裏切りのラスボス少女〜主人公君を裏切って憎しみに満ちた目で見られたい〜   作:あへんちんき

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じゅうにわめ

とりあえず事件は一件落着、ってことでいいのかな?あれ以降命ちゃんは私に対してよそよそしくなってしまったし、主人公君も命ちゃんとはあまり顔を合わせなくなってしまった。うーん2人が協力しないのはこっちもやりやすくて助かるんだけど、同じクラスなんだしもうちょっとこう……なんかなぁ……。

 

 

 

いやね、私としては2人の仲なんてどうでもいいんだけどさ、主人公君を不快な気持ちにさせるのは私なんだよね。私が最後に裏切って、初めて主人公君は人に対して憎悪を抱く。そうあって欲しいんだよ。間違ってもただのクラスメイトに対して悪感情を持って欲しいわけじゃない。主人公君が悪感情を向けるべきなのは私だけなんだよ。だから…。

 

 

 

「ねぇ命ちゃん、ちょっといい?」

 

 

 

私の快適な裏切りライフのために、2人には仲良くなってもらわないとね。

 

 

 

^_^

 

 

 

「ミナ、いきなり呼び出して何……を……。お前は……。」

 

 

 

「ミナちゃん、どういうつもり?主矢君と私の話は、この前終わったはずなんだけれど…。」

 

 

 

2人とも困惑してるね。でも良いんじゃない?ライバルキャラって最初は険悪じゃん?一緒に戦っていくうちに、仲が深まり絆が生まれるんだよ。だからこれはそのための第一段階。

 

 

 

「私は、聖君と命ちゃんには仲良くして欲しいって思ってるの。」

 

 

 

だって、主人公君から向けられる悪感情が、少しでも他の奴に向いていたら、きっと私は満足できないだろうから。

 

 

 

「何言って……大体、こいつはミナのこと…。」

 

 

 

「命ちゃんは、少し焦ってただけなんだと思う。前に、救ちゃんが私のこと、“世界に破滅をもたらすもの”だと思ってたって言ってくれたこと、あったよね?後で聞いたんだ。やっぱり、救ちゃんも、世界を救うために焦ってたんだって。命ちゃんだって、同じだったんだよ。それにね…。」

 

 

 

命ちゃんだって、所詮はただの小娘に過ぎない。どの口が言っとるんじゃって話だが、はっきり言おう。彼女の精神は、ただの普通のJKと何ら変わりはない。私?私は歪みに歪みまくってるからなぁ。ま、とにかく、命ちゃんは自分を無理矢理言い聞かせて、英雄であろうとしているに過ぎない。本当は、ただただ友達と遊んだり、ふざけ合ったりしたいだけのごく普通の女子高校生なんだ。だから、情に訴えかければ、簡単に落とせる。

 

 

 

「聖君も命ちゃんも、私の大事な………友達だから。2人が歪み合ってる姿なんて、見たくない。」

 

 

 

「……。でも…。」

 

 

 

『わかりました。確かに、私達は目標は同じなんです。いつまでも敵対する必要はないとおもいます。』

 

 

 

「救、でも、こいつらはミナのことを…。」

 

 

 

『そのミナちゃんが良いって言ってるんです。だったらもう、対立する理由もないでしょう。それに、浦霧ミナが“世界に破滅をもたらすもの”ではないことは、これから私達が彼女らに証明すればいいだけです。』

 

 

 

「私は別に構わないわ……。やることは変わらない。“世界に破滅をもたらすもの”を殺して、神も殺す。もう二度と、誰もこんなことしなくていいように。」

 

 

 

「………分かった。ミナに免じて、お前らとは協力することにする。その神殺しってやつにも、協力してやってもいい。」

 

 

 

まだそう簡単に割り切れてはいないか。ま、一緒に戦っていればそのうち絆なり何なり生まれてくるでしょう。人間ってそういうものだし、しかし、神殺しねぇ……。別に私は神に何の思い入れもないから、生きてても死んでても何とも思わないんだけど……。果たして勝てるんだろうか?だって、主人公君達に力を与えたのは神なわけだしねぇ。ま、どうでもいいか。やばそうなら神殺しをやめさせればいいだけだしね。

 

 

 

だって私にとっちゃ、他の世界の『世界を救済しようとするもの』や『世界に破滅をもたらすもの』がどうなろうと知ったことじゃない。勝手にやってろって話だからね。

 

 

 

「それじゃ、2人とも、仲直り、だね」

 

 

 

私は2人の手を取り、無理矢理2人の手を繋がせる。

 

 

 

「仲直りの握手、的な?」

 

 

 

「え、ああ………。」

 

 

 

「仲直り………ね……。」

 

 

 

2人とも困惑しているが、多少強引にでも距離を近づけないと、2人の仲は縮まらないだろう。ん?何これ恋のキューピッド役させられてんの?なーんかちょっと妬けるなぁ。メインヒロインは私だぞ!!救ちゃん?そういえばいたわ、メインヒロイン。私は負けヒロインポジだったようだ!ガビーン!

 

 

 

ま、ともかく、やっぱり肌を触れ合うことで、人間の仲っていうのは縮まったりするみたいだしね。無理矢理にでも2人を握手させたのは、そういう意図もある。それに、可愛い女の子に手を握られて、嫌な気はしないでしょう?だから聖君も多少は命ちゃんに対する悪感情は解消されているはずだ。

 

 

 

私の計画は順調である。多少のガバはあるかもしれないが、着実に裏切りのための伏線は貼り続けている、はずだ。多分ね。

その時が来るのが楽しみでしょうがない。

 

 

 

^_^

 

 

 

「使、先に謝っておくわ。ごめんなさい。」

 

 

 

『急にどうした?らしくもない。』

 

 

 

「私、やっぱり、ミナちゃんを殺すこと、出来なさそうなの……。前と同じ、ね。はぁ……駄目ね。『世界に破滅をもたらすもの』を今度こそ…討ち取ろうって、そう思ってたのに……。このままじゃ……前と同じ結果に……。」

 

 

 

『………そうか。だが、まだ浦霧ミナが“世界に破滅をもたらすもの”だと確定したわけじゃない。それに、今回の一件で、俺は浦霧ミナは“世界に破滅をもたらすもの”ではないんじゃないかと思っているしな。』

 

 

 

「どうしてそう思うの?」

 

 

 

『仮に浦霧ミナが“世界に破滅をもたらすもの”ならば、オリジナルと命を協力させる理由がない。“世界に破滅をもたらすもの”からすれば、“世界を救済しようとするもの”を2人同時に相手したくはないだろう。俺達を協力させて得られるメリットが、“世界に破滅をもたらすもの”にはない。それに、浦霧ミナが“世界に破滅をもたらすもの”ならば、命とオリジナルを対立させて戦わせた方がよっぽど合理的だ。』

 

 

 

^_^

 

 

 

さて、ミナちゃんが色々と動いてるっぽいし、そろそろ俺も動きますか。冷蔵庫にあったプリンを食べたこと、まだ根に持ってるみたいだし、許してもらうためにも、やっぱ多少は何かしらやっておかないとね。

 

 

 

「こんにちは、大悪魔チャ=ラーン=ポ=ラン2世。俺は堕天使リフィカル。少し話をしたいと思ってね。」

 

 

 

「堕天使が僕に何のようかな?」

 

 

 

胡散臭い見た目した男だなぁ。チャラ男って感じ。え?俺も大差ないって?これと一緒にはしないで欲しいね、ほんと。

 

 

 

「俺は『世界を救済しようとするもの』と『世界に破滅をもたらすもの』の正体を、どちらも知ってる。」

 

 

 

「ほー。それで?」

 

 

 

「上位悪魔の魂三つ分用意してくれれば、その情報を渡してやってもいい。」

 

 

 

ミナちゃんは今、『世界を救済しようとするもの』のそばにずっといるせいで、中々悪魔の魂を喰らう機会を作れていない。だからここで俺が、上位悪魔の魂を貰っておくことで、ミナちゃんが『世界を救済しようとするもの』にバレずに悪魔の魂を喰らう状況を作れるように整えておく。

 

 

 

「上位悪魔の魂三つ分かぁ……。確かに僕は上位悪魔の中でも高位の存在だし、それなりに手駒は揃ってる。でも、上位悪魔の魂ときたら話は別だ。僕にとっても貴重なんだよ、上位悪魔の魂ってのはさ。大体、何で堕天使が上位悪魔の魂なんか欲しがるのかな?」

 

 

 

「そんなこと言ってられる余裕、本当にあるのかな?」

 

 

 

「何?」

 

 

 

「今回の『世界を救済しようとするもの』の成長速度は異常だ。もう既に、上位悪魔ベリアルを退治してしまっている。さらに言えば、『世界に破滅をもたらすもの』の潜伏能力も異常なほど長けている。だって『世界に破滅をもたらすもの』は『世界を救済しようとするもの』のそばに常にいながらも、その正体を見破られていないんだからね。上位悪魔を破った『世界を救済しようとするもの』に、そんな奴ですら見抜けない『世界に破滅をもたらすもの』。正体を知るだけとは言え、上位悪魔の魂三つ分で知れるなら、安い買い物だと思うけどなぁ……。」

 

 

 

「……堕天使風情が……。まあいい。僕としても奴らの存在は知っておくに越したことはない。その取引、乗ってやる。」

 

 

 

「毎度あり。」

 

 

 

これで上位悪魔の魂三つ分ゲット。

これでミナちゃんもプリンの件、許してくれるかなぁ。

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