蒼焔の機影 〜硫黄島奪還作戦〜   作:蒼海 輪斗

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硫黄島奪還作戦が進むなか、遂に米軍は”あの兵器”を投下する。


第六話 硫黄島奪還作戦 後編

アメリカ国防省

 

???   「これは大変なことになったな…」

 

???   「そうだな。まさかジャップの連中が新たな戦闘機を作ったなんてな。」

 

???   「それにとんでもなく高性能なんだぞ!我々の戦闘機が太刀打ちできないほどの!」

 

???   「まあ、落ち着け。そろそろマンハッタン計画で作った”兵器”が硫黄島に投下されるらしいぜ。」

 

???   「あ、あの兵器をか!?あれは不味いぞ…。」

 

???   「そうだな、非人道的な兵器だと言わざるおえないな。」

 

 

???   「投下日は6月20日だ…。」

 

 

 

6月19日

硫黄島 千歳飛行場

 

日本兵1   「ようやく飛行場を取り戻せたか。」

 

日本兵2   「まあ、よくやったんじゃないか。米軍どもはもう壊滅状態だと報告がはいってるぜ。」

 

日本兵3   「大本営の発表は信用できないな。」

 

坂井三郎   「まあ、それはそうだよな。」

 

日本兵達   「さっ、坂井さんっ!?」

 

坂井三郎   「頑張ってくれたみたいだな。陸軍さん。」

 

日本兵1   「いいえっ!そんなことありません!坂井さんたち海軍航空隊の援護があったから我々は戦えただけです!」

 

日本兵2   「そのとおりです!海軍の皆さんのおかげです!」

 

西澤広義   「いや、陸軍の皆さんが米軍と戦ってくれたから、この硫黄島を取り戻すことができたんです。」

 

岩本徹三   「西澤の言う通りだ。お前たちも頑張ったよ。」

 

この頃から、陸海軍の仲は良くなっていった。

 

赤松貞明   「おーい、坂井〜!西澤〜!岩本〜!」

 

岩本徹三   「赤松?どうした。」

 

赤松貞明   「さっき米兵の捕虜と話していたら、20日に硫黄島に新型爆弾を投下するらしいぞ!」

 

坂井三郎   「新型爆弾?なんだその爆弾は。」

 

赤松貞明   「詳しいことはわからんが、とんでもない威力を持っているらしい。…それもこの島が吹き飛ぶくらいのな…。」

 

岩本徹三   「なんだと!それは大事じゃないか!!」

 

陸軍兵    「本当ですよ!どうすればいいんですか!?」

 

西澤広義   「大本営に報告してもすぐには信じないだろう…。迎撃するにも戦力の数が足りない…。どうすれば。」

 

皆が頭を抱えていると、坂井が口を開いた。

 

坂井三郎   「一つだけ、手があるぞ。」

 

岩本徹三   「本当か!?」

 

坂井三郎   「ああ、本当だ。だが、かなり危険が伴う。」

 

西澤広義   「…危険が伴っても仕方ありません。ここで無視をしたらいずれこの島だけでなく、本土まで新型爆弾の脅威にさらされることになります。」

 

赤松貞明   「そうだな。ここは腹をくくるしかないか。」

 

すると、そこへ新たな人物が加わった。

 

???    「なんだか、面白そうなことしようとしてんじゃねえか。」

 

岩本徹三   「!?お前は…菅野直!」

 

菅野直    「俺抜きで爆撃機の迎撃をするつもりか?この剣部隊長、菅野直が手を貸してやってもいいぜ。」

 

菅野の申し出に、坂井は答えた。

 

坂井三郎   「そうだな。人手は多いほうがいい。」

 

菅野直    「やったぜ。」

 

岩本徹三   「おい、いいのか?」

 

赤松貞明   「しょうがねぇよ。今はとにかく人手が足りねんだ。大本営が動かない以上、俺たちがやるしかねぇ。」

 

西澤広義   「そのとおりです。」

 

岩本徹三   「…分かったよ。」

 

こうして、新型爆弾を搭載したB-29を迎撃する作戦が開始された。

この作戦は坂井たちの独断で行われることになった。

 

西澤広義   「私はそれなりの罰は受ける覚悟です。」

 

岩本徹三   「ああ、俺もだ。」

 

赤松貞明   「もちろん俺もだ。」

 

坂井三郎   「これは俺たちの独断だ。皆、頼んだぞ。」

 

するとそこへ、一人の人物が近づいてきた。

 

???    「グーテンターク。何をするつもりだ、サカイ、ニシザワ、アカマツ、イワモト、そしてカンノ。」

 

岩本徹三   「!?おまえは!」

 

坂井三郎   「ハンス=ウルリッヒ…」

 

西澤広義   「ルーデル…。」

 

ルーデル   「そのとおりだ。一ついいか?新しい”航空機”についてなんだが…」

 

赤松貞明   「ドイツにも七八型は送ったはずだぞ。」

 

岩本徹三   「もっと欲しいのか?」

 

ルーデル   「いや、違うんだ。まずこっちに来てくれ。」

 

ルーデルは坂井たちに手招きし、とある場所へ案内した。

 

西澤広義   「ここは…」

 

岩本徹三   「飛行場の裏じゃないか。ここに来てどうしたんだ?」

 

ルーデル   「”これ”を見てくれ。」

 

坂井三郎   「これは…!」

 

赤松貞明   「これまたすごい”戦闘機”だなあ。」

 

ルーデル   「迎撃の際はこの戦闘機に乗ってくれ。…きっと役に立つ。」

 

坂井三郎   「…分かった。俺が乗る。」

 

こうして坂井はルーデルからある”戦闘機”を譲り受けた。そして作戦は始まった。

 

 

 

 

 

 

硫黄島沖

 

エノラ・ゲイ原爆搭載機は硫黄島上空に向かっていた。

 

機長     「ジャップの航空戦力はどうなってるんだ?」

 

乗員1    「撃滅することはできませんでしたが、今硫黄島には稼働できる敵機はいないはずです。」

 

乗員2    「そうですよ。それにやつらはまともなレーダーを持ってません。我々を発見するのには時間がかかるはずです。」

 

日本軍は一昨日に爆撃を受けており、多数の戦闘機が破壊されていた。

 

機長     「そうだな。あれだけ叩いておけば大丈夫だろう。」

 

機長が安心した瞬間、

 

偵察員    「機長!レーダーに反応があります。日本機です!」

 

機長     「!?なんだと!」

 

機銃員    「敵機の数は!」

 

偵察員    「二機です!」

 

しばらくすると、二機の日本軍機が姿を現した。海軍の迎撃戦闘機”紫電改”だった。

 

機長     「クソっ、弾幕を張れ!」

 

ダダダダダダダダダダダ!!

 

B-29の12.7cm機銃が火を吹く。

 

 

 

 

すると、あろうことか紫電改は被弾した途端、力を失ったのか急速に落下していった。

 

機銃員    「やったぞ!撃墜だ!」

 

機長     「機の被害状況は?」

 

整備員    「右フラップと右エンジンに被弾あり。損害軽微です。」

 

機長     「よし、このまま硫黄島上空に着いたらどこでもいい。爆弾を投下しろ。」

 

爆撃手    「了解しました。」

 

まるで何事もなかったようにB-29は硫黄島に向けて、飛行を続けていった。

 

 

 

 

 

硫黄島12km地点

 

ビューーーーーーーーーーーーーー!!

 

ジェットエンジンの音が鳴り響く。

 

坂井三郎   「おお、これはすごい加速力だ!」

 

岩本徹三   「そうだな。まさかルーデルのやつこんなにすごい戦闘機を俺たちに渡したとはな…。」

 

坂井三郎   「名前は”コメート”って言うらしい。まあ、俺たちからしたら”秋水”って言うらしい。」

 

岩本徹三   「へえ、いい名前じゃないか。」

 

坂井三郎   「そうだな。よし、報告によると敵機は一機だけらしい。いくぞ!」

 

岩本徹三   「はっ!言われるまでもないな。」

 

 

 

 

 

エノラ・ゲイ原爆搭載機は今まさに硫黄島上空に到達しようとしていた。

 

爆撃手    「もう少しで、投下します。」

 

機長     「これは成功したも当然だな。」

 

そう機長が呟いた時、

 

偵察員    「てっ、敵機です!!」

 

機長     「なんだとっ!!?」

 

米兵たちが見たもの。それは…

 

 

 

 

 

高速で接近してきた二機の”秋水”の姿だった…

 

 

機銃員    「なんてこった…。あれはナチスのコメートじゃないか…。」

 

そして秋水は攻撃を開始した。

 

ドガガガガガガ!!

 

ヒューーーーーー!!

 

操縦士    「左エンジン被弾!!出力低下しています!!」

 

機長     「なんだって!!」

 

秋水の攻撃はまだ続く。

 

岩本徹三   「次で落としてやる!」

 

そして秋水はB-29の上空から襲いかかった。

 

岩本徹三   「喰らえっ!!腹に抱えた爆弾ごと俺のスコアとなれ!!」

 

ドガガガガガガ!!

 

バァーーーーン!!

 

操縦士    「左翼、胴体損失!!コントロール制御不能!!」

 

搭乗員たち  「うわああああああああああああああああああああああ!!もうだめだああああああああああああああああああ!!」

 

機長     「落ち着け!!急いで脱出しろっ!!」

 

搭乗員    「分かりました!脱出します!!」

 

 

 

 

 

 

こうしてエノラ・ゲイ原爆搭載機は爆弾ごと海に沈み、岩本の歴史に残るスコアとなった。

 

米軍による硫黄島原爆投下作戦は失敗し、三日後には日本軍は完全に硫黄島を奪還したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次回   蒼焔の機影

 




次回が硫黄島奪還作戦編、最終回です。
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