帝都上空
ドガガガガガガーー!! ドガガガガガガーー!!
米護衛機 「なんなんだ!この零戦は!昨日まで難なく落とすことができたのにっ!」
スッ…
岩本徹三 「もらったぞ。」
カチィ…
米護衛機 「!?しまった!!」
ドガガガガガガーー!!
ボガァン!!
次々と米軍機が零戦七八型に落とされていく。まるで大戦初期の頃のように。
B-29乗員 「くっ、だがB-29の防御能力を舐めるな!敵機を撃ち落とせ!!」
零戦は防御が非常に弱いことで有名である。零戦の改良型も殆どが防御能力を捨て、その後登場した米軍のグラマンF6FやF4U、P-51などに苦戦を強いられていた。
しかし、この固定概念が米軍にとって大きな勘違いだった。
ダダダダダダダーー!!
カチィン!! カチィン!!
B-29乗員 「なっ、弾かれた!だと…。」
赤松貞明 「今まで通りとはいかないぞ!!」
ドガガガガガガーー!!
ボォワァーー!!
乗員達 「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
護衛機隊長 「畜生!!また落とされた!なんなんだあの零戦!まさか、奴らの”新兵器”か…!」
スッ…
護衛機隊長 「!?」
西澤博義 「落ちろ。」
カチィ…
護衛機隊長 「しまっ…」
ドガガガガガガーー!!
ボワァーー!!
このように、今までのように一方的だった戦いを優勢に持ち込むほど”七八型”は強力な戦闘機となった。七八型は、対戦闘機、対爆撃機戦闘を想定して作られたものだ。今までと全然違う戦いに米軍達は早くも苦戦した。
B-29乗員 「機長!このままでは爆撃前に編隊は壊滅します!」
米軍機長 「くっ、止む終えないな…。作戦を中止し、この空域から離脱する!」
乗員全員 「了解!」
坂井三郎 「…こちら坂井。敵の爆撃隊が撤退を開始した。」
岩本徹三 「了解。坂井隊は敵護衛機の足止めを頼む。俺たちは爆撃機を追うぞ。」
西澤博義 「分かりました。いきましょう!」
ブゥーーン!!
米護衛機1 「奴らが来たっ!何が何でも爆撃隊を死守しろ!!」
米護衛機2 「言われるまでもない!行くぞ!」
ドガガガ!! ドガガガ!!
ようやく護衛機のうち一機が七八型の後ろに回り込んだ。この好機を逃すわけにはいかない。
米護衛機3 「やった!よし、くらえ!」
しかし、相手が悪すぎたようだ。
赤松貞明 「この程度で倒せるとでも思ったか?」
クイッ… スゥ…
米護衛機3 「なっ、なんだ…?」
突然目の前に捉えたはずの七八型が姿を消した。
米護衛機3 「くそっ!どこにいった!!」
周りを見渡した途端、戦慄が走った。
米護衛機3 「おい、嘘…だろ…。」
なんと後方に七八型が回り込んでいたのだ。
これは日本海軍の秘術”左捻り込み”。左に捻るように旋回し敵の後方につく技。これを行えるのは日本海軍でもほんの一握りである。
赤松貞明 「甘いんだよ、ここは戦場だ。」
ドガガガガガガーー!!
ボォガァン!!
虚しく米護衛機は落ちていった。
B-29偵察員 「敵影なし。もう大丈夫でしょう。」
米軍機長 「そうか。ひとまず安心だな。」
B-29乗員 「それにしてもあの零戦は一体なんだったのでしょうか…。」
米軍機長 「そうだな…。新しい奴らの戦闘機だろう。それにしても恐ろしい性能だった。まるであの頃…、零戦に出会った頃と同じみたいだ…。」
B-29通信員 「機長!戦闘機隊が壊滅したようです!」
米軍機長 「なんだって!?それじゃあ今は…。」
B-29通信員 「…護衛機がいない状況です…。」
B-29乗員 「おい、これはかなり不味いんじゃないか…」
ブゥオォーーーーン!!
B-29機銃員 「不味いゼロだっ!!」
ダダダダダダ!! ダダダダダダ!!
ブゥーーン!!
B-29機銃員 「だめだっ!当たらない!!それになんて速さだ!」
岩本徹三 「見ろアメ公共…。これが、”零戦”だ。」
ドガガガガガガーー!!
ボワァーー!! ドガァン!!
米操縦士 「右翼損失!コントロール不能!!」
ヒューーーー!!
乗員たち 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!落ちるぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
米軍機長 「パラシュート待て!脱出できる人から順次脱出しろ!!」
乗員1 「了解!脱出します!!」
こうして帝都空襲は零戦七八型の活躍によって免れ、米軍は戦闘機37機、B-29は40機全てを失い、東京空襲は失敗に終わった。
厚木海軍飛行場
坂井三郎 「さすが七八型だな。被弾はしているが全く火が点かなかったぞ。」
整備兵 「自動消火装置を取り付けているらしいですよ。なので被弾したらセンサーが熱を感知して炭酸ガスを噴出して消火をするらしいですよ。」
西澤博義 「なんだって、それはすごいな。」
岩本徹三 「そういえばエンジンが変わったらしいな。五二型より力強く感じるぜ。」
整備兵 「そういえばエンジンは…確か最新型の大出力エンジン”旋風”を使用していると聞きました。馬力は最大で3500馬力出るそうですよ。」
赤松貞明 「おいおい、大馬力すぎるだろ…。」
坂井三郎 「いや、それぐらい馬力があるからB-29を迎撃できたんだろう?」
西澤博義 「それはそうだな。しかし、こんな大馬力なのに二一型と同じくらい旋回が良かったぞ。」
岩本徹三 「これは製造者に感謝だな。」
整備兵 「ははは、そうですね。」
このように恐ろしい性能を持つ零戦七八型。
しかし、七八型の性能はまだまだ序の口であり、米軍をさらなる恐怖のどん底に落とすことを今は誰も気づかなかった。
大本営 本部
参謀総長 「…我々は、”硫黄島”を奪還する!」
新たな戦いが幕をあける。
次回 西澤の思い
なんで西澤博義がいるの?その答えに次回答えます。by作者