今回、見る人によってはショッキングな展開になっています。
お気を付けてご覧ください。
「うおぉぉぉおぉぉぉっ!!」
ルデスは叫ぶと同時に拳を突き出した。拳は隊員達に当たらなかったが、拳の風圧で隊員達を吹き飛ばした。
「フゥゥ……!!ガァウッ!!」
ギルスは腕から伸びる触手を鞭のように振るい、隊員達を叩き飛ばす。
「なるべく殺さないようにしてくれ!」
ロイドは目の前の敵…隊員達を殴り飛ばしながらギルスとルデス、ヨルに語りかけた。
「そう簡単に言うなって…!」
「でも、努力します!」
ロイド達は目の前の隊員達を軽く蹴散らしながら、ロイドの案内に従って進んでいく。
その様子を監視カメラで見ていたアベルは、歯がゆさを覚えていた。
「チッ……役立たずどもが……!シルヴィア!!」
「ハ、ハッ!」
「V-1システムを出せっ!」
怒鳴るようにアベルが言うと、シルヴィアは驚いたように目を見開いた。
「アレを出すのですか!?アレは未完成で……」
「構わん、出せ!」
そんな会話がされているとは知らず、ロイド達はまっすぐ牢屋へと突き進んでいた。
「もう少しだ!この先の階段を下ってまっすぐいけば……!」
と、その時だった。ロイド達の進む先に異様な物が現れた。
それは全身銀色で、どこかG3システムに近いものを感じさせた。だが、顔はG3とは大違いだった。
「アレは……!?」
「フフッ、驚きましたか?黄昏……」
銀色の戦士がしゃべり始めた。その声は聞き覚えがあるものだった。
それは、法条の声だった。
「法条……!」
「このスーツこそ、西国版G3ともいえる存在……いや、それ以上の存在。V-1システムです!」
法条は両手を広げて高らかに叫んだかと思うと、銃を抜いてロイド達に向けた。
「まさか、その試運転の相手があなた方になるとは。」
「くっ……!」
「黄昏……私は昔からあなたが不愉快でしたよ。薄汚い元兵隊の分際で、エリートである私の上に君臨するあなたにね……」
法条は銃を強く握りしめた。これで、自分はようやくロイドに、黄昏に勝つことができる……そう確信した。しかし次の瞬間、
ドゴォンッ!!
突如激しい衝突音が響いたと同時に、一台のトレーラーが本部内に侵入してきた。
「なにっ!?」
法条が驚くのをよそに、トレーラーのコンテナが開いた。
その中から出てきたのは、
「姉さんっ!ロッティ!無事!?」
「G3現着!」
「あぁ、WISEに盾突くことになるなんてなぁ……俺、死んだな……」
G3-X、G3、G3-MILDの東国保安局が誇るG-3システムの3機だった。
「ユーリ!来てくれたのね!」
「姉さんのためなら、どこだっていくよ!」
「フランキー……まさかお前が来るなんて……!」
「アイネの姐さんに無理やり引っ張られたんだよ!!」
G-3Xにはお馴染みユーリが、G3-MILDにはフランキーが装着している。となると、疑問が浮かぶ。
「あれ?じゃあ普通のG3は……?」
ロイドは疑問に気づき、G3の方を見た。
「俺のこと、覚えてない?」
G3の装着者はそう言いながらピースサインを作り、指をクイックイッと動かした。
ロイドとヨルは、その声に聞き覚えがあった。だいぶ前に、ユーリと一緒の時に……
「やっぱ忘れてるか。対策班の整備員、リョーマだよ!」
『……あっ!!』
名前を聞き、ようやく思い出した。G3の装着者はユーリの先輩で対策班でG3システムの整備をしているリョーマだった。
「侵入者ですか……ですが関係ありません。あなた方全員まとめて……」
G-3達の出現を見て、一瞬たじろいだ法条だったが、すぐに落ち着きを取り戻し、銃を向けて撃とうとした。だが、次の瞬間銃声が鳴り響き、法条が手にしていた銃が叩き落された。
「なっ……!?」
「先輩の邪魔はさせない。」
銃を撃ち落としたのは、夜帷ことフィオナだった。フィオナの銃口は法条をしっかり狙っていた。
「夜帷……!」
「フィオナ!」
「先輩、ここは私達に任せて先へ!」
フィオナはロイドに向けて叫ぶと、同時に法条を睨みなおした。フィオナの後に続くようにユーリ達も銃口を向けた。
その時、
「ロッティ!」
ユーリが声を上げた。
「さっきの話は聞いてたよ。盗聴器越しにね……」
「……ああ。」
ロイドは自分の服の襟元を探った。襟の中には盗聴器が仕込まれている。アベルに首を絞められそうになった時、咄嗟にフリッドとグリムが助けに来てくれたのも、この盗聴器のおかげだった。
と、その時法条は銃弾を撃ってきた。
「おっと!」
しかし、その弾を咄嗟にリョーマがガードアクセラーで防いだ。
「邪魔するなって!ユーリ、時間は稼ぐから……伝えたいこと、伝えろよ!」
リョーマは軽くユーリの肩を叩くと、ガードアクセラーを振り回しながら法条に突進していった。
「……僕は、まだお前を認めてない。でも……姉さんを守れるのは、任せられるのは……僕以外には、お前しかいない。」
「ユーリ君……」
ユーリは銃を握りしめた。相当な覚悟があったのだろう、それを示すかのように力強く握った。
そして、ユーリは続けて言った。
「黄昏は……黄昏なんて最初からいなかった。『ガーデン』と同じ、ただのおとぎ話だ。……そういうことにしとく。」
保安局の秘密警察としてではなく、一人の男としてユーリは言った。
ユーリはずっと迷っていた。ロイドが、自分の追っていた黄昏が姉の夫だと知り、それを上官に報告するか否か……しかし、ロイドが覚悟を決めたのを知り、ユーリ自身も覚悟を決めた。
自分が優先すべきは姉の幸せ、それができるのはこの男だと……
「だから、必ず連れ戻せよ!チワワ娘を!!」
「わかってるさ・・・!」
ロイドは、ユーリの覚悟を感じ取った。それに応えるように力強く頷いた。
すると、
「ユーリ……ありがとう。」
ヨルは礼を言いながら、マスク越しに頬にキスをした。
嬉しかったのだ。ようやく、ユーリがロイドのことを認めてくれたのだと。
「……姉さん、幸せにね。ロッティと、チワワ娘と……!」
マスクで分からなかったが、ユーリは泣いていた。複雑な感情が混ざり合って、ワケが分からなくなったことを示すようだった。しかし、頭に翔一の顔が浮かんだ瞬間、涙が一瞬で引っ込んだ。
「……つ・い・で・にッ!津上も一緒にね!」
「フフッ……もちろん!」
「いくぞっ!」
ロイドは声を上げ、走り出した。ヨル達はそれに続いて駆け出していく。
(……先輩、どうか幸せに……)
フィオナは寂しそうにロイドの背中を見つめた。
フィオナも、前から覚悟を決めていた。ロイドはヨルを愛している……それに気づいた瞬間からだ。自分のこの想いが届かないのなら、自分のやるべきことは一つ。愛した先輩の未来を、幸せを、陰ながら守ること。
そのためなら、たとえ組織を敵にしても構わない……その覚悟を決めた。
「フィオナ!……死ぬなよっ!!」
去り際、フリッドがフィオナに向けて叫んだ。それを聞き、フィオナは笑った。
もちろん、フィオナは死ぬつもりなどなかった。愛した先輩を守るために、そして……自分を愛してくれる人と、一緒にいるために……
「フフッ、多勢に無勢じゃないか?」
「お、俺はカウントするなよ?俺、戦闘力ゴミだから!」
ユーリがロイドへのメッセージを伝えている間、時間稼ぎをしていたリョーマとフランキーは法条と渡り合っていた。
とはいえ、戦闘力自体は法条とV-1システムの方が上だった。
「いくら来ようが無駄ですよ……このV-1システムには、誰にもかなわな……っ!?」
ほくそ笑む法条だったが、次の瞬間ユーリは思い切り駆け出し、勢いよく拳を突き出した。突き出された拳はマスクに命中し、そのまま殴り飛ばした。
「ごちゃごちゃ能書き垂れるな……!!お前があの二人を攫ったんだってな……五体満足でいられると思うなよ……!!」
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「こっちだ!」
ユーリ達が救援に来てくれたおかげで、ロイド達はスムーズに牢屋への道を進むことができた。
地下への階段を降り、まっすぐ進んでいた。
だがその時、
「グッ!?」
「がっ、あぁ……!!」
突然、ギルスとルデスが頭を抱えて苦しみ始めた。
「どうしたんですか!?」
「ア、アンノウンが、ここに来てる……!!」
「それも、相当強い奴だ……!!」
「……急ごうっ!!」
その瞬間、ロイドは何か嫌な予感を感じていた。言葉にできない、何か不吉なことが起きてしまうような……しかし、ロイドはそれを振り払い、すぐさま牢屋の方へ向かった。
「アーニャーーーっ!!」
「翔一さーーーんッ!!」
「二人とも、返事をしろーーーっ!!」
牢屋につくや否や、ロイド達は叫び声を上げながら二人を探した。
その時、ギルスとルデスの頭に響く音は次第に大きくなっていた。
「や、やべぇ……近いぞ……!」
「このままじゃ二人を探すどころじゃない……ここで倒すしか……」
二人はここでアンノウンを倒すつもりだった。と、その時だった。
「うわああああああああっ!!」
男の叫び声がこだました。
「今の……!」
「翔一さんの声です!」
たった今聞こえた叫び声は翔一のものだった。聞いたことがある声なので、間違えるはずがない。
4人はすぐさま声が聞こえた方へ向かった。
「アーニャ!!翔一……!くん……」
声がした方へたどり着いた4人……だったが、すぐに言葉を失った。目の前で起きている惨状が信じられなかった。
「あ、あぁっ……!アーニャ、ちゃん……」
アギトに変身している翔一は、首を絞められながら宙に浮かんでいた。そして驚いたことに、その首を絞めている相手は、アーニャだった。
馬乗りの状態で、アギトの首を絞めていた。目はどこか虚ろで、首を絞めている両腕は異形のものに変化していた。その腕はどこかアギトに似ていた。
「ア、アーニャ……?」
状況に戸惑いながらも、ロイドはアーニャに呼びかけた。すると、アーニャはビクッと体を震わせロイドの方を向いた。
さらにアギトとロイド達を交互に見たかと思うと、自分が何をしていたのか察したのかその場から離れ、壁際に後ずさった。
「アーニャ、アーニャ・・・いま・・・!」
アーニャは自分の両手を見つめた。朧気な記憶の中で確かに感じた、首を絞めている時のなんともいえない感触……アーニャは思い出しただけでも吐き気を催した。
そんなアーニャを慰めるように、ロイド達は声をかけてきた。
「アーニャ……もう、大丈夫だから!こっちにきなさい!」
「アーニャさん!」
しかし、アーニャは首を横に振った。
記憶がなかったとはいえ、アギトの首を絞めてしまったから……それだけではなかった。アーニャは、自分の中にある、どす黒く暗い、闇のようなものを感じ取った。しかもそれは、どんどん湧き上がって、外に出てきそうになっていた。
その時だった。
「フッフッフッ……」
部屋の奥から低い男の声が聞こえてきた、かと思うとすぐに姿を現した。
それは、獅子の姿をしたアンノウンだった。
(この感じ……エル・ロードか!?)
グリムの予想通り、今目の前にいるアンノウンはエル・ロードの一人、地のエルだった。
ロイド達は一様に地のエルを睨みつけた。
「貴様……!アーニャに何をした!?」
ロイドはアーニャの様子がおかしくなったのは、アンノウンが何かしたからだと予想した。その予想は当たりだったのか、地のエルは笑い始めた。
「いかにも……
「闇……?どういうことだ!?」
「全てはお前たち人間が犯した咎だ。その身で思い知るがいい……」
地のエルはそう言うと腕を振り上げ、その場で砂埃を巻き上げた…かと思うと姿を消してしまった。
「ちち、はは……」
アーニャはロイドとヨルを呼んだ。その目には涙をにじませていた。さらにアーニャは苦しそうに胸を押さえていた。
すると、二人はアーニャを抱きとめようと両手を広げた。
「アーニャ……こっちおいで!」
「アーニャさん、一緒に帰りましょう……?」
だが、アーニャは首を横に振る。先ほど電話であれほど「帰りたい」と言っていたのにも関わらずだ。
すると、アーニャは笑った。普段見せるような可愛らしい笑顔ではなく、今にも泣きそうな、苦しそうな笑顔だった。
「ごめんなさい……アーニャ、もう……まえのアーニャじゃない……」
そう言って、アーニャは涙を流し始めた。それと同時に、眼球が真っ赤に染まり始めていた。
「アーニャ、ワルいこになっちゃう……だから、バイバイ……」
次の瞬間、真っ赤に染まったアーニャの目が肥大化し、アギトのような複眼のある巨大なものに変わってしまった。
「あっ……!!ああああああああっ……!!」
目だけでなく、体も肥大化し始めた。等身が高くなり、全身が真っ黒に変化していき、金色の角と牙が生え始める。まるで、アギトのようだった。
だが、それはアギトでありアギトではなかった。言うなれば……アギトの姿をした異形の怪物だった。
「ヴァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
怪物に変わってしまったアーニャは獣のような雄たけびを上げた。それを見て、ロイドとヨルは絶望した。
アーニャが化け物に変わってしまったという現実が、二人の心を押しつぶそうとしていた。
そんな中、アーニャは四つん這いになって駆け出し、ロイド達に向かって突っ込んできた。
『危ないっ!!』
ぶつかりそうになった寸前、ギルスとルデスはロイドとヨルを引っ張り回避させた。
アーニャはそのまま牢屋の外に出て駆け上がっていった。
「あっぶねぇ……!何してんだ二人とも!?」
ルデスは怒鳴り声を上げたが、二人の耳には届いていなかった。
「アーニャが、アーニャが怪物に……」
「こんなの・・・こんなのってないです……!!」
二人はただただ絶望に打ちひしがれていた。それを見て、ギルスとルデスはかけてやる言葉が見当たらず、黙り込んでしまった。
その時、先ほどまで首を絞められ倒れていたアギトが立ち上がり、フラフラと歩き始めた。
「はぁ……はぁ……!い、行かなきゃ……!」
アギトは変身が解け、翔一の姿へ戻った。しかし、それでも翔一は歩みを止めなかった。
「待て、津上君!フラフラじゃないか……無理をするな!」
フラフラの翔一を支えるようにギルスは肩を抱くと、休むように促した。しかし、翔一は首を横に振り、足を進めようとした。
「ダメなんです……!アーニャちゃんがああなったのは……俺のせいでもあるから……!!」
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「デヤァッ!!」
「がはっ!!」
そのころ、ユーリ達の方は法条を叩きのめし、地面に這いつくばらせていた。
「か、勝った……!」
「こっちはもう大丈夫そうね……先輩と合流しましょう!」
と、その時だった。どこからともなく、ドドドドドド……!と何かが近づいてくる音と振動が聞こえてきた。
「な、なんだ!?地震か!?」
その音と振動にユーリ達が動揺する中、リョーマは突然G-3のマスクを外し始めた。
「リョーマさん……?」
「……始まってしまいましたね。あの子の覚醒が……」
いつものリョーマとは思えないセリフ、口調だった。いつもはこんなに丁寧な喋り口調ではなかった。
ユーリはそのことに不思議に思った。その時、
「ジャァァァァマァァァァ!!!」
獣のような雄たけびとともに、黒と金色の怪物がユーリ達を跳ね飛ばしていった。そして怪物はそのまま壁を突き破って外へと飛び出していった。
「い、今のは……!?」
「フッ……」
困惑する状況の中、ただ一人、リョーマだけがほくそ笑んでいた。
その状況を監視カメラで見ていたアベルは、ロイドとヨルと同じく絶望していた。
「……遅かった……!アーニャが暴走を始めた……私は、我々は何もかも遅すぎた……しかも、あの男が保安局にいたことすら知らずに……テオス……」
誰もが予想しなかった展開だった。否、ごく少数の人間だけが、この状況を予測していた。アベルと・・・そしてもう一人、テオス……だが、このテオスの存在が事態を一変させることになるとは、この時は誰も気づかなかった。
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「ふぅ・・・ふぅ・・・」
しばらくして、アーニャは元の姿に戻って街の中をさまよっていた。人気のない通りなのか、人通りが少なく、アーニャはフラフラした足取りで歩いていた。
その時、一人の男とぶつかってしまった。
「おい貴様!前を見て歩かんか!これだから若いのは……ん?き、貴様!」
その男は、以前はイーデン校の教師だったが、法条ことジョージにクビにされたマードック・スワンだった。
マードックの片手には酒瓶が握られており、マードック自身も酔っていた。
「き、貴様・・・!よくも私の前に現れたな!そもそも、貴様が私がイーデン校にさえ来なければ、私はこうなってなかったんだ!!どけっ!」
マードックは自業自得であるにも関わらず、身勝手なことを言ってフラフラのアーニャを乱暴に蹴とばした。
「うぅっ……アーニャ、ワルくない……!」
アーニャは倒れながらも、マードックをキッと睨みつけた。しかし、マードックはその目が気に食わなかったのか、アーニャのことを思い切り踏みつけてきた。
「このガキめっ!ナマイキなんだ、このっ!!」
マードックは乱暴に、手加減なしに何度も踏みつけてきた。
(いたい、いたいいたいいたい……!!)
痛みが全身を襲ってくる。同時に、アーニャは思った。どうして自分だけがこんな目に遭わなければならないのか、本当に自分が悪いのか?
その時、
『悪くない』
その一言が頭に浮かんできた。
そうだ、自分は悪くない。悪いのはこいつだ。痛みを与えてくるこいつだ。
「アーニャ……ワルくない……ッ!!」
壊してしまえばいい。自分に恐怖を与えるもの、痛みを与えてくるものを全て壊してしまえばいい、分からせてしまえばいい。
それは欲望の声だった。その声を聞きいれたアーニャは全身を先ほどの化け物に変化させ、マードックの頭を掴んだ。
「へっ・・・?」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
頭を掴んだ瞬間、雄たけびとともにマードックを地面に叩きつけた。
「アヤマレッ!!アーニャに……アヤマレェェェェェ!!」
さらにアーニャは拳を握りしめてマードックの顔面を殴りつけた。一発だけでなく、何度も何度も……顔が変形し、骨折しようとお構いなしに殴っていた。
「ば、化け物だっ!!」
その時、通りがかった住民が声を上げた。
それを聞いた瞬間、アーニャはハッと我に返り、道に落ちていたガラス片に写った自分の姿を見た。
「あ・・・ああ・・・!!」
今の自分を見た瞬間、アーニャはその場から逃げた。
ずっと「カッコいい」と思っていたアギトの姿……だが、それに近い姿になっている自分は、それとは程遠いほど化け物じみていた。
それが怖くなり、恐怖のあまり逃げ出した。
(たすけて……たすけて……!!)
アーニャは心の中で助けを求めた。だが同時に欲望の声が囁いてきていた。
助けを求める声と、欲望の声が響く中、アーニャはただただ逃げ続けた……
おまけ「出番は?」
「オラァッ!!」
バキッ!!
「ぐはっ!V-1システムの出番……ないんですか……!!?ガクッ……」
────────────────────────
V-1システムは犠牲になったのだ……
アーニャが暴走するという展開は前々から考えていました。第10話くらいからすでに考えてました。