裏切りのラスボス少女〜主人公君を裏切って憎しみに満ちた目で見られたい〜 作:あへんちんき
というか多分する。
「先生、すみません!ちょっとトイレ!!」
「主矢、またお前か………。トイレくらい休み時間に済ませろよ?ったく………。」
主人公君は、最近悪魔討伐で授業を途中で抜けることが多い。
その度に毎回「先生トイレ!」と思わず先生はトイレではありませんと返したくなるような言葉を吐きながら教室を抜け出している。
まあ、最近主人公君の片腕も完全回復したことだし、悪魔が活動してても問題なく対処できるようになってるんだけど、そのせいで最近は先生からの主人公君に対する好感度は下がってきているし、割と成績も怪しくなってきている。
そんな主人公君を見かねて、最近は私が主人公君の勉強を見たり、先生に取り入って主人公君の印象を良くするように印象操作をしたりなどしている。
定期考査もほとんどの教科で満点を取っているし、先生にも愛想よく振る舞ってるから、私に対する先生の好感度はかなり高いのだ。
ま、こう見えても私は前世から頭が良かったからね。特に小学生の頃は勉強漬けの生活を送っていたわけだし。
中学校以降は勉強する理由がなくなったんだよね。色々あって施設暮らしになってたし。
まあ、勉強以外にすることもなかったし、基本勉強してたけど、でも小学生の頃ほどじゃなかったかな。その頃に親友って呼べるくらいに仲良い友達が1人できたっていうのもあったからさ。
さて、そろそろ学校も終わりそうだね。結局主人公君は今日も早退扱いになりそうだ。
『世界を救済しようとするもの』はこれだけたくさん働いてるのに、『世界に破滅をもたらすもの』である私が一切動かないのはいかがなものか。
でも正直一切動かない方が都合がいいんだよね。
悪魔討伐は全部主人公君がやってくれるし、別に悪魔が勝っても『世界に破滅をもたらすもの』は困らないわけだし、このシステムは結構欠陥なんじゃない?って思うことはある。いくらなんでも人間側がキツすぎる。
いや、
「ミナちゃん、今あいてる?」
ん、どうやらお呼び出しをくらったようだ。
「うん。大丈夫。」
私の事を呼び出した彼女の名前は
命ちゃんは最近仲良くなった子で、正直真事ちゃんよりも学級委員長っぽいんだけど、副学級委員なんだよね。
部活動にも入ってないみたいだし、見かけによらず意外とそこまで積極的に学生生活を送っているタイプじゃないのかも。
「ちょっとついてきて。」
命ちゃんはそう言って私を誘導する。
進む度に段々と人気が少なくなってきてるなぁなんてボヤッとしながら考えていると、いつの間にか校舎裏に着いていた。
告白でもされるのかな?
「ごめんね。」
ドスっ。
鈍痛と共に重苦しい音が鳴る。
痛みはお腹からきていて、音も同様にお腹からだ。
腹ぱん?
あ、やばい………い、しきが………。
^_^
『今夜23:30に、湯越高校跡地に来なければ、浦霧ミナの命はない。』
「お前の要求は何だ?」
『それは湯越高校跡地で話そう。分かっていると思うが、この事を警察に言えば……分かるな?』
「ミナは、ミナは無事なんだよな!?………クソっ、切りやがった…!」
「………待ってろミナ。今助けに行くからな。」
^_^
んー。目が覚めたら手が柱に縛り付けられてて動けませんねぇ。
見た感じ、ここは廃校舎っぽいね。
それにしても、裏切りが大好物な私が、まさか裏切りに合うなんてね。
そんなに深い関係じゃないし、友達になったのも最近だったからそんなに裏切られたって感じはないといえばないけど。
というか、上位悪魔に乗っ取られかけたり、誘拐されたりと、主人公の協力者ってよりかはヒロインっぽくなってるね。まあ、主人公君の好感度を稼げればなんでも良いんだけどさ。
で、私の目の前では赤いレインコートをきた厳つそうな男が電話をしている。前に私のことを助けてくれた天使さんだね。電話の相手は多分主人公君かな。私を人質にして
「すまないな。手荒な真似をして。」
ふむ。どうやら主人公君との電話は終わったらしい。
というか、案外物腰が低くて驚いた。もしかして、この感じは敵ってわけではない?
「あの、どうしてこんな事を?」
「オリジナル…………主矢聖の力を借りたい。ただそれだけだ。」
ほう。しかし、主人公君の力を借りたいだけならこんな事をする必要はないはず。
何か別に目的はありそうだけど、下手に探るのもよくなさそう。ま、要警戒ってところかな。
でも、ここで会話を切ってしまうのは勿体無いし、もう少し話しかけていこうか。
「貴方は、何者ですか?」
「それは私から説明させてもらうわ。」
物陰から、命ちゃんが現れる。
「その前に…………。」
命ちゃんは私の背後にまわって、
あちゃー。
バレちゃってたか。
「このナイフは没収しておくわ。」
あのナイフ、実は護身用にって救ちゃんが力の一部を宿して私にくれたナイフなんだよね。この前の戦いで、ミナちゃんは無理をする子だー!っていう風に思われちゃったみたいでね。せめてこれぐらいは持っておけとのこと。
前に私が代わりに戦った時、命ちゃんが赤いレインコートを着た天使さんを私を助けに向かわせてたのにも関わらず武器を扱えていたのも多分こんな感じで力の一部を託されていたのかね。
だから救ちゃんが剣になった時と同じように光り輝いてる。しかも、私が使おうって考えた時にしか現れないから、隠し武器としても使えるのだ!あらやだ便利。
せっかくあれで私の手を縛ってる紐を切ろうと思ったのに、何故だか気づかれちゃったみたい。なんでや?
「変な気は起こさないでね。もうすぐで主矢君もここにやってくるから。」
まあ、ここは待ちでいいでしょう。警戒はされてるけど、殺意は感じないし、多分特に何もされることはないだろう。
トイレや食事も『耐性』の能力である程度我慢できるし、腕を縛られている痛みも『耐性』の能力でなんとかなる。
『耐性』便利すぎない……?
というか、この能力があると普通に防御力も上がってるわけだから、私が意図的に自分の身体能力を下げてない限りは、よっぽどのことがない限り傷を負うことがないんだよね。
もしこの能力を持った悪魔が誕生してたら、間違いなく勝てなかっただろう。よかった。食べておいて。
「私達が何者か、だったわね。まあ簡単に言えば、主矢君と同じよ。ただ、私達は本来のそれではない、とだけ言っておくわ。」
二人目の『世界を救済しようとするもの』の登場か。
うーん。
これ、13人『世界を救済しようとするもの』が出てきて最後の一人になるまで生き残りをかけて戦う展開とかなってくれませんかね?
最後の一人を私が狩るってことで。もしそうなったらもちろん最後の一人は主人公君こと主矢君ってことで。
はぁ……………。
流石に複数人相手はきつすぎるんよ〜。
助けて神様仏様〜!!!
エタエタの実を食べたのでエタるとおもいま