SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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PART.18 決戦Ⅰ:強力な助っ人

3日後……喫茶シオン前…

 

「ロイド君、その格好は……」

「ああ、アイネさんに無理言って借りたんだ。」

 

喫茶シオンに来たフリッド達はロイドの姿を見て驚いた。なんとロイドはG3のスーツを装着していたのだ。

 

「G3のスーツ……残っていたんだな。」

「ああ、予備のものを借りた。意外と馴染むぞ……」

 

ロイドは軽く身体を動かしてスーツが身体に馴染んでいくのを感じた。

そして、ヨルとフィオナの方に顔を向けた。

 

「フィオナ、”局”の準備は?」

「すでにできています。」

「ヨルさん、メリンダさんとミリーさんには?」

「はい!声をかけて、”局”に来るよう伝えました。」

 

2人の返答を聞いて、ロイドはコクリと頷いた。そして、G3同様、アイネから借りたガードチェイサーに跨った。

 

「バイクも借りたんだな。まぁ、俺も似たようなもんだけど。」

 

グリムは自分のバイクを見下ろした。この度、グリムのバイクは新調されることになった。

新たなマシンは、”K”から送られた設計図を元に作られたカイザ専用マシン「サイドバッシャー」。

 

(でも何でサイドカーついてんだ?まぁいいか。荷物載せられるな。)

「先輩……少し気になることが……」

 

その時、フィオナが声を上げた。

 

「実は、クレマチス社にスパイを送り込んでいたのですが……そのスパイから気になる報告が……」

「なんだ?」

「クレマチス社にあった、ネオプラーナが全てなくなっていたと……それだけじゃなく、巨大な水槽に入ったネオプラーナが全部……なくなっていたと……」

 

その一言を聞き、皆は驚いた。さらにフリッドは掴みかかる勢いでフィオナに近づいた。

 

「ま、まさか!あれだけの量だぞ!?それがどこに消えたっていうんだ!?」

「分からないわ……」

 

クレマチス社の電気室にあった約10トンのネオプラーナ……それがなくなったとなれば、ブラックサレナが利用するためにどこかへ運び出した……と考えるのが普通だが、真意は分からない。

だが、フィオナの話はここで終わらなかった。

 

「それから、東国政府はブラックサレナに対して武力行使も辞さないと……」

「なんだと……?」

 

東国政府は武力をもってブラックサレナを叩き潰そうとしている……だが、ブラックサレナが所有するG4は1機だけで武装した集団を壊滅させることができる。

それを大量に所有している……そんな組織を叩き潰すとなれば、軍隊でも使わなければならない。それはつまり……

 

「……戦争になるかもしれないのか?」

「……その可能性は高いかと。」

 

もしまた戦争が起きれば、東西戦争の様な悲劇が、一年前のアンノウンとの決戦と同じような恐怖がまた引き起こされる……それだけは回避しなければならない。

 

「だったら……戦争になる前に、俺達で潰してしまえばいい。」

 

ギーツのバイク「ブーストライカー」のエンジンを吹かしながら、英寿はニヤリと笑って言った。

 

「そうだな……そういえばユーリ君は?」

 

辺りを見回し、ユーリがいないことに気がついた。すると、ヨルが声を上げた。

 

「さっき、アイネさんから連絡がありました。強化版はほとんど完成しているみたいですけど、まだ最終調整に時間がかかるらしくて……」

「おいおい、なんだよ……そんなこと言ってる場合かよ?戦力は向こうが上なんだぞ?」

 

グリムの言う通り、戦力は圧倒的にブラックサレナの方が上だった。しかし、途端に英寿が口を挟んできた。

 

「安心しろ。助っ人を頼んでおいた……強力な助っ人をな。」

「本当か?」

「どっちにしろ、今は行くしかない。」

 

ロイドの一言に、皆はコクリと頷いた。

すると、ロイドはヨルの方に近づき、肩を抱いた。

 

「ロイドさん……すいません。本当は私もアーニャさんを助けに行きたかったのですが……」

「大丈夫です。それは俺達でやります。ヨルさんは、ミリーさんとメリンダさん、ついでに”放送局”を守ってください。」

「はい!いってらっしゃい、ロイドさん!」

「いってきます!」

 

二人は互いに見つめ合い、微笑み合うと、唇を合わせてキスをした……

同じく、その横でフリッドとフィオナも……

 

「じゃあ、いってくるよ。また心配をかけてしまうけど……」

「ハナから心配なんてしてないわ。絶対死なないって分かってるから。」

 

フィオナの皮肉混じりの一言に、フリッドは苦笑いを浮かべた。すると、フィオナはフリッドの耳元に顔を近づけてきた。

 

「必ず帰ってきて。……式だってまだ挙げてないんだから。」

「へっ……!?」

 

途端にフリッドの顔は真っ赤に染まった。同時に、フィオナの頬もほんのり赤く染まった。

 

「い……い……いってらっしゃいのチューは?」

「しない。」

 

いつものようなやり取りが始まったのと同時に、グリムとロゼッタも……

 

「ダーリン!これお弁当!い〜っぱい作ったからね!」

「戦ってる最中にどうやって食うんだよ!?」

 

大きめの弁当箱を差し出してきたロゼッタに、グリムは苦い顔をしたが、すぐにロゼッタを愛おしそうな目で見ると、自分が着ているファーのついたコートを脱ぎ、ロゼッタに羽織らせた。

 

「ダーリン……?」

「……これ、親父の形見なんだ。預かってくれ。」

 

そのコートはグリムの父、ニコルが遺した形見だった。そんな大切なものを受け取り、ロゼッタは困惑していた。しかし、グリムはそんな彼女の頭を撫で、頬に触れた。

 

「お前だから預けんだ……失くすなよ。」

「……うん!」

 

大切な形見を託されて、ロゼッタは笑顔を浮かべた。それを見て、グリムもニコッと笑い、バイクに跨った。

 

「みんな……行こうぜ!!」

「ああっ!」

「行こう!」

「やるか!」

 

ロイド達は一斉にアクセルを捻ってエンジンを吹かし、バイクを発進させた。

 

「ダーリン〜〜〜!!いってらっしゃ〜〜い!!」

 

走り去っていくロイド達に、ロゼッタは笑みを浮かべながら手を振った。すると、ロゼッタは後ろに振り向いてヨル達に顔を向けた。

 

「よーし!じゃあ私達もいきましょう!!」

「ちょっと……アンタまで来るの?アンタはシエルちゃんの子守でしょ。」

「でも、みんなで一緒にいた方が安全だと思いませんか?」

「それは……」

 

フィオナが口ごもると、ロゼッタは得意気に笑った。

 

「それに私だってブラックサレナの被害者だし……ダーリンのためなら”テレビ出演”だってやっちゃう〜〜〜♡」

「バカ彼女が……」

 

ロゼッタのデレデレぶりを見て、フィオナは舌打ちを打った。それとは逆に、ヨルは苦しそうに口を閉ざしながら見ていた。

 

(ロゼッタさん……本当にグリムくんのこと大好きなんですね……なら、なおさら……)

 

ヨルはグリムにキスをした時のことを思い出していた。ロゼッタはそのことを知らない……言うべきか迷っていた。

遅かれ早かれ彼女を傷つけてしまう……しかし、彼女はいつかそのことを知ることになる……それならば、とヨルは思い……

 

「ロ、ロゼッタさん!」

「はい?」

「あの……その……!ごめんなさい!!私……グリムくんに、キ、キ、キスしちゃいましたぁ!!!」

「……はっ!?」

 

ヨルの衝撃的な一言に、真っ先にフィオナが声を上げて驚いた。

 

「あ、あなた……先輩という人がいながら……」

「ううっ……」

 

フィオナに言われ、ヨルは申し訳なさそうに俯いた。すると、ロゼッタは急に笑い始めた。

 

「そっか……でもよかった!相手がヨルさんで!」

「えっ……?」

 

てっきり怒るかと思っていたヨルだったが、ロゼッタの反応は逆だった。

 

「前から分かってました。ダーリンはきっと、ヨルさんのこと好きなんだろうなぁ……って。だって、ダーリン……ヨルさんの唇見る度に顔赤くしてましたもん。」

「ち、ちょあぁぁす……」

 

ロゼッタの話を聞き、ヨルもまた赤くなった。ロゼッタは話を続けた。 

 

「ダーリンが他の誰かを好きになっても構わない!ダーリンの幸せが、私の幸せ!そのためなら……私だって戦う!!」

 

そう言ったロゼッタの顔は自信に満ち溢れていた。何も迷いのない顔をしていた。

 

「そっかぁ……ヨルさんに先越されてたかぁ……でも、大丈夫です!私がヨルさんよりスッゴイキスして、ダーリンを虜にしちゃえばいいんですから!!」

(そういう問題……?)

 

ロゼッタのたどり着いた結論にフィオナは首を傾げた。しかし、それとは逆に、ヨルは安堵したように笑みを浮かべていた。

 

(よかった……グリムくんを好きになったのが、ロゼッタさんで……)

 

──────────────────

 

ロイド達はバイクでブラックサレナのアジトである古城に突き進む……喫茶シオンから発進して約2時間ほどで古城にたどり着いた。

 

「な、なんだこりゃあ……!?」

 

グリムは声を上げ、他の皆はゴクリと唾を飲んだ。

古城を取り囲む様に、大量のG4が待ち構えていたのだ。その数は恐らく500はある。

 

「……目眩してきたな……」

「なぁ、エース……助っ人はいつ来るんだよ!」

 

圧倒的戦力を前に立ち眩みさえ覚えたが、そんな中で英寿は笑っていた。

 

「安心しろ。もう来てたみたいだ。」

 

英寿がそう言った次の瞬間、G4の群れの中から爆発が起きた。それも一つだけでなく、3つも。

 

「なんだ!?」

「俺の仲間だ。仮面ライダーバッファ……」

「オラァッ!!」

 

G4の大群の中で戦うライダーは3人……一人は牛を模した紫色のマスクを被り、同じく紫色の禍々しい鎧を纏い、チェンソー型の武器「ゾンビブレイカー」を手に戦う仮面ライダーバッファ。

 

「仮面ライダーナーゴ……」

「ヤッ!ヤッ!セェェェイッ!!」

 

もう一人は猫を模した黒と金色のマスクを被り、マゼンタとシアンの派手な鎧とギター型の武器「ビートアックス」を手に戦う女性ライダー、仮面ライダーナーゴ。

 

「そして仮面ライダータイクーンだ。」

「ハァァァァ……!デヤァァァッ!!」

 

最後の一人は、タヌキを模した黄緑色のマスクを被り、同じく黄緑色の鎧を纏い、ギンペンも使っていた双剣「ニンジャデュアラー」を手に戦う仮面ライダータイクーン。

 

「英寿ッ!」

 

その時、タイクーンが英寿達が来たことに気づき声を上げた。

タイクーンの一言で、ナーゴとバッファも英寿達の方を向いた。

 

「やっと来たか!」

「英寿も早くきて戦ってよ!」

「フッ……みんな、いくぞ。」

 

英寿の一言とともに、フリッドは顔の前で両腕を交差させ、グリムもカイザフォンの「9、1、3」のボタンを押し、英寿もベルトにマグナムとブーストのレイズバックルをベルトに装填した。

 

『変身ッ!!』

《Complete.》

《GET READY FOR BOOST & MAGNUM》

《READY FIGHT》

 

英寿達は仮面ライダーへと変身を遂げた。同時にバイクから降り、武器を手に取った。

 

「へっ、久々にみんなで大暴れだな。」

「今回はロイド君も一緒だな。無理はするなよ。」

「するつもりだ。……アーニャが待ってるからな。」

「さぁ……ここからがハイライトだ。」

 

英寿の一言とともに、全員一斉にG4の大群へと突っ込んでいった。

そして……

 

──────────────────

 

ヨル達はとある作戦のため、電波塔のある放送局へと来ていた。そこで待っていたのは、”K”だった。

 

「”K”さん、お待たせしました!」

「お待ちしていました、皆様。Ms.ミリーとMs.メリンダはすでに中にいます。」

 

”K”は局の方を見ながらヨル達に2人が来ていることを伝えた。

ヨル達も中へ入ろうとした……その時だった。

 

「”K”ーーーーッ!!!」

 

大声とともに”K”を呼ぶ声が聞こえてきた。その声に、ヨル達は後ろを振り返った。

そこには、ショッカーと思われる怪人と戦闘員達がいた。

 

「おや、あなたはたしか……」

「俺様は鋼鉄参謀!貴様……その女どもは仮面ライダーの味方のはずだ!何故その女どもと一緒にいる!?貴様にはブラックサレナの動向を探るように命令されていたはずだ!!」

 

鋼鉄参謀という鋼のような鎧を纏った怪人は、”K”が何故ヨル達と行動しているのか問いかけている。

”K”はロボットらしく落ち着いた口調で答えた。

 

「ブラックサレナを弱体化する策を思いつきました。その作戦のためには、Ms.ヨルとお仲間の力が必要なのです。」

「ええい、言い訳無用!!貴様は前々から怪しかったのだ!ここで処刑してやる!!」

 

鋼鉄参謀は”K”の言い分など聞く耳持たず、どこからともなく鎖で繋がった巨大な鉄球を取り出した。

戦闘員達も武器を取り出して構えた。

 

「まさかショッカーの方々が来るなんて……!」

「想定外ね……!」

 

ヨルはスティレットを取り出し、フィオナも懐から拳銃を抜いた。今、この場で戦えるのはヨルとフィオナしかいない。2人の戦闘力はライダーには遠く及ばない……しかし、ここで戦わなければ、作戦を実行できない。

2人は武器を構えて臨戦態勢に入った……と、その時だった。

 

《ホッパー1!》《スチームライナー!》

「変身ッ!!」

《ガッチャーーンコ!!》

 

その時、どこからか叫び声が聞こえてきた。

 

《スチィーームホッパー!!》

「タアッ!!」

 

機械の音声と掛け声とともに、鋭い飛び蹴りが飛んできて、鋼鉄参謀を蹴り飛ばした。

 

「ぬおぉぉぉっ!!?」

「アレは……!?」

「仮面ライダー!?」

 

ヨル達の前に現れたのは……白いマフラーとピカピカと輝く青い鎧にゴーグルのような装飾が額に取り付けられていた。

そのライダーはヨル達の方に顔を向け、心配そうに駆け寄ってきた。

 

「みんな、大丈夫!?」

「あなた……もしかして、エースが言っていた助っ人?」

「うん!俺は、仮面ライダーガッチャード!!ギーツに頼まれてこっちに来たんだ!!」

「ずいぶんテカテカしてるわね……」

 

フィオナの質問に力強く頷きながら、ガッチャードというライダーは自己紹介をし始めた。

 

「おのれ、仮面ライダー……!」

 

すると、蹴り飛ばされた鋼鉄参謀は立ち上がり、ガッチャードを睨みつけた。

 

《ガッチャージガン!》

「ここは俺に任せて、早く中へ!」

「ガッチャードさん……ありがとうございます!」

 

銃のような武器を構え、ガッチャードはヨル達を放送局の中へ促した。

ヨル達はガッチャードの言葉に甘え、礼を言って中へ入っていった。

 

「来いっ!みんなの邪魔はさせない!!」

 

ロイド達の元にも、ヨル達の元にも助っ人のライダーが現れ、戦いは急展開を迎える……そして、

 

「みんな……待たせたね……!」

『ユーリ君、準備はいい?』

「はい!G3-XB、テイクオフ!!」

 

新たなG3-Xが、生まれ変わったユーリが覚醒する……!

 

 




おまけ「他人のそら似」

「あれ?ロイドさん、あれ……」
「ん?」

休日、フォージャー家は買い物に出かけていた。その道中、見覚えのある人物を見かけた。スーツを着たメタル頭……それは紛れもなく”K”だった。

「”K”ですね……」
「”K”さーん!」

3人は思わず後を追いかけ、名前を呼びながら、肩を叩いた。しかし、

「おや、始めまして。」
「始めまして……?何を言ってるんだ?お前、”K”だよな……?」
「確かに僕はKですが……あなた方とは初めて会います。」

フォージャー家は思わず首を傾げた。見た目はかなり似ているのだが、その”K”とは違うようだった。

「おかしいな……お前みたいな奴、見間違えるワケないんだがな……」
「そんなぁ……僕とそっくりなロボットがいるなんて、困りますよぉ……」

もう一人のKは困った様子で呟きながらしょぼくれている。ロイド達が知ってる”K”と比べると、えらく人間臭い。
すると、しょぼくれているKを見て、ヨルは……

「かわいい……」
「ヨルさん?」

ヨルは頬をほんのり赤く染めながら、Kの手を取った。

「このKさん……私達が知ってる”K”と違ってすごくかわいいです!」
「か、かわいいなんて……そんな、困りますよぉ……」
「かわいいです〜〜♡ロイドさん!この子ウチで買ってもいいですか!?」

ヨルはKの腕を掴みながら、ロイドに尋ねた。

「いやいやいや……!」
「ちゃんとお世話します!ご飯もあげますし、お散歩もいきます!」
「ペットか!」

それから約30分ほどやり取りが続いたが、途中、Kが「バドーの気配!」と言ってロイド達の元を去っていった……

「Kさん……」
「なんだったんだアイツは……」

─────────────────────

最近TTFCに入って、”K”の元ネタである「ロボット刑事」を見始めましたのですが……Kがかわいすぎる……一瞬で推しになりました。

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