り回された。それを制御する腕前すら要求される、月光などとは違う方向性で玄人向けのようだ。
倉庫にマイクロミサイルを撃ち込んで兵器類を破壊した後、辻斬りのごとく基地を駆け巡って内のMTを斬り続けた。
弾薬を消費せず依頼されていた残存勢力の掃討に勤しんだ。
『調子に乗るな、レイヴン!』
基地を攻撃して2分。突然、空から見たこともないACがブレードを持って襲い掛かってきた。
「あれは一体……」
『レイレナード社製の新型ハイエンドです。開発母体となるノーマルがない数少ないハイエンドで性能は未知数。それを強奪したものと思われます。気をつけて』
「肩にエンブレムがある。誰か分かるか」
『……でました。国連軍エース、ヤンです。付近の基地からの増援でしょう』
ハイエンドとは言え、エースは厄介だ。
オーダーでも、腕次第で簡単に優劣はひっくり返る。気を抜けない。
流石インテリオルだ、他の基地からの増援を抑えないスタイル。
敵が動いた。
回避機動を織り交ぜながらオーダーの軽量二脚を凌ぐ機動性で迫ってくる。
「速度特化型!」
エースが乗ってオーダーに対抗する事を意識した設計だ。
(こりゃ、きついぞ)
下手すると総合性能はあっちが上かも知れない。
相手は左手にASTライフルと右手に手持ちブレード、と珍しい配置。さらには肩にミサイルハッチが見える。
切り結ぶ時の機体腕力なら恐らく上だが、腕部性能にも依存するブレードの磁器反発機の出力できっと負ける。こちらもブレード性能がトップクラスの腕部を使ってはいるが、敵は全部専用パーツとなれば話が違う。
距離に気をつけて戦闘しないと一方的にやられるだろう。
上等だ。
ライフルを撃って来るヤンに対する為EOを起動。
そのまま基地の地形を使う機動戦になる。
俺は右にスライドするようにブーストダッシュをして、回避機動は定期的なジャンプで不規則に上下に機体を揺らす。
敵は俺に並走して似たような機動をしながら撃ちあい始めるがすぐにお互いの間に倉庫が入り、俺の視界から敵が消える。
俺はそのまま倉庫の影から飛び出した。
しかし、敵は俺と同じような動きをしなかったのだろう。並走しているのならばいるであろう場所には居なかった。
(なら、上からか!)
振り向きながら見上げると、そこに奴はいた。
倉庫を飛び越し俺に追いかけるように仕掛けてきたのだ。
ブレードを上から振り下ろしてくる敵に対して、俺はブーストで咄嗟に左へ避ける。回避にこそ成功するが、返す刀で滑らかにブレードを振りぬき追撃してくる。
ACらしからぬ滑らかな剣戟に俺は回避で精いっぱいになる。マニピュレータ保持なのがそれに磨きをかけているらしく、太刀筋の自由度が手数の多さにつながっているようだ。
だが特化型とは言え、エネルギーに限界がある筈だと俺はひたすらに避け続けた。
「おっ……とッ!!」
回避するのに限界が来て、咄嗟にダークスレイヤーで受け止め振りぬく。
すると敵は反動を利用してASTライフルを連射して後退し始めた。俺の反撃とエネルギー切れが重なったため、勢いを利用したのだろうというのは想像に難くない。
待っていた好機だと俺はマシンガンを撃ちつつ、距離を離させまいと一気に前進した。
お互いに撃ち合うが、近距離での瞬間火力の差で敵の方が損傷を多く受ける。敵は現状を打破できなければ負ける、と意を決したのか急に前進することで相対距離をぐっと縮めてくる。
俺は対応するためにブレードを起動。
すれ違う刹那、お互いに全力でブレード振り切った。
「うぐぅっ!!!」
俺は強烈な振動で悲鳴を上げる。
【右腕部損傷】
comボイスが機体に受けた大きいダメージを無感情に報告してくる。
そりゃあの高出力だ、少し当たり方が違えば肩から先が吹き飛んでもおかしく無い。破損判定まで行かずつながっているだけ幸運だ。
それに対し奴はコアから少し漏電している。右脇腹にぱっくりと傷跡が開いていた。
どちらの攻撃の方がクリーンヒットだったかといえば、俺がやつに放った一撃の方だろう。
『まだだ、まだやれる』
破損したせいかオープンなっている敵の通信を聞きつつ、身構えた刹那。
【所属不明機体接近。注意して下さい】
突如外部からプラズマの弾丸がばら撒かれ、施設を無差別に破壊する。
俺たちも例外じゃ無かった。
自分たちに降り注ぐ二人共プラズマ弾幕をバックステップで間一髪回避する。
撃たれた方向に目をやると、ごつい人型兵器がそれにふさわしい大型の銃を構えていた。
それも2機いる。
「特化型……AC? 」
『こちらの物ではないな』
「こっちの味方でもない筈です。何者だ」
COMボイスが答える。
【I-C003-IN。特殊ハイエンドです。グレネードガン、プラズマキャノンその他の重装備でありながら一定の機動力を持っています。接近するのは難易度が高すぎます。回避を主体とした射撃戦が有効です】
『……なぜデータがある』
「俺が知りたいです。身に覚えのないデータを偶に吐くんですよ」
多分、原因はシャルさんだ。あの人の使ってるコアと頭部を今日は借りてきてるので、その内部データを吐いているのだろう。
あの人秘密主義だから、どこで何やってるか分からなくて機体に何入ってるか分かったものではない。
「すいません、ちょっと良いですか」
『ああ、多分同じ事を考えている。休戦だろう。ここでつぶし合えば互いに生き残れんだろう』
「助かります。俺が左のを、あなたが右ので構いませんか」
『レイヴンに決められるのは癪だが、了解だ。行くぞ』
生き残る為、共同戦線が始まった。
単語集やキャラクター集は必要そうですか
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私にはそれが必要なんだ
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単語集だけでいい
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キャラクター集だけでいい
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この小説には、不要だ……