「ただいまー」
瑠美が帰ってきた……これでこの事態も動くはず……!
「…………楽郎さん、あの人、誰ですか?」
確かに事態は動いた。良い方にとは一言も言ってないがな!クソが!
「え、あーあいつは瑠美って言って俺のいm……」
「あー!お兄ちゃん家に女の子連れ込んでるー!」
「違ぇわ!」
むしろ自分は家に来られた側だ。決して連れ込んだ訳では無い。……確かに自分が家に入れたが、断じて連れ込んだ訳では無い。
「へえ……妹さんなんですね」
不意に、すっと気迫が薄くなった。
「それでお兄ちゃん、この子誰なの?知り合い?」
「いや、あーそうだな、ゲームで知り合った……」
「私は楽郎さんの彼女です!!!」
割り込むように、どこか強調しながら紅音が叫んだ。いや待て、まだ俺は返事をしてないし何なら否定をしようとしていた最中なんだが!?
「へえ、お兄ちゃんって彼女いたんだ」
「いや違うからな!?」
そもそも初対面だし、何ならいきなり家にまで来られたというのに彼女である訳が……
「違うんですか?楽郎さん……」
「……っ」
泣かれると何か悪いことをしている気分になるんだが!?俺は何も悪いことをしていないはずだ、落ち着け、落ち着くんだ。ビークール、ビークール。
「お兄ちゃん、どうせもう彼女とかできないんだし受ければいいのにー」
「「それは一体どう言う意味だ/ですか」」
仮にも兄に向かってその発言はライン越えではないか妹よ……
「だってお兄ちゃんこんな服装してて好きになる人なんている訳無いじゃん!」
しかし、受けた方が良いというのはそうなのかもしれないのではないか?
「楽郎さんは頭が良くて優しくてカッコいいんです!好きになる人なんて沢山いますよ!」
会ったばかりだし受けてしまうのは怖いが………紅音相手に断ってしまうと言うのも、それはそれで何か嫌な予感がするのだ。
「もちろん、一番楽郎さんの事を愛しているのは私ですけどね!」
何よりも、ここまで一途──一途と言うにも愛が重すぎる気がするが──な子に好意を向けられていると言うのに、それに応えてあげないと言うのは、何かその……間違ってる気がするのだ。だから──
「そうですよね、楽郎さん!」
「紅音」
「はい!なんですか?」
「付き合ってくれないか?さっき断ったのに直ぐ心変わりしてるようで悪いとは思うけどさ……こんな俺でも、愛しているって言えるか?」
「はい!もちろんです!」
なんか切る位置悪い気がするけどここまでです。遂に付き合いましたね。四話…一般的な恋愛小説だったら早いのですが、紅音ちゃんが相手だと遅い気がしてしまいます。別に付き合ったからと言って終わりなんて事は無いので安心(?)してください