SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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今年の初夢見ました。

その内容は、「ロイドが超ノリノリでイクササイズを踊り、それを見ていたヨルさんとアーニャがドン引きしていた」というものでした。





第6話「赤の斬炎」

 

「まったく、朝帰りをしてきたと思ったら……」

 

翔一が家に帰ってきたのは朝方だった。ロイドとヨルに傷の手当をしてもらっていた。

 

「どこで遊んできたんだ?」

「いやー、ちょっと空飛んでて……」

「真面目に!」

 

ヘラヘラ笑いながら話す翔一に、ロイドは叱りつけた。

 

「ま、まぁまぁロイドさん。」

 

そこにヨルがロイドを宥めてきた。

 

「人に言えない事情があるのかもしれませんし……」

「事情、か・・・」

 

ロイドはため息をつきながら翔一の傷を見た。

 

(この傷、どこからどう見ても戦闘で受けた傷だ……)

 

翔一本人は「階段から落ちた」と誤魔化したが、アンノウンにえぐられた爪痕の説明がつかない。

ロイドの目からもそれはわかった。ヨルも同様だった。

 

(何か鋭い物でえぐられた痕……翔一さん、あなたは一体どこで何を……?)

 

傷の手当をしながら、二人は翔一に疑いを持ち始めていた。

 

「……今日は一日、家でおとなしくしてなさい。バイト先のパン屋には連絡しておいた。」

「あっ、ありがとうございます!じゃあ俺、部屋の掃除とか、洗濯とか、粗方やっちゃいますね!」

 

翔一は笑顔で言うと、ロイドはガクッと崩れた。

 

「い、いや、だから!怪我してるんだから、少しは休め!」

「でも、俺的には何かやってないと、具合悪くなっちゃって!あ、晩ご飯も俺作りますよ!この前、おいしいジャガイモもらったんです!山盛りのフライドポテト作っちゃいます!あ、ふかし芋の方がいいですか?後、考えてた芋料理があって……」

「ああ、もう!わかった!わかったから!」

 

嬉々として話しながらロイドに詰め寄る翔一に、ロイドは大声を上げて待ったをかけた。

そしてすぐに深いため息を上げた。

 

「はぁ……もう好きにしなさい。」

「はい!よーし、今のうちに仕込みしちゃお!」

 

ロイドから許可をもらうと、翔一は夕食の仕込みを始めた。

 

(疲れる……)

 

ロイドは翔一とのやり取りに疲れを感じていた。しかし、その横でヨルとアーニャはクスクスを笑っていた。

 

 

──────────────────

 

「すいませんでした!!」

 

そのころ、ユーリはアイネとリョーマに向けて頭を下げていた。

 

「僕の勝手な判断で、G3ユニットを……!本当にすいませんでした!!」

 

昨日の戦闘でG3は深いダメージを負ってしまった。あの時、アイネの命令を聞き、逃げていれば損傷は軽度で済んだかもしれない。

そう思ったユーリは深々と頭を下げた。

 

「いいのよ、ユーリくん。あなたの根性、見せてもらったわ。」

 

アイネはそう言うと、ユーリの肩を優しく叩いた。

 

「で、でも、あの後アイネさん、上層部にこっぴどく怒られたんでしょ?」

「まぁね。でも、失敗は次で取り返して、上層部のジジイどもをギャフンといわせてあげましょ!」

 

アイネはニヤリと笑い、拳をギュッと握った。

ユーリも釣られて笑い、力強く頷いた。

 

「あ、それとユーリくん。あなたのその性格……シスコンは直した方がいいわね。」

「え?」

 

ユーリは声を上げた。しかし、すぐさま否定した。

 

「い、いや、僕はシスコンじゃありません!僕は姉さんが大好きなだけで……いや、むしろ愛してます!結婚したいぐらい!」

「世間じゃそういうのをシスコンって言うの。後、職場でお姉さんの写真にキスするのはやめなさい。ストレートにキモイから。」

(バ、バレてたァァァァァァ!!?)

 

ユーリは隠しごとが知られていたショックとバレていたショックのダブルショックで、頬を赤らめると同時に冷や汗を掻き、心の中で絶叫した。

 

「……ドンマイ。」

 

それを見かねたリョーマは肩を叩き、静かに呟いた。

 

「それにしてもアギト・・・彼は何者なのかしら。」

 

アイネはテレビをつけ、ニュースを見た。そこにはアギトが戦う姿が写っていた。

 

──────────────────

 

 

その頃、アーニャが通うイーデン校では、

 

「パーンチ!キーック!」

「カッコいいよな、アギトって!」

「ねぇ、アギト様って中身イケメンかなぁ?」

「絶対イケメンだよ!アギト様〜♡」

 

アーニャのクラス、否、学校の生徒全員が新聞やテレビの影響で、アギトに夢中になっていた。

 

そんな中、アーニャはニヤリと笑っていた。

 

(アーニャしってる。アギトのしょーたい、ショーイチ!それしってるの、アーニャだけ!)

 

自分だけがアギトの正体を知っていることに、アーニャは優越感に浸っていた。

 

(ケッ、何がアギトだ……どいつもこいつも……)

 

その時、一人の心の声が聞こえてきた。ダミアンだった。

 

(なんで叔父さんがあんな姿に……もう、俺の知ってる叔父さんじゃないのか……?)

 

ダミアンの脳裏に浮かぶのは、緑色の怪物へと変身する叔父フリッドの姿。

 

心を読んでいたアーニャはその事実を知り、驚愕した。

 

(じなんのおじ、へんしんした……!もしかして、ショーイチのなかま!)

 

アーニャはダミアンから詳しい話を聞こうと、席を立った。

その時、ダミアンの脳裏にヨルの顔が浮かんだ。

 

(ギュッて抱きしめられた・・・)

 

ダミアンはヨルに抱きしめられた時のことを思い出した。

しかし、すぐさま頬を首を横に振った。

 

(い、いやいやいや!意識してない!)

 

すぐに忘れようと思った。しかしすぐに思い返してしまう。

あの時抱きしめられた時に感じたヨルの優しさ、温かさ、柔らかな胸の感触……

 

(・・・優しかった・・・温かったなぁ・・・や、柔らかかったなぁ・・・)

「え、えへへ……」

 

その時のことを思い出し、ダミアンは自然に顔が綻び、頬を赤らめながらだらしない笑顔を浮かべてしまった。

 

「……」

 

そのことを読んだアーニャは眉間にシワを寄せ、ダミアンの前に立った。

 

「な、なんだよ?」

「じなん、ドスケベッ!!」

「ッ!!?」

 

アーニャは鬼のような形相でダミアンに言い放った。

 

(も、もしかして顔に出てた!?)

 

それに対しダミアンは顔を真っ赤にして、ただただ慌てふためいた。

 

それからダミアンはアーニャからしばらくの間、「ドスケベじなん」、「エロガキじなん」と呼ばれるようになった。

 

 

──────────────────

 

「ダミアン……」

 

イーデン校から少し離れた場所。そこでダミアンの叔父フリッドは遠巻きに学校を見ていた。

フリッドはダミアンに拒絶されてしまったことを気にしていた。

同時に、あの後廃病院での出来事が思い浮かんだ。

 

(アイツは一体なんだったんだ……見た目はあの人(・・・)そっくりだった。だが、あの力は……)

 

あの時、フリッドは変身し、ある人物に襲いかかった。しかし、目に見えない力で吹き飛ばされてしまい、フリッドはまた気を失ってしまった。

 

(……忘れよう。見た目はあの人(・・・)でも、俺の知ってるあの人(・・・)とは違う。)

 

フリッドは首を横に振り、あの時のことを忘れようと心がけた。

 

そしてフリッドはイーデン校へ足を進め、なかった。

もう一度ダミアンに会いたかった。だが、彼の前に姿を現したとしても、また拒絶されるだけだと思った。

 

フリッドはダミアンを息子のように思っていた。自分といる時、いつも無邪気な笑顔を浮かべていたダミアンの顔が、今は遠い昔のように思えてくる。

 

(ダミアン……もし、お前がもう一度あの笑顔を見せてくれたのなら、俺は……)

 

その時だった。フリッドの頭に激痛が走った。

 

「がっ!?あああ・・・!!」

 

同時に耳鳴りのような音が耳に響いた。

 

(また、出たのか……アンノウンが……!)

 

アンノウンが現れた時、いつも決まってこの音が鳴った。しかもそれは自分にしか聞こえなかった。

それは戦わなればならない合図だと、フリッドは思っていた。

フリッドはバイクに跨り、再度学校の方を見た。

 

(ダミアン、いつかまた……)

 

名残り惜しかったが、フリッドはバイクを走らせ、その場を後にした。

 

そして同時刻、翔一もまたバイクを走らせ、アンノウンの元へ向かっていた。

 

「変身ッ!!」

 

バイクに乗ったままベルトを発現させ、翔一はアギトと変身した。同時にバイクも変身を遂げた。金色と赤の装甲を纏ったアギト専用のバイク「マシントルネイダー」へと変化した。

 

マシントルネイダーを走らせ、アギトはとある建物にたどり着いた。

その場所には見覚えがあった。

 

「ここは、ヨルさんの……!!」

 

そこはヨルが働いている市役所だった。アンノウンはその屋上にいた。

以前取り逃がしたカラスのアンノウンだ。

 

──────────────────

 

「そういえばさ~、最近アギト?だっけ。話題になってるよね~」

「そうそう!あの人格好良くない?」

「どこが?なんか気色悪くない?」

 

給湯室でヨルの同僚達がアギトについて談笑していた。そんな中、ヨルは会話に耳を傾けながらお茶を淹れていた。

 

(アギトさん、すごく話題になってますね……それにしても、翔一さんちゃんと大人しくしてればいいですけど……)

「ん?」

 

その時、ヨルは窓の外を見た。そこにはアギトの姿があった。

アギトは佇んだかと思うと空高くジャンプし、屋上へ上がった。

 

「え、ええええええっ!!?」

 

ヨルは思わず声を上げた。その声に同僚達はビクッと、体を震わせ驚いた。

 

「えっ!?な、なにっ!?」

「す、すいません!私急用思い出したんで、ここお願いしまーーーすっ!!」

 

ヨルはその場を同僚達に任せ、慌てて屋上へ駆け出していった。

 

屋上に着くと、そこでは既にアギトとアンノウンが戦っていた。

 

「いた・・・!」

 

ヨルは物陰に隠れて様子を見た。

 

アギトの得意の徒手空拳が炸裂し、アンノウンに食らわせる。

アンノウンは以前の戦いで片翼が斬られており、弱体化していた。

弱体化したアンノウンなど、アギトの敵ではない。拳の連撃、さらに回し蹴りを食らわせて怯ませる。

 

「グウゥゥゥ・・・ハッ!」

 

アンノウンは翼を広げて大空に飛び上がった。

それを見て、アギトはベルトの右側のスイッチを叩いた。すると、アギトの胸部と右腕の装甲が紅蓮の炎のような赤色に変わった。

 

(変わった!?)

 

ヨルが驚く中、アギトはベルトから一本の大剣「フレイムセイバー」を取り出した。フレイムセイバーを手にし、赤い鎧を纏ったアギトは「フレイムフォーム」へと姿を変えたのだ。

 

「ハァァァァ・・・!!」

 

アギトは剣を構えた。その時、剣の鍔の部分の角が展開した。

同時に、アンノウンはアギトに向かって突進してくる。

 

「デヤァァァッ!!」

 

間合いに入った瞬間、剣は炎を纏い、そのまま振るってアンノウンを真っ二つに切り裂いた。

アンノウンは断末魔を上げる間もなく、爆発した。

 

(アギトさんの姿が変わった……す、素敵……)

 

ヨルはアギトが持っていたフレイムセイバーを見てウットリと頬を赤らめ、見惚れていた。

しかし、すぐさまハッと我に帰り、アギトの前に出た。

 

「ま、待ってください!」

「……」

「あなたは何者なんですか?どうして、私の名前を知っていたんですか!?」

 

ヨルからの問いに、アギトは剣を収め、そのままヨルに近づいた。

 

「……大丈夫。」

 

アギトはヨルの手を取り、ギュッと握った。

 

「俺がヨルさんの、みんなの居場所を守ります。」

「え……?」

 

ただその一言だけを伝え、アギトはそのまま屋上から飛び降り、立ち去って行った。

 

(今のセリフ……あの声……どこかで?)

 

ヨルはアギトのセリフと声に、聞き覚えがあった。いつも近くで聞いたような声……

その時、一人の顔が浮かんできた。

 

(まさか、翔一さん……!?)

 

翔一がアギト……その自分の考えに驚愕し、ただただ立ち尽くすしかなかった。

その時、ヨルは気づかなかった。物陰に隠れてアギトの戦いを見ていたのは、自分一人だけではなかったことを。

 

(あれがアギト……)

 

もう一人覗いて見ていたのは、フリッドだった。

 

(あの女性は一体誰だ?美しいが……アギトとどういう関係なんだ?)

 

フリッドはアギトと話していたヨルを不思議そうに見た後、その場を立ち去ってしまった。

 

 

 





キレイで優しくて巨乳のお姉さんにギュッとされたら、小さい男の子だったら意識しちゃうよね。


作品内において、どのライダーの話が一番好きですか?期間は4月10日から4月17日まで。アンケート結果は後日作品内で発表します

  • アギト編(翔一+フォージャー一家)
  • G-3編(ユーリ+対策班、ノエル)
  • ギルス編(フリッド+ダミアン、フィオナ)
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