ヒスイにいたボクへ、パルデアにいるオレより   作:逸環

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5話:初めての輝き

「よし!それではこれからテラスタル使用のための講習を行うぞ!」

「よろしくお願いしまーす!」

 

ネモとの連続バトルの翌日もまた、オレはアカデミーの校庭にいた。

ちなみに、あの日の夢は当然の様に見た。やっぱりだったかという気分だ。

 

さて、今日はテラスタル使用のための講習で、今日は座学の予定のはずなんだが……なぜ校庭にいるのだろうか?

講習を担当してくれるという、バトル学のキハダ先生に使う教室の場所を聞いたら、なぜか校庭に連れて来られたんだが……?

キハダ先生も美人な女教師だが、この学園の美人には変わり者しかいないのだろうか。

 

そう、このキハダ先生もまた、レホール先生とはタイプは違うが美人だ。

シンオウ地方でかくとうタイプのジムリーダーをしているスモモちゃんが大きくなったら、こうなっているのだろうか?

あの子、最後に会ったのが10年くらいは前だから、きっと今頃美人になっているだろう。

 

……しかしオレが関わった美人、変わり者多い気がするんだがなぜだ?

え、まさか類友?オレが変わり者って事……?

 

よし、この考えは忘れよう。

 

「早速だが、テラスタルに必要な物はこのテラスタルオーブだ。このテラスタルオーブのスイッチを押すと、エネルギーがポケモンのタイプを変えるというわけだな!」

「進化を越えた進化や、特別なわざとか、デカくなるポケモンとかやって来たけど、ついにタイプ変化をする日が来たか……」

 

キハダ先生からテラスタルオーブを受け取り、しげしげと眺めてみる。

姐さんに拾われてから、ポケモントレーナーを始めて15年ほど経つが……なんか感慨深いな。

 

「このテラスタルオーブを使うには、エネルギーをチャージしておく必要があるし、1回のバトルで1度しか使えないから注意だな!」

「なるほど」

「使った後はポケモンセンターでエネルギーをチャージできるぞ!」

「ほほう、ポケモンセンターにそんな業務が」

 

今まで使って来た特別なバトル方法だと、そういうチャージは必要なかったからな。

忘れない様にしないと。メモメモっと。

 

「あと、テラスタル後のタイプが違うポケモンは、そこら辺を歩いていると光っているポケモンや光っている洞窟があるだろう?そこで捕まえられるぞ!」

「移動中に偶に見かけたあれ、そうだったのか……」

 

ちょっと、ガラル地方にあったダイマックスの巣穴を思い出すな。

あれは面白かった。巣穴に潜り込むと、デカいポケモンがいるんだからな。

たまにキョダイマックスとか、普通とは違うとくせいのポケモンとかもいたし。

オレのサニーゴもその内の1匹だったし、昨日のバトルで使った個体は巣穴で捕まえたサニーゴから手に入れたタマゴが孵ったものだ。

 

「それじゃあ、テラスタルの効果について説明するぞ!まず、元々のタイプと同じタイプにテラスタルした場合。これはタイプ一致わざの威力が1.5倍から2倍になる!」

「シンプルな威力増強がやべえ……」

 

1.5倍と2倍だと、結果に全然差が出るぞ……。

この地方のバトルの火力、インフレしてそう。

 

「続いて、元々のタイプとは違うタイプにテラスタルした場合だが、こちらはそのタイプとのタイプ一致わざは1.5倍の威力になる」

「普通のタイプ一致わざと同じ感じって事ですね」

「加えて勘違いする人も多いんだが、元々のタイプのわざもそのまま1.5倍の威力で使えるぞ!」

「タイプが変わっても、そこは変わらないわけですか。……え、待って?悪用方法多くない?」

「悪用は言い方が悪いが、バトルの戦略性は圧倒的に広がるぞ!」

 

つまり、合計3つのタイプのわざがタイプ一致で使えるのか……。

滅茶苦茶便利じゃん。

今まで「このわざとこのポケモン、相性良いんだけどタイプ一致じゃないからイマイチ火力出なくて、結局バトルで活かせないんだよなー」があったけど、それが解消されるのか。

 

「後はそうだな……エゾマ先生は先日までガラル地方にいたそうだから、ダイマックスは知ってるはずだが、ダイマックスは交換のために手持ちに戻したら解除されるんだろう?」

「ああ、そうそう。そこが不便だったんですよね。……え、この言い方するってまさか?」

「ああ!テラスタルは手持ちに戻しても、バトル中はひんしにならない限りそのままだ!」

「無法じゃん!?」

「でも合法だな!」

 

あっはっはっ!と笑うキハダ先生だが、オレからすればこれまでのバトルの戦法やらなんやらがかなり修正が必要な話なので、滅茶苦茶に頭を回している。

つまりあれか、ダイマックスほどどのポケモンにも決戦力や耐久力を与えるわけではないが、タイプ変更によってあらゆる戦略性を与えると。

これは使い方が難しいぞ……。

 

「ところで、キノガッサというポケモンがいるな?」

「ん?ええ、ホウエンにもいたポケモンですよね?」

「ああ、このパルデアにもいるんだが、あのポケモンのタイプはくさとかくとうだ。つまりひこうが4倍弱点になるな」

「確かに」

「テラスタルで別のタイプにする、ないしくさかかくとうだけにした場合、弱点はテラスタル後のタイプに準拠するから、ひこうが4倍弱点じゃなくなるぞ!」

「強みは増えて弱点だけ減らせるのかよ……!?本当に合法なのかそれ!?」

「安心してくれ、合法だぞ!」

 

弱点多くて使いづらかったポケモンたちも、活躍できる可能性があるのか……!

パルデア凄えな!!

 

「まあ、後は体感してもらった方が早いだろう」

 

そう言いながら、モンスターボールを取り出すキハダ先生。

となれば、オレもなんだが……さて、どいつを出すべきか。

モンスターボールが1個震えて、全力で「ワタシ!ワタシでしょ!」ってアピールをしているんだが、たぶんキハダ先生はかくとうタイプ使いって感じがするから完全にメタになっちゃうだろお前だと。

ここは昨日も3vs3でトリとして頑張り続けたトリデプスにして、4倍弱点から2倍弱点になった時の防御力を試してみた……震えがもっと激しくなったー!?

 

「……その震えてるモンスターボールの子、使ってあげたらどうだろうか?」

「フェアリータイプなんですけど……大丈夫です?」

「タイプ相性で言えば確かに厳しいが、今回はお試しだ!もちろん大丈夫だぞ!」

「それじゃあ、お言葉に甘えて……おいで、ニンフィア」

「フィアー!」

 

やる気満々といった様子で出て来たニンフィア。

子供の頃から一緒にやって来た、と言うかオレの初めての手持ちだからかZわざやダイマックスの時も一番手を全力で持って行ったからな。

 

「それじゃあ、わたしたちもだ!ハリテヤマ!」

 

キハダ先生が出したのはやはりと言うかかくとうタイプのハリテヤマ。

力士の様な姿が特徴な、見たままのパワーと耐久力が強力なポケモンだな。

それじゃあ、テラスタルオーブを構えて、と。

 

「昨日の自分を越えていけ!明日に向かって押忍ッ!」

「初めてのテラスタル、一丁やってみようか!遠き彼方を照らせ!」

 

起動したテラスタルオーブをニンフィアに投げると、その頭にハートの王冠がつく。

反対に、キハダ先生のハリテヤマの頭には拳の形の王冠だ。

なるほど、これがテラスタルか。

タイプごとに王冠の形も違うって事か。これはそれぞれの形も覚えないとだな。

 

「いくぞ、ハリテヤマ!インファイト!!」

「気合い入れてけ、ニンフィア!ハイパーボイス!!」

「ハイパーボイス!?ノーマルタイプのわざはハリテヤマには……いや、これは!?」

 

一気に距離を詰め寄り殴りかかるハリテヤマと、それに対抗して盛大な大声を出し音圧で攻撃するニンフィア。

ハイパーボイスはノーマルタイプのわざで、かくとうタイプであるハリテヤマには本来ならば通りが並程度。

だが、オレのニンフィアならば話は別になる。

そのとくせいは『フェアリースキン』。ノーマルタイプのわざをフェアリータイプのわざに変換しつつ、ついでに強化もしてしまう強力なとくせいだ。

姐さんについてもらって計測したところ、その上昇値は1.2倍。そこにフェアリータイプ同士のタイプ一致補正も入るわけだが……今回はテラスタル中だ。

その数値は倍になる(・・・・・・・・・)

 

「ハリテヤマ!!」

 

インファイトのために近づこうとしたハリテヤマを、逆に押し返して校庭の壁に叩きつけてしまった。

そのままズルズルと地面に落ち、目を回して動かなくなる。

……ニンフィアのハイパーボイス、ここまでの威力はなかったはずなんだが、これがテラスタルの効果か。

恐ろしいもんだな……。

 

「フィアー!」

「おお、お疲れ様。戻っておいで、ニンフィア」

 

元気良くオレの周りを回るニンフィアをモンスターボールに戻し、同じくハリテヤマを戻したキハダ先生に近寄る。

 

「うん!よく鍛えられたニンフィアだったな!初めてのテラスタルでよく力を発揮できていたぞ!」

「ありがとうございます。胸をお借りしました。……あ、これハリテヤマにどうぞ」

「ああ、ありがとう!」

 

ハリテヤマに使ってもらうため、キハダ先生にげんきのかけらを渡しておく。

 

「それじゃあ、これでテラスタルの講習は終わりだ!無事使えてるようだし、大丈夫だな!後はバトルの中で慣れていってくれ!」

「オーケーです」

 

手の中のテラスタルオーブを弄りながら、新しい力に少し想いを馳せる。

ポケモンのタイプを変える程のエネルギー……か。

いや、これ以上は考えるまい。

あの時の繰り返しをするわけにはいかない。

 

「そうだ、一つこれは補足なんだが、これを渡しておくぞ!」

「ん?……何かの結晶?」

「それはテラピースという物で、光る洞窟のポケモンを倒した時に手に入る物だ!それを持ってチャンプルタウンの宝食堂に行くと、店主に気に入られた人ならポケモンのテラスタイプを変えて貰えるぞ!」

「後天的に変えれるの!?食堂で!?」

「食堂でだな!」

 

しかも宝食堂って、この間行ったばかりだよ!?

うっわ!ちょっと常連らしいアオキさんに聞いてみよ……連絡先知らねえ!!

聞いとけば良かった!!

……いや、初対面の時に名刺を貰ったはず!あれになら連絡先があるはずだ!!

 

「テラピースは各タイプごとにあるぞ!渡したそれはかくとうタイプのテラピースだな!かくとうタイプに変えたい時は、是非使ってくれ!」

「おお、重ね重ねありがとうございます」

 

かくとうタイプに変えたいポケモンか……。

ぼうぎょが高くてボディプレスを覚えるけど、かくとうタイプじゃないポケモンとかか?

それともアイツ……ハッ。これもまた未練だな。

少しばかり自嘲しながら、貰ったテラピースをしまっておく。

 

ああ、そうだ。

 

「頂いてばかりも心苦しいので、この後一緒に飯でもどうです?奢りますよ?」

「おお!それじゃあ遠慮なく!」

 

オレの申し出を快諾したキハダ先生だが、この人警戒心ってものはないのだろうか……?

女性が男性に飯に誘われて、しかも文脈的に2人きりだぞ……?

いや、まあどうこうするつもりはないけども。

 

 

 

 

なんにせよ、この後2人で焼肉に行った。

野菜など一切合切ない、純然たる焼肉だった。

いやあ、肉って良いなぁ。

 

……オレ、女性と一緒に行ったんだよな?

なんで肉しか食ってないんだ?

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