SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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第34話「DEEP BREATH」

 

バーリント総合病院・・・ヨルはここに運ばれた。

翔一とフリッド、アーニャは病室前の廊下で座っていた。3人とも顔を俯いて暗い表情を浮かべていた。

すると、病室からロイドが出てきた。

 

「ロイド君、ヨルさんは・・・?」

「大丈夫だ……酷いケガだが、致命傷には至ってない。ヨルさんの身体が頑丈でよかった。普通だったら全身の骨が折れて、死んでしまってもおかしくない。後は意識が回復するのを待つだけだが・・・いつになるか・・・」

 

ロイドは珍しく暗い表情を見せ、ヨルの様子を3人に話した。

すると、アーニャはフラフラとヨルの病室に入っていった。

 

「ア、アーニャ!今は・・・!」

「はは……」

 

病室に入って、アーニャは目を見開いた。同時に、目に涙を浮かべた。

ベッドの上でヨルは全身に包帯を巻かれて横になっていた。

アーニャはヨルが殺し屋であることを知っていた。ただそれでも、アーニャはヨルのことが大好きだった。強くて優しい、アーニャにとっての母親。それが目の前でこんな姿でいることに、アーニャはショックを受けた。

 

「はは、いやだ・・・やだやだやだやだっ!!」

 

声を荒げてヨルの手を掴み、それに縋るように泣きじゃくる。

 

「おきて・・・!はは、おきてよぉっ!!」

「……ヨルさん……!!」

 

アーニャのその姿に感化されてしまったのか、ロイドは手で口を抑え、目頭を熱くさせた。ロイドも悲しさを覚え、泣きそうになっていた。しかし彼自身のプライドで、涙を流そうとはしなかった。

 

(ロイドさん・・・アーニャちゃん・・・)

 

悲しみに暮れる二人を見て、翔一は胸が痛くなった。自分のせいでこうなった、弱かったからこうなったと思っていた。

その時だった。

 

「姉さん!!」

 

ロイドから連絡を受けたユーリが病室に駆け込んできた。

同時に、包帯を巻かれて横になって眠るヨルに、ユーリは目を見開いた。

 

「姉さん……」

「ユーリさん……」

 

その時、翔一はユーリに話しかけた。

 

「俺……ッ!?」

 

翔一が事情を説明しようとした瞬間、ユーリはいきなり翔一の顔面を思い切り殴った。

 

「ロッティから事情は聞いた……でも、でも・・・!」

 

ユーリは目に涙を溜め、拳を握りしめたかと思いきや、翔一の胸倉を掴んできた。

 

「お前が傍にいながら、なんで守ってやれなかった!!?」

「!!」

「お前が・・・お前が姉さんの代わりにやられればよかったんだッ!!この、役立たずッ!!」

 

ユーリは泣きながら、また翔一を殴ろうとした。だがその時、フリッドはユーリの腕を掴んだ。

 

「やめるんだ!落ち着くんだ!」

「アンタは関係ないだろ!」

「関係あるさ・・・ヨルさんは俺の恩人だ!だがな、ここで翔一君をいくら責めても、ヨルさんの容態が良くなるワケじゃない!」

 

ヨルが大怪我を負って悲しいのはフリッドも同じだった。だが、こんな時だからこそ落ち着かなければならないと思い、ユーリにそれを伝えた。

それはユーリに伝わったのか、ユーリはため息をつき始めた。

 

「・・・わかってますよ!そんなことぐらい……!姉さん……!!」

 

ユーリはその場で泣き崩れ、冷たい床に涙を落としていった。

皆、悲しみに暮れ、病室の空気は冷たくなった。

 

(俺のせいだ・・・俺の・・・!!)

 

その時、翔一は病室から飛び出した。

 

「翔一君!」

「俺が追いかける!」

 

慌ててフリッドは後を追いかけた。

病院内であるにも関わらず、翔一は走り出し、外へと出た。そして無我夢中で走り続けた。

 

(俺のせいだ!俺が弱かったから!)

 

わき目も振らずに走り続ける中、罪悪感は強くなっていく。

ユーリの言う通り、自分がやられればよかったと思ってしまった。

 

「津上君!」

 

病院から離れたところで、フリッドが呼びかけながら翔一の腕を掴んだ。

 

「フリッドさん……」

「……君の家に戻ろう。少し落ち着いた方がいい……」

 

フリッドは一言だけ呟き、翔一を連れてロイド達の家へと戻った。

中に入り、フリッドはとりあえず翔一をソファに座らせた。翔一はガクリと項垂れたように俯いている。それを見て、フリッドはかける言葉が見つからずその場から立ち去ろうとした。だがその時、

 

「フリッドさん。」

 

翔一が声を上げた。

 

「フリッドさんは、どうしますか?こんな時……自分のせいで、自分の大事な人が傷ついてしまったら……」

 

翔一の問いかけに、フリッドはすぐには答えられなかった。深く息を吸い、そして息を吐く。そして、静かに呟き始めた。

 

「……どうだろうな。でも、きっと自分のことを許せなくなるだろうな。恥じて、呪って、惨めになって、悔やんで、悔やんで、ずっと悔やみ続けるだろう。」

 

フリッドは自分の考え・・・というより、今の翔一の状態を端的に言葉にして言った。

それを理解したのか、翔一は苦しそうに顔をゆがませた。

 

「でもな、津上君。ヨルさんは死んでない。だったら……まだ生きているその人のためにも、前に進まなければいけないんじゃないか?」

「前に・・・?」

 

フリッドはコクリと頷いた。

と、その時だった。二人の耳に例のあの音が、アンノウンが現れたことを示す音が響いて来た。

 

『!!』

 

2人は咄嗟に音が聞こえる方へ向かおうとした。しかし、フリッドは翔一を止めた。

 

「君はここにいろ。」

「えっ・・・?」

「まだ心の整理がついてないだろ?なーに、ここは頼れる大人に任せなさい。」

 

フリッドはニコッと微笑み、右手の親指を立て、そのままその場から立ち去っていった。

 

(津上君・・・俺は君に偉そうなことを言ったが、俺も人のこと言えないよ……)

 

その時、フリッドは思った。悪いのは翔一ではなく、自分だと。ヨルがケガをしてしまったのは自分のせいだと思っていた。

フリッドの脳裏に、ヨルと会話した時の記憶がよぎった。

 

『ヨルさんはヨルさんなりのやり方で、彼のトラウマを乗り越える手伝いができるはずです。』

『私の、やり方……』

 

あの時言った言葉が原因でヨルはあんなことをしたと思ったのだ。

 

(俺が、俺がもっとちゃんとしたアドバイスをしていれば、ヨルさんは無茶な真似はしなかったのに・・・!!)

 

フリッドは自分を恥じた。自分のふわっとしたアドバイスのせいで恩人を、ヨルをケガさせてしまったことを。

それを清算するためにも、水のエルだけは必ず殺さなければならないと思った。

 

 

────────────────────────

 

そのころ、廃墟になったビルの中……

 

「見つけたぞ、アンノウン!」

 

G3-Xを装着したユーリは銃口をアンノウンに向けていた。そしてその相手は……水のエル。アギトを倒し、ヨルを病院送りにした張本人だった。

 

「クジラのアンノウン……そうか、お前が姉さんを……!!」

 

ロイドやフリッドから話を聞いていたユーリは、水のエルを見て銃を握る手の力が強くなった。

それを見た水のエルはフッと失笑した。

 

「貴様もただの人間か……あの女のように命を投げ出すか……愚かな。」

「なんだと・・・!?姉さんのことを言ってるのか!よくも、よくも姉さんをォォォォォォォォ!!」

 

激昂したユーリは水のエルに向かって銃を乱射した。しかし、銃弾は水のエルには当たらず、その手前で砕け散った。それでもユーリは銃を撃ち続けた。

 

『ユーリ君!落ち着きなさい!』

「うるさぁいっ!!」

 

激怒して冷静な判断が出来なくなっているユーリに、アイネは大声を上げて忠告するも、ユーリは逆切れを起こして通信を切った。

そして、ガトリング砲「GX-05」を取り出し、変形させて銃口を向けた。

 

「うおおおおおおおっ!!」

 

雄たけびを上げ、ガトリング砲を乱射する。だが、やはり銃弾は水のエルに当たらず、途中で止まってしまう。

 

「フッ!」

 

水のエルは指を動かした。すると、空中で止まった銃弾がクルリと反転し、ユーリの方に飛んでいった。

 

「なっ!?ぐああああっ!!」

 

逆に銃弾を受けてしまったユーリは吹き飛び、コンクリートの床に倒れてしまった。

 

「力の差を理解するがいい。人間……」

 

小さく呟きながら、水のエルは戦斧を向けながらユーリに近づいていく。

だがその時、

 

「ダアッ!!」

 

掛け声とともに蹴りが飛んできた。ふいに虚を突かれた水のエルは蹴りを喰らって吹き飛ばされた。

 

「あ、あんたは・・・!」

 

目の前に現れた人物を見て、ユーリはマスクの下で目を見開いた。

何故ならそこに現れたのは、フリッドだからだった。

 

「アンタ、家庭教師の・・・!民間人が出てくるな!危ないだろ!」

 

ユーリは知らなかった。フリッドがギルスであるということを。知らないユーリはフリッドの腕を掴んでその場から逃がそうとした。

しかし逆に、フリッドはユーリを突き飛ばした。

 

「黙ってろ。ヨルさんの仇を取りたいのは……君だけじゃない!!変身ッ!!」

 

フリッドは両腕を交差させて叫んだ。すると、フリッドの身体は変化を始め、ギルスへと変身した。

 

「ウオオオオオオオオオッ!!」

「!!」

 

ギルスは叫び、両腕のクロウを伸ばして水のエルに向かっていった。

対し、ユーリはすぐには動けず、フリッドがギルスだということに困惑していた。

 

「そんな……アイツが、あの緑の……!?」

「ガァウッ!!」

 

ギルスはクロウで斬りかかるが、水のエルが出す目に見えない壁のせいで止められてしまう。しかし、ギルスは力任せにクロウを押し込もうとする。

 

「その目を抉ってやるッ!!」

 

ギルスはヨルの仇を取るため、怒りに燃えて力を強めていく。しかし、水のエルは一切たじろぐ姿を見せない。

 

「ギルスか・・・出来損ないの分際で!」

 

すると、水のエルは声を荒げながら手のひらに透明な衝撃波の球体を作り、ギルスの腹に押し当てた。

 

「ぐっ、ぬああああああっ!!」

 

腹に直接衝撃波を喰らい、ギルスは吹き飛ばされ、壁に激突した。

 

「こ、こいつ!!」

「くっ……待て!こいつは俺がやる!!」

 

水のエルを前に、二人は自分がアンノウンを倒さんと先んじる。そんな二人を前に、水のエルは余裕を保ったまま、衝撃波で二人を吹き飛ばしていった。

 

────────────────────────

 

家に一人残された翔一は自分の部屋で一人、隅でうずくまっていた。

外からボンドの鳴き声が聞こえるが、今は応えてやる気が起きなかった。フリッドが言った一言が頭によぎっていた。

 

『ヨルさんは死んでない。だったら……まだ生きているその人のためにも、前に進まなければいけないんじゃないか?』

 

フリッドの言う通り、ヨルは死んでいない。理屈では分かっていた。だがそれでも、簡単に立ち直れなかった。

さらに水のエルによって傷つき、倒れたヨルが自分に言ってくれた言葉がよぎる。

 

『私、翔一さんのこと……好きです。』

『ロイドさんと同じくらい、翔一さんのことが好きになったんです。』

 

思い出しただけで目から滝のように涙が零れた。

翔一自身も、ヨルのことが好きだった。異性としてだけでなく、家族としても大好きだった。同時にロイドとアーニャのことも好きだった。

今は偽の家族でも、いつか本物になって、ずっとずっと幸せになってほしいといつも願っていた。

だが、そんな大切に思っていた人を、自分のせいで傷つけてしまった。そう思うと、自分を益々許せなくなった。

 

「翔一君。」

 

その時、ノックとともに翔一を呼ぶ声が聞こえた。ロイドの声だった。

 

「・・・いるんだろ?開けるぞ。」

 

そう言ってロイドはドアを開けた。

ロイドは心配そうな顔をしていた。その傍らには同じく心配そうにしているアーニャがいた。

 

「さっき、フリッドとすれ違った。その時、彼は言ったんだ。『津上君の傍にいてほしい。彼の心の整理がつくまで。』ってな……」

「………」

 

翔一は顔を背けながら話を聞いた。

2人の顔を見てしまうと、罪悪感がさらにのしかかってくる。それに限界を感じ、翔一は口を開いた。

 

「……ロイドさん。俺……ヨルさんに言われたんです。『好きだ』って……!俺のこと、ロイドさんと同じくらい好きだって……!!」

 

そう言った翔一はまた目から涙をこぼした。

2人はそれを黙って聞いていた。

 

「なのに、なのに俺……ヨルさんを守ってやれませんでした……!!」

 

翔一は泣き、嗚咽しながら心情を吐露した。そんな翔一を見て、アーニャは側に寄り、腕にしがみついた。

それは甘えに来るのとは違い、まるで翔一のことを慰めるかのようだった。

 

「アーニャちゃん・・・」

 

それに続くように、ロイドは翔一の肩を抱いた。

そして、静かに口を開く。

 

「……翔一君。俺が、君がアギトだと知った時、どう思ったと思う?」

「え?」

「凄い奴だって思ったんだ。人のために無償で戦える……そんな人間、今の世の中にそういないからな。俺は……君の優しさや強さに憧れてたんだ。」

 

ロイドは翔一に対して思っていたことを吐き出した。嘘や上っ面な言葉ではなく、本心から来た言葉を。

それを聞いた翔一は、目頭と胸が熱くなるのを覚えた。また涙が出そうだった。今度は悲しみからくる涙ではなく、嬉しさからくる涙だ。

 

「でも・・・今の君はどうだ?ここで泣きじゃくって、それが何になる!?」

 

ロイドは声を荒げ、翔一の両頬をガシッと掴んだ。

 

「君は、他人のためには勇気を出せたじゃないか!!なのに、なんで自分のためには勇気を出せないんだ!?」

「!!」

「人を助けられる勇気があるなら、自分自身を助けるために勇気を振り絞れ!!」

 

翔一の目をまっすぐ見つめ、ロイドは叫んだ。いつもの紳士的で冷静なロイドからは考えられないほど、熱い激励だった。それを聞いた翔一はさらに胸が熱くなった。まるで、それは燃え上がる炎のように。

すると、今度はアーニャが翔一の手をギュッと掴んできた。

 

「ショーイチ、はは、いってた!がんばれ!まけるな!いってた!」

「ヨルさんが・・・?」

「うぃっ!ねながらショーイチのこと、おうえんしてた!」

 

アーニャは笑顔を浮かべて答えた。かと思うと、翔一から少し離れ、スーッと息を吸い、胸を張った。

そして・・・

 

「がんばれー-っ!!ショーイチ、がんばれー-っ!!まけるなー--っ!!」

 

アーニャは大声で叫び、翔一にエールを送り始めた。それを聞いた翔一は、幻聴なのかヨルの声が聞こえていた。

 

『翔一さん、頑張って!負けないでください、翔一さん!!』

 

幻聴かもしれない。しかし、たとえ幻聴だったとしても、翔一の耳には確かに届いていた。

翔一の胸に灯った炎は最高潮に達し、目から流れる涙を服でゴシゴシと強くぬぐい取った。そして、まっすぐな瞳でロイドとアーニャの顔を見た。

 

「ありがとう。ロイドさん!アーニャちゃん!俺、行きます!!」

 

まっすぐな瞳で言う翔一を見て、二人は何も言わずにうんと頷いた。

そして翔一はその場から駈け出した。自分のために、勇気を出して。

 

────────────────────────

 

「くっ・・・!ううっ・・・!」

「はぁ・・・はぁ・・・!!」

 

水のエルに果敢に挑んだギルスとユーリだったが、攻撃が通じず、逆に衝撃波による攻撃を受け続けてしまい、二人は疲弊していった。

 

「何故人間はこうも愚かなのだ……あのお方が嘆くワケだ……」

「あのお方……?一体誰の事だ!?」

「貴様らが知る由はない。」

 

水のエルは冷たく吐き捨てると、右手を広げて衝撃波の球体を作り出した。今度は小さいサイズではなく、3倍ほどの大きさの巨大な球体を作り上げた。

 

「死ね、人間ッ!!」

「待てッ!!」

 

水のエルが球体を二人に投げつけようとしたその時、一人の男が声を上げて現れた。

それは、津上翔一だった。

 

「津上君ッ!」

「津上!?」

「貴様……死にに来たか。」

 

水のエルは嘲笑うかのように戦斧を突き付けるが、翔一は物怖じすることなく睨みつける。

 

「な、何しに来たんだお前!?お前に何ができるんだよ!!」

「いや……彼なら、今の彼なら大丈夫だ。」

 

突然翔一が現れたことに、意味が分からず動揺し、ユーリは声を荒げた。が、ギルスはそれを宥めた。

2人をよそに、翔一は構えた。すると、腰にベルト「オルタリング」が出現した。さらにベルトの真ん中にある石を守るように爪の生えた装飾「ドラゴンズネイル」が装着された。

 

(ヨルさん、俺はもう逃げません。ヨルさんや、ロイドさん、アーニャちゃんがくれた勇気で、俺はいつでも、何度でも叫びます!)

 

静寂と暗闇の中で、雨雲よりも低く、悲しみよりも深く息を吸う。そして叫ぶ。

過去になくした記憶の(ページ)を取り戻すため……進んだ先に、何が起きても負けはしない覚悟を胸に!!

 

「変身ッ!!」

 

翔一は叫び、ベルトの両側にあるスイッチを押した。その瞬間、翔一の身体は光に包まれた。同時に、炎が全身を包んだ。

炎が全身を包む中、翔一の身体は変身を遂げる。上半身は筋骨隆々のマッシブな赤いアーマーに変わり、そのアーマーはひび割れており、溶岩を連想させた。頭部も赤く変わり、クロスホーンが常に展開している。瞳も黄色に、ベルトの石の色も紫に変わっていた。

 

「ハァァァァァァ……」

「あれが、新しいアギトの力……!!」

「う、嘘だろ……津上が、アギト……!?」

 

2人が驚愕する中、ひび割れた体表からプロミネンスを発生させながら、アギトは歩みを進める。

それを見た水のエルはたじろぎ、思わず後ずさる。

 

「バ、バカな…!我が、恐れているだと……!?」

 

水のエルが驚くのも無理はなかった。今のアギトは、今までのアギトではない。

フォージャー一家がくれた勇気を胸に戦う炎の戦闘形態、燃え盛る豪炎の戦士(アギト・バーニングフォーム)へと変わったのだ。

 

「チィッ!ハッ!!」

 

水のエルはたじろぎながらも先ほどまで溜めた衝撃波の球体をアギトに向けて投げた。

 

「ハァァァァァァ……デヤァッ!!!」

 

体表から発生するプロミネンスを集め、そこからできた炎を右拳に纏い、勢いよく突き出した。

アギトの強烈なパンチは衝撃波の球体に命中し、その瞬間巨大な球体は爆散し、跡形もなく消えた。

拳に衝撃波を当てたアギトだったが、拳はおろか、体にも傷一つついていなかった。

 

「な、なんだと!?」

 

水のエルは思わず驚き、声を上げた。それもそのはず、強力な大技を拳一つで壊されたのだから当然だろう。

しかし、アギトの攻撃は終わらない。ここからだった。

今こそ、過去を乗り越え、過去に決着をつける時だ。

 

 





今回のサブタイトル及び文章にアギトの挿入歌「DEEP BREATH」とkimeru氏が歌う「OVERLAP」の歌詞を引用しました。
「OVERLAP」はだいぶ前にアギトのMAD動画でこの曲が使われいたのが印象的だったので、それをイメージしました。

そして次回、長かった破章の最終回です。
そこであるアンケートを取りたいと思っています。後日発表しますので、よかったらご参加ください。

作品内において、どのライダーの話が一番好きですか?期間は4月10日から4月17日まで。アンケート結果は後日作品内で発表します

  • アギト編(翔一+フォージャー一家)
  • G-3編(ユーリ+対策班、ノエル)
  • ギルス編(フリッド+ダミアン、フィオナ)
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