やる気のない天才の行く実力至上主義の教室   作:浜の小さな大魔神

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そろそろストックも無くなりそうだし,更新頻度がガタ落ちする気しかしない


成功の二回目と変更の罠

 

 

勉強会から一夜明けて,学校の席で授業を受けていると

堀北から視線は感じながらも一度も話しかけてくる気配はない。

正直言って,俺としてはどの結果に転がっても利益はある。

金があるからクラスが没落するなら逃げる口実に,クラスが上がっていくために堀北が謙虚になるならそれはそれで美味しい,堀北が暴走するなら綾小路とうまいことやって逆に傀儡にしてもいい。

そんなことを考えながらも,授業は着々と進んでいき,

テストまで後,10日というところまで来ていた。

 

「ねぇ,フウ君は私たちとこんな感じでお勉強会していていいの?」

 

「あれ?もしかして俺邪魔?もしそうなら血の涙流しながら店を出るけど,,,,」

 

 

「邪魔じゃないよ⁉︎だからやめてね⁉︎」

 

「冗談に決まってんじゃ〜ん」

 

ケタケタと悪戯っ子のような笑い声をあげる

 

「もう!知らないからね!」

 

おっと,帆波の機嫌を損ねてしまったようだ

 

「ごめんよ〜帆波。今度好きなスイーツなんか一つ作ってあげるから許して〜?」

 

プリプリと怒っているところを見るに本気で怒ってるというよりも幼馴染との戯れ合いみたいなもんだ。こういう時は大体この対応でどうにかなるのだが,

 

「そんな風に食べ物で釣れると思わないんだねフウ君」

 

ドヤさ!とでも言いたげにやたらと実ったその双丘をしっかりと主張しながら胸を張る帆波

大変可愛いので基本的には許すし,別にこんなことでイラッとはしないが,少し苛めてみよう。

 

「じゃあ,もう帆波に作ってあげるはずだったテスト後のご褒美ケーキもなしだなぁ〜」

 

「ふぇ,な,なんで!」

 

いやいや,食い付き方まで可愛いとか天使かよ

 

「だって,食べ物で釣られないんでしょ〜?」

 

「そ,それは,,,うーーーん。うわぁぁぁやっぱりダメェ〜」

 

「何が?」

 

「わかってるくせに意地悪しないでよ〜」

 

「うんうん。ごめんね。もう意地悪もしないし怒ってもないから大丈夫だよ?」

 

「そうなの?ごめんねフウ君」

 

「あははは。最初は帆波が怒ってたのにね」

 

それをいわれていつの間にか弄ばれていたことに気づいた帆波は顔をあかくする。

 

「!な、なんで〜⁉︎」

 

「おいおい風磨,いい加減一之瀬いじめんのやめてやれよ」

 

「なんでだよ颯〜?」

 

ここで一之瀬に助け舟を出したのは柴田颯だった。

元々優しいサッカー少年って感じの男子だったわけだが,見たまんまの少年である彼は,俺に苛められる帆波が可哀想に見えたんだろう。まぁ,この辺まで想定してやってるけどもね!

 

「ったくわかってんだろ?てか,マジで俺らのクラスにばっか来てて大丈夫なのか?お前らのクラス中間やばいんじゃ」

 

「うにゃ?あんなもんそもそもノー勉でも95点くらいは取れるし,なんなら取れというなら全部満点守るのだって簡単だよ。そもそも,このテストの攻略法はもっと別のところにあるわけだし」

 

「なんだよ攻略法って?そもそも中間の攻略なんてのは勉強する以外ないだろ?」

 

あぁ,それじゃあいつまで経っても純粋キラキラサッカー少年のままさ柴田君。今は帆波がいるからいいが,俺みたいな悪いやつからしたらかもだぜ?

 

「それじゃあいつまで経っても純粋サッカーボーイ君止まりだぜ?快速柴田マン?」

 

「なんだとこんにゃろー」

 

少し戯れ合うが,あまりやりすぎるとカフェや他の人に迷惑なのですぐ大人しくなる。

こういう対応が大人なところがBクラスたる所以だ。

でも,

 

「ところで颯,お前そこの問3間違ってる。ここの問題で筆者が俺たちに問いたいのは現状のシステムの完成度の話じゃなくて本命は見つけづらくてもこっちのシステムの弊害の方だ。だとするなら,あとはわかるよな?」

 

「なるほど!そういうことか。ありがとうな風磨!」

 

俺は基本名前の呼び方なんて判別できればさほど文句はない。

ただ,フウ君という呼び方は俺の両親,帆波の両親,そして一之瀬帆波だけの特権だ。それだけは俺はその人たち以外には呼ばせない。理由は簡単だ。俺の誓いは,その人たちのためにあるから。

まぁ,そんな話はいいだろう。

 

 

「いいんだよ。それにしても颯はバカというよりもおっちょこちょいだな。毎回自信あるのにケアレスミス多いタイプだろ?」

 

「なんだよーいいだろ別に?」

 

なんか少しヘソを曲げたか?

 

「それにしてもフウ君は頭いいよねぇ相変わらず。なんでそんな頭いいんだろ?私も羨ましいよ」

 

「え?さっきの話聞く感じ頭がいいのはわかっていたけどもしかして風磨って一之瀬が羨ましいなんていうほど頭いいのか?」

 

「帆波がどう思ってそんなこと言ったのかは知らんけど,俺は基本自分のスペックでできることを頑張っただけなのです」

 

「そのスペックの高さが異常なんだって!」

 

「えぇ,そう?」

 

「普通の人は中学3年の春先でふざけて東大模試なんて受けに行かないよ!」

 

「えぇ,お前マジかよ」

 

周囲の人たちも少しザワザワしてきた

 

帆波〜,なんでそれじゃべっちゃうかなー?帆波が東大ってところに行けるとすごいんだって!頭いい人ってかっこいいよね!とかすげーいい表情でいうから俺1年くらい頑張って一番簡単だし行けるだろっての夏前に最初の模試受けてほぼほぼ満点叩き出してきたのに

 

「なんでそれいうかなぁ?」

 

「え,言ったらまずいやつだった?」

 

「俺がやばいやつ見たいじゃんか〜」

 

「ニャハハ!仕返しだよ!」

 

グゥ!クッソ可愛い。

 

「てか,その話もスンゲェけどよ?有耶無耶になっちゃいるがお前の言ってた必勝法ってなんだよ?」

 

ヘェ

 

「よく覚えてたね。まさかその話が颯から出てくるとは思ってなかった。どうやら俺はお前をずいぶん低く買っていたらしい。悪かったよ」

 

「ヘヘっ!これでもBクラスだせ」

 

「でも教えられないな。もう少ししたら教えてやるよ。流石に自分のクラスに伝えたあとじゃなきゃ罪悪感もあるしな」

 

「そういうことか。分かったよ」

 

この話以降は普通に勉強会をして解散。

いやぁ〜,Bクラスの人たちとも仲良くなってきたわ。

それにしても堀北はもしかしてこのまま行く気か?

流石にあんだけ言ったんだし、綾小路なんかしててくれよ?

俺はあいつの打算が前提なんだ。

 

まぁ,正確にいうなら,あいつが打算的(に見せなくてはならないからこそ打算のよう)な動きを俺に見せること前提という感じだが。

 

「ーん、ー君!ねぇ,フウ君!!」

 

「⁉︎な,何?」

 

「ずっと呼んでたのになんで答えてくれないの?」

 

「ごめんごめん。それで?どうしたの?」

 

「さっき柴田君に嘘ついた理由は何?」

 

あぁ,これはバレてる目だ。

基本的に帆波に俺は嘘がつけない。

正確に言えばつくことは可能だが,大半のしょうもない嘘は見破られる。まぁ,普段のノリだと意外とアホなノリにも付き合ってくれるけど,本来彼女は洞察力に優れた娘だ。

そんな彼女がほぼ確信をしたという目でこちらを見てる。

こういう時に俺が嘘をつくと大体後々面倒になる。

まぁ,これに関しては教えても問題ないな。

 

「そうだね。やっぱり帆波には無理か〜」

 

「やっぱり隠してた」

 

「まぁなんだ。あれが完全なる嘘って話でもないんだよ。ぶっちゃけこのテストの対策って勉強以外のところにもあるんだけどさ,それを先にお前たちBクラスに教えるのはフェアじゃないし,現状俺にメリットがないからって意味ではそれは本当。ただ,実は俺クラスの方でも協力しないといけないこともあって,そっちが先になっちゃうからって理由なんだよ。要するにそっちが終わったら別にその方法は教えられるよ?」

 

「ふーん。じゃあ!楽しみにしてるよ」

 

結局煙に巻くような形でこの押し問答はひとまず収束を見た。

まぁ,教えることは簡単だけどおそらくそれにはいずれ彼女も気づきそうだしね。

 

 

翌日,登校した俺はまたしても綾小路。ではなく堀北鈴音に捕まった。

 

「何?また勉強会のお誘い?悪いけど前回の焼き直しなら行く気がないし,もし俺を説得できると思うんならまずそこにひきづり出すための条件くらいは聞かせてもらおうか?」

 

「えぇ,もちろんそのつもりだわ。まずは,この前はあんなに高圧的な態度で言ってしまってごめんなさい。流石にあの頼み方はなかったと思うわ。次に,勉強会なのだけれど,私なりにあの人たちが勉強を少しでもできるように効率的になる方法を考えてきたの。でも,これには人手がいるわ。綾小路君と,悔しいけど櫛田さんにも協力してもらう。そこで,あなたにもお願いしたいの。お願い,私たちが中間試験を乗り切るために力を貸してちょうだい。」

 

ようやく,答えに辿り着いたらしい。

まぁ,これを独力で見つけたなら大したもんなんだがおそらく違うんだろう。ともすれば,誰の入れ知恵か?そんなもの彼に決まっている。それにしてもどうやってあんなに堅物だった彼女をここまでにしたのか。はたまた今回だけか。どっちにしても,人に頼ることを一度でもしただけ前進したな。しかも櫛田にまで協力を仰ごうというのがいい。

 

 

「うん。いいよ。その件,俺も一枚噛ませてくれ」

 

こうして,俺の勉強会参加が決定した。

 

 

図書室にて

 

「ねぇ,櫛田さん。俺は基本的に池くん,山内くん,須藤くんを満遍なく見つつ,沖谷くんがくるならそれも並行して手伝うつもりだけど,櫛田さんは?」

 

「うーんとねぇ,私は海堂くんほど頭良くないけど,頑張るつもりだよ!」

 

うーん。頑張るなんて聞いてねぇんだよなぁ〜。

てかこいつががんばらないとか言い出したらしばくまである。

 

「そっか。じゃあ聞きたいことがあったらどんどん聞いてね。もちろん綾小路くんもね」

 

「あぁ,すまないな」

「海堂くん,ありがとね!!」

 

少し和やかに談笑していると

 

「おぅ,きたぜ」

 

須藤くんと後ろから山内,池と綺麗に三馬鹿が同時に現れた

呼んだとはいえ,勉強教えてもらう分際で遅れてきたことに詫びの一つもあっていい気がするのだが,そもそも呼ばれたことに腹を立てているような態度を見る限りもしかして堀北のやつ,,,

 

「まずはきてくれてありがとう,と言っておくわ」

 

「なぁ,早くしてくれねぇか?いくらオフだからとはいえあんまりこんなところで時間食いたくねぇんだよ」

 

おいおいおい,なんで勉強する前提にないんだ?

これには俺だけじゃなく,櫛田もびっくりしているようだ。

こりゃあ綾小路の入れ知恵か?

違うな。少し驚いているように見える。

口角や眉に変化はなくても少し視線がブレたのがいい証拠だ。

 

「単刀直入にいうわ。もう一度私のやる勉強会に参加してほしい」 

 

「話になんねぇ。俺は帰るぜ」「俺も〜」「俺もパスだな」

 

「待ってちょうだい。話だけでも聞いてくれないかしら?」

 

「なんでテメェの話聞いてやんなきゃいけねぇんだよ?俺はテメェに前言われたことをそもそも許した覚えはねぇぞ」

 

「えぇだからまず謝らせてほしいの。いくら私がわかっていなかったとはいえ,あなたの夢や努力も全て否定するようなことを言ってしまったこと。当然だけど,それが簡単なことでないことくらいは貴方の方がやっているのだからよくわかっているはずだものね」

 

「お,おぉ。わかりゃあいいんだよ。でも,それでも勉強するかってのとは別問題だぜ!」

 

「えぇそうね。でも,このまま行ったら貴方たちは高確率で赤点を取って退学になるわ。それでもいいの?貴方が好きなバスケをすることができなくなってしまうのよ?」

 

すると山内がここで余計な茶々を入れてくる

 

「つってもテストって普通に教科書とかの範囲から出るわけだし,なんなら赤点さえ取らなきゃいいんだろ?そんなの一夜漬けで余裕だろ?まぁ,少なくとも俺のような天才が本気出せば余裕だな」

 

はァァァァァァ。こいつマジでいっぺん殴ろうかな

まぁ,いいや。池はこれに流されてるだろうし,説得面倒臭くなったなぁ〜。まぁせっかくだし助けてやるだけ助けてやるか。

 

「堀北,よく須藤を止まらせたね。選手交代だ」

 

「海くん。でも,貴方にお願いするわけには」

 

「いいっていいって,勝手に俺がやるだけだし。なぁ須藤,別にいいだろ?ちょっと話だけでも聞いてくれよ。山内や池もそんな邪険にせずにさ」

 

「ま,まぁ別に聞いてやってもいいけどよ」

 

「よし,じゃあまず須藤にだ。俺スポーツ見るのもやるのも好きでそこそこバスケも見るんだけどさ,バスケってよく不当なファールとかあるって思わない?NBAとかさ」

 

「あ、あぁあるぜ!学生になるともっと顕著になるんだよ!」

 

「でもそれで退場になっちゃうやつもいれば,うまく交わす奴もいるよな?それに,普通に挑発されて手を出しちゃう奴もたまにニュースとかで見ない?スポーツニュースでもいいんだけどさ」

 

「あぁ,そうだな。そんなことする奴なんて馬鹿だと思うぜ」

 

「そういう奴ってのは昔っからプロじゃ成功しない奴が多いし,それに問題起こしてばっかりのやつをプロのスカウトは果たしてほしいと思うか?それに,高校を中退したらバスケの大会であるインターハイもウインターカップも出られない。そんな状態でプロを目指すのは苦しいんじゃない?」

 

「そ,それもそうだけどよ」

 

「それに,言い方は悪いけど怪我がないとも限らない。将来的に学歴があって困ることはないと思うよ?」

 

「な,なるほどな。あぁ、クソ!わかったよやってやるぜ!

その代わり,お前も俺たちと最後まできっちり付き合ってもらうからな!」

 

「もちろん。そのつもりだけど,,,」

 

「だけどなんだよ?」

 

「まぁ,だいぶきついと思うから覚悟しときなよ?主任はあくまで堀北さん。俺はあくまでサポートだ」

 

その後,渋る2人の交渉には綾小路が機転を効かせて櫛田とのデートを条件にやる気を出させた。まぁ,いい作戦だな。俺も帆波がデートしてくれるならどんなテストでも満点取ってドヤる自信あるし。

 

そして,勉強開始前に堀北はある条件を出す

それはいくつかの箇条書きで示された紙で,これを確認しろというものだった。紙にさせたのは俺の案で,可視化させることが1番重要なのだと言ったら案外あっさり受容してくれた。ありがたい。話を戻すと,

 

1,授業には必ず遅刻・欠席・早退なく出席した上で,私語を慎むこと。

 

2,ノートの書き取りよりも先生の言葉や授業に耳を傾け,しっかりと情報を得ること。

 

3,わからないところは可及的速やかに俺,堀北,櫛田に聞きに行くこと。尚,櫛田は俺,堀北の2人がその場にいなかった場合に限定する。(じゃ無いと池と山内は必ずこっち行きたがるから)

 

このようにして,ノートに関しては俺と堀北がとるつもりだったのだが,堀北に俺が一人でとって,やり方を統一した方がいいと言ったところノートを見せろというので見せたら却下になった。どうやら俺が自分で必要な情報の載せたノートは味気なかったらしい。

 

そうこうして勉強会が始まった。

 

 

 

試験一週間前

 

今日で試験のちょっと一週間前。

ただ,これに少し気掛かりがある。

帆波と情報交換したり,Bの子たちと仲良くちょこっと遊んだり,過去問を写し書きにしてやってる感出してしいたら気づくことなのだが,テスト範囲が違うのだ。

おそらく説明があると思っていたが,もしかして俺のミスか?

何か思い違いをしているのだろうか?

流石に少し不安になってきた。

そして一週間前のこの日,この辺りが試験範囲変更を伝えるボーダーラインなのにそれが伝わっていないという事実に少し驚きを隠せていない。

 

そんな不安を抱えながらも,まぁテストなんて普通に解けば満点とるなんて造作もないしぶっちゃけさほど俺自身は問題ない。問題は,他の奴らだ。もしも俺が的外れな問題でも作ってクラスからエスケープされるのは避けたい。

しかし,これだけ精力的にやり始めている須藤たちにここで釘を刺すのも悪い。ということでどうしたもんかと思っていると

 

「えぇ,問題です。帰納法を考えた大航海時代の人物は?」

 

「えぇっとなんだっけなぁ〜?」

 

うーん。わからんか?これ。それにしても考えるようになっただけましと見るべきだな。

 

「確か,なんか食いもんの名前,,,,」

 

頑張れ須藤,もうちょい

 

「確か,そうだ!ベーコン!フランシスコ・ベーコンだ。」

 

「クッソ!でもやるじゃねぇか春樹!」

 

「まぁ,俺にかかればこんなもんだぜ」

 

いや,うるさいと思うんだけど,,,,,

 

 

「おい、うるせぇな。ちょっとは静かにしろっての」

 

 ほら、言わんこっちゃない……

 隣で勉強していた生徒の一人が顔を上げて須藤たちを見ていた。

 

「悪いな。問題が解けて嬉しくってさ。帰納法を考えた人物はフランシス・ベーコンだぜ? 覚えておいて損はないだろうな」

 

 池は笑いながら、そう言った。

 

「は? あー……お前ら、Dクラスの生徒か?」

 

 隣の男子達が一斉に顔を上げ、俺たちを見回した。

 

「な、なんだよ。俺たちがDクラスって何か関係があるのかよ!」

「いやいや、別に? 俺はCクラスの山脇だ、よろしくなー」

 

 ニヤニヤと笑いながら俺たちを見回す山脇。

 

「ただ、この学校が実力でクラス分けしてくれて良かったぜ。お前らみたいな底辺と一緒に勉強なんざたまったもんじゃねぇ」

「てめぇ……!」

「須藤」

 

 須藤が立ちあがり、山脇に詰め寄ろうとするのを俺は言葉で制した。

 怒りをあらわにしている須藤だが、俺が前に言ったすぐに手を出す性格を治そうと拳を固く握りしめるだけにとどめていた。

 

「今度のテスト、赤点取ったら退学なんだろ? お前たちのクラスから何人退学者が出るかなぁ?」

「残念だけど、Dクラスから退学者は出ないわ。私たちの心配じゃなくて自分たちの心配をしたらどうなのかしら?」

「俺たちの心配? 何で心配しなきゃならねぇんだよ」

「そうだぜ? 俺たちはより良い点数を取るために勉強してるんだよ。お前たちみたいな赤点を回避する勉強なんてしてねぇのさ。それに、フランシス・ベーコンとか言ったか? テスト範囲外のとこ勉強して本当に赤点回避できるのかねぇ」

「え?」

「もしかしてテスト範囲もろくに分かってなかったのか? これだから不良品は……」

「こいつ……!」

 

 須藤が立ちあがるよりも先に、俺は席を立ち、山脇に詰め寄った。

 そして……

 

「両者そこまで!流石にこれ以上は口出させてもらうよ」

 

おぉ,いるのは把握してたけどまさかここで来るとは。

さすがと言いたいけどもさ,でもね?

 

「帆波,危ないからそういうことはやめなさい」コツン

 

「あぅ,ひ、ひどいよフウくん!私結構カッコつけて出てきたんだよ?」

 

まぁ,可愛いからよしとしよう。

うん,俺帆波に甘すぎ。

 

「なぁ,お前らCクラスなんだろ?今日こんなしょうもない騒ぎ起こしたのがクラスにバレたり,まして問題行動扱いになるのはやばいんじゃないの?それと,,,」

 

「チッ,,⁉︎ な,なんだよ!」

 

ありったけの気持ちを込めて言葉に魂を乗せて放ちます!

 

「帆波に手出さない方がいい。その瞬間お前をアリとあらゆる手立てで持って退学させる。やってみるか?人生もろともぶっ潰してやるぞ?」ギロリ

 

「ひ、ヒィ!わ,わ、悪かった。まぁ,せいぜい頑張れよ?なぁ?」

 

「まぁいいや,失せろ」

 

こうして,図書館の問題は解決した。

その後,先程の会話から帆波に詳細を訪ねて,テスト変更を知らされた堀北達が急いで先生の元へ向かったのだが,,,,

 

「フウ君はいかないの?」

 

「いやだって,あんだけ頑なに教えない先生が反省やらするわけないし,確認取るのにみんな行くなんてナンセンスでしょ。」

 

この辺はやる気ないし基本ドライだ。

まぁ,須藤の面倒くらいはみてやるが,それも今回のテストまでだ。ぶっちゃけこれすら面倒臭いがやると言った手前,まぁ、やるだけやるしかない。

 

「それにしても,,,」

 

何やらうっとりしている帆波。なんかあったのだろうか?

 

「どした?」

 

「な,なんでもないよ!本当に!」

(フウ君がカッコよくて思い出してうっとりしてましたなんて言えないよー!!)

 

平常運転なのだが,少し注意されてしまった。

結局戻ってきた彼らは憔悴しているようで,とてもここから勉強に手がつきそうにないからこの日は解散した。

 

 

 

翌日

 

「みんな聞いてほしい〜〜」

 

 

ここから,昨日共有した情報が平田から回る。

まぁ,みんないろんな情報網(主に山内のバカが口止めしたのにバラしやがった)から既に知ってはいたのだが

 

「めんどくせぇなぁ。」

(まぁ,過去問あるから余裕だけどもね)

 

 

そこで,俺は綾小路を呼び出した。

 

 

「なんだ?海堂が俺に話なんて珍しいな」

 

まぁ,珍しいわな。

 

「これ過去問。お前に渡す。お前のことだからどうせ櫛田あたりを隠れ蓑にうまくやるだろ?適当なタイミングでクラスに公開してくれ。一応その前に下拵えとして過去問を元に問題は作ったからこれを平田に渡しとく。明日あたりにな。」

 

「待て待て,いきなりなんだ?なぜ過去問なんだ?というか、それならお前が公開すればいいだろう?」

 

ごもっとも。でもね,ここで櫛田あたりのポイントと君からの評価は稼いでおくと後々便利な気がするの!

 

「まぁ,基本的に櫛田とかが言った方がみんな信じるだろ?それが1番の理由だな。次になんだがまず持って俺がお前にそれを渡した理由としては間違ってお前が過去問に辿り着いたりした時に無駄足にならないようにだ。堀北よりも最低限交友関係がありかつ,俺のように他の生徒から妬みなどもかってないお前が適任だ。これを友達としてお前に頼みたい。頼めるか?」

 

その言葉に綾小路の顔に少しの驚きと喜びが見える。

 

「あぁ、わかった。友達の頼みなら断れないな」

 

こうして過去問を無事に渡した俺は,そのままテストまで須藤の勉強の手伝いをしようと思ったら,想定外の行動に出た。

 

「俺はこれからテストまで部活動を休んで勉強する。」

 

(おいおいマジか。まさかここまでとはな,,)

「須藤,いいんだな?スポーツで一週間のラグが致命的なのはわかるよな?」

 

「はっ!退学したら元も子もねぇんだ。こうなりゃやってやるぜ」

その言葉の頼もしさに少しの嬉しさと彼自身の高校生らしい成長を感じた。

 

「いいね,よく言った。その心意気や良し!俺も最後まで手伝ったやる。」

 

「ありがとよ!で,でもよ,お前はいいのか?自分の勉強しないで」

なーに心配してんだこいつ?

「馬鹿かお前?お前に教えたら俺の勉強になるし,そもそも高校一年レベルで躓くことなんてないしあまつさえ赤点なんか死んでも取ったりしねぇよ。お前,俺の小テストの点しってんだろ?心配すんな。自分のことだけ考えろ」

 

「畜生!やってやるぜ」

こうして,須藤にはここから地獄のように詰め作業をさせた。

 

 

(あとは過去問だけだな。)

 

 

こうして,俺たちの時間はあっという間に過ぎていき,中間テストは前日にまで迫っていた。

 

 

 




やっぱり帆波ちゃんが危ないと思ったら駆けつけずにはいられないオリ主くん。今後も帆波ちゃんのピンチは意図的に作り,オリ主がガンガンぶっ潰していきます。

木田くんにヒロインはつける?つけるなら誰!

  • 堀北鈴音
  • 椎名ひより
  • 伊吹澪
  • 坂柳有栖
  • 神室真澄
  • そもそもいらないしそんなに出さなくていい
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