SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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PART.20 決戦Ⅲ:君の姿は僕に似ている

黒い鎧がひしめく古城に、ブォーーンッ!とバイクのようなエンジン音が轟く。

 

「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

ソードアクセラーの持ち手はバイクのハンドルになっており、ハンドルを捻るとブォォォンッ!と音を立て、剣についたマフラーから煙と炎が飛び出す。

 

《CHARGE》

 

剣から音声が響き、ランプが赤く光った。

同時にユーリは持ち手のトリガーを押しながら剣を振るった。剣のマフラーとブースターから炎が噴き出し、突進とともに目の前のG4を切り裂いた。

さらに、突進した先にいるG4を勢いをつけたサマーソルトキックで顎を蹴って地面に倒す。

 

「チェストォォォォ!!」

 

空中に飛び上がったユーリは、そのまま落下とともに地面に倒れたG4に剣を突き刺した。

 

《DOUBLE CHARGE》

 

そのままアクセルを捻った。今度はランプが2つ赤く光り、剣のマフラーから炎が噴き出す。今度はさっきよりも炎の勢いが強い。

 

「どけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

さらにジェットブースターからも炎を出し、それによって加速をつけ、刺したG4を地面に引きずりながら突き進む。周りのG4はユーリに飛びかかってきたが、高速で突進してくるユーリを止めることはできず、逆に跳ね飛ばされてしまった。

 

「すっげ……大暴れじゃん!」

「あれが強化版G3-Xか……」

 

ロイド達は戦いながら、ユーリの激しい戦いぶりを見て感嘆の声を上げていた。

すると、タイクーンが声を上げた。

 

「みんな、ここは俺達に任せて行って!」

《BUJIN SWORD》

「このまま戦っても拉致があかねぇからな!」

《FEVER》《ZOMBIE》

「後ろは任せて!」

《FANTASY》

 

タイクーン達はフォームチェンジしながら、ロイド達に先へ行くよう促した。

その申し出に、ロイド達は少し迷った。G4は手強く、数も多い。ここで自分達が抜ければ、3人だけでこの場を凌がなければならなくなる。

しかし、このままではいつまで経ってもアーニャを助けられないのも事実。考えた末、ロイド達はウンと頷いた。

 

「すまない……頼む!」

「ユーリ君、いくぞ!」

「わかりました!!」

 

ロイド達はその場をタイクーン達に任せ、古城の入口へ向かった。と、その時……

 

「あっ、ユーリ君!」

「?」

 

タイクーンは急にユーリを呼び止めた。

すると、タイクーンは黒い霧を生成し、そこから刀「武刃」を創り出した。それをユーリに投げ渡した。

 

「これは……?」

「俺の武器!何があるか分からないから、持っていって!」

「……ありがとう!」

 

タイクーンから武器を受け取り、ユーリはロイド達とともに進んでいった。

 

「……なんか、景和に似てるね。ユーリって人。」

「そうだね……」

「なんだっていい。今はこいつらをぶっ潰すぞ!!」

 

─────────────────────

 

「……いよいよお前の出番がきた。」

 

古城の奥にある一室……そこには「ESPシステム」がある。そしてその部屋にはウォルターと、アーニャがいた。

アーニャは「ESPシステム」の装置の真ん中にある貼り付け台に拘束され、動けなくされていた。だが、アーニャはキッとした顔つきでウォルターを睨んでいた。

 

「おまえなんか、ライダーたちやっつける!」

「勝てると思ってるのか?この俺に。奴らがここまで来るとでも……?」

「くるっ!ちちとみんな、ぜったいくるっ!」

 

こちらを睨みながら言い放つアーニャに、ウォルターは拳を握りしめた。

 

(何故……そうも人間を信じられる……)

 

ウォルターは人間に、家族に裏切られてきた。人間は簡単に嘘をつく。人に嘘をつき、人を騙し、人を傷つける。

ウォルターはそのことを身を以て味わった。だが、目の前にいる小娘は、自分の人生の半分も生きていないような幼い少女は、人を信じて疑わない……というより、何度も嘘を味わったかのような顔だった。

しかし、ウォルターはフッと笑った。

 

「どのみちお前らには未来はない……あるのは、俺が作る新しい未来だけだ。」

 

そう言ったウォルターは、ポケットからあるものを取り出した。それは注射器で、中に液体が入っている。その注射の針をアーニャの首元に近づける……

 

「……!!」

 

アーニャはいやいやをするように首を横に振る。しかし、ウォルターはアーニャの頭を乱暴に掴んだ。

 

「安心しろ。ただの睡眠薬だ。少し大人しくしてもらう……」

 

睡眠薬が入った注射をアーニャの首元に刺し、薬を注入していく。すると、アーニャの目はだんだんと閉じていき、眠りについた。

 

「もう少しだ……もう少しで……!!」

 

─────────────────────

 

「ちくしょう……ここも敵だらけじゃねぇか!」

「当然といえば当然か……!」

 

城の中にも大量のG4が待ち構えていた。それでも、ロイド達は倒しながら前に進んでいく。

 

「邪魔すんなゴラァッ!!」

 

乱暴な蹴りで襲いかかってくるG4を怯ませ、そこにカイザブレイガンを胸に突き刺した。

さらに、

 

《Exceed Charge.》

 

剣を突き刺した状態でベルトのEnterボタンを押し、ベルトから黄色い閃光が腕を通り、武器に流れ込んだ。

 

「ドリャアァァァァァァッ!!」

 

エネルギーを流した状態の武器を回し蹴りで蹴りつけた。蹴りを推進剤代わりに、G4の胸を貫いた。さらに後ろにいる3、4体のG4もまとめて貫いた。

 

「セイッ!!」

 

ギルスもまたハイキックでG4の顔面に蹴りを叩きつける。そこに背後から別のG4が襲いかかってくるが、ギルスは跳んで目の前にいるG4の頭を両脚で挟んで持ち上げ、背後のG4に叩きつけた。

 

「コイツはどうだ!?」

 

ギルスは右腕から触手を伸ばし、それをヌンチャクのように構える。

 

「ホォォォォ……ホアタァッ!!」

 

怪鳥音を発声させながら、触手をヌンチャクのように振り回し、G4に叩きつけ、さらに首に引っ掛ける。

 

「ヌウゥゥゥ……ハァッ!!」

 

首に触手を巻きつけ、そのまま首をへし折り、床に叩きつけた。

その横で、ロイドも負けじと奮闘している。

ロイドにはギルスやカイザのような力はない。しかし2人よりも秀でているものは、射撃能力と冷静な判断能力。

G4達が銃を向けてきても、ロイドはすかさず手元を撃ち抜き、武器を手放せさせる。

 

「ロイド!こっちだ!!」

「分かった!」

 

その時、カイザはロイドに呼びかけながら、G4を背後から手を回して腹を掴んでいた。

ロイドはすかさずカイザに向かって駆け出した。

 

「ヌウゥゥゥ…リャッ!!」

「ダアッ!!」

 

カイザは走ってくるロイドの方目掛けてジャーマンスープレックスを繰り出した。すると、ロイドは投げられたG4の頭目掛けて飛び膝蹴りを繰り出し、G4の首をへし折った。

倒れたG4に、ロイドはすかさず頭に銃弾を撃ち込んだ。

 

「ッ!フリッド!!」

 

その時、ロイドはギルスの背後にG4が迫っていることに気がついた。

ロイドは銃弾を撃ってG4を怯ませた。その隙を突き、ギルスは蹴りを叩きつけた。それも一発だけでなく、何発もだ。

 

「ハァァァァァァァッ!!」

「フリッド、いくぞ!!」

「ああっ!!」

 

ギルスのところまで駆けつけたロイドは、脚を振り上げた。同時にギルスも脚を振り上げる。

 

『ハァッ!!』

 

同時に蹴りを繰り出した2人は、前後から挟み込むようにG4の頭をに脚を叩きつけた。

蹴りを喰らったG4は目の光がなくなり、その場に静かに倒れた。

 

「なるほど……あれが絆の力って奴か。」

 

ロイドとフリッド、グリムとの連携を見たギーツは、戦いながらフッと微笑んでいた。

そこにユーリが近づいてきた。

 

「おい、エース!お前、アーニャが捕まってる場所分かってんだろうな!?」

 

ユーリはギーツに掴みかかる勢いで問いかけた。ギーツは動ずることなく答えた。

 

「恐らくダンスホールだ。『ESPシステム』はかなり大掛かりな装置だ。設置するにしても広い場所が必要になる。」

「ダンスホール……分かった。こいつら倒して道を開く!」

 

ユーリは目の前の道を阻むG4を睨みつけ、剣を構えた。

その姿を見て、ギーツはまたもフッと笑った。

 

「そうだな……出し惜しみ無しだ!」

 

ギーツは赤いバイクのハンドルのようなバックルを取り出し、ベルトの右側に装填し、ハンドルを捻った。

 

《BOOST Mark Ⅱ》

 

ベルトの音声とともに、ギーツの身体が炎に包まれ、ギーツはブーストフォームMark.2に姿を変えた。

 

「いくぞ……エース!」

「ああっ!」

 

次の瞬間、目にも止まらぬ速さで2人は飛び出した。

ユーリはジェットブースターで目の前のG4を掴み、屋根に向かって飛び上がった。

 

「どりゃあっ!!」

 

そして、そのまま地面に投げつけ、床に叩きつけた。さらに、そのまま床に叩きつけられたG4に向かって、落下しながら左腕でパンチを繰り出した。

 

「ライダー……パァァァンチッ!!」

 

叫び声とともに拳を叩きつけた。さらに、左腕につけた装備「シールドバンカー」から杭が撃ち出され、頭を貫いた。

その時、他のG4達が銃を向けてきた。しかし次の瞬間、G4達の手元から銃が消えた。

 

「こいつは没収だ。」

 

ギーツが目にも止まらぬ速さでG4達から銃を奪ったのだ。さらに次の瞬間、ギーツは目の前の道を塞いでいるG4を全て空中に打ち上げた。さらに打ち上がったG4を一纏めにするように一箇所に集中させる。

 

「今だ!!」

《MAX CHARGE》

 

ユーリは剣の持ち手を何度も何度も捻った。すると、剣のランプが3つ全て赤く光った。音声が鳴り響くと同時に剣のマフラーから炎が噴き出し、剣に纏わりついた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

炎の剣を手に、ジェットブースターで空中を駆けながら、雄叫びとともにG4の群れに突っ込んでいった。

 

「チェストォォォォォォォォッ!!!」

 

叫びとともに炎の剣を振るい、超高速の突進とともに一閃する。

その瞬間、G4の数体が爆発し、一箇所に集まったG4に誘爆し全て破壊された。

 

「みんな、行こう!!」

『了解!!』

 

道が開かれたことで、ユーリ達は奥へと進んでいった。

 

「ダンスホール……ここか。」

 

古城を進む中、ユーリ達はついにダンスホールにたどり着いた。

そこには、ダンスホールのステージの上にある巨大な装置……「ESPシステム」があった。そして、装置の貼り付け台にはアーニャがくくりつけられていた。

 

「アーニャッ!!」

 

アーニャの姿を見た瞬間、ロイドはすぐさま駆け出した。しかし、次の瞬間銃声が響き、ロイドの足元が撃ち抜かれた。

 

「うっ……!?」

「おっと……動かれては困るな……」

 

そこに現れたのは、拳銃を持ったクリスだった。

 

「クリス……!」

 

舞台袖から出てきたクリスに、全員睨みつけ、仮面の下では怒りで表情を歪ませていた。

しかし、クリスはフッと笑い、装置に手をやった。

 

「どうだ?素晴らしいだろ、この装置は……『ESPシステム』はアギトの力……及び超能力を強制的に増幅させる装置だ。」

「それがG4とアーニャ、どう関係すんだよ!!」

「ククククッ……それはこれから分かる。だが……君達がそれを拝む頃には、死んでるかもな。」

 

ニヤリと不敵な笑みを浮かべるクリス、懐から液晶画面のついたベルトを取り出し、腰に巻いた。

 

《VISION DRIVER》

 

クリスはベルトの頭にある指紋認証装置に親指を置いた。

 

《GLARE LOGIN》

 

ベルトから音声が鳴り響くと同時に音楽が流れた。するとクリスはベルトの側面に携帯した半透明のカードを手に取った。

 

「変身」

《INSTALL》

 

静かに呟くとともに、カードをベルトのスリットに通した。

 

《DOMINATE A SYSTEM,GLARE》

 

音声が流れ、クリスは黒いスーツに黒と紫色の鎧をまとったライダー、仮面ライダーグレアへと変身を遂げた。

 

「……ユーリ君、君は先へ行け。」

 

その時、ギルスはユーリに先へ行くよう促した。

 

「えっ……!?」

 

ギルスの突然の一言に、ユーリは声を上げた。ギルスは構わず続けて言った。

 

「奴の強さはハンパじゃない……ここで足止めされたら、ウォルターの計画を止められなくなる!だから、君が止めるんだ!」

「で、でも…みんなを置いては……」

 

ギルスの言葉に、ユーリは戸惑った。グレアは強力な敵……それを人に任せて自分だけ行ってしまってもいいものか、ユーリは悩んだ。

しかし、ギルスに続いてロイドが声を上げた。

 

「俺達のことが、信用できないのか?」

「俺達がそう簡単にくたばるような奴じゃないって、お前だって分かってんだろ?」

 

ロイドの後に続くように、カイザもユーリに向かって声を上げる。そして、ギーツも……

 

「行け、ユーリ。もう昔のお前じゃないってとこ、ウォルターに見せてやれ。」

「みんな……わかった!!」

 

仲間からのエールを貰い、ユーリはウンと頷き背中のジェットブースターを点火させた。そして、天井に向かって高速で突進していく。

 

「ライダーパンチッ!!」

 

ユーリは左腕のパンチを、屋根に向かって突き出した。同時にシールドバンカーから釘を打ち込み、屋根に穴を開けた。その穴の中に入り、ユーリはその場から立ち去った。

 

「フフフッ……茶番は終わりかな?」

「終わりなのはテメェだ、クソ野郎!」

 

笑うグレアにカイザが叫ぶ。さらにギルスも続いて叫んだ。

 

「グインさんの仇を……いや、お前に利用された全ての人達の無念を晴らすッ!!」

 

叫びと同時に、ギルスはエクシードギルスへと姿を変えた。

 

「五体満足でいられると思うなよ……!」

 

ロイドも怒りで眉間に皺を寄せながら、銃口をグレアに向けた。

すると、ギーツも変わった形の銃を取り出した……かと思いきや、

 

《REVOLVE ON》

 

ベルトを180度回転させた後、その銃をバックルとしてベルトに装填した。

 

《SET UP》

 

ベルトから音声が鳴るとともに、ギーツの背後に青く光るサークルと「BOOST」と書かれた炎の文字が浮かんできた。

 

「変身っ!!」

 

ギーツは左側のハンドルを捻り、その後右側に装填した銃のトリガーを引いた。

 

D()U()A()L() ()O()N()

 

青い炎が現れ、ギーツの周囲を包むとともに、白い巨大なカードが現れ、鎧に変化した。

その鎧はそのままギーツに装着された。

 

《HYPER LINK》

《LASER BOOST》

 

黄色かった複眼が青色に変わり、白い鎧はまるで鎧武者のよえだった。レーザーブーストフォームに姿を変えたギーツは、右手を上げてパチンッと鳴らした。

 

《READY...FIGHT》

「さあ、ここからがハイライトだ。」

 

──────────────────────

 

そのころ、一人戦いながらウォルターを探していたユーリは、ついにウォルターを発見した。

そこは城の最上階……入学祝いの時、アーニャが「アーニャ姫」に扮し、捕らえられていた場所でもあった。そこにウォルターはいた。

 

「……来たか。ユーリ……」

「先輩……」

 

ウォルターはG4を装着していた。しかし、そのG4は他のG4とは明らかに違っていた。

 

「これか?これは俺用にチューニングした特別製だ。」

 

その特別製G4は、両腕、両肩、両脚にコンピュータに使うような筒状のアダプターがついていた。その用途は不明だが、特殊な効果があることは見て取れる。

 

「お前もG3-Xをチューニングしたようだが……無駄なあがきだ。最後には俺が勝つ。」

 

ウォルターはユーリに向かって吐き捨てる…と同時に、マスクを片手に、もう片方の手を差し出してきた。

 

「……俺と来い。グインも、ガオも死んだ……俺達にはまだまだ敵が多い。もし……お前が傍にいてくれるなら、俺は……」

「お断りします!」

 

ウォルターはユーリをブラックサレナに誘ってきたが、ユーリはそれを拒否した。

ウォルターは、ブラックサレナは多くの人間を傷つけ、ノエルを殺そうとした。そんな組織に入る理由などない。それはウォルター自身も分かっているはずだった。

 

「そうだよな……お前ならそう言うと思っていた……」

 

そう呟いたウォルターは、どこか寂しそうな顔をしていた。しかし、すぐに真顔に戻り、手に持っていたマスクを頭に装着した。

 

「覚悟はいいな、ユーリ……!」

 

ウォルターは、腰に携帯していた、鞘に銃の持ち手やトリガーがついた刀を手に取り、居合の構えに入った。

同時に、ユーリも剣を構えた。ウォルターから教わった、”正眼の構え”を……

 

(先輩……ぼくは今わかった……)

 

その時、ユーリの脳裏にある考えがよぎった。

 

(昔、どうしてあなたに噛みついたのか、なんで先輩が気に入らなかったのか……わかった。先輩は、僕に似てるんだ。)

 

ユーリはウォルターに、過去の自分の姿を重ねて見ていた。

 

(もしかしたら、僕も先輩と同じ道を辿っていたかもしれない。)

 

それはあり得たかもしれない可能性、自分が辿ったかもしれない世界線……ウォルターの姿に、ユーリはあり得たかもしれない自分の姿を見た。

いわばこれは、もう一人の自分との戦い……

 

「……いざ!」

「参る……!」

 

 




おまけ「チェスト」

G4の群れに果敢に挑むロイド達……ユーリもまた、雄叫びとともに剣を振るう。

「チェストォォォォッ!!」

しかし、その時だった。

「待てぇぇぇい!!」

どこからか叫び声が聞こえ、その場にいた全員固まった。
そしてそこに現れたのは、顔に傷があり、つぶらな目にちょんまげを結った侍だった。
その侍は、ユーリの方を見て呟いた。

「”ゆうり”殿……誤チェストにごわす。こや目当ての相手じゃなか。」
「え……?」

戸惑うユーリに、侍はフリップを出した。そのフリップには、「『またにごわすか!』と言え」と書いていた。

「ま…『またにごわすか』……?」

ユーリがフリップの指示に従うと、侍は次のフリップを出した。そこに書かれていることに従い、ユーリはゆっくり復唱する。

「チ……『チェストん前に名前訊くんは女々か?』……」
「名案にごつ。……ではこれにて。」

用が済んだとばかりに、侍はその場から立ち去ろうとした。すると、ギルスが侍に尋ねた。

「あ、あの、チェストってなんですか?」

ギルスの一言に、侍の足は止まった。

「チ……チェストはチェストじゃ!!チェストん意味聞くような者はチェスト出来ん!!」

額に汗を流しながらまくし立て、侍はそのまま足早に去っていった……

「……なんだったんだ?」
「さぁ……?」

──────────────────────

このネタのためにユーリに「チェスト」と言わせた。後悔はない。

チェストってなんだと思いますか?

  • 知らんがな
  • 叫び声
  • チェストはチェストじゃ!チェストん(略)
  • チェスト(家具)
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