SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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今回で全て終わりです。ここまで来るのに、本当に長い時間を費やしました。それができたのは、ここまで付き合ってくれた皆様のおかげです。本当にありがとうございます。




エピローグ

 

「本当にいいのか?」

「はい、俺は出世には興味ないんです。」

 

あれから5年の歳月が流れた……

フリッド(38歳)は変わらずイーデン校の教師を続けていた。この日、ヘンダーソンから「教頭にならないか」と誘われたが、フリッドはこの申し出を断った。

 

「それに、教頭になったら生徒達と接する時間が減るじゃないですか。俺は、少しでも長く、生徒達と一緒にいたいんです。」

「敵わんな……好きにしろ。」

「そうします。」

 

フリッドは笑って言うと、ヘンダーソンも釣られて笑った。

 

「先生さようならー!」

「さようなら!」

 

放課後、フリッドは校門に立ち、下校する生徒達を見送っていた。

 

「フリッド先生!」

 

その時、一人の生徒が声をかけてきた。フリッドの愛する人の一人、ダミアンだ。後ろには取り巻きであるエミールとユーインがいた。

 

「先生……教頭にならないかって誘い、断ったって……」

「うん。でもいいんだ……俺は、君達と一緒にいられるのが凄く嬉しいんだ。」

『せ、先生〜〜!』

 

自分達のことを考えてくれていることを知ったダミアン達は思わず泣いてしまった。

 

「相変わらず生徒思いですね、フリッド先生。」

 

その時、もう一人声をかけてくる者がいた。後ろを振り向くと、そこには……

 

「イグニス!ペルラン!それに……神さん!」

 

そこにいたのは、イグニスとペルラン、それに仮面ライダーXこと神敬介だった。

 

「5年ぶりだな、フリッド。」

「どうやってここに……?もしかしてエース君が!?」

「ああ、英寿が創世の女神の力を使って、俺達と一緒にこっちに来たんだ。」

 

久々に敬介と出会うことができて、フリッドは笑顔を浮かべた。この後、巧や英寿にも会えると思うとさらに嬉しくなる。

 

「イグニス、ペルラン、2人は仕事の方はどうだ?」

「いや〜、スパイって大変ですわ。」

「僕も……今ようやく『ガーデン』の仕事に慣れてきたところです。」

 

5年の間に、2人は新たな仕事に就いた。ペルランは「WISE」のスパイとなり、イグニスは「ガーデン」の殺し屋となった。

過去に自分達がやったことへの償いをするために……

すると、今度は敬介がフリッドに声をかけてきた。

 

「アーニャちゃんはいるかな?」

「アーニャちゃんですか?もう帰りましたよ。シエルくんのお迎えに、幼稚園行くって……」

「実は、あの子と会いたい人がいてな……」

 

─────────────────────

 

そのころ、

 

「シエル〜!」

「お姉ちゃん…むぐっ!?」

「待たせてごめんね〜♪」

 

幼稚園を訪れたアーニャは、シエルを見つけるなりギュッと抱きしめた。

 

「お、お姉ちゃん……みんなの前で恥ずかしいよ……」

「あらあら、相変わらず仲良しね♪」

 

いつも通りの光景なのか、保育士達はクスクスと笑っている。

すると、一人の女児が声を上げた。

 

「相変わらずお姉ちゃんっ子ですのね、シエル!」

「あっ、マールちゃん!こんにちは!」

 

少女の名は、マール・リード。フリッドとフィオナの間に生まれた子どもであり、シエルとは幼馴染。

すると、今度は大人の女性の声が聞こえてきた。

 

「何言ってるの、マール。あなただって、家に帰ったらパパに甘えてるじゃない。」

 

そう言ったのは、母親のフィオナだった。

 

「わ、私はいいんですの!私はお父様が大好きだからいいんですの!」

「まったくこの子ったら……フフフッ」

 

子どもが生まれてから、フィオナの表情は明らかに丸くなった。フリッドとマールとの生活で、笑顔が増えていったのだ。

 

「今日もグリムパイセンのとこ行って、アイス食べよっか!」

「うん!」

 

シエルと一緒に幼稚園を出たアーニャは、ある店へ向かった。

その店は「パスタハウス・ハワード」。

 

「店長ー!ボロネーゼ大盛り1つです!」

「おやっさーん!カルボナーラ1丁!」

「マスター!ペペロンチーノの特盛入りまーす!」

「お前らいっぺんに言うな!というか、呼び方統一しろよ!!」

 

店のキッチンに立つのは、店長のグリム(22歳)。戦いが終わった後、グリムは必死に料理や経営の勉強をし、複数の資格を獲得した。そして、20歳になった年にロゼッタと結婚し、喫茶シオンの系列店となるこのパスタハウス・ハワードを出店することになった。

 

「しっかし店長〜、大盛りも特盛も追加料金同じなんて……無茶だぜ。」

 

この店のパスタは大盛りも特盛も追加料金は同じ料金で、たったの1ダルク(約320円)という破格の値段だった。店としては儲からないが、グリムは気にしなかった。

……ちなみに、残した場合は罰金5ダルク払わなければいけない。

 

「……いいんだよ。俺は、みんなに腹いっぱいになってもらいたいんだ。」

「おやっさんは優しいなぁ。」

「まぁ、そのおかげで私らも生活できてるワケだけど。」

 

そう言うと、従業員の3人は顔に半透明の模様を浮かばせた。

この店の従業員はグリムとロゼッタを除けば3人いる。その3人は全員オルフェノクだった。

グリムは、この世界に迷い込んでしまったオルフェノクに衣食住を紹介し、居場所を作っていた。それが、木場勇治の理想を叶えることだと信じて……

 

「店長、あの子来てますよ!アーニャちゃん!」

「お、今日も来たか!」

 

アーニャが店に来たと知り、グリムは笑顔を浮かべ、あるものを持って客席へ向かった。

 

「よぉ、2人とも!」

「おじさん、こんにちはー!」

「はい、こんちは〜♪」

 

挨拶してきたシエルに、グリムはにこやかに笑いながらシエルの頭を撫でた。

 

「パイセン、いつもの!」

「はいよ、クリームソーダ。」

 

グリムはアイスが乗ったメロンソーダを、2人に差し出した。

 

『いただきまーす♪』

「しかし、最近毎日来るなぁ。小遣いなくなっても知らねぇぞ?」

「だ、大丈夫だもん!」

 

痛いところを突かれて一瞬慌てたアーニャだったが、再びクリームソーダを食べ始めた。

すると、

 

「わはーっ!アニャ姉とシエルだーっ!!」

 

その時、とびきり元気そうな男の子の声が店内に響き、客席の衝立をピョンピョンと軽く飛び移りながら、アーニャ達の前に現れた。

 

「タスクくん!」

「コラッ、タスク!店ん中で走り回るなって言っただろうが!!」

 

グリムとロゼッタの間に一人の息子が生まれた。その名はタスク・ハワード。木場勇治から名前を貰い、「牙」という意味を持つ「タスク」という名前がつけられた。

 

「わはっ!アイス食べてる!父ちゃん、オイラもアイス!」

「バカッ!おめぇはさっきポテチ3袋も食ってたじゃねぇか!」

 

タスクは父のグリムと似て、子どもながらにかなりの大食いだった。サンドイッチなら一斤分食べられる。

 

「あらあら、ダメでしょタスクちゃん!お店の中で走り回ったりしたら……」

「母ちゃん!」

 

騒ぐタスクを諌めながら、優しく抱き上げるのは母親のロゼッタだった。結婚した後も、そのスタイルの良さは健在だった。

その後、アーニャ達は談笑を続けていると、ドアのベルがカランカランと鳴った。

 

「いらっしゃ……あっ!」

「よぉ。」

 

店に入ってきたのは、仮面ライダーファイズ、乾巧だった。巧の姿を見るなり、すぐさまグリムは駆け寄った。

 

「お前……あの時以来か!いつ来たんだよ!?」

「ついさっきだよ。アーニャ!」

 

巧は急にアーニャのことを呼んだ。

 

「お前にお客さんが来てるぜ。早めに帰ったほうがいいんじゃないか?」

 

そう言われてアーニャは首を傾げたが、お客さんというのも気になったため、シエルと一緒に店を出ることにした。

 

───────────────────────

 

「……よし!君達の研修は終わりだ!これで君達は、G3部隊の仲間入りとなる!それを祝って……今日は僕が食事を奢ってやる!!みんなで鉄板焼パーティーだ!!」

『おーーーーっ!!』

 

戦いが終わった後、ユーリはG3部隊の隊長に任命された。秘密警察としての業務も掛け持ちしながらになるため、仕事量は増えたが、ユーリは気にならなかった。

 

「ユーリ先輩!先輩にお電話が入ってます!」

 

後輩から連絡を受け、ユーリは対策班の部屋へ向かった。

 

「……そうか、わかった。ありがとう。」

 

電話は他の後輩からだった。

 

「先輩……どこに行ったんだ……」

 

戦いが終わった後、ユーリは行方不明になったウォルターを探し続けた。自分で探しに行く他、仕事で抜け出せない日は手の空いている後輩に頼んで、捜索をしてもらっている。

しかし……5年経った今でも、ウォルターは見つからない。手がかりさえも……

 

「ウォルター君……まだ見つからないのね……」

 

そこに声をかけてきたのは、アイネだった。隣にはフランキーの姿もあった。

戦いが終わった後、2人はその技量を買われ、アイネは技術部門の責任者、フランキーはその補佐役となった。

 

「はい……でも、必ず見つけてみせます……!ノエルさんのためにも!」

「……お前、いつまでノエルちゃんのこと、『さん』付けで呼んでるんだ?もう5年だろ!」

「い、いや、それは……」

 

フランキーに指摘されて、ユーリはしどろもどろになってしまった。そこに追い討ちをかけるように、フランキーは言った。

 

「だいたい……もう付き合ってんのに、いまだに結婚もしてなければ、S◯Xもしてないってどういうことだよ!」

「し、したよっ!!……1回だけ。それから全然だけど……」

 

ユーリの自信なさ気な返答に、2人はため息をついた。

 

「ユーリ君……そんなことじゃ、ノエルちゃんに悪いんじゃない?」

「そ、それは分かってますけどぉ……い、1回やったらやったで……その時のノエルさんが目に焼き付いちゃって……!」

 

その時、ユーリの脳裏に、ノエルと過ごした熱い夜の光景がよぎった。

ベッドの上で、交わったあの時のノエルの顔……

 

「ぶっ!?」

 

思い出した瞬間、ユーリは勢いよく鼻血を吹き出した。

 

「あ、やっべ……」

「そんなベタな……」

 

鼻血を垂れ流すユーリに、呆れてため息を吐く2人……その時、どこからか笑い声が聞こえてきた。

 

「相変わらず面白いな……ユーリ。」

「お前……エース!」

 

後ろを振り向くと、そこにいたのは仮面ライダーギーツ、浮世英寿だった。

 

「お前、いつからこっちに……っていうか、どうやってここに入ったんだよ!?」

「まぁまぁ、細かいことは置いといて……実は、さっきノエルちゃんにも渡したんだが……お前宛の手紙を預かってる。」

 

英寿は懐から1枚の便箋を取り出し、ユーリに手渡した。

受け取ったユーリは、便箋に書かれた名前を見て、声を上げた。

 

「せ…先輩から!?」

 

その手紙は、ウォルターからのものだった。ユーリはすぐさま中を開けて手紙を読んだ。

 

『ユーリとノエルへ……急に行方を眩ませてしまってすまなかった。だが、どうか心配しないでくれ。俺は今、別の世界を渡り歩く旅人になっている。旅先で色んなものを見るたびに、驚きの連続だ。そしてその度に、自分がどれだけ小さい人間だったのかわかった。俺はもう少し旅を続けてから、そっちに戻る。その時はお前達に話そう……俺を受け入れてくれた素晴らしい女性5人と、共に戦ってくれた強き戦士達のことを……』

 

手紙はそこで終わっていた。手紙を読み終わった頃には、ユーリはウォルターが生きていたという事実に涙を流していた。

 

「先輩……!」

 

しかし、ユーリはすぐさま涙を拭い、英寿に迫った。

 

「お前、これどうやって手に入れたんだ!?」

「ついこの間、”届け屋”を名乗る奴から受け取ってな。ようやく渡す機会がまわってきた。」

「じゃあ、今頃ノエルさんもこの手紙を……」

 

そのころ、同じく英寿から手紙を受け取ったノエルの方は……

 

「お兄ちゃん……!よかった、生きてた……!」

 

ユーリと同様、ノエルは手紙を読んで、ウォルターが生きているということに涙を流して喜んでいた。

と、その時、ピンポーンと家のインターホンが鳴った。

 

「あ…はーい!」

 

ノエルは急いで涙を拭い、玄関のドアを開けた。

 

「あ……」

 

そして、ノエルは声を上げた。なぜなら、ドアを開けて外にいたのは……

 

「……ただいま、ノエル。」

 

─────────────────────

 

「ちちーっ!ははーっ!ただいまー!」

「ただいまー!」

 

アーニャとシエルは帰宅し、元気よく声を上げた。しかし、ロイドとヨルからの「ただいま」が返ってこない。

理由はすぐにわかった。

 

「あ、アーニャさん……!」

 

目の前にいたヨルが目に涙を浮かばせていた。隣にいたロイドも

今にも泣き出しそうになっている。そして、そんな2人の傍らには……

 

「ひさしぶり、アーニャちゃん。」

「ショーイチ……」

 

その昔、フォージャー家に拾われ、家族の一員になった男……

アギトとして、アーニャと共に過ごした男……

仮面ライダーとして、この世界を救った男……

 

津上翔一が、アーニャの目の前にいる。

 

「ショーイチ……!う、う……うあぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

翔一の姿を見た瞬間、アーニャは両目から滝のように涙を垂れ流し、翔一に抱きついた。

 

「ショーイチのバカッ!ずっと会いたかったんだから!」

「ごめんね……もっと早く会いに来たかったけど、俺も色々あったから……」

 

聞くだけで懐かしくなる声、髪の色は茶髪から黒に変わっていたが、それでも翔一だということが分かり、アーニャはその胸に顔を埋めた。

 

「あれ?そこにいるのって、もしかしてシエルくん!?大きくなったな〜!」

 

翔一は成長したシエルを見て声を上げた。

しかし、シエルは怖がっているのか、ヨルの後ろに隠れてしまった。

 

「ふふっ、シエルちゃんは赤ちゃんだった時にしか会ってませんもんね。この人は叔父さんみたいなものですよ。」

「ほんとう……?ユーリおじさんみたいな……?」

「そうだよ、シエル。」

 

怖がるシエルを慰め、2人は背中を押した。シエルは少し怯えながらも、翔一に歩み寄った。

 

「こ…こんにちは!」

「うん……こんちには!」

 

2人は挨拶とともに、握手をかわした。

すると、その時だった。まるで蹴破られる勢いでドアが開かれた。

 

「津上君ーー!!」

「先輩ーー!!」

「津上ーー!!」

 

そこに現れたのは、フリッド、グリム、ユーリの3人。そしてその後ろには、敬介、巧、英寿の3人のライダー、さらにフィオナ、ロゼッタ、ノエル、タスク、マール、さらには翔一が出会ってきた人達が集まってきた。

 

「みんな!」

「このバカ!戻って来たなら言えよな!!」

「先輩!俺、結婚して息子できたんだよ!自分の店も持ったんだよ!!」

「津上君!俺も娘ができたんだ!マールっていってな……カワイイだろ〜♡例えるなら、フィオナが女神で、マールが天使のような……!!」

 

フリッド達の話は途絶えなかった。それだけ翔一に話したいことがたくさんあったのだ。

そのまま時間は過ぎ、夕方になってしまった。その日は翔一が帰ってきたことを祝ってパーティーをしようということになった。

 

「じゃあ、翔一君が帰ってきたことを祝って……」

『カンパーーーイ!!』

 

ロイドが音頭を取り、皆は祝杯を上げた。しかし次の瞬間、またも蹴破られる勢いでドアが開かれた。

 

「みんなっ!!」

 

そこに現れたのは……見覚えのない15歳くらいの少年だった。

 

「えっと……君は?」

 

見覚えのない少年を見て、翔一達は首を傾げた。

しかしすぐに、見覚えのある”怪人”が現れた。

 

「よぉ、久々だな。」

「フータロス!?それに宝太郎君!」

 

現れたのはフータロスと宝太郎だった……となると、一緒にいる少年は……

 

「僕はシエル・フォージャー!今から10年後の未来から来たんだ!!」

『ウソだろ!?』

 

未来から来たという、成長したシエル……なにやらデジャヴを覚えたロイド達……しかし次の瞬間、外から爆発音が聞こえてきた。

 

「なんだ!?」

 

その爆音を聞き、全員外へと出た。外へ出ると、空には巨大な穴が空き、そこから雷のようなものが漏れていた。さらに、その穴から無数の怪人が現れている。

 

「なんだアレは……!?」

「ネオショッカーだよ、父さん!!」

 

疑問の声を上げるロイドに、未来のシエルが答えた。さらにシエルは続けて言った。

 

「倒したはずのショッカーが復活して、こっちの時代を襲うつもりなんだ!フータロス!!」

「おうっ!」

 

説明を終えると、シエルはあるものを取り出した。それはベルトだった。ベルトを巻くと、バックルのボタンを押した。すると、ベルトから激しい三味線のようなメロディが流れた。

 

「変身っ!!」

 

光るバックルに電車のパスのようなものを通した。

 

《SLASH FORM》

 

音声とともに、シエルの身体に黒いスーツが装着され、さらにその上から手裏剣を模した水色の鎧が装着された。

さらに、フータロスが光の珠に変化した……と思いきや、フータロスの顔のついた巨大な手裏剣のような武器に変化し、シエルの手に装備された。

 

「シ、シエルが……仮面ライダーに!?」

「仮面ライダーシエル……僕が、みんなを守る!!」

「待った!そう思ってるのは……君だけじゃないよ!」

「俺達も一緒だ!」

 

変身したシエルの隣に、翔一と宝太郎が立った。

さらに、

 

「マール〜〜♡お父さん、すーぐ帰ってくるからね〜♡」

「はいはい、アンタは早く行きなさい。」

「お父様がんばってー!」

「さて……いきましょう、神さん!」

「ああっ!」

 

フリッドは両手を交差させ、敬介は両手を上げる。

 

「タスク、父ちゃん行ってくるからな!」

「父ちゃんどこ行くんだ?オイラも行くー!」

「タスクちゃんは大きくなってから!ねっ?」

「そんじゃ……いこうぜ、巧!」

「おうっ!」

《Standing by》

 

グリムはカイザフォンの「9.1.3」を押し、巧はファイズフォンの「5」を三回押した。

 

「アイネさん!G3トレーラーは!?」

「こんなこともあろうかと、持ってきたわよ!」

「先に行ってるぞ、ユーリ。」

《SET》

 

ユーリはトレーラーに乗り込んでG3-Xを装着し、英寿はベルトに二つのバックルを装着する。

そして、男達は一斉に叫ぶ。

 

『変身ッ!!!』

 

光とともに、男達は仮面ライダーへと変身した。この場に、X、ギルス、ファイズ、カイザ、G3-X、ギーツ、ガッチャード、シエル、アギトが揃い踏みした。

倒すべきは、ネオショッカーと大量の怪人。5年前と似たような展開だが、不思議と皆絶望を感じなかった。

なぜなら、皆は知っているからだ。

 

『がんばれーーっ!!仮面ライダーーー!!』

 

アーニャと子ども達が叫んだ。

その声援を受けて、仮面ライダー達は走り出す。

大切な人との繋がりがある限り、声援がある限り、人々から求められる限り、仮面ライダーは走り続ける。

 

これからも、この先もずっと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エピローグPart.2「ロードムービー」

「……こうして、仮面ライダー達はネオショッカーを倒し、平和を取り戻したのでした……おしまい。」
「おもしろかったー!」
「おかあさん!次、こっちよんでー!」
「ふふっ、はいはい。」

あれから年月は流れ、大人になったアーニャは、ダミアンと結婚し、2人の子どもを儲けた。
そして、結婚後、アーニャは絵本作家となり、シリーズ物を作ることになった。自身の体験と、仮面ライダー達との出会いをフィクションを混ぜて創作した絵本。
そのシリーズはそこそこ売れ、仮面ライダー達の物語が広く知られるようになった……

「アーニャ。」

そこに、夫のダミアンが声をかけてきた。

「お前にお客さんだぞ。」
「えっ?誰?」
「ふふっ、誰だろうな。」

ダミアンはフッと笑い、アーニャの傍らにいる2人の子どもを抱き上げた。
アーニャはその反応に首を傾げながらも、子どもをダミアンに預け、玄関に向かった。

「あっ……!」

アーニャは声を上げた。そして、にこやかに笑った。

「おかえり、ショーイチ。」
「ただいま……アーニャちゃん。」

アーニャの描いた絵本のタイトルは、「SPY×FAMILY」……そして、仮面ライダー達との出会いを描いた絵本のタイトルは、「SPY×AGITΩ」……
どれだけ遠くに離れていても、繋がっている。また出会って、お互いに笑い合う。
仮面ライダー達とのロードムービーは、ずっと続いていく……


SPY×AGITΩ.....THE END


────────────────────

長らく応援してくれた皆様、これで「SPY×AGITΩ」は完全に終了となりました。
思えば、2年近くこの作品を書き続けていたみたい……最初は「スパイファミリーってアギトと合うんじゃね?」という思いつきから始まったこの作品……まさかここまで長く続くとは思いませんでした。お気に入り件数が200件を超えた時は本当にビックリしましたし、嬉しかったです。それだけ、この作品を好きだと思ってくれたということ……感謝してもしきれません。
ただ、やっぱり終わってしまうとなると寂しいです。自分で作ったオリキャラは愛おしいもので、これで出番がなくなると思うと、悲しくもなります。でも、今後はスターシステムを使って、なんらかの形で出てくるかもしれません。

長くなりましたが、最後に皆様に一言……本当に、本当にありがとうございました!!

これで「SPY×AGITΩ」は完結となります!この作品はいかがだったでしょうか?

  • 面白かった
  • 面白くなかった
  • スパイファミリーに興味を持てた
  • 仮面ライダーに興味を持てた
  • 微妙だった
  • 次回作に期待する
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