裏切りのラスボス少女〜主人公君を裏切って憎しみに満ちた目で見られたい〜   作:あへんちんき

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いちわめ

 

 

「はじめまして、浦霧ミナって言います。一年間、よろしくお願いします。」

 

 

 

そう自己紹介する彼女は、今日学校にやってきたばかりの転入生だ。

 

 

 

見惚れてしまいそうな整った容姿に、思わず目を逸らしてしまいそうになる。

それくらいに彼女の銀色の髪は綺麗だったし、人を惹きつけるだけの力があった。

 

 

 

容姿はとても整っているし、物凄く冷静そうだったもんだから、どこか近寄り難い感じがするな、ってそれくらいに思ってたんだが、その印象はすぐになくなることになる。

 

 

 

たまたま俺の隣の席が空いていたからか、彼女は俺の隣の席に座ることになった。

 

 

 

気軽に俺に話しかけてきた彼女は、浦霧さんとさん付けで呼ぶ俺に対して、ミナと呼んで、なんて一気に距離を縮めてきた。

 

 

 

…………容姿から少し遠い人のような気がしていたが、意外と親しみやすい子なのかもしれない。

 

 

 

『転入生……このタイミングでですか……。もしかしたら、”世界に破滅をもたらすもの“の可能性もありますね。警戒は怠らないでください。』

 

 

 

俺の脳内に、俺と一緒に悪魔と契約した人達を救済している天使の救がそう話しかけてくるが、流石にそれはないんじゃなかろうかと思う。

 

 

 

絶対にないとは言い切れないが、本当に『世界に破滅をもたらすもの』だったとして、学校に転入する意味などないと思う。

 

 

 

戸籍とか、身分証明書とか、色々用意するのは大変だろうし、そんなことをしている暇があったら潜伏して、世界を滅ぼすための下準備に徹したほうがいいからだ。

 

 

 

まあ、俺は『世界に破滅をもたらすもの』の考えなんてさっぱりわからないから、やっぱり彼女がそうでないと断言できる根拠などないんだが。

 

 

 

後、もし仮に『世界に破滅をもたらすもの』だったら、後ろで話しかけてくる少女の呼び声に気づかないなんてことはないとも思う。

 

 

 

先程から考えごとをしているからか、ミナは右隣にいる飯田さんが呼びかけているにも関わらず気づいていない。『世界に破滅をもたらすもの』なら、人の気配なんかにも気付けるんじゃないだろうか。

 

 

少なくとも、呼びかけられているのに気づかないなんてことはないだろう。

 

 

 

最近『世界に破滅をもたらすもの』探しに躍起になっているせいで疑心暗鬼になってきている天使(あいかた)に対して、ちょっとは肩の力を抜いてもいいんじゃないかと(おれ)は思った。

 

 

 

 

^_^

 

 

 

 

 

転生してすぐに現地の救世主こと主人公君を見かけたわけだが、私はこれをスルーした。というのも、下手に参戦して私の正体に気づかれても困るし、私が悪魔と契約したあの少女を撃破した場合、主人公君が戦う決意を出来ず、戦いを放棄する可能性もあったためだ。

 

 

 

そのため、しばらくは主人公君一人(厳密に言えば天使の少女と二人でだが)で頑張ってもらうとしよう。

 

 

 

だが、それまで主人公君と一切交流を図らないというのも、面白くない。なので、とりあえず主人公君が通う学校にでも転入して、彼との交流を図ることにした。

 

 

 

 

「はじめまして、浦霧ミナって言います。一年間、よろしくお願いします。」

 

 

 

 

言い忘れていたが、私は氷の結晶のように美しい銀色の髪に、深い赤色の落ち着いた瞳を持っている。自分で言うのもなんだが、絶世の美少女だと思う。

 

 

 

第一印象というのは大事だ。あまり第一印象が良すぎると、のちの好感度アップが難しいというのはあるが、どちらにせよ最初から好感度は高いに越したことはないだろう。容姿が整っているのは、私にとっては好都合かもしれない。

 

 

 

名前についてだが、これに関しても自分でつけた。『浦霧』はもちろん裏切りから。『ミナ』については前世における私の名前だったためだ。

 

 

戸籍などはどうしたかって?当然用意してあるに決まってる。仮にも私は『世界に破滅をもたらすもの』なんだから。多少の現実改変は可能だ。まあ現実改変能力の使用は管理が世界平和を維持するくらいに難しいから基本行わないんだけどね。

 

 

 

 

さてさて、主人公君の席は…………

 

 

 

 

 

 

 

………ふーん。窓際の端っこの席か。本当に主人公って感じだね。

 

 

 

 

 

「浦霧の席は……そうだな。主矢の隣が空いてるから、そこに座るといい。」

 

 

 

先生が指摘した通りに、主人公君の隣の席へ座る。

 

 

 

「よろしく、主矢君。」

 

 

 

「なんで俺の名前……いや、先生が言ってたからか。こちらこそよろしく、浦霧さん。」

 

 

 

「ミナでいいよ。」

 

 

 

「いきなり距離詰めてくるな…………まあいいけど。俺も聖って呼んでくれていいから。」

 

 

 

「あ、あの………」

 

 

 

ふむ。ファーストコンタクトは成功と見ていいだろう。天使の子は姿が見えないね。姿を隠しているのか。別に私みたいに転入生になったりとかいくらでもやりようは………ああ、そうか。私みたいに現実改変能力を持っているわけじゃないから、それは出来ないのか。お気の毒に。

 

 

 

「あ………あの………」

 

 

 

さて、これから主人公君とどう関わっていこうか。実はまだ決めていないんだよね。一緒に戦う仲間ポジは獲得したいんだけど、主人公君と同じような力をもって肩を並べながら戦うのか、それとも、主人公の事情を知っていて協力している一般人ポジとして動くか、どちらにしようか迷ってるんだよね。

 

 

 

「も、もしもーし……」

 

 

 

前者だと私が『世界に破滅をもたらすもの』であるとバレる可能性が高まってしまうっていうデメリットがあるけど、主人公からの信頼はかなり得られそうなんだよね。

 

 

 

 

後者の場合だとバレるリスクは相当低いが、信頼を勝ち取るのに苦労しそう。主人公君は天使と一緒に戦うわけだから、天使ちゃんに好感度全部持ってかれる可能性すらあるんだよね。正ヒロインの力は恐ろしい。

 

 

 

「浦霧さ……あーいや。ミナ、飯田さんが……浦…ミナから見て右隣の席の人が呼んでるけど。」

 

 

 

ん?

 

 

 

「あ、ごめんなさい。少し考えごとしてたみたい。」

 

 

 

「あ、ううん。大丈夫。慣れてるから…………。」

 

 

 

本当に気づかなかった。影薄いな。ていうか、この子転生初日に主人公君と戦闘してた子か。一応悪魔と契約してたけど、無事主人公君の手で助けることに成功したみたいだね。良かった良かった。初陣から失敗しちゃ主人公君のメンタルが大変なことになるからね。

 

 

主人公君には精神的にも肉体的にも健康でいてもらわなくちゃ困るからね。

 

 

 

私の最高のエクスタシーのために、ね。

 

 

 

 

 

 

「わたしも自己紹介して、いいかな?」

 

 

「うん。」

 

 

「わ、わたしは飯田 真事(いいだ まこと)。一応、クラスの学級委員長のはず、なんだけど……影が薄いからか、あんまり委員長って呼ばれることはないかな……」

 

 

 

「さっき自己紹介したけど、私は浦霧ミナ。気軽にミナって呼んでくれると、嬉しいかも。これからよろしくね。」

 

 

 

確か悪魔と契約した人間でも、天使によって契約した悪魔が浄化されれば悪魔と契約していた時の記憶はなくなるはずだから、委員長ちゃんは何も知らないんだよね。

 

まあこの子も巻き込んで主人公君と一緒に私の裏切りで情緒を破壊してやりたいって気持ちはなくもないけど、変なリスクを抱える必要はないし、普通の友人としての関係を築いていくとしようか。

 

 

飯田真事ちゃんに、主矢聖君、それに加えて、天使ちゃん。

 

3人とも、私が『世界に滅びをもたらすもの』と知ったらどんな反応をするんだろうね。

 

真事ちゃんは悲しんだり苦しんだりするのかな。聖君は、その憎悪をもってして私に最高のエクスタシーを与えてくれるのだろうか、天使ちゃんはまだ出会えてないけれど、彼女にも私の存在で心を乱されてほしいなって思う。

 

 

ふっふへひひひ…………。

 

私が『世界に破滅をもたらすもの』って知ったら、どんな反応するんだろうなぁ。

 

 

あぁ。楽しみだぁ。

 

 

 

 

 

 

ミナ「私はどう動くべきでしょうか?」

  • 主人公と肩を並べて戦う
  • 主人公の協力者(一般人を装う)
  • どっちでも
  • その他
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