SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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今回はまるまるギャグ回にするつもりだったのですが、予想より真面目な話になっちゃいました。




第46話「名前の重圧」

 

「フッフッフッ……ムッフッフッフッフッ……」

 

モジャモジャ頭の男、フランキーは笑っていた。フォージャー家の家で。

 

「何を笑ってるんだお前は……」

 

突然不敵に笑うフランキーに、ロイドは引き気味になりながら尋ねた。

すると、フランキーは腕を組んで鼻息を荒くした。

 

「聞いて驚け!俺は……仮面ライダーになるッッッ!!」

 

フランキーは声を高らかに叫んだ。

対し、ロイド達はそれを真顔で見ていた。

 

「モジャモジャ、カゼひいた?」

「ヨルさん、頭の薬を持ってきてください。」

「はい、今持ってきます!」

「おぉいっ!!失礼だろその反応!!」

 

明らかに頭のおかしい人間を見る目で見てくるロイド達に、フランキーは怒鳴り声を上げた。

 

「いや、モテたいがあまりおかしくなったのかと。」

「ぶっ飛ばされたいのかお前!?まぁ、モテたいのは本当だけど……これを見ろ!」

 

フランキーは懐から一枚のチラシを取り出した。そのチラシにはG3によく似た銀色のライダーが映っていた。

ロイド達はそのチラシに書かれた見出しをよく見た。

 

「G3・・・MILD?」

「装着員募集中?」

「おうよ!このG3-MILDは普通のG3と違って、普通の人間でも装着できるよう調整されてるんだ!いわゆる量産機ってやつだな。そのテストに一般人からの募集がきたんだ!そして、このテストに応募した奴にはなんと!G3-Xと1日、街でパトロールすることになってるのだーっ!!」

 

頼んでもないのに語り始めるフランキー。その時、フランキーの脳内にはパトロールしている自分の姿が映っていた。

 

『キャーッ♡フランキー様ー♡』

 

住民からの羨望の眼差し、女性達からの黄色い声援……想像した瞬間、フランキーは鼻の下を伸ばしていた。

 

「ムッフッフッ……」

 

考えが透けて見えるフランキーに、ロイド達は「こいつ大丈夫かな……」と思っていた。

すると、フランキーは席を立ち、玄関ドアの前に立った。

 

「じゃ、俺は行くぜ……武勇伝、期待してろよ?アデュー!」

 

カッコいい声を作って捨て台詞を吐いたフランキーは、そのままロイド達の家を出て行った。

すると、フランキーと入れ替わりでグリムが家に入ってきた。

 

「おいっす!今の誰だ?変態?」

「ある意味でな……」

 

フランキーのことを尋ねたグリムだったが、特別気にすることなく、先ほどフランキーが座っていた席に腰掛けた。

 

「津上先輩、飯~っ!腹減った!」

「はいはい、ちょっと待ってね!」

 

グリムが仲間に加わってからというもの、グリムはフォージャー家に入り浸るようになり、しょっちょう食事を要求するようになった。

そんなグリムを、ロイドはため息をつきながら見ていた。

 

「はぁ……すっかり自分の家みたいだなお前……」

「いいだろ、減るモンじゃねぇし。」

「ウチの食費が減るんだよ!お前の暴飲暴食で!」

 

グリムは自分に出された料理は全て平らげる。翌日に回そうと思っていた料理まで平らげてしまう。

翔一とヨルは「よく食べるいい子」と認識しているが、家計を管理しているロイドにとって悩みの種が増えたの同じだった。

 

「それは悪いと思ってるよ……でも、その代わり、俺がアンタ達のボディガードになってやる。どうせ殺し屋の仕事ないときは暇だしな。そ、それに……」

 

その時、グリムはチラリとヨルの方を見た・・・かと思うと、ポッと頬を赤く染めた。

それを見たヨルは意味が分からず首を傾げた。

 

「グリム君、どうしたんですか?」

「な、なんでもねぇよ……」

(ヨル先輩に毎日会えるから、なんて言えるかよ!)

 

ヨルへの本音を隠し、グリムはそっぽを向いた。

 

「はーい、お待たせ!」

 

その時ちょうど翔一は料理をグリムの前に出した。皿に大盛のミートボールと食パンが差し出された。

食パン2枚の間にミートボールをサンドして、グリムは思い切りかぶりつく。

 

「うまっ……もっとくれよ。」

「はいはーい♪」

(なんか、餌付けされてるペットみたいだな……)

 

────────────────────────

 

「えーっと、フランキーさん・・・でいいのかしら?」

「はい!フランキー・フランクリンでございます!絶賛彼女募集中です!」

 

時間は少し流れ、フランキーは保安局にてG3-MILDのテストに赴いていた。スーツの装着の前に軽い面接を受けた。面接官は対策班班長アイネと整備員リョーマの二人だった。

 

「はいはい、で……今回のテストに応募した理由は?」

「世界平和のためです!憎きアンノウンを倒し、この国を平和にしたいのです!」

「あっそ。じゃ次……」

(あれ、流された・・・?)

 

それっぽい良いことを言って、二人の好感度を上げようとしたフランキーだったが、軽く流され肩透かしをくらった。

すると、リョーマはアイネの方に体を寄せ、耳打ちを始めた。

 

「こいつ大丈夫か・・・?明らかに凡人って感じだぜ?」

「いいのよ、凡人で。凡人でも扱える・・・それがG3-MILDのコンセプトなんだから。」

 

その後も面接は続き、終了した後にフランキーは待望のG3-MILDを装着することになった。

 

「フッフッフッ……ムッフッフッ……ドジャーンッ!!」

 

装着を終えたフランキーは意気揚々と訓練室に現れた。G3-MILDはどちらかといえばG3によく似ており、違いといえば白の配色が増え、胸の装甲が違うことだ。

 

『どう?着心地は?』

「問題ないです!ぴったりフィット!」

 

通信機から聞こえるアイネの声に、フランキーは返答しながら体を動かす。

すると、訓練室の床から円の形をした的が現れた。

 

『それじゃ、テスト開始!』

 

アイネの号令とともにフランキーは的に向かって銃を撃つ。

フランキーは顔に似合わず、従軍経験がある。銃の扱いには慣れている。

 

(うおっ、反動すげぇな……)

 

専用の銃の反動に驚きながらも、フランキーは次々と的に弾を当てていく。

 

「へぇ、結構いい線いってんな。」

「……どれも真ん中には当たってないけどね。」

 

フランキーに関心するリョーマをよそに、アイネはため息をついていた。フランキーが撃った的には穴が空いていたが、どれも真ん中には当たっていなかった。

しかしアイネは「凡人なら的に当てられるだけでも十分」と思いながら、テストを続けていった。

そして、テストが終了し……

 

「ぷはーっ!終わったー!」

 

頭部ユニットを外し、フランキーは汗をタオルで拭った。

すると、訓練室のドアが開き、G3-Xを装着したユーリが入ってきた。

 

「お前が応募者のフランキーだな。これからパトロールにいくぞ!」

(キターーーーーッ!!)

「合点承知!」

 

ついにお待ちかねのG3-Xとのパトロールがやってきた。フランキーの妄想では、新型のG3を見て、住民がキャーキャー騒いで黄色い声援を送る。そんな妄想をしながらもう一度頭部ユニットを被った。

 

 

────────────────────────

 

フランキーとユーリは専用バイク「ガードチェイサー」にまたがり、G3トレーラーとともに街へと出た。このパトロールは、G3-MILDのお披露目の意味もあり、住民に見えるようにゆっくりとバイクを走らせた。

 

(フフッ、見てる見てる……俺の姿!これで俺も仮面ライダーの一員に……!)

 

予想では黄色い声援が……

 

「なにあれ?ダサくない?」

(えっ?)

 

送られることはなく、代わりに嘲るような笑い声と不安そうに見る住民達の視線がフランキーを襲う。

 

「アレが例の量産型?なんか弱そうじゃない?」

「あんなのが出てくるなんて……国全体が物騒になりそうね……」

 

戸惑いとあざ笑う住民の声……それを聞いてフランキーは戸惑った。

 

「あ、あのー……なんか歓迎されてないんですけど?」

 

フランキーは通信機に向かってボソッと呟いた。

すると、アイネの声が聞こえてきた。

 

『当然でしょ。アンノウンに対する自衛力を増やすってことは、軍事力を強めるってことなんだから。』

『アンノウンとの戦いが終わったら、また戦争が始まるかもしれない……ってみんな思ってんだろ。』

 

続くリョーマの言葉にフランキーは、複雑な感情を抱いた。

 

(……そりゃ歓迎されねぇか……今は正義の味方でも、いつの間にか悪党扱いされんのかね。そう考えると、仮面ライダーってちょっと……)

 

切ないような、やるせない気持ちに陥った。仮面ライダーが、正義のヒーローが抱える問題の一つを垣間見たフランキーだった。

 

その時、G3トレーラーに通信が入った。

 

『本部から・・・?ッ!アンノウン出現!場所は3丁目の廃ビルよ!』

「了解!いくぞ!」

 

指令を受けて、ユーリとフランキーは現場へと直行した。

 

────────────────────────

 

現場の廃ビルにつき、二人はバイクを降りて中に入り始めた。

一階ずつ隈なく見て回り、アンノウンがいないかを確かめる。そして二人は4階の広い空間に出た。そこは、前はオフィスだったのか中々に広かった。

その時、柱の陰で何かがうごめいた。

 

「ッ!だ、誰だ!」

 

フランキーは咄嗟に銃を向けた。すると、フランキーの叫びに応えるように"それ"は現れた。

 

「グルルルル……」

 

柱の陰から出てきたのは、カブト虫の姿をしたアンノウン、ビートルロードだった。

 

「こ、こいつがアンノウン……!」

 

初めて見るアンノウンに、フランキーは動揺し、恐怖した。対し、ユーリは果敢に銃を乱射しながら突進していった。

 

「うおおおおっ!!」

「フゥンッ!!」

 

突進してくるユーリに対し、ビートルロードはメイスを振るった。しかし次の瞬間、ユーリは右上腕に携帯したナイフ「GK-06 ユニコーン」を抜き、メイスの一撃を防いだ。

ナイフとメイスによる攻防戦が続く中、フランキーはそれをただただ茫然と見ていた。

 

(す、すげぇなアイツ……あんな化けものと戦ってんのに、怖くねぇのかよ……)

 

アンノウンと果敢に戦うユーリに、フランキーは感心していた。すると、ユーリは攻防を続けながらフランキーの方を見た。

 

「おい!それを投げろ!」

 

ユーリの叫びを聞き、フランキーは辺りを見回した。すると、床に投げ捨てられたG-3Xの専用武器「GX-05」を見つけた。先ほどアンノウンに突っ込んでいったユーリが投げ捨てたものだ。

フランキーはそれを拾い上げると、ユーリに向かって投げた。飛んできた「GX-05」を受け取りながら、ユーリはビートルロードを蹴り飛ばした。そして、暗証番号を入力し、ガトリングへと変形させた。

 

「くらえっ!!」

 

ガトリング砲をビートルロードに向け、乱射した。しかし、ビートルロードはビクともしなかった。

 

「なにっ!?」

 

弾は確かに全弾命中していた。しかし、ビートルロードの装甲は「GX-05」を大きく超えていた。

 

「だったらこいつで!」

 

「GX-05」と「GM-01」を連結させ、さらに砲身の先にロケット弾頭を装填した。ロケットランチャーに変わったガトリング砲をビートルロードに向け、ロケット弾頭を発射した。

弾頭は直撃し、目の前で爆発が起こった。しかし……ビートルロードはまだ動いており、攻撃は効いていなかった。

 

「なんだとっ!?」

「ムゥゥ……フッ!!」

 

ビートルロードはメイスを鎖のついたフレイルへと変化させ、ユーリの腕に巻き付けた。

 

「し、しまっ……うわっ!!」

 

ビートルロードはもの凄い力でユーリを床や壁、柱に叩きつけた。最後に思い切り投げ飛ばし、壁に叩きつけた。

 

「があぁっ!!くっ……」

『背部ユニット損壊!バッテリーに傷が……!』

 

何度も叩きつけられたことで、G3-Xの背部に搭載されたバッテリーに傷がつき、出力が落ちていった。G3-Xのバッテリーに傷がついたり、なくなってしまうとG3-Xはただの重い鎧に変わってしまう。

 

「くそっ・・・!」

 

だんだんとアーマーが重くなり始め、ユーリは焦り始めた。だがその時、フランキーはユーリの背後に回り、バッテリーを外し始めた。

 

「な、なにしてるんだ!?」

「G3-MILDのバッテリーはG3-Xと同じだ!そうだろ!?」

 

バッテリーを外しながら、通信機でアイネに問う。

 

『え、ええ・・・そうだけど、無茶よ!敵が目の前にいるのに!』

「わかってるよ!」

 

フランキーは叫び、G3-Xのバッテリーを外し終えた。今度は自分の背面に手を回した。

それを見ているビートルロードは首をコキッと鳴らし、あざ笑うようにじわじわとゆっくり近づき始めた。

 

「俺、ホントは女にモテたいから今回のテストに志願したんだよ!仮面ライダーになれば、彼女ができると思ってさ!でも……よくよく考えたら、俺はそんな器じゃなかった!戦闘力ゴミだし、怪物と戦う度胸なんてねぇ!それに、仮面ライダーって名前の重圧には耐えられないって思ったんだよ……」

 

背面を弄りながら語り始めるフランキー。目が届かない分、逸る気持ちが押し寄せるが、それを落ち着かせるように口を動かす。

 

「改めて仮面ライダーってスゲェって思ったよ!無償で誰かを助けて、一歩間違えれば敵とみなされるかもしれない……よくできるって思うわ!そんで俺にはとことん向かないって気づかされたよ!でも……でもせめて、ライダーを助けられたら……俺だって仮面ライダーに近づけるって思うんだ!」

 

フランキーの話を聞き、黙り込む3人。フランキーの言っていることは、フランキー自身の本心。

ヒーローにはヒーローの責任がある。それを耐えられる人間は少ない。だが、ヒーローの助けになれるなら・・・その者はヒーローに近づける。

それを理解し、フランキーは今ユーリを助けようとしているのだ。

 

(へっ、そう考えりゃ、黄昏もヨルちゃんもスゲェわ……二人ともアギトのこと助けたことあるらしいし……あいつらも俺と同じ気持ちだったりして……)

「よしっ、外れ……!?」

 

ついにG3-MILDのバッテリーを外したフランキーだったが、ビートルロードはすでに眼前までたどり着いていた。

 

「くっ……」

「やべっ、俺、死んだ……」

 

歯ぎしりを立てるユーリと、目の前に訪れた死を予感し、フランキーは絶句した。

だがその時、ビートルロードは突然そっぽを向き始めた。

 

「ハアッ!!」

 

と同時に赤い拳がビートルロードの顔面に炸裂し、殴り飛ばした。

 

「ア、アギト!」

 

そこに現れたのは、アギトだった。すでにバーニングフォームへと変身しており準備は万端だった。

 

「た、助かった……」

 

九死に一生を得、フランキーはその場にへたり込んだ。

 

「おい、バッテリー!」

「あっ、そうだった!」

 

ハッと気が付き、フランキーはバッテリーを変え始めた。

その間、アギトはビートルロードと対峙した。ベルトからシャイニングカリバーを取り出し、構えた。

対し、ビートルロードはフレイルで遠間からアギトに攻撃を仕掛けた。しかし、シャイニングカリバーの一閃で鎖が切り裂かれ、鉄球が床に落ちた。

 

「デヤァッ!」

 

アギトはシャイニングカリバーでビートルロードを×の字に切り裂いた。しかし、ビートルロードの装甲は固く、攻撃が奥まで通らなかった。

 

「つが・・・アギトッ!!」

 

その時、バッテリーの交換を終えたユーリはアギトの隣に立った。

すると、耳に顔を近づけ耳打ちを始めた。それを聞いたアギトは何も言わず、コクリと頷いた。

そして、アギトは一度シャイニングカリバーを収納し、両拳に炎を纏った。

 

「ハァァァァァァ……!!」

 

炎を纏った拳で、パンチの連撃を繰り出すアギト。武器を失ったビートルロードはただひたすら攻撃に耐えた。武器を失ったとはいえ、自分の装甲ならば耐えられる、アギトには自分を倒せないと踏んだのだ。

だが、ビートルロードは忘れていた。

 

「今です!」

 

アギトの傍に、味方が、アギトではない人間がいたことを。

 

(この距離なら……!!)

 

一瞬の隙をついて懐に飛び込み、ユーリはビートルロードの腹にガトリング砲の銃口を押し付けた。そして、そのままガトリング砲を腹の一点に向けて一斉掃射した。

 

「グッ、グオオオオオオッ!!」

 

その時、ビートルロードは悲鳴を上げた。装甲に、わずかではあるが穴が開いたのだ。

そして次の瞬間、アギトはビートルロードに近づきながらシャイニングカリバーを抜き、その開いた一点に突き刺した。

 

「グオオオオオオッ!!?」

「ハァァァァァァ……!!」

 

突き刺すと同時に剣に炎を纏わせ、ビートルロードを内側から燃やす。内側から炎で燃やされる感覚に、ビートルロードは悶え始める。そして、アギトはシャイニングカリバーを上方向へと振り上げ、ビートルロードを真っ二つに切り裂いた。

ビートルロードは断末魔を上げることなく爆散していった。

 

「か、勝った……」

「は、ははっ……やっぱ、本物はスゲェや……」

 

目の前で颯爽と現れたアギト、そしてユーリとともに果敢にアンノウンと戦うその背中……それを見て、感動したフランキーは力が抜けたように、その場にへたり込んだ。

 

────────────────────────

 

その夜、フランキーはいつものバーでロイドとともに酒を飲んでいた。

 

「で、それからG3-MILDはどうなったんだ?」

「てんで活躍できなかったからなぁ……戦闘に使うのはだいぶ先になるらしいぜ。その間、災害救助とかに使うんだと。」

「そうか。」

 

フランキーの話を聞きながら、ロイドはワインを一口飲んだ。

すると、フランキーはフッとため息をついた。その様子にロイドは眉をひそめた。

いつもと様子が違うと思っていた。いつもであれば自慢話にでも発展するところだ。

 

「どうしたんだ?」

「ん・・・いや、アンノウンが全部倒されたら……仮面ライダーってどうなるんだろうな?」

「……どうだろうな。」

 

ロイドもフランキーと同じことを考えたことがあった。アンノウンがいなくなった後、仮面ライダーは、アギトである翔一達はどうなってしまうのかと。

想像するのは簡単だが、実際にどうなるかはわからない。その時、自分達はどうすればいいのか……

その時、フランキーは突然笑い始めた。

 

「まっ、だいぶ先の話だと思うけどな!今日のアンノウンとか結構強かったし!G3-Xの攻撃が全然効かないんだわ!」

「……そうか。」

 

相槌を打ちながら、ロイドは思考を巡らせた。アンノウンが強くなっている……ということは、アンノウン側は本気を出し始めた、ということになると考えた。

 

(戦いに終わりが近づいているのか・・・?)

 

もしそうだとしたら、その時翔一は……

ロイドはこの先を考えないようにした。アンノウン以外にも問題はまだ残っている。その問題から片づける……ロイドはそう決心した。

 

────────────────────────

 

そのころ、デズモンド家の屋敷……

メリンダは自分の部屋に続く廊下を一人歩いていた。

 

「───────!!」

 

その時、とある部屋の前から声が聞こえてきた。その部屋は、夫であるドノバンの部屋だった。しかし、聞こえてきた声はドノバンのものとは違う。

メリンダは恐る恐るドアに耳をくっつけた。

 

『エル・ロードの一角である貴様が負けるとはな。』

『も、申し訳ございません……し、しかし!機会があれば、必ずやあのアギトの首を……』

『いらん。それよりも例の計画を進めよ。』

 

部屋の中から聞こえてくるのはドノバンの声と、低い女性のような声……そしてその話の内容……「アギト」、「エル・ロード」……

メリンダにはその意味が分からなかったが、とたんに体が震えるのを感じていた。

その時、部屋のドアがガチャと音を立てて開いた。

 

「なんだ?」

 

目をかっ開きながら、ドノバンはメリンダに問いただす。しかし、メリンダは体が震えて動けなくなり、口を金魚のようにパクパクと開閉させた。

そんなメリンダを見て、ドノバンはその場を後にした。

だが、

 

「ま、待って!」

 

メリンダが大声を上げた。

 

「い、今部屋から聞こえたのは誰の声!?あなた・・・いや、───様っ!」

 

メリンダの口から放たれたその名前は、ドノバンのものではない。人間以上の・・・否、この世の全ての頂点に達する者の名前だった。

それを知っていながら、メリンダはすがるようにドノバンの足にしがみついた。

 

「お願いします……!どうか、どうか私の子どもだけは……!!」

 

足にしがみつきながら泣きじゃくるメリンダ。メリンダは気づいていた。目の前にいる夫が、夫ではない(・・・・・)ことを。

 

「知らんな。最初からお前の息子など……興味はない。」

 

ドノバンは吐き捨てるように言うと、メリンダを振り払い、そのままその場を去ってしまった。

一人取り残されたメリンダは、ただただ泣きじゃくった……

 

 

 

 




本当はギャグ寄りの話にして、G3-MILDがトホホな目に遭う展開にするつもりでしたが・・・原作で小室さんが装着して戦った時の気持ちを考えたら、ギャグにはできないと思いました。
フランキーと小室さんの共通点は、どちらも「限りなく一般人に近い」ということ。一般人だから、化け物と戦うときの怖さやヒーローを助けるときの勇気をクローズアップできると思ったのです。

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