SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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今回は前回のヨルさんがグリムと会っている間に起きた、フリッドの出来事になっています。なので、多少分かりにくいところもあるかと思いますので、お気を付けください。




第39話「何が正しいか」

 

「ていっ!ていっ!」

 

公園の芝生の上で、ダミアンはひたすらハイキックを空中目掛けて繰り出していた。

 

「やあっ!・・・うわっ!?」

 

その時、もう一度ハイキックを繰り出した瞬間、ダミアンはバランスを崩して後ろに倒れそうになった。

 

「おっと。」

 

しかし、すぐさま側にいたフリッドがダミアンの背中を支えた。

 

「チェッ、また失敗した……」

「何度も言ってるだろ?ダミアン、頭は後ろに下げないように。ハイキックはバランスが大事なんだ。」

 

この日、フリッドはダミアンとともに公園に訪れ、格闘技を教えていた。

ダミアンはフリッドに教わりながらハイキックの練習をしていたのだ。

 

「でもダミアン……いいのか?せっかくの休みの日なのに、俺と一緒にいて……」

 

と、フリッドがどこか申し訳なさそうな表情を浮かべると、ダミアンは首を横に振り始めた。

 

「大丈夫だよ!だって俺、強くなりたいもん!仮面ライダー(叔父さん)みたいに強く!」

「……そうか。」

 

そう言って、ダミアンはフンと鼻息を荒くした。それを見て微笑ましく思ったフリッドはフッと笑い、ダミアンの頭を撫でた。

すると、ダミアンは急に頬を赤らめ、もじもじし始めた。

 

「そ、それに……叔父さんと二人きりでいられるの、嬉しいから……」

「……ゴフッ!!」

「お、叔父さー---んッッ!!?」

 

ダミアンの可愛らしい姿を見た瞬間、フリッドは突然口から血を吐いた。

あまりに唐突すぎる現実に、ダミアンは驚き声を上げた。

 

「大丈夫、大丈夫……ちょっと面白いこと思い出しちゃって……思い出し吐血をな……」

「思い出し吐血!?」

(ああ、俺の甥っ子可愛すぎる……!もうこのまま抱きつぶしたい!でも俺にはフィオナがぁぁぁぁ!!)

 

フリッドはダミアンのあまりの可愛らしさに吐血したのだ。ギルスの力を完全にコントロールできるようになってから、自発的に吐血できるようになったため、今回も同様に自分から血を吐いたのだった。

 

(やばい、また吐きそう……)

「フリッドさーん!」

 

また血を吐きそうになったその時、遠くからこちらに駆け寄ってくる男がいた。

それはユーリだった。

 

「やあ、ユーリく・・・ウボアッ!!」

「フリッドさー---んッッ!!?」

「叔父さー---んッッ!!?」

 

またしても吐血し、二人は大声を上げたが、フリッドは何事もないように平静を保っている。

 

「大丈夫……仲間に会えた嬉しさからの吐血……そう、『会えて嬉しい吐血』だから。」

「何言ってんのアンタ!?」

「ハハハ……で、今日はどうしたんだ?」

 

ユーリにツッコまれながらも、フリッドは口を拭いながらユーリの用事を尋ねた。

 

「あ……これ、差し入れです。津上が働いてる店でもらったんです。」

 

ユーリは手に下げた袋を広げ、フリッドに見せた。

その中には焼きたてのパンがたっぷり入っていた。

 

「おおっ、美味しそうだな。ホットドッグある?」

「ソーセージのパンならあります。」

 

────────────────────────

 

「…それで津上の奴、何て言ったと思います!?『訓練なんてやめてくんれん』ですって!アイツ、自分がアギトだって自覚が足りてないんですよ!!」

「声が大きいよ、ユーリ君。」

 

フリッドは休憩がてら、パンを食べながらユーリの愚痴を聞いた。

聞けば、ユーリは翔一を訓練に誘ったらしいが断られたらしい。その愚痴をフリッドに話しているのだ。

 

「でも、彼らしいじゃないか。津上君はあのままでいた方がいいと思うな。」

「もう……姉さんといい、フリッドさんといい……アイツに甘すぎますよ!ムグッ!?」

 

翔一に甘いフリッドを見て、ユーリはムキになって怒った。

そこに、フリッドはユーリの口にパンをねじ込んだ。

 

「そう怒るなよ。パンでも食べて…ほら、美味しいだろ?」

「…まぁ、確かに美味しいですけど…」

「ダミアン、美味しいか?」

 

不貞腐れた顔でパンを食べるユーリをよそに、フリッドはダミアンの方に顔を向けた。

すると、ダミアンは満面の笑みを浮かべた。

 

「うん!美味しいよ、パパ(・・)!」

「・・・えっ」

 

突然のダミアンの一言にフリッドは驚き、声を上げた。言った本人は顔を真っ赤にしていた。

 

「ま、間違えちゃった……ご、ごめんね!お、俺ちょっと走ってくる!!」

 

恥ずかしさで耐えられなくなったのか、ダミアンは立ち上がり、ランニングを始めて走り去ってしまった。

その後ろ姿を、フリッドは寂し気に見つめながら、ポケットから一枚の紙を取り出した。それは、養子縁組に関する申込書だった。

 

「なんですかそれ?」

 

ユーリが尋ねてくるが、フリッドは答えられず黙り込んだ。

フリッドは前から考えていたことがあった。ダミアンを自分の養子として迎え入れること。

ダミアンの両親、ドノバンとメリンダは息子のことを愛していない……少なくともフリッドはそう思っていた。そんな環境で暮らすよりも、自分と暮らす方がまだいいのではないかと思っていた。

しかし分からなかった。裕福だが自分のことを愛していない両親と暮らすこと、多少貧乏でも自分を愛してくれる里親と暮らすこと・・・どちらがダミアンにとって幸せなのか、フリッドの中で声が出なかった。

 

(俺は、どうしたら……)

 

どれだけ悩んでも答えが出ない。全部忘れて、申込書も破り捨ててしまおうとも思ったが、それもできなかった。

フリッドの苦悩は続いた。

 

────────────────────────

 

「ただいまー……」

 

夕方になり、ダミアンとユーリの二人と別れたフリッドは、ため息をつきながら自分の住むマンションに帰った。

すると、

 

「おかえりなさい。」

「……うぐっ!?」

 

家に入ると台所でエプロン姿で料理をするフィオナが目に写り、突如フリッドはうめき声を上げた。

そしてそのまま膝をついた。

 

「・・・一体なに?」

「破壊力が!高いッ!!」

「いい加減慣れなさいよ。」

 

あの日以来、フィオナはフリッドの家に住むことになった。所謂同棲というものだ。

フィオナからしてみれば、フリッドの全てを知り、理解するための手段なのだが、フリッド自身はとても嬉しく思っていた。嬉しすぎて死にそうになるぐらいには。

 

(危なかった……フィオナの魅力に危うく死ぬところだった……俺がギルスでなければ耐えられなかった。不死身でよかった……)

 

自分が不死身であることに感謝しながら、フリッドはフィオナの作った料理に舌鼓したのだった。

食事を終えた後、二人はソファに並んで座り、テレビを見ていた。

テレビのニュースでは、子どもの虐待についてのニュースが報道されていた。それを見て、フリッドはダミアンのことを思い出した。

 

「……なぁ、フィオナ。」

「キスならしないから。」

「いや、そうじゃなくて……これは、ちょっとした質問なんだが、『あるところに裕福な家族がいた。しかし、その家の夫婦は実の息子を愛しておらず、ずっと放置している』・・・これは虐待に入るのかな?」

 

フリッドの質問を聞き、フィオナはテーブルに置いた紅茶を一口飲み、一息ついてから質問に答え始めた。

 

「……大方、ダミアンのことで悩んでるのね。」

「お見通しか・・・」

 

図星を突かれたことに、フリッドは苦笑いを浮かべ、頬を指で掻いた。

 

「あなたがあの子のことを可愛がっているのは知ってるけど……どこまでいっても、あなたとあの子は他人よ。」

「そんな……!俺はあの子を息子のように思って……!?」

 

反論しようとしたその時、フィオナはフリッドの腕を引っ張り、無理やり自分の膝の上に寝かせた。

 

「他人だけじゃなくて、自分の幸せのことも考えたらどうなの?」

 

フィオナはそう言うと、フリッドの顔に自身の顔を近づけていく。

 

「フィオ、ナ……?」

 

想い人の思わぬ行動に、フリッドは思わず頬を赤らめた。よく見ると、フィオナ自身もほんのりと頬が赤くなっていた。

と、その時だった。フリッドの耳に例の音が、アンノウンが現れたことを示す音が聞こえてきた。

 

「ア、アンノウンが出た・・・」

 

そう言いながらフリッドはパッとフィオナから離れ、ジャケットを羽織った。

 

「い、いってきます……」

 

顔を真っ赤にしながら、フリッドはフィオナに顔を合わせることなく家を出ていった。

残されたフィオナは、その場で横になり、近くにあったクッションに顔を押し付け始めた。

 

(私……今、何しようとした…?)

 

あのままいっていたら、確実にキスをしていたかもしれない・・・その事実に、フィオナは何も言えなくなり、クッションで熱くなった顔を隠した。

 

────────────────────────

 

「ここか・・・」

 

フリッドがたどり着いたのは廃工場。着いたころには夜になり、中は真っ暗だった。

 

「フリッドさん!」

「津上君!」

 

その時、翔一がフリッドと合流した。さらにサイレンの音が鳴り響き、工場の扉からG3-Xを装着したユーリが到着した。

 

「ユーリ君も!」

「フリッドさん、敵は?」

「いや、まだ見ては……」

 

と、その時フリッドと翔一は気配を感じ取り、工場の奥に目をやった。

カツン・・・カツン・・・と暗闇の中から唸り声とともにマンティスロードが現れた。

 

「グルルルル……!!」

 

その手には血にまみれた鎌を持っており、フリッド達を睨みつけている。

それを見たフリッドと翔一は構えた。翔一は腰にベルトを出現させ、フリッドは顔の前で両腕を交差させた。

 

『変身ッ!!』

 

2人は同時に叫び、翔一はアギトに、フリッドはギルスに変身した。

 

「いくぞっ!」

「はいっ!」

 

2人はマンティスロードへ突っ込み、フリッドが先攻で殴りかかった。

しかし、マンティスロードひらりとかわして両手に持った鎌を振るうが、ギルスのクロウで防がれる。

 

「デヤァッ!!」

 

その時、横からアギトが殴りかかるが、マンティスロードは背後に飛んでよけた。

そこにすかさず、G3-X・・・ユーリが銃を放ち攻撃する。しかし、マンティスロードはこれもよけ暗闇の中に姿を消した。

 

「消えた!?」

 

声を上げ、3人は周りを見渡したが姿が見えない。その時、アギトの背後からマンティスロードが現れ、すれ違い様に鎌で切りつけた。

 

「があああっ!!」

「津上!うわあっ!!」

 

急に攻撃をされ、ユーリはアギトの方へ声を上げるが、今度は横からマンティスロードが突撃し、蹴り飛ばされた。

 

「二人とも!くっ・・・!スピードが速すぎる……ぐあっ!!」

 

マンティスロードは今度はギルスに一撃を与える。暗闇の中を飛び回り、死角から3人を攻撃する。

それにアギト達は対処できずにいる。

 

「来る方向さえ分かれば……後スピードもあれば……!」

 

この状況に対処できるのは、相手が来る方向を理解するか、こちらも同じスピードで動き回り対峙するぐらいしかない。

しかし悲しいことに3人とも高速で動き回れるわけではない。となれば後は来る方向を予測することだけだ。

そこで、ギルスは考えた。

 

「二人とも、背中合わせだ!」

 

ギルスの一言に従うようにアギトとユーリは背中を向けた。そこにギルスも背中を向け、3人は互いに背中をくっつけた。

 

「これならどこからでも対処できる!」

「よーし、いきましょう!」

 

3人は同時に構え、マンティスロードの襲撃を迎え撃つ。そして、マンティスロードが正面からアギトの方へ飛んできた。だがその時、工場の扉が突然吹き飛んだ。

 

『ッ!!?』

 

突然扉が吹き飛んだことに、アギト達はおろか、マンティスロードさえも驚き、その場で動きを止めた。

扉が吹き飛んだことでその場で埃が舞う中、カツン・・・カツン・・・と足音が静かに響いた。

そして、その足音とともに現れたのは……アナザーアギトだった。

 

「あれは・・・!?」

「アギト、なのか……?」

 

アギト達が動揺する中、アナザーアギトはマンティスロードの方を睨み、拳を握りながら構えた。

 

「フゥゥゥ……」

 

構えながら息を静かに吐き、アナザーアギトはマンティスロードへ向かって突進していった。

 

「トウッ!!」

 

アナザーアギトは挨拶代わりに拳を一発マンティスロードに叩き込んだ。

拳が命中した瞬間、マンティスロードは勢いよく吹き飛び、工場の壁に叩きつけられた。

 

「な、なんて力だ……!」

「グルルルル……!」

 

マンティスロードはよろめきながらも暗闇の中に消えた。アギト達の時と同じく、暗闇の中を飛び回り死角を突くつもりのようだ。

 

「……フッ」

 

アナザーアギトはフッと笑うと、同じく暗闇の中に消えた。

すると、暗闇の中からガキンッ!ガキンッ!と攻撃がぶつかりあう音が聞こえ、その中で赤色の閃光とオレンジ色の閃光が高速で動き回っていた。

 

(奴のスピードについていってるのか!?)

 

自分達とは強さのレベルが違う・・・そう実感したアギト達はただただ茫然とその戦いを眺めることしかできなかった。

と、その時、

 

「ギェアアアアアアアッ!!」

 

悲痛な叫び声がこだました。同時に、マンティスロードはフラフラとした足取りで暗闇の中から出てきた。

見れば、痛そうに両目を抑えていた。

 

「クハハハハハハハッ!!目玉潰されちゃ、相手攻撃できねぇなぁ?」

 

その笑い声とともに出てきたのは、アナザーアギトだった。その右手の指は、アンノウンの血で濡れていた。

どうやら、アナザーアギトはマンティスロードの目玉を潰したらしい。

 

「さーて、とどめといくかぁ……フンッ!」

 

目玉を潰され、もう何もできないマンティスロードに、アナザーアギトはその場で腰を入れて踏ん張る。

同時に、口元のクラッシャーを開き、中の牙を剥きだしにした。

すると、地面に深緑色の紋章が浮かび上がり、足に吸い込まれていく。

 

「フッ!」

 

紋章の力を足に吸収したアナザーアギトは宙に跳び上がった。

 

「トアァァァァァァァァァッ!!」

 

そして、雄たけびと同時に飛び蹴りを繰り出し、マンティスロードを蹴り飛ばした。

 

「グオアアアアアッ!!」

「フゥゥゥ……」

 

必殺キックを食らわせたアナザーアギトは着地し、アギトと同じく"残心"を取る。

 

「グッ!グウウウ……グオオオオオオオオッ!!」

 

その後ろで、マンティスロードはその場でもがき苦しみながら、爆発四散した。

 

(つ、強い……少なくとも、俺が今まであった奴よりも……!実力は津上君の、あの赤いアギトと同じか……?)

 

ギルスはアナザーアギトの圧倒的な強さを見て、戦慄し、息を飲んだ。

そんな中、アギトはアナザーアギトに近づいていた。

 

「つ、津上君?!」

「お、おい!」

「いやー、俺達以外にもアギトがいたんですね!なんか嬉しいなぁ~!これから一緒に頑張りましょうね!」

 

アギトは自分達と同じく、アンノウンと戦う者がいることを嬉しく思い、快く握手を求めてきた。

しかし、

 

「チッ……シャッ!!」

 

アナザーアギトは舌打ちとともにアギトをいきなり殴り飛ばしてしまった。

 

「うわっ!?」

「津上っ!?」

「お前、いきなり何を……!」

 

フリッドは講義しようとアナザーアギトに詰め寄るが、逆にアナザーアギトに腕を掴まれ、今にも折らんばかりに力を加えられる。

 

「がっ!?ああああ……!!」

「ケッ、『一緒に頑張ろう』だぁ?甘ちゃんどもがよぉ……!アギトは俺一人で十分なんだよ!」

 

アナザーアギトは叫ぶと、ギルスを突き飛ばし、さらに飛び廻し蹴りでギルスを蹴り飛ばした。

 

「ぐあっ!」

「フリッドさん!この……!」

 

その時、ユーリはアナザーアギトを攻撃しようと銃口を向けた。しかし、アナザーアギトはすぐさまユーリの懐に入り、銃を奪い取った。

 

「なっ……!?」

「アギトでもねぇ雑魚は黙ってろよ。」

 

静かに呟くように言うと、アナザーアギトは奪った銃の引き金を引き、銃弾をユーリに浴びせた。

 

「うわあああああああっ!!」

 

弾切れになるまで銃弾を浴びせられ、ユーリはその場に膝をついた。G-3Xがなければ間違いなく死んでいただろう。

そんなユーリを見て、アナザーアギトは嘲笑った。

 

「そんな強さでよくアギトと一緒に戦えるな、雑魚がよ!帰ってお姉ちゃん(・・・・・)のおっぱいでも吸ってな!」

「くっ……!」

 

悔しがるユーリをよそに、アナザーアギトは銃を投げ捨て、その場から去ろうとした。

しかし、突然アナザーアギトは足を止めた。

 

「アンタらの時代はもう終わりだ。これからは俺の時代……!俺こそが最強のアギトだっ!!」

 

捨て台詞を吐き、アナザーアギトはその場から去っていった。

いきなり攻撃され、わけのわからないことを言うアナザーアギトに、アギト達はただただ困惑していた。そんな中、フリッドは気掛かりなことがあった。

 

(さっきのセリフ、何か違和感が……なんだ?)

 

────────────────────────

 

工場から出たアナザーアギトは変身を解き、グリムの姿へ戻ってバイクに跨った。

と、そこに・・・

 

「何のマネだ、グリム。」

 

一人の男が現れた。その男はフリッドを生き返らせ、アーニャのことをよく知る男、Dr.イワークだった。

イワークの姿を見たグリムはフッと笑いながらヘルメットを被った。

 

「なんのことだか。」

「とぼけるな。私の目的には彼らの力が必要だと言ったはずだ。それを邪魔する気か?」

「分かってるよ。アイツらの力を利用して……アーニャとかいうガキを守るつもりだろ?そいつには協力するさ。だが、俺は俺の目的を果たす。」

 

ヘルメットを被り終え、イワークをギロリと睨んだ。そして、氷のように冷たい声で呟きながら、グリムはバイクのエンジンをかけた。

 

「ドノバン・デズモンドは……俺が殺すッ!!」

 

その叫びとともに、グリムはバイクを走らせ、その場から去っていった。

その場に取り残されたイワークは、ため息をつきながらその背を見送った。

 

「……復讐に囚われているな。お前も、私も……」

 

 

 

 




おまけ「似た者同士」

「そうか、フィオナと同棲を始めたのか。」
「ああ、俺のこと全部知りたいって言ってな。」
「おめでとうございます、フリッドさん!フィオナさん!」
「ありがとうね、ヨルちゃん。」

フォージャー家に訪れたフリッドは、フィオナとともに自分がフィオナと同棲することをロイド達に報告していた。
その時、アーニャはフリッドの心を読んだ。

(すき)
「……?」

何かの聞き間違いかと思い、アーニャは両手で目を擦り、目を見開いた。

(フィオナ……!!すぅー---きぃー---だぁー---♡)
「……ゲフッ」

……その瞬間、アーニャは胸やけを覚えると同時に思った。「この二人、似た者同士だ」と……

(かてーきょーし、ギャップがはげしい……)


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