SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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ピロロロ···アイガラビリィー




Part.6 下手な真実なら、知らないくらいがいいのに

 

夜の街にバイクのエンジン音が鳴り響く。バイクに乗っているのはグリムとロゼッタ。

ペルランが襲われたと聞いて、喫茶シオンへ向かっていた。

 

「おい!ペルランの奴がやられたって本当か!?」

 

ドアを開けて開口一番大声を上げるグリム。ロイド達は何も言わずにただコクリと頷いた。

 

「マジかよ……ペルラン、俺らほどじゃなくてもかなり強いのに……誰がやりやがったんだ……!」

 

歯痒そうにするグリムに対し、ロイド達はちらりちらりとグリムの方を見ていた。

 

『……グ、リ、ム……』

 

ペルランが気を失う前に呟いていた一言が頭の中で引っかかっていた。疑うだけなら簡単だが、グリムから話を聞かなければならない。

 

「グリム……今日はどこで何をしてたんだ?」

「あ?なんだよこんな時に……いつも通り仕事だよ。ライドのアニキと借金取り。」

 

ライドと仕事に出ていた……それはライド本人や取り立て相手に聞けば証明してくれるだろう。

 

「じゃあ、その後は?」

「……腹減ったからレストランを4軒、喫茶店を3軒ハシゴして……家に戻った。そしたらペルランが病院送りになったって聞かされた。」

 

これも各レストランと喫茶店に連絡を取れば証明できる。つまり、グリムには完全にアリバイがある。

質問してくるロイド達の意図が読めず、グリムは首を傾げた。

 

「さっきからなんなんだよ……」

「いや、ペルランが気を失う前、誰にやられたのか聞いたら……お前の名前を出して……」

 

その一言にグリムは目を見開いた。驚きもあったが精神的ショックも同時にきた。少なからず自分が疑われているという事実が例えようもない、奇妙な感覚がグリムに襲いかかる。

そんな時、ロゼッタとショウマが声を上げた。

 

「まさか…グリムを疑ってるんですか!?」

「ダーリンがそんなことするわけないじゃないですか!!」

 

まるでグリムの意思を代弁するように大声を上げる2人。対し、フリッドは首を横に振った。

 

「もちろんグリムのことは信じてる……だがそうなると、ペルランの一言が気になる……彼が悪ふざけで言っているとは思えない……グリムに関係している何かを言おうとした……俺達はそう考えてる。」

「でも、だからって疑うような聞き方は……!」

「いいよ、別に!」

 

今にも怒り出しそうな声を上げるロゼッタをグリムが諌めた。

 

「疑われんのは慣れてる……それに、こんなことで怒りはしねぇよ。俺、もう大人だし。」

 

そう言ったグリムではあったが、ショックは隠せないのか笑いながらも手が震えているのを隠せなかった。

 

(グリムくん……やっぱり気にしてる……)

「……とにかく、ペルランを襲った相手を探そう!みんな、各々情報を集めて、また集まろう。」

 

フリッドが皆をまとめ上げると、他の皆はうんと頷いてその場で解散した。

それから数日後……バーリント総合病院……

 

「……死ぬ前に走馬灯が見えるっていうだろ?あれは本当だぜ。」

「昨日がそうだったってことですか?ペルランさん。」

 

病室にいるのはペルランと、同じく神化教団幹部のイグニスだった。ペルランはようやく意識を取り戻し、見舞いに来ていたイグニスと談笑していた。

 

「なーんかだんだん身体が冷たくなったと思ったら、いきなりアイゼン様が出てきてな……そんで俺に言うんだよ。『修行が足りませんッ!!』っていつものデッカイ声でさ。」

「それで目を覚ました、と。」

 

ペルランが見た走馬灯の内容を聞き、イグニスは思わずクスッと笑った。

釣られてペルランも笑い始めた。

 

「いつも通りのままで安心したわ。おかげでキレイサッパリだ。」

「でも……いったい誰なんですか、ペルランさんを襲ったのは……」

 

しかし、イグニスの続く言葉に、ペルランの顔から笑みが消えた。

 

「……もしかしたら、俺は……いや、俺達はとんでもない闇に足を踏み入れようとしているかもしれない。」

「どういうことですか?」

「廃屋から見つかった日記……日記自体は盗られたけど、中身はちゃんと見た。あの日記に、グリムの過去、母親が自殺した理由、父親とドノバンの関係……そして、グリムが失った片割れ……それが全部……」

「待ってください。」

 

ペルランの話を遮るように、イグニスが声を上げた。

 

「今の話……なんか変ですよ。」

 

イグニスはペルランの話の内容が引っかかっていた。“父親とドノバンの関係“と“グリムが失った片割れ“……これではまるで、

 

「まるでドノバンが父親じゃないみたいな言い方じゃないですか。それに片割れって……どういう意味か分かりませんよ。」

「言った通りだよ……グリムの父親は……」

 

───────────────────────

 

その夜、街の一角にあるレストランでは……

 

「で、どうだった?」

「ダメだな……スラム街中聞き込みしても、怪しい奴の姿は目撃されていない……」

 

この日は食事会もかねて調査報告を皆で行っていた。だが結果は言わずもがな……ロクな情報が入らなかった。

 

「そうか……」

「つーか……なんでペルランの奴はスラムにいたんだ?あそこは俺が生まれた街だぜ?」

 

グリムのその一言にロゼッタとショウマ以外の食事の手が止まった。

ペルランがスラム街に行ったのはグリムの過去を調べるためロイド達が送った……とは言えない。

このことを言ってしまえば、グリムは激怒するか、調べるなと諭してくるに違いないと思い、言えなかった。

 

「……なんだよ、手が止まってんぞ。」

「あっ、いや……そ、そういえば……」

 

なんとか話題を変えようと、ユーリは辺りを見回した。その時、あることに気がついた。

 

「なんか……お客さん少なくない……?」

 

ユーリの言う通り、店に来ている客の数が少なかった。この店は東国の店の中でもかなりの有名店。

毎日満席になるほどなのだが、今回は店内ががらんとしていた。

 

「確かに……これじゃまるで貸切状態だ……」

「何かあったんでしょうか……」

 

皆が不思議がっていると、カツン、カツンと靴の音が近づいてくる。

 

「当店の味はいかがですかな?」

 

男の声が聞こえ、振り向くとそこには紳士服に身を包んだ中年男性が立っていた。すると、その男を見た瞬間ロゼッタは震え上がった。

 

「ロゼッタ……?」

「久しいな、ロージー……」

「お……叔父様……!!」

 

そのロゼッタの一言を聞いた瞬間、全員が目を見開き、身構えた。

 

「くくく……君達とは初対面だったな……私の名はバートン・フォン……」

「死ねぇ!!」

 

次の瞬間、グリムの拳がバートンの顔面に炸裂し、バートンは吹き飛び床に倒れた。

 

「ようやく見つけたぞ……バートン!いや、ギアン・ストマックって呼ぶべきか……?」

「ふん……ショウマから聞いたか?」

 

バートンは立ち上がり、服を捲りあげて腹を露出した。腹には金色のベルトのようなものがくっついており、その上部から小さいメモリのようなものを引き抜くと、バートンは正体を現した。

黒いイモリのような姿をしたグラニュート……それがバートンことギアンの正体……

 

「ギアン、叔父さん……!」

「お前とも久々に会うな、ショウマ……」

「おい!どこ見てんだ!こっちだろ!!」

 

グリムはショウマの方を見るギアンに向かって叫んだ。

 

「よくも俺の女を長年泣かせてくれたよなぁ……!それを数百倍…いや、数千倍にして返してやる!!」

「俺の女?ああ、そこにいる……私の奴隷のことか?」

 

その瞬間、グリムの中でプチンッと何かが切れた。

 

「てめぇぇぇぇぇぇ!!」

 

怒りで雄たけびをあげ、グリムはギアンに飛び掛り拳を繰り出した……と思いきや次の瞬間、黒い影が2人の間に入り込み、グリムの拳を止めた。

 

「……!!なんで……なんでアンタが……!!?」

 

グリムは戸惑いを隠せなかった。自分の拳を止めた相手が相手だったからだ。その相手は一度は「兄貴」と呼んで慕っていた……

 

「ライドの兄貴……!!」

 

拳を止めたのはライド・イスルギ……まるでギアンの盾にでもなったかのようだった。

 

「雷狼……!」

「ライド・イスルギ!」

「なんでアンタがここにいんだよ!?なんでそいつを守ってんだよ!!?」

「チッ、キャンキャン吠えてんじゃねぇぞ……三下がっ!!」

 

叫びとともに掴んだグリムの手を振り払い、態勢が崩れたところに拳を腹に叩き込んだ。

 

「くっ……ぐあぁぁぁあ!!」

 

腹を殴られたグリムは吹き飛び壁に叩きつけられた。

 

「な、なんだ今の……!?」

「人間の力じゃないぞ……!!」

 

ライドの一撃は人間のそれとは違った。グリムが普通じゃなければ間違いなく死んでいただろう。

 

(なんだよこの威力……前に喧嘩したときは全然違う……!!)

「驚いてるみてぇだな……まぁ、無理もねぇ……俺はもう人間じゃねぇからな……」

 

ライドは静かにつぶやきながら、上着を捲りあげて腹を露出させた。

 

『!!!?』

 

その場にいた全員が驚いた。ライドの腹を見て驚いたのではない。その腹についているものに驚いたのだ。

腹についていたのは、色こそ違うがショウマの腹についているものと同じ“ガヴ“だった。

 

「黒ガヴ……!!」

 

ショウマが声を上げている間に、ライドはポケットからあるものを取り出した。それはゴチゾウだった。

ライドは黒ガヴの口を開きゴチゾウを舌に乗せ、再度口を閉じた。

 

《BITEクッキー!BITEクッキー!》

 

横についているハンドルを回すと半透明の巨大なチョコチップクッキーが現れ、ライドを取り囲んだ。

 

「確か……こうだったな。変身……!!」

 

静かに叫ぶと同時に反対側にあるスイッチを押した。すると取り囲んでいたクッキーが粉々に砕け、黒いスーツとともにライドの身体に鎧として装着された。

 

《ブレイクッキー!ヤミー!》

「ビター……ガヴ……!!」

「そういや、そんな名前だったなぁ……こいつ。」

「なんで、ライドの兄貴がライダーになってんだよ……!!」

 

グリムは戸惑った。慕っていた相手がライダーになって、敵側についているのだから無理もない……

そんなグリムに対し、ライドは笑い始めた。

 

「決まってんだろ。てめぇをブチのめすためだ……グリム。」

「は……?」

「うっとうしかったんだよなぁ……お前の目……」

 

ライドはベルトから出現した剣を手に取り、倒れているグリムにジワジワと近づいていく。

 

「俺のことを信じて疑わねぇ目だ……それが気に食わなかった。だから……」

 

間合いに入り、剣先をグリムへと向けた。

 

「お前は、俺が直接手を下さないと気がすまねぇ……死ねやボケェ!!」

「やめろぉ!!」

 

ビターガヴが剣を振り上げた瞬間、ショウマが飛び出した。

 

《ポッピングミ〜!ジューシー!》

 

飛び出した瞬間ガヴに変身し、剣でビターガヴの攻撃を防いだ。

 

「バカが……素人が手ぇ出してんじゃねぇぞ!! 」

 

ビターガヴは大声とともにガヴの首根っこを掴み、そのまま持ち上げる。

 

「くっ、ううっ……!」

「ショウマくん!」

 

首を掴まれたガヴを見て、フリッドは顔の前で両腕を交差させた。

 

「変身!!」

 

叫びとともにフリッドは仮面ライダーギルスへと姿を変えた。

 

「ロイド君達はロゼッタさんを頼む!俺は奴を止める!」

「わかった!」

 

ギルスはロゼッタをロイド達に任せ、背後からビターガヴに飛びかかった。

 

「ガァウ!!」

「バカが……」

 

両腕から伸びるクローを突きつけようとした瞬間、ビターガヴは持ち上げていたガヴをギルスに向けて投げ飛ばした。

 

「おっさん!ショウマ!くそっ……!」

《Standing by...》

 

グリムは立ち上がり、ベルトを巻いてカイザフォンの「9.1.3」のキーを押した。

 

「変身!!」

《Complete.》

 

カイザフォンをベルトに装填し横に倒した。グリムの身体に金色のラインが走り、仮面ライダーカイザへと変身した。

カイザブレイガンを片手にビターガヴに突進し、斬りかかる。ビターガヴはそれを剣で防ぐが、反対側からギルスとガヴが襲いかかってくる。

するとビターガヴはカイザを蹴り飛ばし、さらにガヴが振り下ろす剣を蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたことでガヴの剣は天井に突き刺さった。そこからギルスに向かって自分の剣を肩に突き刺した。

 

「ぐっ!?」

「確か……こうすんだったな……」

 

ビターガヴは剣を引き抜き、もう一つゴチゾウを取り出すと、剣についている口の形をした場所にゴチゾウを置いた。するとゴチゾウは剣の中に吸収された。

ビターガヴが軽く剣を振るうと、剣先からチョコチップクッキーと同じ柄の「サクッ」という擬音が現れ、宙に浮かんだ。

 

「な、なんだ……?」

 

カイザは恐る恐るその擬音を剣でつつこうとすると、次の瞬間爆発を起こした。

 

「うわっ!?」

「なるほどな……こうかっ!!」

 

ビターガヴは剣を振るってまた擬音を出現させたかと思うと、今度はそれを直接手で掴んでカイザに叩きつけた。叩きつけられた瞬間爆発を起こし、カイザは後方に吹き飛んだ。

 

「グリム!」

「人を気にしてる余裕なんて……ねぇだろ!!」

 

カイザを気にかけたフリッドに向かって剣で斬りかかる。ギルスは後ろに下がり、腕から触手を伸ばしてビターガヴの腕に巻きつけた。

 

「捕らえた……!」

「今だ!!」

「ふん……オラァッ!!」

 

ガヴがビターガヴを攻撃しようとした瞬間、ビターガヴは思い切り力を入れて腕を振り、フリッドを触手ごとハンマーのように振り回し、ガヴに叩きつけた。

 

「す、すごく強いです……3人がかりなのに……」

「くそっ!G3-Xさえあれば……!」

「ふふふ……さて、向こうは彼に任せるとして……さぁ、帰ってきなさい、ロゼッタ。」

 

戦いの最中、ギアンはロゼッタに対して手を伸ばしながらにじり寄ってくる。対し、ロイド達はロゼッタを守るように前に立つ。

 

「勝てると思ってるのか?人間が?グラニュートの私に……」

 

人間とグラニュートでは強さに差がある。ロイド達が強かろうとその差は埋まらない。

 

「さぁ、ロージー……こっちへ来なさい。」

「ひっ……!」

 

声をかけられた瞬間、ロゼッタは恐怖のあまり腰を抜かしてしまった。

 

「仲間を巻き込みたくないだろう?大人しくこっちへ来い……!また私のお仕置きを受けたいか……」

「い、いや……!」

 

頭の中で、今までギアンにされたことがよぎっているのだろう、ロゼッタは両目から涙を流し始めた。それを目撃したカイザは……

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

雄たけびを上げ、ギアンに向けて突進した。だが、目の前にはビターガヴが立ちはだかる。

 

「ガキが……!」

 

ビターガヴは「サクッ」の擬音を手で掴み、そのままカイザに叩きつけた。その瞬間カイザは身体に爆撃を食らったが、ものともせずビターガヴの横をすり抜けた。

 

(なにっ!?ダメージを与えたのに……!)

「ロゼッタに近づくんじゃねぇぇぇぇぇ!!」

 

雄たけびとともに横からギアンを殴り飛ばした。そこからさらにカイザブレイガンの刃を繰り出そうとした。だが次の瞬間、カイザブレイガンは弾かれ、床に転がった。

 

「くっ……誰だ!?」

 

今の攻撃は死角からの攻撃だった。見えないところから攻撃し、カイザブレイガンを弾き飛ばしたのだ。

その攻撃をした者の正体を見た瞬間、グリムとガヴ以外の皆は驚きのあまり言葉を失った。

 

「ルデス……」

 

目の前に現れたのは、仮面ライダールデス……以前、グリムが変身していた姿だ。

 

「ど、どういうことだ……?ま、まさか、俺以外の奴がアギトになって、それで……」

 

混乱しながらも頭を回転させて推理しようとするが、それは違う、と言わんばかりにルデスはため息を吐き、変身を解いた。

 

「そういう考え方もあるけど、違うよ……“兄さん“。」

「は?お前、今なんて……」

 

戸惑うグリムをよそに、男はフードを取り、仮面に取り外した。

 

『あっ……!!?』

 

仮面の下に隠された素顔を見た瞬間、皆は声を上げた。なぜなら、仮面の下の素顔は……

 

「ぱいせん……!」

「グリム……!?」

「グリムくん……!」

「ダーリン……!?」

「ク、クソガキと同じ……!?」

「こんなこと……あっていいのか……?!」

 

その顔は、皆にとって馴染み深い者の顔……グリムにとって、鏡で何度も見ている顔だった。

 

「俺と、同じ顔……!?」

 

自分と同じ顔の人間が目の前にいる……その事実がさらなる混乱を招いた。

もう一人のグリムはというと…なんと、突然涙を流し始めた。

 

「会いたかったよ……兄さん……」

「に……」

『兄さん!?』

 

またしても全員驚いた。グリムはともかく、ロイド達が驚いたのは、法条が持ってきた病院のカルテには“兄弟がいた“とは書かれていなかったからだ。

 

「ぼくは、兄さんの双子の弟……ミゲルだよ!ずっと兄さんに会いたくて……!」

「ま、待てよ!弟がいたなんて聞いてねぇぞ!?母ちゃんはそんなこと一言も……!!」

「そりゃあそうさ!!あの人が言うわけないよ!!」

 

途端にミゲルは声を張り上げた。さらにまくし立てるようにグリムに詰め寄った。

 

「あの人はぼくを売ったんだ!!ドノバンとぼくらの父親にね!!」

「お、おい!なんだよそれ……それじゃまるで……」

「そのことも知らなかったんだ……だったら教えてあげるよ……」

 

ミゲルはフッと笑ったのを見て、ロイド達はハッと我に返り声を上げた。

 

「やめろ!言うな!!」

「グリムくん聞かないでください!!」

 

ロイド達は必死になってミゲルを止めようとする。ミゲルが言おうとしていることは、ロイド達が隠そうとしていたグリムに隠された過去と真実……だが、無情にもミゲルは叫んだ。

 

「ドノバン・デズモンドはぼくらの父親じゃない!!ぼくらの本当の父親は……西国保安局署長、グランツ・ロアークだ!!」

「……は……?」

 

ついに明かされてしまった真実……決して打ち明けるべきではなかった真実……

それを聞いてしまったグリムはただただ口をポカンと開け、呆然としていた。

 

「どういう……ことだよ……?じ、じゃあ何か?俺がやってきたことは……無駄だったのかよ……?復讐に費やしてきた時間はなんだったんだよ……!?」

 

震える声とともに握られた拳も震えていた。

それもそのはず……今まで仇として追いかけてきた父親が、実は父親ではなかったと知れば、青春を捨ててまでやったことが無駄だったと分かれば、誰でもこうなってしまう……

 

「……!!うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

悲痛な叫びが店内にこだまする。信じがたい真実に心が壊れてしまいそうになる。

どうか夢であってほしいと思っても、これが現実だと突きつけられる……だが、これはまだ序章にすぎない……

 

 

 

 

 




おまけ「没案」

当初の案ではヴァレン(絆斗)ヴラム(ラキア)も出す予定でした。
2人にもギアンと関係を持たせるつもりでした。

ラキア∶両親をギアンに殺され、そのせいでコメルと二人、親無しの二人きりで暮らすことになったことを知り、ラキア激怒

絆斗∶攫われた母親がランゴによってヒトプレスにされたが、実は本来はギアンの奴隷として扱われ、例の悪趣味な賭け事にも賭けの対象として参加させられる予定だったことを知って絆斗激おこ

……という予定だったのですが、ただでさえ登場人物多いのにさらに二人も増やしたら収拾つかなくなりそうなのと、ここまでやるともはや「SPY×AGITΩ」ではなく「仮面ライダーガヴ」になってしまうと判断したため没案となりました。

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