今回はギルス登場です!
当初、ギルスはロイドに変身させようと思ったのですが、ロイドには「仮面ライダークウガ」の一条さんみたいなポジションでいてほしかったので、オリキャラが変身することになりました。
時間は昼頃に遡る……
「いい子にしてたか?」
「うん!」
ダミアンは叔父であるフリッドとともに公園に訪れていた。
男の名はフリッド・リード。ダミアンの叔父であり、その父親、ドノバン・デズモンドの弟である。
しかし、ドノバンとは血は繋がっていない。所謂異母兄弟というものだった。
「さっきの子は友達か?」
「別に……そんなんじゃない。」
フリッドからの質問に、ダミアンは不貞腐れた様子で答えた。
するとフリッドはフッと笑った。
「もしかして、好きなのか?」
「ち、違うよ!そんなんじゃないよ!」
「ハハハッ、ダミアンはわかりやすいな。」
顔を赤くして反論するダミアンに、フリッドは笑った。
ダミアンとフリッドは仲が良かった。ダミアンはフリッドに憧れを抱いていた。
格好良くて、優しくて、強くて、スポーツも出来て、カッコいいバイクに乗っている。
ダミアンが欲しいモノを全部持っていた。だからこそ強い憧れを抱いていた。
「アイス食べるか?」
「うん!」
フリッドといる時だけは素のままでいられた。思う存分甘えを見せることができた。
「叔父さんのバイク、カッコいいなぁ・・・」
「フフッ、乗ってみるか?」
「いいの!?」
フリッドに抱き上げられ、スポーツバイクに跨がらせてもらった。憧れのバイクに乗ってダミアンは目をキラキラと輝かせた。
家の中に居場所がないと思っていたダミアンにとって、フリッドとの時間はかけがえのない時間だった。
「ダミアン、実はな……お前に話さなきゃいけないことがあるんだ。」
その時、フリッドの表情が曇った。
「なに?」
「……いや、後で話す。それより、最近学校はどうだ?楽しいか?」
「う、うん……」
歯切れが悪くなったフリッドに戸惑いながら、ダミアンは会話を続けた。
そして夕方になった頃、二人は公園の並木通りを歩いていた。
フリッドはバイクを押し、その横をダミアンが歩いている。
「…あのな、ダミアン。」
フリッドが口を開いた。
「叔父さん?」
「お前に言わなきゃ……いや、見せなきゃいけないものがある。」
そう言いながら、フリッドはバイクを隅に寄せて停めた。
「叔父さん、どうしたの・・・?」
「俺のことだ。ダミアン、俺はな……!」
フリッドは拳を握りながら苦しそうに、絞り出すような声で呟く。
その時、フリッドは何者かの気配を感じた。
「危ないっ!」
フリッドはダミアンを抱きしめながら飛び退いた。
そして地面にガキンッと鉄がぶつかるような鈍い音が響いた。
「フシュルルルルル……」
そこに現れたのは、蛇の姿をした怪人だった。ちょうどこの時、アギトこと翔一は同じ蛇の怪人と戦っていた。
フリッドの前に現れた蛇怪人は女の姿をしていた。
「あ、あぁ・・・!」
ダミアンは突然現れた怪人に恐れ慄き、腰を抜かしてしまった。
(こいつ、俺を狙ってきたのか?ダミアンが危ない!)
「ダミアン、隠れろ!」
フリッドは蛇怪人に殴りかかりながら、ダミアンに逃げるように伝えた。
しかし、ダミアンは震えて動くことができず、首を横に振った。
「くっ……!はぁっ!!」
フリッドは回し蹴りを繰り出し、蛇怪人を蹴り飛ばした。
そして、蹴り飛ばされた怪人を睨みながら、フリッドは両腕を顔の前で交差させた。
「変身ッ!!」
その叫びとともにフリッドの肉体が変化していく。体色が緑に変化し、腕と踵に鋭い爪を、さらに頭部に鋭利な角を生やし、赤い目をした戦士へと変身を遂げた。
「ウオォォォォォォォォッ!!」
フリッドは猛獣のような雄叫びを上げ、口元のクラッシャーを猛獣のように開いて牙を見せた。
「叔父さん……?そんな……!」
ダミアンは再度恐れ慄いた。目の前にいた尊敬する叔父が化け物に変身してしまったのだ。
「ワァウッ!!」
フリッドは叫び声を上げ、殴りかかる…かと思いきや体を捻らせて回し蹴りを繰り出した。
蛇怪人は後ろによけようとしたがその瞬間、フリッドの踵の爪が伸び、怪人の体を斬った。
「ワウッ!!グオァァッ!!」
さらに続けて回し蹴りを2連撃。続けざまに怪人を切り裂いていく。
「グウゥッ!」
蛇怪人は怯んだが、鞭状の武器を取り出し、フリッドに向かって繰り出した。
しかしその瞬間、フリッドの右腕から半月状の刃を伸ばし、蛇怪人の腕を切り飛ばした。
「グアァァァッ!!」
「オォォォォォォォッ!!」
フリッドは叫びながら蛇怪人の頭を掴んだ。そして地面に叩きつけると、そのままガリガリと引きずりながら駆け出した。
「ウォラァァァァ!!」
フリッドはそのまま投げ飛ばし、蛇怪人を木に叩きつけた。
蛇怪人はフラフラと立ち上がり、まだフリッドに向かっていこうとした。
だが、それもすぐに終わる。
フリッドの両踵の爪が鋭く長く伸びた。
「ハッ!」
フリッドは右足を頭上まで振り上げながら跳躍。
そして、怪人の肩に踵落としを繰り出す。同時に踵から伸びた爪が背中に突き刺さった。
爪はさらに伸び、怪人の心臓に突き刺さる。
「ウオォォォォォォォォッ!!」
フリッドは叫ぶと同時にもう片方の足で怪人を蹴り飛ばし、刺さった爪で切り裂いた。
「グオアァァァァァ!!」
フリッドの着地と同時に怪人は断末魔を上げて爆発した。
「ダミアン……!」
怪人を倒し、フリッドはすぐさまダミアンの元へ駆け寄った。
「大丈夫か?」
「く、来るなぁっ!」
フリッドは腰を抜かしているダミアンを抱き上げようと手を伸ばした。だが、ダミアンは涙を流しながら大声で拒否した。
「お前なんか、お前なんか……叔父さんじゃないッ!!」
「!!」
ダミアンは立ち上がり、その場から逃げ出した。
「ダミアンッ!待っ……がぁっ!?」
フリッドは突然その場で苦しみだし、変身が解かれた。
「がっ!あああああああっ!!」
うめき声を上げながら地面でもがき始めた。
苦しみ始めた叔父に、ダミアンは一瞬後ろを振り向いたが、すぐに前を向いて逃げてしまった。
「ダミ…アン……待って、くれ……!!」
フリッドは倒れながら、目の前で逃げていくダミアンに手を伸ばしたが、気を失ってしまった。
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その夜、ロイドとヨルはデートを終えて家に向かって歩いていた。
「楽しかったですね、デート♪」
「そうですね。」
(ずいぶん嬉しそうだな。そんなに俺とのデートを・・・?)
ヨルはロイドとデート出来たことに、今にもスキップしてしまいそうなほど喜んでいた。
「買い物楽しかったですし、レストランのご飯もとても美味しかったです!翔一さんには感謝しないといけませんね!」
「結構強引でしたが・・・まぁ、そうですね。」
「そういえば、ロイドさんずっと図書館で調べ物してましたね。」
デートの最中、ロイドは図書館を訪れていた。あるものを調べる為に。
「え、ええ。ちょっと医療のことで調べ物を・・・」
「そうなんですね。」
(読んでたの神話とかの本でしたけど、ロイドさんが言うなら間違いないですよね。)
ロイドは嘘をついていた。ロイドが読んでいたのは神話についての本ばかりだった。何故それを選んだのか、それは「アギト」について調べるためだった。
しかし、どれだけ調べてもアギトに関連する書物は見つからなかった。
(歴史や物語にもアギトに関するものはなかった。本当になんなんだ、アギトは……)
アギトについて考えながら、ロイドは歩き続けた。その時、ヨルの足が止まっていることに気がついた。
「ヨルさん?」
ロイドはヨルに声をかけた。ヨルは頬を赤らめながらロイドを見つめた。
「あ、あの・・・ワガママ、言ってもいいですか?」
ヨルはそう言うと、右手を差し出した。
「て、手を!繋いで、帰りませんか!?ほ、骨を!折ら、ない、よう!気をつけ、ます!ので!」
ヨルは顔を真っ赤にさせ、勇気を振り絞ってロイドに言った。
「え・・・構いませんが・・・はい。」
ロイドは少し呆然としたが、すぐに笑みを浮かべヨルの手を握った。
すると、ヨルはますます顔を赤くし、煙が出てしまいそうなほどになっていた。
「ロ、ロイドさんの手、温かいです・・・」
「ど、どうも……」
ヨルに言われ、ロイドはヨルのように頬を赤らめた。
(な、何故こんなにドキドキしてるんだ、俺は……)
ロイドは互いに手をつなぎ、顔を赤らめているこの状況に、胸が高鳴っていた。
その時、ロイドの目にあるものが写った。
「ん?」
視線の先には公園があった。その公園のベンチに、この夜中には似つかわしくない子どもの姿があった。
そしてその子どもに、ロイドは見覚えがあった。
(あれは、ダミアン・デズモンド!ドノバンの息子!)
「あれ?ロイドさん・・・?キャッ!」
ロイドはヨルの手を引き、公園のベンチに座るダミアンの元に歩み寄った。
「あら?アナタは確か、アーニャさんの・・・」
「こんばんは。こんな夜中にどうしたの?」
ロイドはダミアンに声をかけた。声をかけられ、ダミアンは顔を向けた。
(この二人、確か
「……あっち行けよ。」
ダミアンはそっぽを向いて突き放すようなことを言った。
ダミアンの頭の中は、あの時怪物になってしまった叔父フリッドのことでいっぱいだった。しかし、そのことを目の前にいる二人に話したところで信じてもらえるワケがない。
「何かあったのかい?」
「うるさい。」
「一人は危ないよ。よかったら家に……」
「うるさいって言ってるだろ!どっか行けよ!」
ダミアンは叫んだ。
正直に言ってしまえば迷子になっていたが、そんなことはどうでもよかった。
ダミアンは今、自分がどうしていいのか分からず混乱し、なんでもいいから一人になって落ち着こうとしていた。
(まったく手のかかる小僧だな……どうすれば……)
言うことを聞かないダミアンに、ロイドはため息をついた。
すると、ヨルはダミアンの前でかがんだ。
「ヨルさん?」
「大丈夫ですよ。」
ヨルは微笑み、ダミアンの頭を撫でた。
「な、なんだよ・・・!」
ダミアンは突然頭を撫でられ、困惑した。
その時、ヨルはダミアンを引き寄せ、優しく抱きしめた。
(優しく優しく・・・骨を折らないように・・・)
ヨルは過去に、ユーリを抱きしめて骨を折ってしまったことがあった。そのため、ダミアンには力を込めず、最大限まで力を緩めて抱きしめた。
「怖くないですからね。」
(優しく頭を撫でて・・・翔一さんみたいに・・・)
ダミアンの頭を優しく撫でた。
ヨルは前に翔一がアーニャを寝かしつけていた時の思い出した。その時翔一は絵本を読み聞かせた後、アーニャの頭を優しく撫でていた。
同様に、ダミアンのことを抱き上げ、頭と背中を慰めるように優しく撫でる。
「うっ、うぅぅぅぅ……」
ヨルの胸に抱かれ、ダミアンの目から涙が零れ落ちた。
今まで堪えてきたものが一気にあふれ出したかのようだった。
「う、うわあぁぁぁぁ……!!」
ダミアンは抱かれながら縋るように泣いた。
目の前で叔父が化け物に変わってしまい、どうすればいいのか分からず逃げてしまった。
大好きだった叔父が変わったという現実に、ダミアンは何もできず、ただ泣くことしかできなかった。
──────────────────
「う、うっ……」
フリッドは目を覚まし、辺りを見回した。真っ暗で何も見えなかったが、次第に目が慣れ見えるようになった。
どうやら病室のようだった。しかし、ところどころ汚れや錆が目立っていた。病院は病院でも、廃病院のようだった。
「誰が、俺をここに……」
あの時、フリッドは公園で意識を失い倒れた。そんな自分を助けたのは誰なのか、フリッドは気になっていた。
と、その時・・・
「目を覚ましたか……」
暗闇の中から低い男の声が聞こえてきた。カツンカツンと音を立て、暗闇の中から男が現れた。
「ッ!!」
その男の顔を見た瞬間、フリッドは目を見開いた。
「あなたは…!にいさ……っ!!?」
その男はフリッドがよく知る男だった。だが、突然悪寒が走った。
本能的に体が震え、冷や汗が全身から流れる。
(まずい!こいつはヤバいッ!!)
「ウオオオオオオオッ!!」
フリッドはすぐさま目の前にいるこの男を倒さんと、先ほどの緑色の化け物の姿に変身した。
「アギト……いや、
男がブツブツと何かを呟いた。その時、フリッドの右腕から伸びる爪が男に襲い掛かる。
だが同時に、男の右手の甲に刻まれた紋章が淡い光を放ち始めた……
フリッド・リードの名前の由来は「葦原涼」の名前を分解し、「涼」をイタリア語で「フリッド(Freddo)」、「葦」を英語で「リード(reed)」に訳し、そのまま名前にしました。
なんだかピーター・パーカーみたいで語呂がいい。
フリッドが変身するギルスは葦原涼のギルスとは違い、足技を多用する戦闘を得意とします。
作品内において、どのライダーの話が一番好きですか?期間は4月10日から4月17日まで。アンケート結果は後日作品内で発表します
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アギト編(翔一+フォージャー一家)
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G-3編(ユーリ+対策班、ノエル)
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ギルス編(フリッド+ダミアン、フィオナ)