トレセン学園にも正月が来た。
校門には青々しい門松が飾られていて、ガサガサと蠢いている。……蠢いて?
じーっと門松を見つめていると校門に影が一つ現れた。
「ハーッハッハッハッハ!」
誰です! 名を名乗れ!
「ボクの名はテイエムオペラオー! 学園の美しき覇王となる者だ!」
わたしはサバンナシマシマオオナメクジ! シマシマが素敵なトレーナーです! おはようございます!
「おはよう! そうか。新年早々このボクを讃えに来たということだな。
さあ! 存分に讃えるといい! ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「ハーッハッハッハッハ!」
「あのう……」
はーっはっは……おや? キミは……。
「ドトウじゃないか? キミも新年の福笑いに来たのかい?」
「い、いえ、わたしなんかがオペラオーさんと笑ったらシマシマの呪いにかかってしまいますぅ……」
そこの猫みたいな口したウマ娘さん、このシマシマは祝福なんだが、祝福なんだが!
「うぇ? そうなんですかぁ? ごめんなさいぃ。」
あなたも笑いましょう。
「でもぉ……」
笑う門には「フクキタルですよ!」誰です!
そこにはフンギャロフンギャロと不思議な鳴き声を発するウマ娘がいた。なぜか門松を抱いている。
いっぱい色々出過ぎて小さい脳みそが混乱しちゃう。
どうもテイエムオペラオーとの新春福笑い合戦に乱入してきたのはメイショウドトウとマチカネフクキタルというウマ娘のようだ。
「──新年早々、校門前で騒ぐのは感心しないな。」
誰です!
そこにはまるで皇帝のような威圧を放ち、校門の脇から真っ直ぐとこちらを見る──門松がいた。
本当に何です?
「通りすがりの門松さ。そこのマチカネフクキタルくんが縁起物だと言って門松を持って行ってしまったのでね。仲間を取り返しに来たというわけさ」
なるほど。ところで門松をシマシマにする気は?
「それは遠慮しておこう。松は緑がよく似合うからな」
「会長! この門松は持って帰っても良いですか⁉︎」
「それは困るな。マチカネフクキタルがマツカドフクキタルになってしまう。……ふふっ」
その格好のほうが反応に困ると思う。
会長はそのまま周囲に騒ぎすぎないようにね、と釘を刺して走り去っていった。
最も秩序を乱しているのは走る門松であったことは疑いようがないのだが。
まあとりあえず。
「ハーッハッハッハッハ!」
はーっはっはっはっは。
「はぁっはっはっはっはっはぁ」
「マチカネと笑えばフクキタル〜♪」
みんなで福笑いをしたのだった。