SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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謝罪

前回、最後のシーンのグリムの台詞で「ティスタ」と発言するシーンがありましたが、修正しました。実は当初「ティスタ」と書くつもりはなく、途中から「ここでティスタと発言させて、後に遠藤先生の初連載作と関連を持たせる」……という計画を急遽立てたのですが……投稿した後に「やはり違う」と断念したことと、安易な考えをしてしまったことを猛省したことの証明として台詞を変えました。
読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ございませんでした。
今後とも、「SPY×AGITΩ」をよろしくお願いします。




Chapter.5「夏合宿開始」

 

夏休み当日……

 

「はは、いってきます!」

「いってきます!」

「2人は俺が見とくから安心しな。」

 

アーニャとシエル、フータロスの3人はダミアンの別荘で合宿をするため、家を発つ。

 

「いってらっしゃい!本当はロイドさんと一緒にお見送りしたかったんですけど……」

 

この見送りの場に、ロイドの姿はなかった。3人がダミアンの別荘に行く理由が、ライダーとしての実力を高めるための合宿というのがロイドは気に食わなかった。

大人げない話だが、それが理由で見送りに来なかった。

 

「……いいもん、ちちなんて知らない。」

「アーニャさん……」

 

アーニャ達はヨルに別れを告げると集合場所である駅前広場へ向かった。

広場にたどり着いた時には、すでに他の仲間達と車が到着していた。

 

「アーニャちゃん!」

「お待たせ!あれ、師匠(センセイ)は?」

「まだ来てない。それより聞いた?別荘の中にでっかいプールあるんだって!しかもお店も近所にあるから水着を現地調達できるって!」

 

そのベッキーの一言に、アーニャは目を輝かせた。

 

「ほんと!?よかった〜、実は去年の水着きつくなってて……」

「ダミ兄!別荘行ったらごはんいっぱいある?」

「ああ、いっぱい用意するように言ったから、たくさん食べるんだぞ。」

「マール、あっち行ったらいっぱい遊ぼうね!」

「ふ、ふん!シエルはお子様ですわね……」

 

それぞれが楽しそうに話す中、後ろから男の声が聞こえてくる。

 

「浮かれるんじゃないぞ、お前達。俺達は合宿に行くんだ。遊びに行くわけじゃない。」

 

その声は皆の師匠……鮫山ソウゴの声だった。浮かれるなと言うソウゴはアロハシャツに星型のサングラス、肩に浮き輪を担いだ状態で現れた。

 

「いやアンタに言われたくないわ!!」

師匠(センセイ)の方が浮かれてんじゃないスか!!」

「だいたい、なんですかその荷物……」

 

エミールの指摘通り、ソウゴは他の者の倍の荷物を持ってきていた。

 

「何を持ってきたんですか?」

「まず着替え、歯ブラシ、カミソリ、タオル、ボディソープにシャンプー……タコ焼き器に俺の好きな漫画全巻、トランプにボードゲームに、積んでたプラモ……」

「持ちすぎ!!別荘に住み込む気ですか!?」

「細かいことは気にするな。さぁ、楽しい楽しい合宿が始まるぞ!」

 

ソウゴはそう言って車の中に荷物を詰め込み、一足先に乗り込んだ。

 

「大丈夫かな……」

 

不安はある中、アーニャ達も車に乗り込みダミアンの別荘へ向かった……

そして2時間後……

 

「うわ〜っ!広〜い!!」

 

別荘にたどり着いたアーニャ達は目を輝かせた。街のはずれに佇む巨大な屋敷……町にほど近い割には近隣に自然も多く、子どもの遊び場としては最適だろう。そして屋敷の中には目玉とも言うべき巨大プールが庭にある。部屋もそれなりに多いため客人を泊めるのに適している。

 

「ダミアン坊ちゃま、お久しぶりでございます……」

「エイラス、元気そうだな。」

 

ダミアンは屋敷の手入れをしている老人と他の使用人達に軽く挨拶をすると、アーニャ達を中へ案内させた。

中へ入り、それぞれ部屋をあてられると、さっそく遊びに行こうと外へ……

 

「待て!」

 

しかし、その瞬間ソウゴが皆を引き止めた。

 

「遊ぶのは後だ。合宿はもう始まっているぞ!!」

 

───────────────────────

 

その頃……喫茶シオンは休日のため、ロイドは外出していた。

 

「よぉ、久々!」

 

ロイドが外出先で会ったのはフランキー。G3部隊がなくなった後、在野に下って昔のように情報屋に戻ったそうな……

 

「あれからどうなんだ?」

「昔に戻ったよ。気楽な情報屋……まぁ、収入は少なくなったけど食うには困ってねぇよ。ただ…」

 

昼食のホットドッグを頬張りながら近況を話す。

 

「アイネの姐さんが元気なくてな……」

「G3部隊なくなった後も会ってるのか?」

「まぁな。アイネ姐さんのことは結構好きだしな。G3は姐さんの息子みたいなもんだし、なくなったのはショックだろうしな……少しは支えてやんねぇと。」

 

昔と同じ情報屋に戻ったフランキー……しかし、同じように見えて昔と違うのは、大事な人のために何かしてあげたいという想いが見え隠れしている。

 

「……変わったな、フランキー。」

「そりゃあお前だろ。黄昏だった頃とは大違いだ。」

 

それはそうだ、とロイドは思った。自分がここまで変わったのはヨルとアーニャ、そして翔一が、アギトがいたからこそ……それだけは忘れてはいない。

 

「そうだな……みんながいなきゃ、こうはならなかった……本当に感謝して……っ!?」

 

その時、ロイドは目を見開いた。視線の先には茶髪に眼鏡をかけたスーツ姿の男が人混みに紛れながらロイドの方を見ていた。

ロイドはその男が人混みの中でこちらを見てきたことに驚いたのではない……その男のことを知っていたからだ。

 

「まさか……!!」

 

眼鏡の男は人混みを抜けて路地裏に入っていった。

ロイドはたまらず後を追いかけた。

 

「お、おい!どうしたんだよ!?」

 

フランキーの声を無視して追いかけ続けた。やがてたどり着いた先は廃工場……

 

「エイン!お前なんだろ!?出てこい!!」

 

ロイドは眼鏡の男と思われる名前を大声で叫んだ。フランキーはロイドの行動と言動に戸惑うばかりだった。

その時……

 

「久しいなぁ……黄昏…いや、───」

 

黄昏の後に続いたその名は、忘れもしない……ロイドが黄昏というスパイになる前……一介の西国兵士として戦った時の、いやそれより前……ロイドの本当の名前……それを知ってるのはほんの一握り……

カツン、カツンと靴音が響き、暗闇からさきほどの眼鏡の男が現れた。

 

「ずいぶん幸せそうじゃないか……」

「エイン、本当にお前なのか……!?お前は、死んだはず……!!」

「ああ、死んださ……東西戦争の、戦場の中でな……」

 

エインという男は眼鏡を外し、ポケットにしまう。

 

「でも、今の世の中ってのは便利なもんでな……」

 

すると次の瞬間、エインは顔に半透明の模様を浮かばせた。

 

「まさか……!」

「オルフェノク!?」

 

発光とともにエインは姿を変え、蜘蛛のようなオルフェノク……スパイダーオルフェノクへと変わった。

だが、すぐに人間の姿へ戻った。

 

「それだけじゃねぇんだ……これ、分かるか?」

 

エインが取り出したのはアタッシュケース……さらにその中から、ベルトを取り出した。

 

「ベルト……!!」

 

そのベルトはグリムや乾 巧が使っているベルトと系統が似ていた。エインはおもむろにそれを巻くと、今度は銃のトリガーのようなものを取り出し、それを口元に近づける。

 

「……変身。」

《Standing by...》

 

トリガーから音声が鳴り響き、エインはそれをベルトの横にあるデルタムーバーへ挿し込んだ。

 

《Complete.》

 

エインの身体に青い光が走り、全身が発光。エインは黒いスーツに白いラインの入ったオレンジ色の目をした戦士に変わった。

 

「仮面、ライダー……」

「フッ、デルタっていうらしいぜ。」

 

そう言うと、デルタはトリガーと一体化したデルタムーバーを引き抜いた。

 

「Fire.」

《Burst Mode.》

 

デルタムーバーは銃へと変化し、その銃口を……ロイドへ向けた。その銃を握る手は、間違いなく殺意が感じられた……

 

「!?」

「死ねよ、───」

 

 

───────────────────────

 

その頃、アーニャ達は修行に励んでいた……

 

「叩いてかぶって!」

「ジャンケンポン!」

 

マールはグーを出し、ベッキーはパーを出した。するとベッキーは目の前にあるピコピコハンマーを手に取りマールの頭めがけて振り下ろした。しかし、マールの方が速かった。先にヘルメットをかぶってハンマーを防いだ。

 

「反応速〜い!」

「もう1戦!」

 

2人は続けてジャンケンを始めた……

 

「……あの、これ修行なんですよね?」

「もちろんだ。」

 

ダミアンの疑問にソウゴはコクリと頷いた。

一見、ただジャンケンをしているだけに見えるが、これはれっきとした修行だった。

 

「叩いてかぶってジャンケンポンは、反射神経を養うための修行。ジャンケンの勝敗は関係ない。問題はジャンケンの後のヘルメットとハンマーを手に取るスピードだ。反射神経のトレーニングは攻撃動作や回避動作に影響する。」

「はぁ……」

 

他の面々の修行も似たようなもので……シエルとフータロスはプールでシンクロとエアロビを。

 

「はい、ワンツー!ワンツー!」

「し、しんどい……!」

「ホントにこんなのが修行になんのかよ……!?」

「お前達の真骨頂はコンビネーション。それを発揮するには互いに息を合わせる必要がある。それにはエアロビとシンクロが一番。」

 

タスクの方は、庭で目隠しと耳栓をした状態で座っていた。

 

「クンクン……」

 

タスクは香ばしい匂いを嗅ぎつけ、屋敷の中を徘徊し……寝室のベッドの下に隠された肉を発見した。

 

「あった!豚肉〜!!」

「よし……食べていいぞ。」

 

肉を見つけたタスクの目隠しと耳栓を取り、肉を食べる許可を出した。

ソウゴの許可を得ると、タスクは喜んで肉に食らいついた。

 

「お前の長所は研ぎ澄まされた『野生』……それは戦闘でも大いに役に立つ。それをさらに研ぎ澄ますため、お前の五感を……聞いてるか?」

「もぐもぐ……聞いてる!コカンをとぐ!」

「……まぁいい。それを食べ終えたら、今度は鼻をふさぐ。」

 

アーニャの方は他の皆と違い、庭で座禅を組んでいた。

 

「……なんでアーニャだけ座禅なの?」

「お前はアギト……ひいては超能力者だ。精神を研ぎ澄まし、お前の超能力を強化するんだ。お前の能力は心を読むこと……なら、その読んだ心を他者に伝えることだってできるはずだ。」

「無茶振り……」

 

アーニャは試しとばかりにソウゴの心を読んだ。

 

(タコ焼き食べたい。)

 

そして、この読んだ心の声を近くにいる者へ送れるか……精神統一を図る。

 

「ふっ……ん……」

「イメージするんだ……そいつが伝えたい思いを、相手に……」

「……っ!!」

 

アドバイス通り、自身の中でソウゴの心の声を肥大化させ、それを他者に伝えるイメージを膨らませるが……

 

「ぷはっ!無理……」

 

さすがにそんな早くできるはずもなく、アーニャは息を切らしている。

気がつけば身体も汗まみれになっていた。

 

「やぁん…汗でベタベタ……下に水着着てるし、このまま脱いじゃお!」

 

アーニャはためらいもなくその場で服を脱ぎ、水着姿になった。

 

「お、おぉ……!」

 

水着姿になったアーニャを見て、ダミアンは思わず声を上げ、シエルもゴクリとツバを呑んだ。

10年も経てば誰でも身体つきは変わる。アーニャも女性らしく出るところは出ている身体つきに成長していた。

 

師匠(センセイ)、プールで汗流してもいいでしょ?」

「かまわん。運動も必要だ。」

 

ソウゴから許可を貰うとアーニャはプールの中に飛び込んだ。

 

「あ〜、気持ちいい〜♪シエル、一緒に泳ご!」

「う、うん……」

「何照れてんだスケベ。」

 

フータロスに頭を小突かれながら、シエルはアーニャとプールを泳ぎ始めた。

その様子を見て、修行中だったマールは頰を膨らませ……

 

「シエル……!またデレデレと……!私も泳ぎますわー!!」

 

マールも服を脱ぎ捨てて水着姿になってプールに飛び込んだ。

音と声に気づいたのか、タスクも庭にやってきた。

 

「みんな遊んでるー!オイラもー!!」

 

タスクは服を脱がずにそのままプールに飛び込んだ。

 

「タスク!入るんだったら水着に着替えろ!」

 

それから後に続くようにダミアン達もプールに飛び込んだ。

そこからはもう皆は修行を忘れてプールで遊び始めてしまった。それを見てソウゴは呆れてため息を吐いたが、フッと笑って微笑ましそうに皆を見つめた。

 

「まったく……お前ら、遊び終わって飯を食ったら、今度は俺との稽古だ。俺から一本でも取ってみろ!」

『おー!!』

 

夏合宿はまだ始まったばかり……

 

 

 

 

 

 





おまけ「強さの謎」

「よし、今日から修行を始めるぞ。」
「はーい!」
「参考までに聞くが、前アギト……津上翔一はどれぐらい強かったんだ?」

ソウゴに尋ねられ、アーニャは前アギトの、津上翔一がどれだけ強かったのか語った。
フレイムフォーム、ストームフォーム、トリニティフォームにバーニングフォーム、シャイニングフォーム……それらを駆使して数々のアンノウンと戦い、ミラージュアギトを葬った……そして、かのショッカー首領をも倒してしまったことを話す。

「なるほど、さすがの強さだな……俺がフルパワーでやっても勝てないかもな。どんなトレーニングをしていたんだ?」
「いや、なんのトレーニングもしてないよ?」
「……え?」

アーニャの衝撃の一言にソウゴは思わず声を上げた。アギトの強さは自分より上かもしれない……それなら相当な訓練を積んでるはず……それなのにトレーニングをしていないときた。

「訓練なんてやめてくんれん!…なんて言ってたし……」
「ちょっと待て……訓練してないのにそんだけ強いってことは……訓練さえしていればさらに強くなった可能性が……」
「気づいた?本人さえ望めば史上最強の座を欲しいままにしてただろうに……ショーイチってば欲がないから……」
「大物だな……」

話したこともなければ、面会さえしたこともないが、津上翔一には勝てない……そう悟ったソウゴだった。

────────────────────────

アギトって1話の時点で相当強かったと思うんですよね。大抵のライダーは1話の時点で戦い方がわからずしどろもどろしてるのにアギトは熟練の動きしてたし……

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