SPY×AGITΩ   作:ぴりもに

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ここまで来られたのは読んでくださり、応援してくれた皆さまのおかげです!
記念に何か短編を作りたいと考えていますが……ちょっと考え中です。




PART.7 信じてた未来が崩れ去ろうとしてる

「ドノバン…義兄さんに、まだ隠し子がいたのか……!」

「しかも3人……」

 

皆、いきなり現れたドノバンの隠し子3人に驚きを隠せなかった。しかし、それとは別に怒りを滲ませる男がいた。

 

「おい!そのベルト……!どこで手に入れた!?」

 

巧は怒りに眉間にシワを寄せながら叫んだ。ザカとフランが使っているベルトに見覚えがあるようだ。

 

「ああ、この二人のベルトか……こいつらのベルトは所謂コピー品でな。ショッカーの科学陣が作ったものだ。コピー品だが性能はオリジナルと同等だ。」

 

カトル、4号の解説を聞きながら、巧はファイズのベルトを腰に巻いた。そして、ファイズフォンの「5」のボタンを3回押す。

 

「そのベルトはお前のじゃない……!アイツのだ!!」

 

《Standing by...》

 

「変身!!」

 

《Complete.》

 

ファイズフォンをベルトに装填し、横に倒し、巧はファイズへと変身した。

 

「ふん……ザカ、お前と相手をしたいらしい。相手してやれ。」

「分かった……!」

 

4号に指示を受けたザカ、仮面ライダーカイザは首の骨を鳴らしながら、腰のホルスターに下げた武器「カイザブレイガン」を抜いた。さらにベルトのカイザフォンからメモリを抜き、武器に装填した。

 

《Ready.》

 

音声とともに刃が金色に発光した。ファイズも自分のバイクのハンドルを握ると一気に引き抜いた。そこにカイザと同様にメモリを装填した。

 

《Ready.》

 

音声とともに刀身が赤く発光すると、ファイズはカイザに向かって突進した。カイザも同様に突進し、両者は互いに刃を振るった。

 

「ハッ!」

「シェァァッ!!」

 

ファイズは他の皆はほったらかしにカイザと刃を交えた。

 

「俺達も行こう!」

「はい!」

「変身‼」

 

ファイズに加勢しようと、フリッドはギルスに変身し、ユーリはG3-Xを装着するためトレーラーに戻った。

 

「よし、俺も……!!」

「待てグリム!」

 

続けて加勢しようとしたグリムだったが、ニコルはそれを止め、腕を掴んだ。

 

「戦うなと言ったはずだ!」

「こんな時に何言ってんだ!!」

「今は逃げるんだ!!」

 

グリムはその腕を振り払おうとするが、ニコルの力は強く、振り払えなかった。

すると、それを見た4号が笑い始めた。

 

「逃げる……か。それもいいなぁ!お前みたいな落ちこぼれにはお似合いだ!」

「落ちこぼれ、だと……!?」

「そうだ。俺達デズモンド家の人間は、選ばれた人間!生まれた時から、裕福であることを許された存在……!現に、俺達3人はドノバンに捨てられはしたが……資産家の人間に拾われ、裕福に暮らした。だが……」

 

両腕を広げて自身を尊大に見せるように振る舞いながら語る4号。すると、今度はグリムを指を差した。

 

「お前はどうだ?捨てられた上に、母親には死なれ、家無しになった。汚い環境で育ち、生ゴミを漁り、汚いことをして生きてきた……そして『ガーデン』に入って殺し屋になった……なんとも哀れで、汚らしい人生だなぁ……」

「なんだとテメェ……!!」

 

笑いながら言う4号にグリムは怒りを露わにした。いきなり現れた男に自分のことを馬鹿にされて、我慢できる度量などグリムにはなかった。

そんなグリムを見て、さらに4号は言った。

 

「お前のような汚らしい奴は、デズモンド家に相応しくない!ゴミ同然……いや、ゴミ以下だな。」

「この野郎ッ!!」

 

グリムは怒りのまま突進しようとした。しかしニコルはそれを止め、グリムを引っ張っていった。

 

「来るんだ、グリム!!」

「離せっ!離せよっ!!」

 

ニコルはグリムを引きずりながらその場から逃げ出してしまった。

 

「ロイドさん!アーニャさん!後を追いましょう!」

「はい!」

「うぃっ!」

 

シエルを背中に背負いながら二人の後を追いかけた。ロイドとアーニャもその後に続いた。

 

「やはり逃げたか……落ちこぼれのクズにはお似合いだ!」

「いい加減にしろ!!」

 

その時、ギルスは叫び、両腕のクロウで斬り掛かった。

しかし、4号はその攻撃を片腕だけでたやすく防いだ。

 

「いきなり現れて、あの子を罵倒するな!!」

「…そういえば、お前もデズモンド家の血族だったなぁ……あいつ同様……虫けら同然だ!!」

 

4号は叫ぶと同時にクロウを掴み、腕力だけでへし折った。

 

「ッ!?」

「ムンッ!」

 

いきなりクロウをへし折られて驚くギルスの隙をつき、4号は首を掴んでそのまま上へ持ち上げた。

 

「がっ……!?あぁっ……!!」

「お前、不死身なんだってなぁ?」

 

4号は不敵に笑いながら、首を掴んだ手に力を込めた。

 

「徐々に死んでいく気持ちはどうだ?」

「は…な……せ……!!」

「フリッドさん!」

 

首を絞められているギルスを見て、G3-Xを装着したユーリはすぐさま助けようガトリング砲を向けた。

しかしその時、飛行ユニット「フライングアタッカー」を背中に装備した白いライダー、仮面ライダーサイガことフランが空中から飛翔し、ユーリを突き飛ばした。

 

「うわっ!?」

「キャハハハ!!ごめーん、ぶつかっちゃったぁ♪」

 

サイガは無邪気な笑い声を上げた。サイガのフライングアタッカーは銃火器が搭載されており、その銃口をユーリに向けた。

 

「でもしょうがないよねぇ?だって、お兄ちゃんの邪魔するんだもぉん……死んじゃえ!!」

 

サイガは引き金を引いた。銃口からマシンガンのように連続して銃弾が放たれ、ユーリに襲いかかる。

 

「クソッ!!」

 

ユーリは全速力で銃弾から逃げていく。そして隙をついてお返しとばかりにガトリング砲を連射していくが、サイガは途端にフライングアタッカーの停止させ、一気に地面に降りる。そして地面に着地すると同時にフライングアタッカーの操縦桿を引き抜きながら突進。操縦桿はトンファー型のブレードに変わり、刀身が青く発光した。

 

「せいっ!!」

 

サイガはブレードを振るってくる。ユーリは肩に携帯したナイフで応戦しようとするが、サイガのスピードの方が早く、ユーリはブレードの直撃を受けてしまう。

 

「うわっ!ぐあぁぁっ!!」

『G-3X、出力60%にダウン!』

(クソッ……!たった一撃で……!!)

 

少し攻撃しただけで怯むG3-Xを見て、サイガはほくそ笑んだ。サイガからしてみれば、G3-Xは旧式でサイガ自身は新型……その実力差に優越感を覚えていた。

 

────────────────────────

 

そのころ、

 

「離せ!離せっての!!」

 

ニコルに引きずられたグリムは、港の倉庫群でやっとこさニコルの手を振り払った。

それと同時にロイド達もたどり着いた。

 

「奴らは危険なんだ!戦おうとするな!」

「冗談言うな!他のみんなは戦ってんだぞ!?俺一人だけ除け者はごめんだ!!」

「いいから奴らは俺に任せて、お前はジッとしていろ!」

 

そう言うとニコルはグリムを押しのけてさっきの場所へ戻ろうとした。しかし、納得がいかないグリムは腕を掴んできた。

 

「だから……!なんでそうやって俺を戦いから遠ざけようとすんだよ!!ちゃんと理由聞かせろよ!!そうでないと……」

 

グリムはニコルを問い詰めた。するとニコルは振り返って胸ぐらを掴んできた。

 

「このまま戦ったらお前は死ぬんだ!!!」

 

ニコルは声を大にして叫んだ。その瞬間、グリムはもちろんロイド達も一瞬時が止まったかのような衝撃を受けた。

 

「え……?」

「これ以上変身したら、お前の体はボロボロになる……!!そんな状態で戦い続けたら、間違いなくお前は死ぬ!!」

「グリムくんが……!?」

「ぱいせん……しんじゃう……!?」

「な、何を証拠にそんなことを言ってるんだ!?」

 

動揺するなか、ロイドはニコルに問いかけた。

ニコルは苦しそうな表情をしながら答え始めた。

 

「……昨日、一緒に戦った時、変身したグリムの瞳にヒビが入った。それを見て、俺はショッカーのアギトに関する研究書のことを思い出した……その研究書によれば、アギトの胸の水晶とベルトに致死レベルのダメージが入ると変身する機能に異常をきたし、変身者の肉体にダメージを与え……徐々に死に至る……それがショッカーの出した推論だった。」

 

ニコルの解説を聞き、グリムはわなわなと震えながら自分の腹に手を触れた。

思い当たる節があった……それは一年前、アギトとアンノウンとの全面対決……アンノウンの親玉、ドノバンこと黒テオス……ミラージュアギトとの対決でのこと……

 

『てめぇだけは……ぶち殺してやる!!』

『人間の負の感情……!なんとも美味だ……』

 

あの時、グリムは腹部に、ベルトの部分に鋭い掌底を喰らった。

あの時はまるで腹部をドリルで貫かれたかのような痛みを覚えた。恐らくはそれが原因だった……

 

(まさか、あの時に……!?)

 

グリムは震えた。自分が死ぬかもしれないという事実だけでなく、死んでもなお、あの男に自分の人生を狂わされる屈辱に発狂しそうになった。

 

「これで分かっただろう、グリム。お前はこれ以上戦っちゃ……」

「信じない。」

 

真実を知ったグリムを慰めようと、ニコルは頭を撫でてやろうとしたがグリムはそれを拒否するように手を払い除けた。

 

「そんなの……俺は信じない……!!」

「グリム…?」

「死ぬって言われたって……俺にはこれしかないんだ!!」

 

次の瞬間、グリムはニコルを殴り飛ばした。

 

「がふっ!?」

 

急に殴られ、ニコルが倒れたのを見てグリムは足早にその場から逃げ出した。

 

「グリム!!」

 

ニコルは慌てて後を追いかけた。その場に残されたロイド達は、ただ呆然としていた。グリムが死ぬという事実がまだ信じられなかったのだ。

その時、ヨルがその場に膝をついた。

 

「グリムくんが……死んじゃう……?こんなの……こんなのってないです……!」

 

ヨルの目から大粒の涙がこぼれ落ち、抱いているシエルの顔を濡らした。

 

「あの子はまだ子どもなのに、あの子の人生はこれからなのに……!なんであの子がこんな目に遭わなければいけないんですか……!?」

「はは……」

「私は、あの子にも幸せになって欲しいんです……!!」

「ヨルさん……」

 

ヨルは自分がロイドやアーニャと本物の家族になって幸せになれたように、グリムにも幸せになって欲しいと願っていた。

グリムを全部受け入れてくれるような女性と出会って、自分達と同じような家庭を築いて欲しい……そう願った。

だが、ヨルは知らない。グリムの意中の相手はヨル自身だということを……

 

────────────────────────

 

「くっ……!」

 

そのころ4号達と戦っていた3人は、ギルスは首をへし折られ地面に倒れていた。不死身のため徐々に回復してはいるが、いつ動けるかは分からない。

ユーリの方はサイガの攻撃により出力が10%にまでダウン…ろくに動けない状態にされた。

ファイズの方もまた、その場に膝をついていた。

ギルスとユーリが倒されたことで、4号とサイガが襲いかかってきたのだ。1対3ではファイズに分が悪い。

 

「クソッ……!」

「お前……ツヨツヨかと思ったらヨワヨワだな……」

 

カイザは呆れたような口調で、膝をつくファイズに銃口を向けた。

 

「よその世界のライダーがどんなものか期待したが……こんなものか。……やれ。」

「分かった、兄者。」

「バイバーイ♪」

 

引き金に指が触れた。そして、ファイズに向かって銃弾を……

だがその時、

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

雄叫びが轟き、4号達に向かってグリムが突進してきた。

 

「変身ッ!!」

 

グリムは突進しながら叫び、ルデスへと変身した。そして間合いに入った瞬間に拳を突き出した。

しかし、4号は片手でその拳を止めた。

 

「クククッ……逃げずに来たのは褒めてやるよ、落ちこぼれ。」

「うるせぇ!!オラァッ!!」

 

ルデスは続けて蹴りを繰り出すが、4号は後ろに下がってよける。さらにルデスは左腕の義手のレバーを引いた。すると青い閃光とともに高圧電流が義手に集まっていく。

 

「ボルトアーム……最大出力!!」

「ライダーパンチッ!!」

 

電流を纏ったパンチを繰り出すルデスに対し、4号は緑色のオーラを纏ったパンチを同時に繰り出した。

その瞬間、バキンッ!!と何かが砕ける音が響いた。

 

「なっ……!?」

「ぎ……義手が……!!」

 

必殺パンチがぶつかり合った瞬間、ルデスの義手「ボルトアーム」が粉々に砕けちった。

ルデスは義手が壊れされたことに動揺を隠せなかった。その隙を突かれ、4号は腹に拳を叩きつけた。

 

「うぐっ!?」

 

ルデスは負けじと攻撃しようとするが、その瞬間パキッ…という音が聞こえた。

見れば、右腕にヒビが入り始めていた。

 

「な、なんだよこれ……!?うっ……!!」

 

さらに、ルデスは全身に痛みが走るのを感じた。その痛みはまるで全身を生きたままノコギリで雑に切られるかのようだった。

そんな痛みが全身に走り、ルデスは悲鳴を上げた。

 

「う、うあああああああああああっ!!!」

 

そんなルデスを見て、4号は笑っていた。

 

「クハハハ……!!どうやら体が限界みたいだなぁ?フンッ!!」

 

4号はさらにそこから乱雑にルデスを蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされ、ルデスは地面に転がった。しかし反撃する気が起きなかった。それよりも全身に走る痛みの方が先決だった。

 

「ううぅ……!!ぅぐっ!うあぁぁ……!!」

 

グリムは恐怖し、早くこの痛みが収まって欲しいと切に願った。しかし、それよりも先に4号達に殺されるかもしれないという恐怖も襲いかかる。

 

「キャハハハッ!!ダッサ!!落ちこぼれのゴミにはお似合いだね!ザカ兄ちゃん♪」

「ああ……ゴミゴミのクズクズだ。」

「そう言ってやるな、二人とも……落ちこぼれにしては、これまでよくやってきた方だろうさ。」

 

4号達三兄妹はのた打ち回りながら変身が解かれたグリムを見ながら笑った。

 

「せめて楽にしてやろう。」

「カトル兄ちゃんやっさしい〜〜〜♡」

 

4号はどこからか拳銃を取り出し、銃口をグリムに向けようとした。しかしその瞬間、

 

「ライダーキィーーーック!!」

 

その掛け声とともに仮面ライダー3号が飛び蹴りとともに飛び込んできた。

 

「ッ!?」

 

不意を突かれた4号は咄嗟に両腕で防いだが、キックを喰らい吹き飛ばされた。

 

「兄者!」

「カトル兄ちゃん!」

「チイィ……!!3号……!!」

 

吹き飛ばされた4号だったが、立ち上がって3号を睨みつけた。

対し、3号も同様に4号を睨みつけた。

 

「来い……!俺が相手になってやる!!」

(これ以上……!グリムをデズモンド家の呪縛に縛りつけてたまるものか……!!)

 

 

 

 




おまけ「一人おかしいのがいる」

仮面ライダーバスター
「ドノバンの野郎……!グリムだけじゃなく、他にも隠し子がいたのかよ!しかも3人!」

仮面ライダーデストリーム
「なんて最低な奴なんだ!」

白い魔法使い
「まったくだ……自分の子どもをなんだと思っているんだ……」

エボルト
「本当だよなぁ?お前もそう思うだろ、ロイドォ?」

ロイド
「あ、ああ・・・そうですね・・・」
(なんでみんなツッコまないんだろう・・・)

────────────────────────

パパライダーで固めてみましたが、エボルトは微妙かな?

本当はポッキーの日にちなんだおまけを書こうと思いましたが、思いつかなかったのでこちらに変更。

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