翌日、正午……
「フッフッフッ……タワーを起動させろ!!」
大首領・ビッグマシンの一声とともに、戦闘員はスイッチを押した。すると大地が揺れ、街の真ん中に亀裂が入った。
「な、なんだ!?」
「地震!?」
街の住人達が突然の地震に慌てる中、亀裂は広がり地面が割れる。そして地下から巨大な塔……「ショッカータワー」が姿を現した。
さらに、空中に巨大な画面が出現した。西国でも同様に画面が出現していた。
『東国……および西国の諸君!ワシはショッカー大首領……ビッグマシンである!』
突然現れたショッカーのボスに住人はただただ困惑する中、ビッグマシンは話を続けた。
『これより、東西の両国は我らの手中に落ちる!!選ぶがいい……我らの手下になるか、滅びの道を選び死ぬか!!』
ビッグマシンの青いバイザーがカッと光を発した。それと同時にタワーのてっぺんにある鷲のレリーフも青い光を発した。
すると、街に大量の怪人が召喚された。
「グオォォォォォ!!」
「アビアビアビーーーッ!!」
「ギラァァァァァァッ!!」
怪人達は雄叫びを上げ、一斉に住民達を襲い、街を破壊していく。人々は逃げ惑い、恐怖し叫ぶ。
そんな中で、ひどく冷静で落ち着いている者達がいた。それは、仮面ライダー達だ。
「ヨルさん、スーツのサイズ大丈夫ですか?」
「はい、ピッタリです!」
2人は喫茶シオンで戦闘準備を進めていた。
ロイドは自分で作った戦闘用スーツを着ていた。ヨルも同様にロイドが作った戦闘用スーツを着ている。
ロイドのスーツは黒いライダースーツの上に同じく黒いプロテクターを装着し、頭には黒いマスクに赤い十字形のバイザーを被っている。
ヨルの方はいつもの黒いドレスの上に軽量素材でできたアーマーを装着し、頭にはロイドと同じ赤い十字形のバイザーがついた黒いマスクを被っている。
「おっ、カッチョいいじゃん!」
「ちちとはは……かっこいい!」
そこに近づいてきたのはフータロスとアーニャだった。ロイドはフータロスの方をギロリと睨む。
「フータロス……アーニャのことちゃんと守れよ。」
「へっ、わかってるよ。シエルの姉貴だからな。」
「そういえば……」
するとヨルが声を上げ、フータロスに尋ねた。
「フータロスさんはいつからシエルちゃんと一緒にいたんですか?」
「未来からだよ。そもそも、アイツがこの時代に来られたのも、俺と一緒にいたからだ。アイツは特異点……シエルを利用して、オイシイ思いしようと思ったが……このザマだ。ハァ……」
自分の目的を果たせなかったことに落ち込み、フータロスはため息を吐きながら、その場でかがんだ。
「……なら、なんで今、協力してくれるんだ?」
ロイドの言う通り、フータロスがシエルを利用するつもりだったのなら、ここまで協力する必要はない。
フータロスは照れくさそうに頭を掻きながらそっぽを向き始めた。
「……アイツのことが好きになったからだよ。アイツ、すっごくいいヤツでさ。イマジンの俺にも友達として接してくれるし……だから、助けてやんねぇと……後味悪すぎんだよ!」
フータロスはそう言うと、そっぽを向いたまま俯いてしまった。
それを見て、ロイドとヨルはフッと笑った。
「フータロスさんもシエルちゃんが大切なんですね。」
「ありがとう……協力してくれて。」
「おっ、二人とも準備できてるか!」
そこに、聞き覚えのある声が聞こえてきた。声が聞こえた方に顔を向けると、そこにはフリッド達の姿があった。
「しかし、このスーツ……マジで自分で作ったのかよ。」
「ああ。」
グリムはロイドとヨルが着ているスーツを見て呟いた。
「いつか、こういう日が来るんじゃないかと思ってな……俺達も、ただ見てるだけじゃな……それに今回は息子の命もかかってるんだ!」
「そうだよな……絶対に助けやらねぇとな!」
グリムの一言に、皆はウンと力強く頷いた。
すると、フリッドは2人が着るスーツを見てこう言った。
「仮面ライダー……いや、仮面ライダーとは別のヒーローみたいだな……そうだ、”十字仮面クロスファイヤー”なんてどうだ!?」
「何言ってんだ……バカ言ってないでとっとと行くぞ!」
フリッドの冗談をかわし、ロイド達はキリッとした目つきで前を向き、いよいよ出発……と思いきや、
「フリッド。」
「ダーリン!」
フィオナはフリッドに、ロゼッタはグリムに駆け寄った。
「フィオナ……いってくる。」
「フリッド……どんな結果になっても、あなたを好きになったこと……後悔しない。」
2人は互いに見つめあい、抱き合った。そして互いにキスを交わした。
「ダーリン、お義父様は……?」
「もう西国の方に行っちまったよ。……大丈夫だ、親父は強いから。それより、お前はちゃんとアイネのとこ避難してろよ。」
「うん……じゃ、んー♡」
ロゼッタは唇を尖らせ、キスをねだってきた。しかし、グリムはキスをせず耳元で囁いた。
「それは帰ってきた後で……な?好きなだけしてやるよ。」
「……あぁん♡耳元で囁くなんて反則ぅ♡ダーリン好き好き好き〜〜〜♡♡♡」
耳元でウィスパーボイスで囁かれ、ロゼッタはグリムの腕にしがみついた。目もハートになる勢いだった。
「ああ、はいはい。お前はいつも通りで安心したよ……」
「あれ?そういえば……」
宝太郎はふと辺りを見回した。
「どうした?」
「ユーリさんがまだ来てない……」
宝太郎の言う通り、ユーリとアイネ達が乗るG3トレーラーがまだ来ていなかった。と、噂をすればG3トレーラーがようやく到着した。
「みんな、待たせてごめんね。」
アイネは車から降りて一言謝ると、トレーラーの後部を開け、タラップを下げた。
「みんなおまたせ。」
中からユーリの声が聞こえ、姿を現した。その瞬間、中から出てきたユーリを見た途端皆は目を見開いた。
ユーリはいつも通りG3-Xを装着していたが、そのスーツの上に新たにアーマーが装着されていた。
「驚いた?これは例のG3-Xの強化プランの一つ……名付けて”G3-X
背中にはGX-05 ケルベロスと同等のガトリング砲を二丁、両脚には戦車に使われるキャタピラを小型化したものがついたアーマーを装備、右腕には追加装甲とGA-02と同等のグレネードランチャーを装着、左腕にも追加装甲とサブマシンガンを装着、両肩にも追加装甲と巨大なシールドをマントのように装備している。
さらに、重量による転倒を防止するため、腰にストッパーがついている。
「ゴテゴテだなこりゃあ……」
「ユーリ、重くない?」
「うん、正直重い。でも、気合いで動かす!」
これでユーリも準備万端。これで全員揃った……それを見計らったかのように、怪人達が姿を現した。
「来たか……みんな、いくぞ!!」
怪人達を前に、フリッドは両腕を顔の前で交差させ、グリムはベルトを巻いてカイザフォンを取り出し「9.1.3」のボタンを押す。宝太郎もガッチャードライバーを腰に巻き、2枚のカードを装填した。
《Standing by...》
《スチームライナー!》《ホッパーワン!》
『変身ッ!!!』
《Complete.》
《スチームホッパー!!》
3人は高らかに叫び、フリッドはギルスに、グリムはカイザに、宝太郎はガッチャードに変身を遂げた。
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
そして、一斉に怪人達に向かって突進していった。
大切な人を取り戻すため、守るために……ついに決戦が始まった。
────────────────────
そのころ、西国でも戦いが始まっていた。
「ライダーパァンチッ!!」
戦っているのはニコルが変身する仮面ライダー3号。3号のパンチが怪人の顔面に炸裂し、頭を吹き飛ばす。
「ライダー回転チョップ!!」
右手で手刀を作り、体を横に回転させながら怪人の体を切り裂く。
しかしそこに、大量の敵兵が襲いかかってくる。すると3号は倒れた怪人の両足を掴んでそのまま振り回した。
「ライダースイング!!」
敵をジャイアントスイングで振り回しながら、他の敵を吹き飛ばしていく。しかし、ここまでやっても敵の数は減らない。まだまだ大量にいる。
「次から次へと……!」
と、その時ドドドドドドッ!!と機関銃の音が響き、怪人達の身体を貫いた。
「っ!?」
「お待たせしました、ニコラス様。」
落ち着いた声色とともに現れたのは、”K”だった。その隣には、色こそ違うが、3号によく似たシルエットの仮面ライダーが機関銃持って立っていた。
「大量発生型相変異バッタオーグ……ショッカーライダーといえば分かりやすいでしょうか。」
「ショッカーライダー……なぜそいつが俺を……?」
ショッカーが作り出したライダーなら、迷わずニコルの方を襲うはず……それなのに助けてくれたことを3号は不思議がった。
「私が彼らの脳波をハッキングし、洗脳したのです。今、別のショッカーライダーを西国の各地に配備させました。」
「そうか……東国の方は?大丈夫なのか?」
「そちらの方も……心配はないかと。」
場所は変わり、イーデン校……この学校にもショッカーの怪人達が迫っていた。率いているのはアポロガイスト。
「フハハハハハハハハハッ!!久しいな、イーデン校の諸君!」
「き、貴様はあのときの……!!」
「我が名はアポロガイスト!貴様らにとって、迷惑な存在なのだ!そして、こいつらにも見覚えがあるだろう!」
アポロガイストはマントを翻すと、後ろから1人の男が現れた。
それはイーデン校の生徒や教師達にとって見覚えのある男だった。
「グフフフ……ひさびさだなぁ、イーデン校!!」
「マードッグ!!」
目の前に現れたのは、グレンにダルマにされたはずの男……イーデン校の元教師マードッグ・スワンだった。
しかも切り落とされたはずの両腕両足が戻っていた。
「大首領様は偉大だ……イグニスのクソッタレにひどい目にあった私を……こんな身体にしてくれたっ!!!」
マードッグは叫ぶとともに姿を変え、ゴキブリの怪人・ゴキブリ男に変わった。
「キーッヒッヒッヒッヒッ!!手始めに私をクビにしたイーデン校!!次に私を舐め腐ったジョージ・リグラ!!そして最後に……この私の手足を切り落とし、マブタと口に針糸を縫いやがった…イグニスのクソガキィィィィィ!!!」
生徒と教師達は戦慄した。あのマードッグが怪人となって戻ってきたのだから。
「フハハハ……こいつの執念は凄まじくてなぁ……きっと女子どもだろうと見境なく殺すだろうな。そしてこいつも……な。」
アポロガイストの言葉とともにもう一人男が現れた。
軽く2mは越えているであろう身長に、剃ったであろう丸い頭に「四角い」という表現が合う鼻に顎……神化教団の司教・アイゼン。
「…………」
しかし、アイゼンはボーッとしているだけで立ち尽くしていた。
「チッ、まだ本調子じゃないというワケか……まぁいい。おいブタッ!やってしまえ!!」
「ブヒヒヒ……了解!」
ゴキブリ男は両手の鋭い爪をジャリンジャリンと鳴らしながら戦闘員を引き連れ、ジリジリと近づき始めた。
「くっ……!き、貴様……!それでも元イーデン校の教師か!!ノットエレガント!!!」
「黙れ!!なにがエレガントだ!!おい、まずはそこのジジイを始末しろ!!」
『ジーィッ!!』
負けじと口論しようとするヘンダーソンに怒鳴り声を上げ、ゴキブリ男は戦闘員達をけしかけた。
「っ!!」
戦闘員がヘンダーソンに襲いかかろうとしたその時、戦闘員の頭にドスッ!と刃物が突き刺さった。
「こ、これは……!」
その剣は銃剣だった。さらに続けざまにどこからか鎖鎌が飛んできて、その首を切り裂いた。
「こんな時まで『エレガント』なんて……まったく……それでこそ先生です!」
「しかし、Kの奴から知らされて来てみれば……すげえことになってんな。」
ヘンダーソン達の前に白い修道服を着た2人の男が現れた。それは、
「イ、イ……イグニス!!」
かつては神化教団に属し、かつて「グレン」という洗礼名を与えられた元イーデン校の生徒イグニス。もう一人はその友人、ペルランだった。
イグニスはヘンダーソンに顔を向けるとフッと微笑んだ。
「お久しぶりです……先生。」
「イグニス……本当にお前なのか……!」
久々に見るイグニスの姿に、ヘンダーソンは涙がこぼれ出しそうになっていた。それとは対象的に、ゴキブリ男は敵意をむき出しにしていた。
「イグニスゥゥゥゥゥゥ!!」
「……変わったな、マードッグ……ゴキブリか……お似合いだな。」
「この、クソガキャァァァァァァッ!!!」
ゴキブリ男はすぐさまイグニスに襲いかかろうとした。しかし次の瞬間、さっきまで棒立ちだったアイゼンがゴキブリ男の頭を掴み、後ろの方に投げ飛ばした。
「ぶえっ!?」
「貴様、何をしている!?」
「………この、愚か者どもがァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
アイゼンは顔中に血管を浮かばせて叫んだ。その叫びは凄まじく、窓ガラスにヒビが入るほどだった。
そしてアイゼンはイグニスとペルランを背に、アポロガイスト達に立ちふさがった。
「我ら神化教団は、同胞を決して見捨てぬゥ!!!愚者は貴様らだショッカーどもォ!!!貴様らの死体がアギト神様への手向けとなるのだァァァッ!!!!」
ビッグマシンによって復活したアイゼンは、いつも通りだった。そんな様子を見て、イグニスとペルランは苦笑いを浮かべていた。
「……いつも通りで安心したな。」
「確かに……」
「グレン君ッ!!ペルラン君ッ!!共に来なさいッ!!!共にショッカーの愚者どもを粛清するのです!!」
顔を上に上げて天を仰ぎながら、アイゼンは二人に呼びかける。二人はフッとため息を吐きながら、アイゼンの横に並ぶ。するとアイゼンは叫んだ。
「我は己らに問う!!汝らは何ぞや!?」
「我らは神化教団の信徒なり!!」
アイゼンと問いかけにまずイグニスが答える。
「ならば汝らに問う!その手に持つものは何ぞや!!?」
「右手には銃剣を!左手には聖典を!」
続けての問いかけに今度はペルランが答えた。さらにアイゼンの問いかけは続いた。
「ならば信徒達よ!!我らがすべき事は何ぞや!!?」
『アギト神様に仇なす者への粛清を!!信じる者達に安らぎを!!』
「よろしい!!ならば……いきましょう!!怪力招来ッッッ!!!」
「チェンジ!!」
「灼熱!!」
神化教団の教義が終わった瞬間、3人はそれぞれ掛け声を上げ、怪人の姿へと変わった。イグニスは火焔プロメテス、ペルランは鳥人イカルス、アイゼンは鉄腕アトラスへと姿を変えた。
「この……宗教バカがっ!!やってしまえ!!」
突然裏切ったアイゼンに頭を抱えながらも、アポロガイストは指示を出し、部下達は武器を構えた。
対し、イグニス達も身構えた。
かつては敵だったが、今だけはイーデン校の生徒と教師を守る正義の怪人……その手を、その力を正しいことに使うため、3人は立ち向かう。
そのころ、ウォルターが収容されている刑務所にもショッカーの怪人が押し寄せていた。
「おい、何が起きている!?」
「ショ、ショッカーの奴らが……う、うわぁぁぁぁ!!?」
看守はすぐに押し寄せてきた怪人に殺されてしまった。怪人はすぐに檻の中にいるウォルターに目をつけた。
「ガウルルルルッ!!」
怪人は檻を掴んで激しく揺さぶる。簡単に壊れる強度ではないが、それでも怪人の力は強いため、後何分かすれば壊れてしまう。
ウォルターは怪人の持つナイフに目をつけた。すると次の瞬間、怪人の力で檻の扉が無理やり開かれた。
「グゴァァァァァァッ!!」
怪人はナイフを手にウォルターに斬りかかった。しかし、ウォルターはそのナイフの一撃を受け流し、逆にその腕をへし折った。へし折られたことで怪人はナイフを手放した。ウォルターはそのナイフをすぐさま拾い、怪人の首に突き刺し、そのまま掻っ切った。
「グッ、ガ………!!!」
怪人を倒したウォルターは檻から飛び出し、外へ向かって突き進んでいく。その道中、怪人や戦闘員達に襲われたが、そのことごとくをナイフで切り裂いた。
「ナイフじゃリーチが足りない……刀が必要だ……!」
リーチが短いことに不満を抱き、ウォルターは苦言を吐いた。すると、もう少しで外に出るところで1人の怪人が立ちふさがった。
「我が名はカイデンバグスター……位は四拾段……」
カイデンという怪人は名乗ろうとしたが、ウォルターは聞くつもりなどなく、すぐさまその顔面にナイフを突き刺した。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「貴様、刀を持っているな……よこせ!」
ウォルターはカイデンの背中に背負っている刀に目をつけ、鞘ごと奪い取った。
「ひ、卑怯な……!!」
「怪人に情けはかけん……死ね。」
カイデンは負けじともう一本の刀を抜こうとするが、それよりもウォルターの抜刀の方が速かった。
あっという間にカイデンの首を切り飛ばし、ウォルターは刑務所を脱走した。
(この分だと、病院にも手は回るな……だが、ユーリはショッカーにかかりきりになるはず……なら、俺が行くしかない。)
「待っていろ、ノエル……!!」
刀を強く握りしめ、ウォルターは病院へ足を進めた。最愛の妹の元へ。今度は必ず守るために……
──────────────────────
各々がそれぞれ行動を開始していた時、ロイド達は戦っていた。ショッカータワーへの道を阻む怪人達と。
「クソ、数が多すぎる!」
ロイドはショットガンで怪人の頭を撃ち抜く。
「これじゃ先に進めません!」
ヨルもスティレットと蹴りで応戦し、
「このままじゃ、こっちの弾が尽きるよ!!」
ユーリも背中のガトリング砲や両腕のグレネードランチャー、サブマシンガンで怪人を次々と撃ち抜き、
「仕方ないさ!こいつら、数だけは揃えてる!人海戦術でこられたら、こいつらの方が有利だ!!」
冷静に状況を判断しながら、ギルスは両腕のクロウで切り裂く。
「冷静に言ってる場合かよ!タワーに近づけねぇぞ!」
「なんとかしないと……!」
カイザとガッチャードは背中合わせになってカイザブレイガンとガッチャージガンで敵を撃ち抜く。
皆、それぞれ百戦錬磨の強さを持っているが、それでも数だけは圧倒的にショッカー側が勝っていた。このままではタワーに進むことができない……だがその時、
「ハーッハッハッハッハッ!!」
どこからか男の笑う声が聞こえてきた。その声が聞こえた方に顔を向けると、そこには数人の男性が担ぐ神輿に乗り、周りに天女のような女性達を踊らせている赤い戦士がいた。
赤い身体にちょんまげ、サングラスのような目元……そして額にかたどられている桃……まるで日本のおとぎ話の桃太郎のようだ。
「やあやあやあ、祭りだ祭りだ〜!袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!悩みなんざ吹っ飛ばせ!笑え笑え!ハーハッハッハッハ!!」
『…………え、誰?』
赤い桃太郎(?)は扇子を仰ぎながら啖呵を切り、高笑いをあげる。それに対しロイド達はおろか、ショッカーの怪人達でさえ啞然としていた。
すると、赤い桃太郎(?)は神輿から飛び降り、歌舞伎のような見栄を切った。
「桃から生まれた!ドンモモタロウ〜〜!!」《よっ!日本一!》
ドンモモタロウという戦士は名乗りを上げたが、ロイド達は困惑するだけだった。
「いや、名乗られましても……?」
「夢の中で会っただろう。最終回に相応しい顔つきになったようだな……」
「は?夢の中?」
「最終回……?」
分けの分からないドンモモタロウの言葉に困惑してしまう一同。そんな中、ドンモモタロウはサングラスの形をした剣「ザングラソード」をショッカーの怪人達に向けた。
「悪縁は断ち切るに限るぜ。ハーッハッハッハッ!!勝負勝負ー!!」
ザングラソードを手に、高笑いを浮かべながら敵陣に飛び込み、目の前にいる怪人達を次々と切り裂いていった。
その強さはまるで一騎当千……というよりデタラメだった。簡単に敵を次々と倒していく様はギャグのようにも、無敵のようにも見えた。
「ア、アイツ目茶苦茶強いぞ……!?」
「というか、アイツ俺達のこと知ってるみたいだが……」
「どっかで会ったっけ?」
突然現れたドンモモタロウに困惑し、デタラメに強いドンモモタロウにも困惑するロイド達。すると、ロイドはふと呟いた。
「……アイツどっかで会ったような……」
「えっ、どこでですか!?」
「ドンモモタロウ……ドン……ドンブラ……うっ、頭が……!!思い出したくない……!!」
そう言ってロイドはガタガタと震え始めた。まるでトラウマの光景を思い出してしまったような……
「何があったんだロイド君……」
「つーか、ここはアイツに任せて行っちゃおうぜ!」
「それもそうだな、行こう!!」
ロイド達はその場をドンモモタロウに任せて、さっさと先へ進んでいった。
その後ろ姿をドンモモタロウは戦いながら見送った。さらにフッと笑った。
「フッ……成長したな、お供達……そらぁっ!!」
成長したロイド達に感銘を受けながら、ドンモモタロウは怪人を切り裂いた。
ドンモモタロウの加勢もあり、ロイド達はついにタワーの目の前までたどり着いた。
「よし……ここから4組に分かれるぞ!」
ロイドの指示に従い、それぞれ4組に分かれた。ロイドとヨルは目の前の正面入口に、カイザとガッチャードは裏手の入口、ユーリは東側の入口へ、フリッドとアーニャ、ボンドは西側の入口へ向かった。
ついにタワーへ侵入し、シエルの救出作戦が本格的に始動した……
おまけ「二度あることは三度ある」
「いこうか、家族旅行!」
「おでけけおでけけ!」
フォージャー家はフリジスへ家族旅行に行くことになった。だがその時、テレビで速報が入った。
『皆様見えるでしょうか!現在、フリジスの軍隊が謎のサングラス集団に制圧されました!』
『いえいえ!名乗るほどの者ではありません!!ドラゴンファイアーズです!!』
テレビに映るアナウンサーを押しのけ、ドラゴンを模した鎧を纏ったサングラスの戦士、ドンドラゴクウがでかでかと画面に映る。よく見ると後ろの方に別のメンバーも映っている。
『あっ、すいません!僕達、桃井タロウさんを探してるんですけど、誰か知りませんかー!?知ってる人がいたら、こちらの番号にドシドシ送ってくださーい♪』
ドンドラゴクウは両手の人差し指を立てて下の辺りを指差した。
『えっ、番号出ないんですか!?だってテレビって電話番号と宛先出ますよね!?あれー?』
その瞬間、ロイドはテレビを消した。
「……家族旅行、やめましょう。」
「このネタ、もう3回目ですね。でも……テレビに映ってたのドンブラザーズの方々ですよね?私、ドンブラザーズ大好きなので是非会いたいですけど……」
「アーニャもドンブラザーズすきー!」
ドンブラザーズを見て会いたがる2人だったが、ロイドは首を横にブンブン振った。
「2人には悪いけど、俺は会いたくないんです!!特にあのドンモモタロウ……無理やり最終回にされそうな予感が……!!」
その時、インターホンが鳴り響いた。
「なんだこんな時に……はーい、どちらで……」
ロイドはおもむろにドアを開けた。その瞬間、ロイドは頭の中が真っ白になった。ドアを開けて、そこにいたのは……今もっとも会いたくない男、ドンモモタロウだった。
「縁だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「イヤァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「劇場版 SPY×FAMILY CODE:WHITE」……完
─────────────────────
Q.なんでドンブラザーズはフリジスにいたんですか?
A.フリジスのお菓子が食べたかったから来ました
スパイファミリーの映画がBD化&中国でも公開されたということでその記念。
ロイドとヨルさんが着ているスーツは仮面ライダーの初期案「十字仮面クロスファイヤー」が元ネタになっています。ロイドのスーツは仮面ライダー001が元で、ヨルさんのスーツはTVアニメ「スカルマン」のスーツが元になっています。
活動報告に次回作の予告を投稿しました。よければそちらもどうぞ。
SPY×AGITΩのオリキャラで好きなキャラは誰?(6月半ば頃に集計します)
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フリッド・リード
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グリム・ハワード
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イグニス・ブレイズ(グレン)
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ニコラス・ハワード(ニコル)
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ウォルター・クロフォード
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ロゼッタ
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ノエル・アスール
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シエル・フォージャー(ソラ)