朝起きたら紅美鈴   作:白仮面

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現代日本で東方のキャラに憑依する系の小説大好きだったので自分も書きました。

注意!
紅美鈴以外の東方キャラは出ません
なんで憑依したの?とか考えてない見切り発車


プロローグ

清々しい朝だった。

 

いつも感じていた朝特有の気怠さを感じることもなく自然に目を覚ました時の爽快感、まるで10時間くらい熟睡したかのような気分だ。しかも今日は大学が休みなので1日気分良く過ごせそうだ。

 

今何時だろう、これで昼の3時とかだったらちょっと萎えるなぁ、とか思いながらスマホを見ればまだ朝の6時。なんだもう一眠りしてもいいかなと思ったがふと視界にうつる赤い髪を見て思考が止まる。

 

「んん??」

 

燻んだ赤ではなく鮮やかで綺麗な紅色の髪。髪を手ですいてみれば絹のような気持ちの良い触り心地。引っ張ってみる、だが紅の髪はカツラのようにとれることはなく自分の頭皮が引っ張られる感じがする。手に持った髪からはなんだか甘く良い香りがした。

 

「いやなんで??」

 

状況に理解が追いつかない。

 

自分の髪は黒い短髪のはずだ。髪を赤く染めたこともなければこんなに長くてサラサラヘアであるはずがない。こんな世の大半の女性が嫉妬するような髪なんて持ってなかった。

 

理解に苦しみつつもとりあえず起きて鏡で自分の髪を見ようと体を起こしてみれば男の自分にあってはならないものが自分の胸についていた。大きく膨らむ胸の隆起ーーつまるところおっぱいがあった。

 

見ただけでわかる、でかい。

 

しかも寝る前に着たはずのパジャマじゃなくて見覚えのない服だった。緑色でなんだか中華服をアレンジした感じの服。こんな服は着た覚えもなければ買った覚えもない。

 

「と、とりあえず鏡だ、鏡で自分の体を確認しないと」

 

もはや混乱で真っ白になりそうな頭を必死に宥めながらフラフラと歩いてなんとか洗面所にたどり着く。そしておそるおそる鏡に映り込む自分の姿を確認して、驚愕した。

 

「これ……紅美鈴では?」

 

鏡の中の自分は驚きすぎてポカンと口が開いて間抜けな顔をしているがどうみても東方projectの紅美鈴であった。

 

特徴的な鮮やかでサラサラの紅色の髪、テレビの女優よりも整った綺麗な顔にバランスの取れた美しい身体、そして紅美鈴が着ていた服を身に纏っている。あとはあの帽子を被れば完全に紅美鈴だろう。

 

紅美鈴――東方紅魔郷の第3ステージのボス。紅魔館の門番を務めており、「気を使う程度の能力」の持ち主。決して気配りができるとかではなくドラゴンボールとかに出てくる方の“気”だ。あと設定としては武術の達人だったはず。

 

そんな紅美鈴に朝起きたら自分がなっている。

 

これは夢か、噂に聞く明晰夢なのか?と思ったが目はパッチリとあいているし頭もスッキリしている、頬をつねってみてもしっかり痛かった。鏡の中の自分も涙目だ。

 

まったくもって意味がわからない。

 

昨日の夜はバイトから帰ってきてYoutubeを見て眠くなったから寝るといういつもと変わらない日常を送っていたはず。

 

気がついたら紅魔館の門前に立っていたとかでもなく、幻想郷の賢者に連れ去られたとかでもなく、前日に東方projectやっていて寝落ちしたとかもなく、何の前兆もないまま紅美鈴になっていた。

 

なにがどうしてこうなった。

 

ゲームの中のキャラになるなんて非現実的だ。というかそもそもなんで紅美鈴なのか、東方projectでは霊夢や咲夜さんの方が好きだったのに。元の自分に戻れるのか。色んな疑問と不安が浮かんでくる。

 

まずは大学や親に連絡した方がいいか、それとも病院にいけばいいのか、考えがとっ散らかってまとまらない。グルグルと思考がループしふわふわとした焦燥感に身が包まれる。頭が真っ白になってもうわけがわからなくなって――

 

ぐぅぅぅぅぅ、と大きな腹の虫が鳴り響いた。

 

こんな非日常的な状況でも、ゲームの中のキャラになってしまったとしても、私のお腹は平常運行らしい。そんな事実に思わず笑ってしまってちょっと落ち着いた。

 

「歯、磨こう」

 

歯を磨いて、顔を洗って、ご飯を食べてから考えよう。これからどうするかを考えるのはそれからでも遅くない。

 

朝起きたら紅美鈴になっていたって腹は減るのだから。

 

 

 




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