ベージュ色の制服のリコリス達   作:mai#急行八甲田

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名古屋支部リコリス棟 ② ……go on a rampage

 

登場人物経歴

内は現在進行中のストーリー内での年齢。

隣の数字は錦木千束との年齢差。

 

 

・柳  (17) +1

 ……やなぎ

 サードリコリス

 

4歳の頃にDAに引き取られて10歳でサードリコリスとなった。極度のミリタリーオタクで、好き勝手に活動するため昇格は見送られている。一人称は俺。

優れた嗅覚を持っており、対象者及び対象物の現時点での匂いを嗅ぐことで24時間前までの状況等を認識、想像することができる。(能力に関しての設定、理由、理論等は別の機会に解説。)

戦闘能力は高く並の能力のセカンドであれば複数人を相手に出来る。身長が高く体格も同年代の女子と比べて非常に良い。直接戦闘、中でも近接戦に優れる。

名古屋支部の食堂で唯一出てくる甘味の饅頭が好物。紅茶を淹れる趣味も持っている。

 

中部本部養成機関→東海支部 愛知地方支部名古屋地域支部→東海支部 直轄→中部本部・名古屋支部 直轄

 

 

 

・Lilja Kielo Siilasuvuo (17) +1

 ……リリヤ キエロ シーラスヴォ

 サードリコリス

 

両親、親戚共に分からず、なぜフィンランド語の名前が付いているのかも不明。3歳頃に民間の孤児院からDAに引き取られて9歳でサードリコリスになる。普段から無口で感情を表に出さない。一部項目に於いて基準を満たさない為セカンドへの昇格は見送られている。一人称は私。

同人活動をしており、男が出て来ない18禁同人誌を大量に保有している。 

俊敏性に関してはファーストに匹敵すると言われ、合気道や中国拳法に精通しており、小学校中学年程度の体型ながら戦闘力は高い。

記憶力が良く、映像記憶が可能である。又、薬品等の化学系に関しても豊富な知識を持つ。

味覚は少々独特であり、大半の物にキシリトールを入れて食べる。

 

北海道本部養成機関→北海道本部・札幌支部 直轄→道央支部 直轄→北海道本部・札幌支部 直轄→中部本部・名古屋支部 直轄

 

 

 

 

 

 

***

 

 演習場に入る直前、走って追いかけて来た一葉と茉莉花に呼び止められた。司令から伝言を伝えるようにと言われて慌てて来たそうだ。演習開始まで残り10分を切っている。

 

 

「司令から伝言だよ。手は抜いて、でも相応の実力は見せつけろ、だってさ。」

 

 

 面倒臭いことを言ってくれる。つまり全力は見せるな、手を抜け、でも圧倒しろ、とでも言いたいのか。

 

 

「面倒臭いことを言ってくれるっすね。」

「俺は好きな様にやらせてもらうぜ。」

「早く。。終わらせたい。。。」

 

 

 さて、どうするのが正解か。司令の言葉に従うべきか、従わないべきか。

 

 

「まっ、ここは素直に従っていいんじゃないっすかね。」

「そうだな。」

「頑張ってね。負けるわけないだろうけど、応援してるよ。」

「ええ、4人共。応援しているわ。」

 

 

 2人に見送られながら屋内演習場へと入る。Lilja が言っていた通り、東京支部の屋内演習場と造りは全く一緒だった。建物の高さや窓の位置、道の幅から配置物までそっくりそのままである。何百回と訓練をした演習場だ。これなら目を瞑っても問題無く戦闘ができる。手を抜きつつ圧倒することも出来そうだ。

 演習場の中心、一番大きな通りの中央付近に向かう。だが気配がおかしい。大勢のリコリスがいるように思える。見れば柳も匂いを嗅いだのか疑問に思っていた。

 その答えは直ぐにわかった。あの4人のセカンドリコリスだけではなく、もう1人別のセカンドリコリスと、8人のサードリコリスが居たのだ。

 

 

「遅かったな。逃げたと思ったぞ。」

「何か人数多くないっすか?」

「4対4じゃねえのかよ。」

「あら?誰も4人対4人とは言ってないわ。」

「はははっ、!確かにそうだったな!4人とは言ってねぇや。4チーム対4チームてことか、。こりゃあ一本取られたぜ、。!」

 

 

 セカンド4人組とサード4人組が2チーム、そして狙撃銃を抱えたセカンドリコリスの計13人か。

 

 なずなが小声で言ってきた。

 

 

「あのスナイパーのセカンド、見覚えないっすか?」

 

 

 確かに言われるとそうだ。1年前の札幌支部で見た気がする。Lilja が呟いた。

 

 

「Norn。。私より先に。。。名古屋支部に来てた。。前は道央支部直轄のリコリスだった。。。趣味が一緒。。仲いい。。」

 

 

 そうか、あの時札幌で我々を援護してくれていたスナイパーの1人か。こちらを気にすることなく何処かをボーっと見つめている彼女のことを思い出した。3人いたスナイパーの中で最も腕が良かった記憶がある。

 

 

「あー、思い出したっすよ。札幌の時の凄腕スナイパーっすね。そういえば名前を知らなかったすよ。」

「彼女は。。Hazel 。。名前無い。。。私は。 Norn 。て呼んでる。。。」

「おー、ノルンてあの北欧神話に出てくる三姉妹か?」

「違う。。アイスランド語。。。あの子。。。母親が。。アイスランド人て。言ってたから。。」

「いやでも何で魔女なんすか?」

「あの子。。よく。訳の分からない言葉。呪文みたいなの。。唱えてる。。あと。霊感ある。。」

「なるほどっす〜、言葉遊びっすね。」

 

 

 Norn に Hazel 。norn は英語で witch 。つまり Witch hazel 、アメリカマンサクのことだ。花言葉は呪文、魔力。加えてマンサク全般の花言葉には霊感、ひらめきというのもある。なるほど、洒落たあだ名だ。

 

 

「でもアイスランドのハーフとかクオーターでもリコリスになれるんすね。DAの基準がよく分からないっすよ。」

「確かにそうだな。父親が同じアイスランド人なら苗字ではなく父称が付く筈だ。Hazel は英語圏の国でよく見られる苗字、とすると父親はイギリス人やアメリカ人、若しくはそれらの国とのハーフか。」

「なんか本当にすげぇな!。人の名前1つでそんなに色々と知識が出てくるとはよ。尊敬するぜ。」

 

「何をごちゃごちゃと言ってるのかしら?」

 

 

 長い髪を後ろでポニーテールにしている青服4人組のサブリーダーらしきリコリスが苛立っていた。

 

 

「いや、雑魚のサードとか言っておきながらそのサードに助っ人を頼むんすね。」

「彼女達は他のサードと違って私達の言うことをしっかりと守る子達よ。」

「あなた達みたいにセカンドに逆らうサードがいるからいつまでもサードが馬鹿にされるんだ、!」

 

 

 2組いるサード4人組、その片方のリーダーらしきリコリスがそう言った。だからと言ってイジメている側に味方をするのか。とすればサードの中でも分裂しているということになる。

 

 一方、未だにこちらに興味を持たず1人で佇む Norn に Lilja が声を掛けた。

 

 

「ねえ。。Norn 。。何で。そっち。。居るの。?。。。」

 

 

 Norn がこちらを向く。

 

 

「……………………、。……………………、、。…………、…………………、。…………………。」 

 

 

 口は動いていないし何も話してないように思える。だが Lilja はまるで会話をしているかの様に頷いていた。

 

 

「うん。。。。分かった。。。。」

「で、何て言ってるんすか?」

「いやいや、どういうことだよ!今の会話してたのか?意味が分からん。」

「あんたの嗅覚も意味わからないっすよ。」

「それは確かにそうだな。俺もよく分からん能力してるな。」

「彼女は何と言っていた。」

「頼まれたから。。参加する。。。やる気は。。全く無い。。。。何も。しない。。て言ってる。。」

 

 

 

『時間だ、始めるぞ。双方、準備はいいか。』

 

 

 栗田司令の声がスピーカーから掛かる。上を見ると沢山のリコリスが集まっているのが分かった。セカンドとサードで明確に分かれている。ただ青服の集団の中にもサードが居た。

 

 

「じゃあ、始めますっかね。」

「二度と逆らえない様に潰してやる。」

「はっ、二度とここの支部の中を出歩けねえように恥をかかせてやるよ。」

 

 

 お互いゆっくりと、振り替えることなく開始線の位置まで移動した。

 

 

 

 

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