SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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第28話「残響」

 

キーンコーンカーンコーン……

 

夕方、イーデン校のチャイムが鳴り響き、生徒達が玄関から次々と外に出ていく。

その中にはダミアンもいた。ダミアンは俯きながらとぼとぼと歩いていた。

 

(叔父さん・・・)

 

頭の中には叔父、フリッドの姿が写っていた。あの日から、ダミアンはフリッドと会っていない。

ダミアンはそのことを、自分のせいだと思っていた。あの日、病院でフリッドを追い出す時に言った言葉……

 

『お前は最低の化け物だ!二度と顔なんか見たくない!!』

 

言うべき言葉ではなかった。そのことをダミアンは後悔していた。

叔父も好きであんな化け物になったワケではないのに、自分はそれを頭ごなしに否定した。

 

(俺のせいだ……俺があんなこと言わなきゃ……)

 

ずっとそのことを謝りたいと思っていたが、本人がどこかへ行ってしまっては、それも叶わなかった。

 

「おい、じなん。」

 

その時、アーニャが後ろから声をかけてきた。

 

「……お前か。なんだよ。」

「かてーきょーし、おまえのとこにきたか?」

「は?かてーきょーし・・・?」

 

アーニャの一言にダミアンは意味が分からず、首を傾げた。

 

「じなんのおじ!」

 

追加のアーニャの一言で、フリッドのことを言っていると理解したダミアンだったが、表情は相変わらず不貞腐れたような顔だった。

 

「……前も言っただろ。お前には関係ないって……」

「アーニャさーん!」

 

その時、アーニャを呼ぶ声が聞こえてきた。その方向に顔を向けると、そこにはヨルが手を振って歩み寄ってきていた。

 

「ははー!」

「お仕事が早く終わったので、迎えに来ました!あら、ダミアンくん。」

「あ・・・う・・・」

 

ヨルの顔を見た途端、ダミアンは顔が赤く、熱くなるのを感じた。

あの日、抱きしめられた時のぬくもりと感触が鮮明に残っていた。

そんなことは知らず、ヨルはダミアンの前でかがんだ。

 

「あの時は大変そうでしたね。あの後、ゆっくり眠れましたか?」

 

ヨルはダミアンのことを抱きしめたあの日のことを話していた。あの日、泣いていたダミアンをヨルとロイドは家に送ったのだが、その後を知らなかったヨルは心配からダミアンに尋ねた。

 

「え、えっと……」

 

しかし、ダミアンはしどろもどろとしている。ヨルが近づき、かがんだことでヨルの顔と胸元が近くに来ていた。

 

(あ、あったかくて、柔らかい……おっ……おっぱ……!)

 

目線が胸元に吸い寄せられるが、ダミアンはそこに目を合わせまいとなんとか目線を逸らしている。

 

「ね、眠れ、まひた……」

 

そして質問に答えるダミアンだったが、緊張からか声が裏返っていた。

すると、ヨルはニッコリ微笑み、ダミアンの頭を撫でた。

 

「フフフッ、よしよし。ダミアンくんはいい子ですね。えらいえらいです♪」

 

その直後、ダミアンはプシュ―と煙が出てしまいそうなほど顔が赤くなり、同時にだらしなく顔が綻び、デレデレと笑顔を浮かべていた。

 

「ひゃ、ひゃい・・・えへへ・・・」

 

その様子を傍らで見ていたアーニャは、汚物を見るような顔になっていた。

 

(じなん、やっぱりドスケベ。)

 

と、その時、

 

「ダミアン。」

 

聞き覚えのある声がヨルの後ろの方から聞こえてきた。

そこには、ダミアンにとって忘れらない男が立っていた。その男を見た瞬間、ダミアンはだらしない笑顔からすぐに驚きの表情に変わった。

 

「お、叔父さん・・・!?」

「ダミアン……」

 

ダミアンの目の前にフリッドが現れた。その事実にダミアンは固まった。

そんな中、ヨルとアーニャはフリッドの元に駆け寄った。

 

「フリッドさん!心配したんですよ?あれから姿を見せないから……」

「すいません、ヨルさん。アーニャちゃんもごめんね?勉強を教えられなくて……」

「うぃっ!アーニャはだいじょうぶます!」

 

2人としばし話すと、フリッドはダミアンの方に顔を向けた。すると、ダミアンはビクッと体を震わせた・・・かと思うと、後ろを向いて逃げてしまった。

 

「あっ……!」

「じなん!」

 

ダミアンが突然逃げ出したのを見て、フリッドは苦笑いを浮かべた。

 

「ははは・・・嫌われてるみたいだ。やっぱり……」

 

そしてフリッドは悲しそうに俯きながらも無理をして笑顔を作った。

そんなフリッドの顔を見て、アーニャは拳を握った。

 

「アーニャ、じなんつれてくる!」

「えっ?ア、アーニャちゃん!?」

「アーニャさん!」

 

2人の静止を聞かず、アーニャはダミアンの後を追って走り出した。

 

────────────────────────

 

「はあ、はあ……」

(どうして、どうしてここに叔父さんが・・・!)

 

ダミアンは逃げに逃げ、体育館の裏にたどり着いたところで息を切らし、その場で休んだ。

条件反射でつい、フリッドの前から逃げてしまったが、ダミアンはフリッドに一言謝りたいと思っていた。

だが、怖くてそれができなかった。「ごめんなさい」と言ったところで、許してもらえるワケがない。そう考えてしまうと、足が動かなかった。

 

「じなん!!」

 

そんな時、アーニャがダミアンに追いついた。

 

「……なんだよ、お前もしつこいな!」

「じなん……じなんのおじ、『あいたい』いってた。」

「……会えるわけないだろ。」

 

ダミアンの声は震えていた。アーニャに背を向けて、ダミアンは語り出す。

 

「俺だって、俺だって叔父さんに会いたい・・・!でも、俺は叔父さんのことを化け物扱いしたんだ。許されるわけないだろ・・・!!」

 

そう言って語るダミアンの声は涙ぐむような震えた声になっていた。

 

「でも……じなんのおじは、フリッドは、きっとゆるしてくれる。」

「お前に……お前に何が分かるんだよっ!?」

 

ダミアンはアーニャの方を向いて叫んだ。その目には涙が浮かんでいた。

 

「お前には分かんないだろ……大好きだった人が化け物に変わった時の気持ちなんて……お前に分かるわけないだろぉっ!!!」

 

ダミアンは目に涙を浮かばせたまま叫んだ。

しかし、その次の瞬間、アーニャの拳が飛んできた。そのまま拳はダミアンの頬に炸裂し、ダミアンはその場に倒れた。

 

「こ、の・・・!また殴ったな!!」

「いいかげんにしろ、じなん!!」

 

殴られたことを怒ろうとするダミアンだったが、それよりも早くアーニャが怒りの叫びをあげた。

そして、アーニャはキッとした表情でダミアンを睨んだ。

 

「アーニャ、じなんのきもちわかんない……でも、ひとりぼっちになるきもち、アーニャわかる!フリッド……ムリしてひとりぼっちになろうとしてる!じなんのこと、まきこみたくないから!!」

「ッ!!」

 

アーニャのその言葉に、ダミアンは目を見開いた。

そして、アーニャの目からポロポロと涙が零れ始めた。

 

「ひとりぼっちなるの、すごくさびしい・・・すごくつらい・・・でも、アーニャにはちちとはは、ショーイチがいるから、さびしくない!フリッドには、じなんがひつよう!!」

「お前……」

「それぐらいわかれ、バカじなん!!」

「叔父さん……!!」

 

アーニャのセリフを聞いた瞬間、ダミアンの中でフリッドに会いたい気持ちが強くなっていった。

フリッドはずっと孤独だった。それは昔のダミアンと同じだった。孤独を救ってくれたのは、叔父のフリッドだった。ならば、今度は自分が、孤独になった叔父を救う番だと思ったのだ。

 

「……お前なんかに気づかされるなんてな。」

 

ダミアンは小さく呟いた、かと思うと、その場から走り出した。

大事な人に会うために、そして、伝えなければならないことを伝えるために。

 

────────────────────────

 

そのころ、フリッドとヨルは近くのベンチに座って話をしていた。

 

「ヨルさん……俺、弱い人間です。もうダミアンとは会わないって決めたのに……会いたくて会いたくて、たまらないんです。」

「大好きなんですね、ダミアンくんのことが。」

「はい・・・でも、もういいんです。あの子の顔を一目見れただけで・・・気が済みました。」

 

フリッドは悲しそうに微笑むと、その場から立ち上がって去ろうとした。すると、ヨルはフリッドの腕を掴んだ。

 

「待ってください!」

「ヨルさん?」

「フリッドさんは・・・逃げるためにここに来たんですか?」

「え?」

 

フリッドは声を上げた。ヨルはさらに続けて言った。

 

「フリッドさんは優しい人だから、無理して一人になろうとしてるんですよね?ダミアンくんを巻き込まないために。」

「……」

 

ヨルの言葉に、フリッドは黙りながらもコクリと頷いた。図星だったからだ。ヨルの言う通り、ダミアンを巻き込まないために、自ら孤独になってフリッドは戦い続けてきたのだ。

 

「でも、それってズルいと思います。」

「え・・・?」

「ダミアンくんだって、フリッドさんに会いたいって思ってると思います。なのに、その気持ちを無視しちゃうんですか?」

 

ヨルの言葉に、フリッドの胸は締め付けられた。もし、もしダミアンが自分に会いたいと思っていたのなら……もし、会うことが許されて、抱きしめてあげることが許されたのなら……

 

「俺は・・・」

 

その時、

 

「ははーっ!かてーきょーしーっ!!」

 

アーニャの声が聞こえてきた。顔を向けると、アーニャとダミアンが二人に向かって走ってきていた。

 

「ダミアン!」

「叔父さん……」

 

ダミアンの姿を見た瞬間、フリッドは近づこうと足を進めた。釣られて、ダミアンもゆっくりと足を進め始めた。

ようやく、ようやく二人は再会を果たす。ヨルとアーニャはそう思い、微笑みながらその光景を見ていた。

だが、その時だった。

 

「ッ!!ダミアン、止まれっ!!」

 

何者かの気配を感じたフリッドは、ダミアンに向かって叫んだ。その声に驚き、ダミアンの足は止まった。

その瞬間、足元に棘の生えた手裏剣が突き刺さった。一歩間違えばダミアンの足に突き刺さっていただろう。

 

「フシュウゥゥゥ……」

 

気配を感じた方に顔を向けると、そこには両手に先ほどの手裏剣を持ったウニ型のアンノウン、シーアーチンロードが現れた。

 

「アンノウン!」

「せっかく、お二人が再会できたのに……!」

「ヨルさん、二人をお願いします!」

「はい!」

 

フリッドはダミアンとアーニャをヨルに任せると、顔の前で両腕を交差させた。

 

「変身ッ!!」

 

叫んだと同時に、フリッドはギルスへと変身した。

 

「ガァウッ!!」

「フゥンッ!!」

 

ギルスはシーアーチンロードに飛び掛かり、拳を繰り出した。すると、向こうも拳を繰り出し、拳と拳がぶつかり合った。

 

(コイツ、強い……!!)

 

拳同士がぶつかり合った瞬間、ギルスは目の前にいる相手が他のアンノウンよりも強いことを理解した。

拳を弾き、両腕からギルスクロウを伸ばし、シーアーチンに向かって振り下ろす。しかし、クロウはガキンッ!という音を立て、攻撃は止まってしまった。

 

「なに!?」

 

シーアーチンの身体は強固な外殻で覆われていた。さらに表面はウニのような無数の棘が生えており、それを使って突進してきた。

 

「ぐあっ!!」

 

突進で突き飛ばされたギルスだったが、吹き飛ばされた瞬間、鞭状の触手「ギルスフィーラー」を伸ばし、シーアーチンの首に巻き付けた。

ギルスが吹き飛ばされると同時にシーアーチンの身体を横転させるつもりだった。しかし、それを見越してか、シーアーチンはその場で踏ん張り、逆に触手をつかんでギルスを振り回した。

 

「う、うわああああああっ!!」

 

そして、シーアーチンはそのままギルスを地面に叩きつけた。

 

「ぐうっ・・・!!」

 

地面に倒れたギルスは、なんとか立ち上がろうと体を起こし始める。しかし、シーアーチンはそれを無視し、アーニャとダミアンを守っているヨルの方に体を向けた。

 

「アギト・・・」

「!!」

(もしかして・・・アンノウン、アーニャねらってる!?)

 

アーニャはアンノウンの狙いが自分、惑いはアギトなのではないかと想像した。

 

「ウオオオオオオオオオオッ!!」

 

その時、獣のような雄たけびを上げながら、ギルスはクロウをシーアーチンに向けて突き出した。

しかし、シーアーチンは読んでいた。逆に腕を絡めとり、肘鉄でギルスクロウを砕いた。

 

「ッ!?」

 

ギルスが驚くのをよそに、シーアーチンはギルスを突き飛ばし、手刀を脳天目掛けて振り下ろした。

ギルスは咄嗟に右腕で防ごうとした。だが、威力はシーアーチンの方が高く、ギルスの右腕は切り落とされてしまった。

 

「グ、グアアアアアアッ!!」

 

悲痛の叫びを上げ、ギルスはその場に膝をついた。

 

「フリッドさん!」

「かてーきょーし!」

(叔父さん!どうしよう、叔父さんが……!でも、俺には何も……!!)

 

ダミアンは何もできない自分に嫌気が差した。そんな中、ギルスは右腕を失いながらも果敢に立ち向かった。片腕で掴みかかり、牙を剥いて固い外殻に歯を立てる。それでもシーアーチンには通じない。逆に倒されてしまう。

だが、それでもギルスは立ち上がった。

 

「叔父さん……!!」

 

その時、ダミアンは胸が熱くなるのを感じると同時に喉の奥からある言葉が飛び出しそうになっていた。

それが分かると、ダミアンはスッと息を吸い・・・思い切りその言葉を吐いた。

 

「叔父さー--んっ!!頑張れェー----ッ!!」

「ダミアン……!!」

「負けるな・・・!負けるな、叔父さんっ!!頑張れェーーーー-ッ!!」

 

ただの応援に聞こえるかもしれない。だが、ギルスにとって、フリッドにとってそれはただの応援ではない。

 

(そうだ……俺が倒れそうな時、いつだってお前の存在が俺を救ってくれた!!)

 

その応援は、孤独だった戦士を奮い立たせる歌だった。

 

(お前がいる限り、俺は……立ち上がる!!)

「ウオオオオオオオオオオ!!」

 

その時、ギルスに変化が起きた。切り落とされたはずの右腕が新たに生えてきたのだ。それだけではない。頭部の中央の角が伸び、胸の中央に黄色に輝く結晶が浮かび上がる。さらに、両腕、両肘、両肩にも新たにギルスクロウが生え、胸のベルトも赤く変わっていく。

 

「シィィィィ……」

 

どんなに暗い感情も、どんなに長い葛藤も、どんなに長い後悔も、どんなに高い限界も……その残響(こえ)は、全てを掻き消す!

 

「グオアアアアアアアアアッ!!」

 

ギルスは叫ぶ。今ここに、ギルスは進化を遂げた不完全体(エクシードギルス)へと変わったのだ。

 

「グッ、ウウッ……」

 

進化したギルスを見て、シーアーチンは戸惑っている。戸惑いながらも手裏剣を取り出し、投げた。

 

「フンッ!」

 

その時、ギルスの背中から新たに出現した棘状の触手「ギルススティンガー」が伸び、手裏剣を破壊した。

 

「ヌッ!?フンッ!フンッ!!」

 

シーアーチンは何度も何度も手裏剣を投げつけていく。しかしその度にギルススティンガーで破壊していく。

手裏剣を破壊しながら、ギルスは徐々にシーアーチンに距離を詰めていく。

 

「ハッ!!」

 

間合いに入った瞬間、ギルスは新たに生えたクロウで切り刻んだ。新たに生えたクロウは鋭く、シーアーチンの強固な外殻さえも容易に切り裂いた。

 

「グアアアッ!!」

 

ギルスはさらにシーアーチンを蹴り飛ばした。

そして、

 

「フウゥゥゥ……」

 

ギルスは地面に緑色の紋章を浮かばせた。

 

「アレは、アギトと同じ・・・!」

 

その光景を見て、ヨルはアギトが必殺の一撃を繰り出す動作を思い出した。そう、ギルスもアギトと同様、必殺の一撃を繰り出すのだ。

 

「ハッ!!」

 

両足に紋章のエネルギーを纏わせ、同時に踵のヒールクロウを伸ばす。そして、シーアーチンに向かって突進した。

 

「ウオアアアアアアアアアッ!!」

 

そして突進とともに飛び後ろ廻し蹴りを繰り出し、シーアーチンに蹴りと斬撃の一撃を食らわせた。

 

「グッ!グウオオオオオオオオ!!」

 

一撃を喰らい吹き飛ばされたシーアーチンは断末魔を上げて爆発四散した。

戦いが終わり、ギルスはフリッドの姿へと戻った。

 

「ダミアン……」

 

フリッドはダミアンの元へ歩み寄り、かがんで目線を合わせた。

ダミアンは、今度は逃げなかった。しかし、目からは涙が零れていた。

 

「・・・ごめんな。またお前を泣かせてしまったな・・・俺は、本当に最低だ。お前とはもう会わないって決めたのに、こうして会いにくるなんて……」

 

申し訳なさそうに、苦しそうに言うフリッドに対し、ダミアンは首を横に振った。

 

「違う・・・怖くて泣いたんじゃない。俺、分かったんだ……叔父さんの痛みが、辛さが……」

 

ダミアンの目からとめどなく涙があふれた。フリッドの戦いを見て、叔父がどれだけ痛い思いをしたのか、どれだけ辛い思いをしてきただろうか、と考えたのだ。

そして、ダミアンの考えていることを理解したフリッドは同じく涙を流していた。

 

「バカ・・・お前が泣く必要なんてないんだ・・・!」

 

そう言うと、フリッドはダミアンを抱きしめた。同様に、ダミアンも縋るようにフリッドに抱きついた。

 

「会いたかった・・・ずっと、叔父さんに会いたかった・・・!!」

「ああっ・・・!俺も、お前にずっと会いたかった・・・ダミアン!」

 

2人は互いに抱き合い、ずっと泣いていた。それを傍らで見ていたヨルも、泣いていた。逆にアーニャは微笑んでいた。

 

(じなん、かてーきょーし、なかなおりできてよかった!)

 

しばらくして泣き止んだ二人は互いの顔を見合った。

 

「まったく、お前は泣き虫だな・・・」

「叔父さんだって・・・でも、俺決めた!俺、強くなる!強くなって、今度は俺が叔父さんを助ける!」

 

ダミアンは涙を拭い、キリッとした顔つきでフリッドに言った。その顔つきは、先ほどワンワン泣いていたとは思えないくらい凛々しいものだった。

それを聞いたフリッドは、嬉しいのか微笑んでダミアンの頭を撫でた。

 

「そっか。お前なら、大丈夫だ。でも・・・」

「?」

 

その時、フリッドはチラリとヨルの方を見た、かと思うとまたダミアンの顔を見た。

そして、

 

「年上のお姉さんにデレデレしないようにな♪」

 

フリッドはニコッと笑っていた。

 

「えっ!?」

 

その瞬間、ダミアンの顔は真っ赤になった。同時にフリッドはため息をついた。

 

「さっき、ヨルさんのこと意識してデレデレしてただろ?叔父として情けなく思ったぞ。」

「ち、違うよぉ!」

「あの・・・一体、ダミアンくんはどうしたんですか?」

 

ダミアンはしどろもどろになりながらも否定する。

すると、ヨルは何故ダミアンが赤くなっているのか、よくわかっておらず、フリッドの隣に立って尋ねた。

 

「いや、実はダミアンの奴があなたに……」

「わーっ!わーっ!!」

 

余計なことは言わせまいと、ダミアンは顔を真っ赤にしながら大声で叫んだ。

 

「じなん、エロガキ」

「だから違うってぇぇぇぇぇ!!」

 

アーニャの言葉による追撃に、ダミアンはまたしても大声を上げた。

フリッドは笑った。可笑しかっただけでなく、またダミアンとこうして話せて、笑うことができたことに嬉しさを感じていたのだ。

かつて孤独だった戦士は、もう孤独ではなくなった。今ここにいるのは、大切なものを守るために戦う戦士だった。

 

 





おまけ「なんで」

フィオナ(おかしい……ギルス編のヒロインは、この私のはず……なのに、何故ドノバンの息子の方がヒロインっぽい!?)

フィオナ「そこの二人、どうしてだと思う?」

???「君がヒロインになれないのは乾 巧って奴の仕業なんだ。」

???「いや、ディケイドだ!全てディケイドが悪いんだ!おのれディケイドォォォォ!!」

フィオナ(聞く相手間違えた……)


—―――――――――――――――

久々のダミアン登場ですが・・・おかしいな。ギルス編のヒロインはフィオナに設定したはずなのに、書いていく内にダミアンの方がヒロインっぽくなった。

後、ギルスにライダーキックはありませんが、後の展開でアギトとのダブルライダーキックをやりたいと思ってるので、オリジナルで作りました。
普通のライダーキックじゃなく、アクセルみたいな飛び後ろ廻し蹴りのライダーキックです。これなら蹴りと同時に斬撃によるダメージも与えられると思ったので採用。


それと、今回は文章の一文にAimerさんの「残響散歌」の歌詞を載せました。前にも書きましたが、ギルスに合うと思って選びました。


作品内において、どのライダーの話が一番好きですか?期間は4月10日から4月17日まで。アンケート結果は後日作品内で発表します

  • アギト編(翔一+フォージャー一家)
  • G-3編(ユーリ+対策班、ノエル)
  • ギルス編(フリッド+ダミアン、フィオナ)
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