SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

124 / 159
LAST MISSION:CROSS WORLD
Chapter.1 始まりはいつも突然


 

草木が生えず、風だけが吹きすさぶ荒野……アーニャはそこにある崖の上にいた。

辺りを見ても何もなく、そもそも何故自分がこの場にいるか分からなかった。恐る恐る崖の下を見ると、そこには仮面ライダーギルスの姿があった。

 

「かてーきょーし……」

 

ギルスだけではなく、その後ろにはG3-Xとカイザ、さらにはX、ファイズ、ギーツの姿があった。

 

「みんな……っ!ちちっ!ははっ!」

 

さらにアーニャは仮面ライダー達に紛れて並ぶロイドとヨルの姿を見た。さらにいえば、仮面ライダー達の後ろには大勢の武装した軍隊がいた。銃を持った歩兵、戦車、さらには戦闘機の姿もあった。

それはさながら、仮面ライダー達を主力とした混成部隊。

 

「いくぞぉぉぉぉぉ!!」

『おおおおおぉぉぉぉぉ!!!』

 

その時、ギルスの一声とともに全員一直線に突進していった。その先には、黒く、巨大な影が……と、次の瞬間その影は瞳から光線を放ち、爆発を起こした。

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

爆発によって兵隊が吹き飛んだが、それに構わず皆は影に向かって突き進んでいく。

仮面ライダー部隊は黒い影に果敢に挑んでいくが……敵わなかった。負傷者と死者だけが増えていく。

気がつけば、そこには凄惨な光景が広がっていた。

 

「フィオナ……!フィオナァァァァァァ!!」

 

戦いに巻き込まれたのか、フィオナは亡骸となり地面に転がっていた。その亡骸を抱き上げ、ギルスは悲痛な叫び声を上げる。

 

「ロゼッ……タ……!!」

「ダーリンッ……!!消えないで……!!一緒にいてよ、ダーリンッ!!」

 

グリムも死が近づいているのか、身体が灰になって地面に落ちていった。それを見てロゼッタが泣き叫ぶ。

他の皆もすでに虫の息だった。ユーリも、ロイドも、ヨルも……目を虚ろにし、目の輝きはなくなっていた……

その光景を見たアーニャはわなわなと震えていた。

これは夢……夢であってほしい……でなければ、こんな凄惨な光景、見るに耐えない。

その時、背後からザッ…ザッ…と誰かの足音が聞こえてきた。

 

「これが……この世界が迎えうる未来の一つだ。」

 

渋く、威厳のある声だ。アーニャは声が聞こえた方に顔を向けると、そこには金色と黒の禍々しい姿をした仮面ライダーと思わしき戦士がいた。その瞳は赤く輝き、気のせいか、その赤い目は「ライダー」と書いているように見えた。

 

「幼き巫女よ……この世界の未来はお前達の選択に委ねられている。」

「だれ……?」

「私は、王の中の王……オーマ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ニャさん……アーニャさん!」

「はえっ?」

 

ヨルの呼ぶ声が聞こえ、アーニャは目を覚ました。辺りを見回すと、車の中だと分かる。それで思い出した。この日、フォージャー家は店の休みを利用して動物園に遊びに行っていた。

そして今、その帰りで、アーニャは車の中で寝ていたようだ。

 

「遊び疲れたか?」

「アーニャさん、はしゃいでましたもんね。」

「キャッキャッ♪」

「フフッ、シエルちゃんも楽しかったですよね♪」

 

シエルが笑ったのを見て、釣られて笑ったアーニャだったが、自身が見た夢が気になっていた。

仮面ライダー達が敗北し、多数の死者が出る夢……そして、アーニャの前に現れた謎の仮面ライダー……

 

「……オーマジオウ……」

 

思わずアーニャは呟いた。すると、その声が聞こえたのか、ロイドが尋ねた。

 

「アーニャ、何か言ったか?」

「な、なんでもない……」

 

あの男は何者だったのか……何故自分に語り掛けてきたのか……何も分からない以上、アーニャは何も言わなかった。

家に着いた時には既に夜になっていた。

 

「おう、戻ってきたか……」

「お前達……」

 

家に着くと、ドアの前にフリッド、グリム、ユーリのいつもの3人が立っていた。3人……特にフリッドとグリムは血相を変えてロイド達に詰め寄った。

 

「待ってたぞ、君達に見せたいものが……!」

「一体どうしたんだ?」

 

ロイドは話を聞こうと、3人を中に入れ、地下室に通した。

 

「それで?見せたいものって?」

「……こいつだ。」

 

フリッドとグリムは懐からある物を取り出した。フリッドはカラフルな時計のようなもの、グリムは1枚のカードだった。

 

「こ、これは……!?」

 

それを見せられたロイド達は目を見開き、自分達の目を疑った。

2人が取り出したのはアギトのカードと、アギトの時計だった。

 

「これをどこで……!?」

「……俺は昨日の夜。」

「俺もだ。」

 

2人は、これを手に入れた経緯をゆっくり話し始めた……

 

─────────────────────

 

昨夜、グリムは本業である殺し屋として反社会組織のアジトに乗り込んでいた。

 

「へへへ……こんなガキがあの『ガーデン』の殺し屋とはなぁ」

「まぁ、どんなに強かろうがガキはガキだな。こんな簡単に捕まるんだからな……」

 

しかしアジトに侵入した直後、グリムは捕まり、拷問にかけられた。

 

「そろそろ楽にしてやれ。」

「へへっ……はい。」

 

組織のボスは部下に指示を送ると、部下は大型のハンマーを振りかぶり、グリムの脳天に振り下ろした。

 

「がっ……!!」

 

脳天に強烈な一撃を喰らい、グリムは頭から血を流し、ガクリと項垂れた。

それを見て、組織の男達はニヤリと笑っていた。

 

「このガキの死体、どうします?」

「薬品でドロドロにするか、山に埋めちまうか……好きにしろ。」

「あー……終わったか?」

 

その時、談笑する男達の後ろに、脳天を殴られたはずのグリムが何事もなく立っていた。

 

『!?』

「ったく、一回死んじまったよ……」

「な、なんでお前……!?」

 

頭を殴られても無事だったグリムに、男達はわなわなと恐怖に震えている。すると、グリムは顔に半透明の模様を浮かばせ、ライオンオルフェノクへと姿を変えた。

それを見た瞬間、男達は恐怖で一斉に叫び声を上げた。

 

『う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

「まぁ、こういうことだ。運が悪かったんだよ……お前ら。」

 

そして次の瞬間、グリムは目の前にいるターゲットを次々と殺していった。男達は銃で応戦するが、オルフェノクであるグリムに銃など効くはずもなく、5分足らずでその場にいた人間は全て皆殺しにされた。

 

「ふぃーっ、仕事終わり……っと。『ガーデン』に電話しねぇと……」

 

仕事を終え、元の人間の姿に戻ったグリムは辺りを見回し、電話を探した。

その時、

 

「オルフェノク……ファイズの世界の怪物だな。」

 

背後から男の声が聞こえ、グリムは声のした方へ顔を向けた。そこには首にカメラを下げた、黒いスーツを着た茶髪の男がいた。

 

「あぁ?誰だてめぇ。」

「グリム・ハワード……この世界における、仮面ライダーカイザだろ?」

「ほー……俺のもう一つの名前を知ってるってことは……てめぇショッカーだな!!」

 

目の前にいる男がショッカーの一員だと思い込んだグリムは、カイザドライバーを腰に巻き、カイザフォンを取り出した。

 

《Standing by...》

「変身ッ!!」

 

カイザフォンの「9.1.3」のキーを押し、ベルトに装填した。

 

《Complete.》

 

ベルトの音声とともに身体に黄色い光のラインが走り、グリムはカイザへと変身した。

 

「人の話を聞こうとしないガキだな……お説教が必要そうだな。」

 

すると、男は楕円形のバックルを取り出し、腰に巻いた。

 

「ベルト……!まさかお前も仮面ライダー!?」

 

驚くグリムをよそに、バックルを両端をスライドさせた。するとバックルの中央が回転する。

さらに、男はベルトの腰に下げた大きめのカードケースから1枚のカードを取り出した。

 

「カード?」

「変身ッ!!」

 

男は叫んだ後にカードを回転させたバックルに挿入した。

 

《カメンライド》

 

ベルトから音声が鳴り響き、男はそのままバックルの両端を押し込んで元の状態に戻した。

 

《ディケイド!》

 

さらなる音声とともに男の身体が灰色の鎧に包まれた……かと思うと、灰色の部分がマゼンタ色に染まり、顔には何枚ものパネルが突き刺さり、その目は緑色に輝いた。

 

「ディケイド……?」

「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ。」

 

ディケイドというライダーは静かに呟くと、腰に下げたカードケースを手に取り、剣に変形させた。

すると、ディケイドが身構えるより先にカイザが斬りかかった。

 

「通りすがりなら通りすがってろ!!」

 

両者の剣が激しくぶつかり合い、火花を散らす。剣戟を繰り広げる中、ディケイドはカードを抜き、新たにベルトに挿入した。

 

《アタックライド スラッシュ!》

 

ベルトの音声とともに剣を振るディケイド。すると刀身が瞬時に分裂し、いくつもの刃がカイザに襲いかかる。

カイザは防ごうとするが、分裂する刃に対応できず、攻撃を受けてしまう。

 

「くそっ……があっ!!」

 

攻撃を喰らい、カイザは地面に転がる。

さらにディケイドはケースから新たにカードを抜いた。

 

「面白いの見せてやる。」

 

新たなカードに描かれていたのは、ファイズだった。ディケイドはファイズのカードをベルトに挿入した。

 

《カメンライド》

《ファイズ!》

 

すると、ディケイドの姿が……なんとファイズに変わってしまった。

 

「ファイズ……!?なんで……!?」

「こういうのもあるぜ。」

 

さらにディケイドはカードを取り出し、ベルトに挿入する。

 

《フォームライド》

《アクセル!》

 

ファイズに変わったディケイドの胸の装甲が開き、さらに色が銀色に変わり、瞳も真っ赤に染まった。

姿を変えたディケイドは左腕につけたファイズアクセルのスイッチを押した。

 

《Start Up.》

 

ファイズアクセルに10秒のカウントダウンが始まり、音速でカイザに向けて突進する。

音速に反応ことが出来ず、カイザは攻撃を食らってしまう。

 

「くそっ……!」

 

それから何度も何度も目に止まらぬ速さの攻撃を食らうが、カイザはただ黙って攻撃を食らうだけではない。

 

「この……舐めんなよっ!!」

 

その時、カイザは銃弾を地面に向けて撃ち、土埃を巻き上げた。

 

「!」

 

突然起きた土埃で視界が悪くなり、ディケイドは思わず立ち上がった。その瞬間、カイザは背後から襲い掛かり、剣で斬りかかった。

 

「チィッ!」

「かかったな!」

 

攻撃を防がれた瞬間、カイザはもう片方の手に持った銃に変形させたカイザフォンの銃口をディケイドの腹に押し付けた。

そのままトリガーを引き、銃撃とともにディケイドを吹き飛ばした。

 

「ぐあっ!!このガキ……!」

 

ディケイドは姿を変えようと別のカードを取り出した。しかし次の瞬間、カイザは即座にディケイドの手元を撃ち、カードを吹き飛ばした。

 

「っ!」

「形勢逆転だな……」

「チッ……仕切り直しだ。」

 

すると、ディケイドは別のカードをベルトに挿入した。

 

《アタックライド》

《インビジブル》

 

ベルトから音声が鳴ると同時に、ディケイドの体は透明になり、完全に消えてしまった。

 

「あっ!?どこ行きやがった!?」

 

カイザはどこから来ても応戦できるように、あちこちに銃口を向ける。しかし、いつまで経っても攻撃は来ない……ディケイドは逃げたようだった。

 

「逃げられたか……ん?」

 

カイザは先ほどディケイドが落としたカードを拾い上げた。拾って絵柄を見た瞬間、カイザは目を見張った。

 

「これ……!?アギ…ト……!?」

 

カードに描かれた絵柄は、仮面ライダーアギトだった……気づけば、グリムはこのカードをロイド達に見せるため、こっそり回収したのだった……

 

──────────────────────

 

フリッドも昨夜、別のライダーと遭遇していた。その日、フリッドはフィオナの仕事を手伝っていた。その仕事とは、密輸組織の壊滅させることだった。

 

「よし……こんなもんか。」

「ありがとね、手伝ってくれて。」

 

10分も経たない内に組織を壊滅させた2人。周りには十数人の組織の人間が転がっていた。

 

「WISEに報告して、早く帰ろう。」

「それ……ちょっと待ってくれないかな。」

 

その時、物陰から少年のような声が聞こえてきた。

 

「誰!?」

 

声を聞いた瞬間、フィオナは即座に銃を抜き、フリッドも身構えた。物陰から出てきたのはグリムと同い年か、もう少し上くらいの青年だった。

 

「君は……?」

「この世界の仮面ライダーは……排除する。」

《ジクウドライバー!》

 

青年はフリッドを睨みつけると、どこからか腕時計のような形をしたベルトを腰に巻いた。

 

「まさか……!」

「仮面ライダー!?」

 

驚く2人をよそに、青年はさらに黒い時計のようなものを取り出し、横に少し回転させ、頭のスイッチを押した。

 

《ジッオーウ!》

 

音が鳴った時計をベルトの右側に装填。すると、ベルトから時計の針が動く音が聞こえ、さらに青年の背後に巨大な半透明の時計が現れた。そして、青年はベルトの上面にあるスイッチを押してロックを解除した。

 

「変身ッ!!」

 

青年は叫び、ベルトを360度回転させた。するとガコーンッ!と鐘が鳴るような音がベルトから響いた。

 

《ライダーターイム!》

《カメーンライダー!ジッオーウッ!!》

 

さらに鳴り響くベルトとともに、青年は黒と銀色の鎧を纏い、時計を模した頭部にピンク色で「ライダー」と書かれたバイザーが装着された。

 

「見たことのないライダー……変わった顔だな……」

「顔に『ライダー』って書いてるわね……」

 

ジオウの変わった風貌を見て戸惑う2人。すると、ジオウはカタカナで「ケン」と書かれた剣を取り出した。

 

「ハァッ!」

 

ジオウはいきなり剣で斬りかかってきた。2人は咄嗟によけるが、ジオウはフリッドに向けて攻撃を続ける。

 

「な、何をするんだ!?」

「言っただろ……この世界のライダーは俺が倒す!」

 

ジオウはそう言うと、剣を両手で持って振り下ろした。対し、フリッドは両腕を交差させて攻撃を防いだ。

 

「くっ……変身ッ!!」

 

フリッドはその状態で叫び、ギルスへと変身した。

 

「いきなり攻撃してくるとは……どういう教育を受けたんだ!?」

「俺だってこんなことはしたくない!でも……”タイムクラッシュ”を防ぐには、これしかないんだ!!」

「タイムクラッシュ……?ぐあっ!!」

 

聞き慣れない単語にギルスは疑問に思ったが、ジオウは構わず攻撃し、ギルスを斬り飛ばした。

 

「この……!おしりペンペンしなきゃ分からないみたいだな!!」

 

ギルスは怒り、両腕から鋭い爪を伸ばし、さらに両足の踵からも刃を伸ばす。

 

「グオォォォォォッ!!」

 

獣のような雄叫びを上げながら、ギルスはジオウに爪で斬りかかった。ジオウは剣で防ぐが、手数の多さはギルスの方が上だった。

両腕のクロウでの連続突き、斬り上げ、ジオウの剣を弾いた。

 

「しまっ……!」

「ガァウッ!!」

 

ギルスは続けざまに両足の鋭い蹴りと同時に踵の刃での斬撃を繰り出す。蹴りと斬撃の波状攻撃を喰らい、今度はジオウが吹き飛んだ。

 

「くっ……爪には爪だ!」

 

ジオウは緑と黄色で彩られた時計を取り出し、頭のスイッチを押した。

 

《オーズ!》

 

「オーズ」と鳴った時計をベルトの左側に装填し、変身の時と同様ベルトを360度回転させた。

 

《ライダーターイム!》

《カメーンライダー!ジッオーウッ!!》

 

音声とともに、どこからか赤いタカ、黄色いトラ、緑色のバッタが出現し、ジオウを取り囲んだ。

 

《アーマーターイム!》

《タカ!トラ!バッタ!オーズー♪》

 

3つの動物は鎧に変形し、ジオウの身体に装着された。タカは頭部に、トラは上半身、バッタは下半身に装着された。

同時に、トラのアーマーから鋭い爪が伸びた。

 

「ハァッ!」

「ガァウッ!」

 

両者はその場で跳躍し、互いの爪をぶつけ合った。ジオウには爪だけでなくバッタのアーマーによる高い跳躍力を身に着けた。手数は確実に増している……が、手数だけが重要ではない。

ギルスは右腕から触手を伸ばし、ジオウに向かって伸ばした。しかし、ジオウはそれをよけた。

 

「隙あり……!」

 

かわした直後、ジオウはすかさず両腕の爪で斬りかかった。しかしその瞬間、ジオウの背後から触手が巻き付いたドラム缶が飛び、ジオウにぶつかった。

 

「うわあっ!?」

「今だ!」

 

ジオウが転んだのを見て、ギルスはチャンスと思い両足を広げた。すると、ギルスの足元に緑色の紋章が浮かび上がった。

 

「俺だって……!」

《フィニッシュターイム!》

 

ジオウも再度ベルトを回転させた。すると、空中に3枚のメダル状のエネルギーが現れた。

 

『ハッ!!』

《スキャニングタイムブレーク!!》

 

2人は同時に飛び上がり、互いに必殺のライダーキックを繰り出した。互いの蹴りが空中でぶつかり合い、爆発を起こした。

 

「ぐうっ!」

「うわっ!」

 

技の威力は互いに互角で、相打ちとなって2人は地面に転がった。

 

「くそっ……!」

「君は一体なんなんだ……!」

 

2人はふらつきながらも立ち上がり、睨み合った。再度戦おうとするが、その時外からパトカーのサイレンが鳴り響いてきた。

 

「……誰かが騒ぎを聞きつけたみたい……!」

「マズイな……早く逃げ……!」

 

ギルスが一瞬フィオナの方に顔を向けた瞬間、ジオウは姿を消してしまった。

 

「逃げたのか……!ん?」

 

その時、ギルスはある物を見つけた。それは先ほどジオウが使っていた物と同じ時計のようだった。灰色と黄色で彩られた時計……回転させるとあるライダーの顔になった。

 

「っ!これは……!津上君……!」

 

時計に描かれた顔は、アギトの顔だった……

 

──────────────────

 

「……つまり、その2人のライダーが落としたのがコレということか。」

 

2人から話を聞いたロイドは改めて2人が持ってきたものを見た。

かなり精巧に作られている……巷ではアギトのグッズが大量生産され、売られている。当然子供向けのカードや目覚まし時計なども売られているが、目の前にあるコレは明らかに違う。

 

「よく出来てますね……」

 

ヨルの言う通り、良く出来ている。アギトとうり二つと言ってもよかった。

誰がコレを作ったのか……コレを使うディケイドとジオウとは何者なのか、何故2人はフリッドとグリムに襲いかかったのか……疑問がつきない……

だが、この時は皆は予想もしていなかった。ディケイドとジオウとの出会いが、これから起きる騒動の一端を担うとは思わなかった……

 

そして……

 

「うーん……ここからスッゴいガッチャのニオイがする!ソラ君……だっけ?ここで探してる人と会えるかもよ!」

「うん!ありがとう、お兄ちゃん!」

 

フォージャー家はかけがえのない人と出会うこととなる……

 

 

 




おまけ「みんなちがってみんないい」

「アーニャ、もうすぐ始まるぞ!」
「ういっ!」

日曜の朝……アーニャが楽しみにしている番組の始まる時間だった。その番組の名は「爆上戦隊ブンブンジャー」。

「ばくあげたいやーっ!!」
「ふふふっ、アーニャさんは戦隊物に夢中ですね。」
「ええ、本当に……」

戦隊番組を楽しげに見るアーニャを見て、ロイドとヨルは微笑ましく笑っている。
アーニャは番組の内容は勿論のこと、楽しみなのはストーリーだけでなくEDも楽しみにしていた。所謂「戦隊ダンス」の時間だった。

『やるときはやるオレなんだぜ♪たよりにしろよ♪』

映像のEDの歌詞とダンスに合わせて見様見真似でダンスを踊るアーニャ。その愛らしい姿にまた笑みを浮かべる2人。笑いながら、ロイドはコーヒーを飲もうとした。するとその時……

『みんなちがってみんないい♪』
「!!」
『それが自分と胸を張れ♪』
「!!!!」

その歌詞を、歌を聞いた瞬間、ロイドは雷に打たれた様な衝撃を覚えた。
そしてその夜……

「『みんなちがってみんないい』……それが当たり前のはずなのに、俺は無意識の内にアーニャとヨルさんにありのままでいさせることを拒んでいたのかもしれない……生活のためとはいえ……」
「子供向け番組の主題歌になんで感化されてんですか。」

酒の席で自身の心情をフィオナとフランキーに吐露したのだった……翌日、ロイドは皆と一緒にブンブンダンスを踊って落ち着きを取り戻したらしい。

───────────────────

子供向け番組の主題歌の歌詞って、けっこうストレートだよね!

いよいよ最終章に入りました!物語を練りに練りまくろうと思っているため、投稿頻度は今までより遅くなるかもしれません。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。