サブタイは「龍が如く7」の楽曲「夢見た姿へ」から。曲の歌詞自体がグリムとよく合ったので採用しました。
グリムが別の世界に旅立ってから、数カ月の月日が流れた。
グリムがいない間、ロゼッタは一人でタスクの面倒を見ていた。女手一人で大変ではあったが、ロゼッタは持ち前のタフさで毎日を過ごしていった。度々ヨルやフィオナ、ノエル、シルヴィアが来て家事や育児を手伝ってくれていたため、予想よりも辛くはないとロゼッタは思っていた。
そんなある日……
「タスクちゃ〜ん、オムツ換えようね〜♪」
いつものようにタスクのオムツを変えていると、インターホンが鳴り響いた。
「はーい!」
タスクのオムツを換え、ベビーベッドに寝かせてロゼッタは玄関ドアを開けた。そこに立っていたのは……
「よっ、ただいま。」
「ダーリン……ダーリン!!」
グリムは戻ってきた。愛する人がいるこの場所に。
2人は出会うやいなや、すぐにお互いに抱きしめ合った。
「もう!寂しかった!私もタスクちゃんも待ってたんだから!」
「悪かったよ……でも、こうして帰ってきただろ?それに、俺だって寂しかったんだ……」
グリムは顔を下へ下げ、ロゼッタの胸元に……
「これが恋しかった……」
「やぁん♡ちょっと、ダーリン!」
グリムは胸に顔を埋めるだけでは飽き足らず、手で鷲掴み…さらにそのまま床に押し倒した。
「んもう……このまましちゃうの?また赤ちゃんできちゃう……♡」
「いいじゃねーか……すこし早いけどタスクに弟か妹ができても……」
「オッホン!」
そのまま行為に及ぼうとした2人だったが、突然咳払いが聞こえ、2人の行動が止まった。声がした方に目を向けると、そこにはシルヴィアの姿が。
「……なにしてんの?」
「シルヴィアさん、タスクちゃんのお世話手伝ってくれたの。他にも家事とかしてくれたの。」
「手が空いた時だけな。」
「それと、出産祝いにあれもプレゼントしてくれたの!」
ロゼッタは立ち上がり、あるものを指差した。そこには見るからに高そうなベビーカーが折りたたまれて置いてあった。
「”たまたま”お古があったんでな。」
そのベビーカーはお古という割には新しく、汚れなどがなかった。
「……俺、これと同じやつロイドのとこで見たことあるけど。」
「……”たまたま”だ。」
シルヴィアの反応と言動を見るに、たまたまではなく自腹で買ってプレゼントしたのだと察することができた。
「そういえば、ダーリンが帰ってきたってことは、ウォルターさんは見つかったの?」
「あー、それなんだけどよ……」
グリムは頭を掻きながら旅先で何があったのかを話し始めた。
マスター・シャーフーという猫に拳法を教わったこと、ヤンマという男にいろんな世界を飛び回る装置を作ってもらったり、かなたという女の子と会ったこと、グレイと結城凱と出会い友人になったこと、ホロックスという女性5人のグループと会ったこと、スーパー戦隊というヒーローと一緒に戦ったこと、そして……ウォルターが鮫山ソウゴという名に変えたこと……
その出来事をすべて話した。
「スーパー戦隊……そんな奴らが他の世界にはいるのか……」
「それにしても、ウォルターさんが名前変えてたなんて……」
「ああ、おまけに……アイツ、別のとこに一人旅しちまったんだよなぁ……」
グリムが言うには、広い世界を見て自分がどのように生きていきたいかを見つけたいと鮫山ソウゴことウォルターは言っていたのだ。
「そっかぁ……でも、どうするの?ノエルちゃんにどう伝えるの?」
「それなんだよなぁ……鮫山……ウォルターの野郎は『上手く伝えといてくれ』って言いやがって……」
グリムは頭を抱えた。客観的に見ればウォルターはかなり無責任なことを言っているため、それをどう伝えればいいか分からなかった。
とはいえ言わなければどうにもならないため、その後グリムはノエルとユーリに「アイツは生きてた。だけど奴はかなり遠くの世界にいってしまい、追いかけることはできなかった。だけど奴は必ず2人の元に戻ってくる」……そう伝えたのだった。
「……それで?お前はどうなんだ?旅先で何か見つけられたのか?」
シルヴィアの言葉にグリムは少しの間黙り込んだ。頭の中に、旅先で出会ったスーパー戦隊の戦士達、グレイと結城凱、ホロックスの面々、そして鮫山ソウゴの姿が浮かんできた。
「……どいつもこいつも一生懸命生きてた。自分の大事なもんのために覚悟決めてた奴らばっかだ。そいつら見て……俺は決めた。」
グリムは椅子から立ち上がり、ゆっくりと声をあげる。
「俺は、そういう一生懸命生きてる奴らの力になりたい。そのために……俺は、ブリッツファミリーでのし上がって、そういう奴らの受け皿になるんだ。」
以前、グリムはブリッツファミリーの面々の前で言った。この世界に迷い込んだオルフェノクや行き場のなくなった怪人達を味方に引き込む、と。
自分がそういった者たちの受け皿になることで、もう悲劇を生まなくて済む、平和に繋がっていく、助かる者達がいる……グリムはそう信じていた。
「素敵……私も手伝うから、気軽に頼んで。」
「苦労かけるかもしんねぇけど……頼むぜ。」
ロゼッタはグリムの掲げる夢に感動を覚え、立ち上がって彼に身を寄せる。2人は互いに抱き合い、気持ちを分かち合った。
そんな二人を見て、シルヴィアはフッと笑い立ちあがった。
(ニコル……お前の息子は、思っていた以上に成長しているぞ……)
「それじゃあ、私は帰るぞ。後で皆に顔を見せてやれ。」
「おう、アンタもありがとな。」
シルヴィアは別れを告げ、グリムの家から出ていった。その時、ロゼッタが声をあげた。
「あっ、そうだ!この前、ブリッツファミリーのトネールさんから電話があって、ダーリンに本部に来てほしいって。」
「あの人が?なんで……」
グリムは首を傾げた。ブリッツファミリーに納める5億ダルクはもう納めたはず……なのに自分を呼びつけたのはどういうことなのか……グリムは分からなかった。
「わかんないけど……ダーリンはいないって言ったら、『戻ってきたら伝えてくれ』って……」
「……まぁ、行ってみるか。」
トネールの意図は分からないが、2人はとにかくブリッツファミリー本部へ向かうことにした。
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「よぉ……呼びつけて悪かったな。」
「いえ……こちらこそ、遅くなりまして申し訳ございません……」
本部にたどり着いたグリムは外にロゼッタとタスクを待たせ、一人トネールと面会していた。
「それで、何故俺を……もう支払いは終わったはずでは……」
「ああ、そのことか……いやなに、前にライドのやつが言ってたことを思い出してよ。」
「ライドのアニキが……?」
グリムは目を見開いた。対し、トネールはゆっくりとライドが言っていたことを話し始めた。
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『
『グリム……お前についてきてるガキのことか。ウチのファミリーに入れろっつーのは……ずいぶんソイツのことを買ってるんだな?』
その時、奴は笑ってやがった……
『俺は……本来、人を纏める器じゃありません。でも、アイツはは違います……俺は、アイツに賭けてみたいんです。』
『賭ける?』
『はい……今は小さいですが、いずれ俺の後釜になる男です。それだけの実力とカリスマ性を、潜在能力として秘めています。だから……お願いします……!』
そう言ってライドの奴は、その場で土下座して俺に頭を下げやがった……後にも先にも、俺にあんなことをしたのはあの時だけだった……
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「アニキが、そんなことを……!?」
グリムは信じられなかった。あのライドが土下座をしてまで自分のことをファミリーに入れてほしいと頼んだという事実が受け入れられずにいた。
すると、見かねてトネールが言った。
「お前を……本当の弟のように思ってたんだ。」
「!!」
「ライドは……たとえ自分のプライドが傷ついたとしても、俺に土下座をしたと他の奴に噂されたとしても、たとえ自分が死んだとしても……お前のことを考えていたんだ。」
油断すると涙が溢れそうになる。それでもグリムは必死に堪え、トネールに頭を下げた。
「……伝えていただき、ありがとうございます……」
「おう……晴れてお前はファミリーの一員だ。自分の
正式にファミリーに入ることが認められたグリム。トネールとの対面を終え、外で待っていたロゼッタとタスクの元に戻った。
「ダーリンおかえり!意外と早かったね!」
「ああ……喫茶シオンいくぞ。」
グリムはそう言うとスタスタと足早にその場を去っていく。
「あっ、待ってよ!」
ロゼッタは早歩きでその後を追いかけた。自分の旦那の様子がおかしい……いつもなら素っ気ない態度か嬉しそうな態度をとるのが普通だった。だが、この時のグリムはなんとなく無機質……だが、声が震えていた。
「……ダーリン、泣いてるの?」
「泣いてない。泣くわけない……!」
必死に堪えていた涙がポロポロこぼれ落ちる。ロゼッタはそれを見て、特に何かするわけでもなく、傍観した。ロゼッタにはわかっていた。これは悲しみの涙ではなく……ライドとの別れと感謝の涙……それを簡単に止めるのは無粋……だからロゼッタは慰めなかった。
街についた頃には、グリムの涙は引いていた。そのまま喫茶シオンへ向かおうとした矢先、獣のようなうめき声が路地裏から聞こえてきた。
そこに目を向けると、暗闇の中で蠢く灰色の獣がいた。
「クソっ、なんなんだどいつもこいつも……!俺がオルフェノクだからってバカにしやがって……!」
路地裏にいたのは牛のかたどったオルフェノク……オックスオルフェノクだった。近くにバーがあるため、どうやら怪物だからという理由で煙たがられ、追い出されたらしい。
「こうなったら、暴れて店ごとぶっ壊して……」
「やめときな。」
憂さ晴らしに暴れようとするオックスを見かねて、グリムは声を上げた。
「お前さんがここで暴れたって、何もいいことはねぇ。やめといた方が身のためだ。」
「ああ?なんだてめぇは!?」
「どうしても暴れたいってなら……俺が相手になってやる。」
グリムは顔に半透明の模様を浮かばせ、ライオンオルフェノクへと変身する。
「はっ、同類かよ……捻り潰してやるよ!」
オックスは自慢の巨体と大きな角でグリムに襲いかかる……が、グリムはギアンやライドと渡り合い、勝ってきた猛者。野良怪人に負ける道理など無し。あっという間にオックスを叩きのめし、土を舐めさせた。
「な、なんだこいつ……!?強いなんてもんじゃねぇ……!」
「おい、お前……なんでオルフェノクになった?」
「……俺は昔、ギャングやっててな……」
「それで、街でケチな強盗とかチンケな商売してた感じか?」
続くグリムの言葉に、オックスは倒れながらも怒鳴り超えを上げた。
「あぁ、そうだ!悪いか!?食っていくためにはこうするしかなかったんだよ!!けど……結局チームの仲間に裏切られて死んだ……はずだった……」
オックスの言葉を察するに、ギャングチームの仲間に裏切られて殺された……だが、その後オルフェノクとして2度目の生を受けた……というところだろう。
「お前……行くとこないのか?だったら……俺につけ。」
「……は?」
「俺は、ブリッツファミリーのグリム・ハワード。俺はいずれ、この街の顔役になる……その日のために、仲間を集めてる。お前、来る気はないか?」
あまりに荒唐無稽な話……年もまだ若そうな男が自分を勧誘している……そんな誘い、飲めるわけもないが……オックスは躊躇した。
グリムから感じられる、どこか心地よい…優しさのようなぬくもりに……
「もしその気になったら……来な。待ってるからな。いこうぜ、ロゼッタ。」
「うん。」
その場から立ち去るグリム、ロゼッタ、タスク……オックスはその場に取り残され、呆然としていた。
後日、オックスはグリムの元に、ブリッツファミリーへの加入を申し込んだ。
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その後、皆の元へ戻ったグリム及びガーデンは正式にブリッツファミリーの傘下に加入。さらにグリムはオックスオルフェノクを皮切りに少しずつ、少しずつ……オルフェノクや怪人の仲間を増やしていった。
それを見たロイドは言った。
「いつの日か、人間と怪人が共存する未来が来るかもしれない。」
それからしばらくして……
「やっと……やっと……!できたんだな……!!俺の店ーー!!」
ついに、グリムは念願の、自分の店を持つことになった。目の前に立っている自分の店を見て、グリムは目をキラキラと輝かせた。
その横で、ロゼッタも泣きながら喜んでいる。
「よかったね……ダーリン!!」
さらに……
『おめでとうアニキー!!』
グリムが今まで舎弟にしてきたオルフェノクと怪人達……といっても5人ほどしかいないが、グリムのことを祝福した。
「すっかり大所帯だな、グリム。」
「いや……」
フリッドに肩を叩かれたグリムは首を横に振った。
「まだまだこっからだ……!俺の野望は、夢は……こっからだ!おい、てめーら!!今日は祝賀パーティーだ!!飲んで食って騒ぐぞぉ!!」
「おーっ!!アニキ最高っす!!」
「酒だ!肉だー!!」
「俺ら買い出しいってくるぜー!!」
舎弟達も大喜び。するとグリムはロイドの元に近づき、尋ねた。
「地下室……作ってあんだろ?隠れ家兼倉庫としてよ!」
「当たり前だろ。喫茶シオンの地下と同一のものを用意してある。」
その夜は祝賀パーティーとしてグリムとフォージャー家を始めとした仲間達、そして舎弟達が新店舗の地下に集まった。
「せーの!」
『かんぱーーい!!!』
全員グラスを掲げて乾杯の音頭を取る。そこからは飲めや食えやの大騒ぎ。
「ア〜ブラ〜、ガマボイラーの特製ラーメンおまちどう!」
「おっ、美味そう……って、グリムのだけチャーシューメンじゃん!」
「ふんっ!貴様ら仮面ライダーへの恨みを忘れたわけじゃないぞ!貴様らなんぞチャーシュー1枚で充分だ!アニキには恩義があるから5枚だ!」
舎弟の一人、ガマボイラーは手製のラーメンを皆に振る舞い、
「お〜っ!高い高ーい!」
「すっげー!」
「どうだ、眺め最高だろ!」
オックスオルフェノクはアーニャとダミアンを持ち上げ、遊び相手になっていた。
「G3-Xの銃……私に譲ってくれませんか?銃マニアとしてはぜひとも……」
「やるわけないだろ、逮捕するぞ。」
さらに舎弟の一人であるバットオルフェノクはユーリに銃をねだっていた。
その横では、
「グビッ…グビッ……久々の酒だ〜!今日は飲むぞ〜!」
「話せるね〜、カニちゃ〜ん!」
カニ獣人がウイスキーをラッパ飲みして酔っ払い、フランキーと一緒に酒を楽しんでいた。
「う、美味い……か、勘違いするなよ人間!ほ、褒めたのは料理であってお前らじゃないからな!」
「は、ははは……ありがとう。」
タイガーオルフェノクは料理を食べ、ツンツンとした態度をとりながら料理を褒めた。
こうして話し、ともに食事をしていると…人間も怪人もそう変わらない……悪ささえしなければ人間と共にやっていけるのではないか……とロイド達はそう思った。
そして、それを教えてくれたのは……グリム。
その後、グリムと舎弟達はブリッツファミリーの構成員として働く傍ら、喫茶シオンの系列店「パスタハウス•ハワード」を切り盛りしていった。
そして月日は流れ……
「ぱいせーん!」
「よぉ、アーニャにシエル。よく来たな。」
もうすぐ中学年になるアーニャと幼稚園児のシエルが店にきた。グリムは22歳になり、店長として成長していた。そして……
「わはーっ!アニャ姉にシエルだーっ!」
タスクもすくすくと成長し、幼いながらにポテチ3袋平らげ、店の中を飛び回れるほどになった。
「タスク、元気してた?」
「うんっ!父ちゃんも母ちゃんも、店のみんなも!」
「ふふっ、いつも笑顔だね。タスクは……」
タスクはいつも笑顔を絶やさない愛らしい子どもだった。誰だろうと分け隔てなく接するため、怪人の舎弟達もタスクを可愛がった。
その時、店のドアベルがカランカランと鳴った。
「いらっしゃ……あっ!」
「よぉ。」
店に入ってきたのは仮面ライダーファイズ、乾巧だった。巧の姿を見るなり、グリムはすぐさま駆け寄った。
「タクミ!あの時以来か!いつこっちに来たんだ!?」
「ついさっきだよ。アーニャ、お前にお客さんが来てるぜ。早く家に帰った方がいいんじゃねぇか?」
巧からの言葉にアーニャは首を傾げながらも、店を後にしてシエルを連れて家へと戻った。
「誰だよ、客って……」
「それは後だ。その前に……こいつをお前に渡す。」
巧が取り出したのはアタッシュケース。その中には破壊されたはずのカイザギアが入っていた。
「カイザのベルトじゃん!」
「”K”が直してくれたんだよ。お前に渡そうと思ってな。あと、ファイズギア返せ。」
「あっ、そうだった!忘れてた!」
今になってファイズギアを巧に返していないことを思い出し、急いで倉庫へ向かい、借りてたファイズギアを巧に返した。それに代わってカイザギアを受け取った。
「それと……こいつをお前に預けたい。」
ファイズギアを受け取った巧はもう一つアタッシュケースを取り出した。中に入っていたのは……
「これ……!?木場の……!?」
中に入っていたのは、かつて木場勇治が使っていた、王のベルト……オーガギア。それがグリムの目の前にあった。
「昔、ディエンドって泥棒に盗まれたんだけどよ、取り返してきたんだ。」
「なんで、こいつを俺に……?」
「……グリム、俺はお前がオルフェノクの新しい希望だと思ってる。木場もそう言ってた。もし……お前がオルフェノクの未来を考えて、導こうと思ってるなら……これをお前に受け継いでほしい。」
グリムはその申し出を、オーガギアを、木場勇治が自分に託そうとしてくれたものを突っぱねることができなかった。気がついた時には、アタッシュケースを受け取っていた。
期待に応えられるかは分からない。木場勇治のように優しくなれらかも分からない……だがそれでも、いつの日か……
「さっ、お客さんに会いに行こうぜ。アーニャだけじゃなく、お前らにとっても大事な客だ。」
巧に連れられて、グリムとロゼッタ、タスクは喫茶シオンへ向かった。
喫茶シオンで待っていたのは……
「久しぶり、グリム!」
「津上先輩……!津上先輩!!」
仮面ライダーアギト•津上翔一……グリムにとって憧れの人間の一人。もう会えないと思っていたが、今、グリムの目の前にいた。
「先輩!俺……先輩に話したいことがいっぱいあって……何から話せばいいかわかんないけど……」
「いいよ、いっぱい話そう!みんなと一緒に!」
「うん……!」
野良猫だった少年は大人になり、まだまだ小粒ではあるがライオンへと成長した。だが、グリムの戦いは終わらない……
たくさん人を救う
どん底から夢見た姿へ……
外伝「Bitter Memories」……End
おまけ「レジェンドと会おう」
「君が……こちらの世界のアギト……いや、ルデスというべきか……」
グリムはアギト本編におけるアナザーアギト……木野薫と会っていた。互いに椅子に座り、対話を交わす。
「アギト……といっても、俺はもうアギトじゃねぇ。オルフェノクになっちまったしな。」
「だが、君がアギトだったのは事実だ。同じアギトとして誇りに思う。」
木野は最初こそ笑顔を見せていたが、突然暗い顔を見せる。
「弟さんのことは、お気の毒に……俺も弟を失ったから、気持ちは分かる。」
「そっか……アンタもなんだな……でも、弟さんはアンタの右手になって、ちゃんと生きてんじゃねぇか。いつだって一緒に生きてるだろ……」
グリムの言葉に木野は目を丸くしたが、すぐにフッと笑った。
「一緒に生きてる……か。そうだな……」
木野は自分の右手を見つめ、ギュッと握りしめた。木野薫とその弟は昔、雪山で遭難した際、薫の方は凍傷で右手の機能を失い、弟は死んでしまった……その死んだ弟の腕を移植され、今の木野薫の右腕がある。
木野薫はそのことを重荷と感じ、心の中はずっと雪山にいた。だが、津上翔一の言葉で前を向けた。そして、そこにグリムの言葉も加わった。
「なら、お前の弟も……お前の中で生きている。」
「……!」
グリムは木野薫に胸を指差され、目を丸くした。だが、さきほどの木野と同じようにフッと笑って胸を撫で下ろす。
「そうだよな……お互い、重荷背負ってんな。」
「ああ……これからも背負っていくんだ、俺達は……」
木野薫は椅子から立ち上がり、グリムに背を向けた。
「達者でな、グリム•ハワード……」
「……あばよ、木野薫。」
木野薫はその場から立ち去った。グリムはその背が見えなくなるまで、見送った……
「はぁ…喧嘩になるかと思いましたけど、なんとかいい感じに収まりましたね……」
「はい……」
2人の対話の様子を、ロイドとヨルが見守っていた。マフィアと医者では話が合わないのではないかと思っていた2人だったが、上手く収まったのをみて、ホッとため息をついた。
だが、1人だけ納得できてない者がいた……
「納得できないなぁ……彼はカイザのはずだろう?」
後ろを向くと、そこには仮面ライダーカイザの変身者の1人……草加雅人が立っていた。
「途中から完全にカイザとして戦ってきたのに……いまさら木野薫と対話なんて……邪魔だな……」
「へ?」
「俺のことを好きにならない奴は邪魔なんだよ!変身!」
《Complete.》
怒りのあまり、カイザに変身する草加。それを見て2人は思わず慌ててしまう。
「待て待て待て!今いい感じに纏まってたのに……オチでこうなるのか!」
「タクミさーん!タクミさんこの人回収してくださーい!!」
その後、騒動を聞きつけた乾巧と園田真理によってカイザは回収されたのだった……
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・総括
本作とドン!ホロックスみーてぃんぐとの間の時系列を埋めるため、外伝を作りましたが、かなりの難産でした。けっこうライブ感が強めになったといいますか、辻褄合わせも大変でした。
ギャグ多めのシナリオにしてもよかったんですけど……ぶっちゃけた話、何も考えずに予告編を作ったもんだからもう引っ込みがつかず……結果的にグリムがまた曇ることに。でもまぁ、オリキャラはいくら曇ってもいいと決めてるので、結果的には良しということで……
ラスボスに関してもかなり悩みました。最初はギアンを前座ボスにして、ミゲルをラスボスにしようと考えました。最終的にグランツに殺され、そのグランツはロイド達の内の誰かに殺される……という展開でした。ですが、グランツはあくまで社会的に殺したかったというのと、ギアンとミゲルの能力を比較した際、ギアンの方が派手な展開にできると判断したため、ギアンがラスボスになりました。この辺もライブ感強め。
次回作に関してですが、来年の1月辺りから連載開始したいと考えています。年末で忙しくなるのと、今度はじっくり考えてから作りたいと思ったからです。
連載が始まりましたら、時間がある時、暇がある時に読んでいただけると嬉しいです。
読者の皆様、ありがとうごさいました!
外伝はどうでしたか?
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面白かった
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面白くなかった
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微妙
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グリ×ロゼがてぇてぇ
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ライドがカッコいい
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ミゲルをもっと見たかった