ブラック・ブレットー暗殺生業晴らし人ー 作:バロックス(駄犬
―――後日、第18地区警察署にて。
「おっはよーうございまぁす皆さぁん!!」
「・・・・」
自分のデスクにて茶を静かにすすっていた八洲許が嫌そうに頭を掻いた。署内に響いた声はスキップと鼻歌でやってきた田中熊九郎だ。彼は意気揚々とした笑みを浮かべてあろうことか、自分でお茶を汲み始める。
一体何が起きたのだろうか、と一同は思うがその理由は八洲許が広げた新聞紙の見出しにあった。
『大手運輸会社の闇、一人の刑事が暴く!!』
大きくそう書かれた文字を見て、八洲許はため息をついた。すぐさまニッコリとした笑顔の田中が近づく。彼はぱしん、と八洲許の肩を叩いて、
「どうしたんですか八洲許さん。お疲れのようですが、無理はしちゃいけませんよ?」
いつもなら”八洲許さん、何をモタモタしているの!”とオカマ口調の説教が始まるのだが、今回に限りそれはない。むしろ労いの言葉が向けられた。気味悪く思い八洲許は湯呑を置いてルンルン気分の田中の顔面に拳を叩き込みたい切に思ったがそれを抑えて、
「いえいえ、ありがとうございます。しかし田中さん、今回は大手柄でしたな」
対して田中は手を後ろでに組んで口角を上げた。
「ま、まぁ、私の捜査にかかればこの程度の事件なんてチョロイもんです」
と、態とらしく鼻を鳴らした。それを見て、やはり八洲許は笑顔の裏で思う。
・・・酔っ払って事件の現場にたまたま一人で出くわしただけだろうがッ
あの仕事の晩、誰も居なくなった倉庫に田中がやって来たらしく、そこには警察も現在指名手配中の犯人が気絶して倒れていたのだ、それも複数。これは七海が気絶させた者たちと八洲許は思った。そして極めつけは、殺害されていた矢野橋と、コンテナに積まれていた銃火器の数々。これは以前から噂されていた矢野橋海洋運輸の裏取引の現場なのだと、田中はビビリながらも推理。
すぐさま応援を呼び、指名手配犯を複数召し捕り、矢野橋海洋運輸の闇を暴いた田中熊九郎は一夜にして無能上司の汚名を返上するに至ったのである。ちなみに矢野橋海洋運輸機構はあれから数々の裏取引の内容が暴かれ始めて、これまでの複数の事件にも繋がりがあると考えられ、現在も捜査は続いているのだとか。
「全く、運が悪いんだか良いんだか」
「む、八洲許さん。何か言いましたか?」
「イイエ、ナニモ」
明らかにカタコトな返しに不審さを感じた田中だったが、そんな事よりと話題を変える。
「それよりも、聞いてくださいよ。私の今回の手柄! なんとあのスーパーエリートの櫃間(ひつま)警視総監からお褒めの言葉をもらえるのです!」
「ほう、良かったじゃないですか。 この前の厳罰処分も帳消し、評価も上がって一気に逆転しましたな。こりゃ私の出番なんて最初からなかったワケだ」
当たり前ですよ、と田中は薄目で当然のように言い放つ。
「誰も貴方には期待なんてしておりません。美味しいお茶を汲む事くらいしか脳がないんですから・・・おっと、そろそろ私は櫃間警視総監からのお呼び出しの時間がやって来たので、本庁に出かけてきます。くれぐれも私がいないからといって、仕事をサボるんじゃありませんよ。渋野くん!見張り宜しくッ」
「はぁ・・・」
隣で書類整理を行っていた渋野巡査にそう指示を出して、田中は部屋からまたしても鼻歌スキップで飛び出していったのだ。
「・・・くっそ、都合のイイところだけもって行きやがって。 やっぱやるんじゃなかったなーあの仕事」
ため息だけが漏れて、またお茶をすすった。結局のところ、今回の仕事は矢野橋を殺した事で結果的に窮地の田中を助けてしまうということになってしまった。厳罰処分か降格を望んでいた八洲許にとっては非常に残念でならない結末であった。
●
公道を走る黒塗りのベンツがある。どこぞの金持ちが乗っているのだと車のマニアなら誰もガ目を止めるだろう。その中には運転手と後部座席に座る二人の男がいた。
「退院おめでとう。将監」
「あんがとよ、三ヶ島さん」
運転するスーツの男、三ヶ島ロイヤルガーターの社長、三ヶ島にそう言われ将監はそっけなく返した。矢野橋の護衛任務後、将監は社長である三ヶ島の力も借りて病院に直行。二日ほどの治療を経て、無事に退院することが出来た。最初は痛みから開眼することも叶わなかった両目だが今は普通に開くことができている。
暫く無言の後、三ヶ島が呟いた。
「矢野橋はどこで知ったか分からないが、ウチの会社に関する重要な秘密を握られてしまってね。まぁ、文字通り今の私の立場を、または『三ヶ島ロイヤルガーター』を大きく揺るがしかねない弱みと言ってもいい。それを守る為に、君たちには危険な任務を押し付けてしまった事を・・・謝りたい」
「べつにいいんだぜ? こっちとしては、護衛対象が殺されて任務達成すら出来なかったからな。スケープゴートまがいな事されたのは間違いねぇから、ちとは有給休暇は通るんだろうな」
もちろんだ、と三ヶ島はバックミラー越しに頷いてみせた。
「しかし君が有給とは珍しい事もあるものだ。戦闘関連の仕事が暫くウチには来ていて、君がすぐに飛びかかってくるだろうと予想していたのに」
「三ヶ島さん、そりゃないぜ。俺はハイエナじゃねぇんだから」
残念がるように、将監は両手をあげて溜息をつく。やはり自らの評価というのは既に周りからは固定されているらしい。
「だが将監、どうしてまた休暇なんて」
「そりゃアイツが・・・」
次の言葉を言おうとして、将監が留まった。三ヶ島がある程度察して、ふーん、と小さく笑みを浮かべる。
「詮索無用・・・か。 まぁ、私にとっては君たちが我社の力となって良い成績を残してもらえればそれでいい。その為にもお互いの事をちゃんと気遣ってだな」
「あーもう、いいだろうがッ 早く夏世を拾いに行ってくれよ三ヶ島さん!!」
「そう言えば、彼女は今何をしているんだ?所要で出かけていると聞いているが」
「・・・・なんでも」
この問いに答えることもメンドくさいと感じる将監だったが、彼は頭を掻いて一言。
「友達の所だそうだ」
●
昼も近くなってきた頃、千寿夏世は待ち合わせとなっている公園のブランコに座っていた。平日なのに人が一人もいないのは当たり前なこの場所は夏世にとっても待ち合わせするにあたって都合がいいと思ったのだ。
だが、その相手がちゃんと来てはくれるかどうかは定かではない。一応、警察署の方で八洲許を通して言伝を頼んでおいたのだが、彼が自分の娘を思って何も言わない可能性もある。それは当然だ、なぜなら彼女は自分が呪われた子供だと知って恐れを抱いた筈なのだから。
「・・・ふぅ」
小さく溜息をついた後、脱力した瞳で空を移す。こんな鬱々とした気持ちを払拭してくれるくらいの快晴だ。この雲に紛れて飛んでいけたらどんなに楽なことだろうか、そんな事を考えていた時である。
「かーよーちーん」
背後からの声とともに夏世の視界が暗転する。それは明らかに人の手によって行われた目くらましだった。だがこう言った目隠しの場合、最初に視界を遮ってから自分が誰なのかを問いかけるという順番だったのではないか。
「・・・声でバレますよ七海さん」
「あはっ」
視界が明るくなり、夏世が振り返ると帽子を被った七海を見て夏世は少々驚いたようで、
「来てくれるとは思いませんでした。学校があるのでは?」
「勇次が用事で午後から登校するように学校に届け出してくれたんだ!時間的にもあんまりないけど、大丈夫だよ!」
そうなのですか、と夏世は一言告げて七海が隣のブランコに座った。そこからは暫く無言のままで時間だけが過ぎていく。お互いに気まずい雰囲気があったのは言うまでもなかったが、
「ごめんなさい」
その沈黙を最初に破ったのは夏世だった。
「七海さんの事を考えたら、私の正体、隠すしかありませんでした」
俯いて夏世続けていく。申し訳ないといったように膝の上で手を組んで、
「呪われた子供は大人から子供まで酷く嫌われているんです。同世代からも私は酷い事、言われたこともありました。それが慣れていたはずなのに」
自分の仕事上、呪われた子供だという事を聞いた人からは冷たい視線を浴びさせられた事が多かった。だが、将監の”道具になれ”という言葉で、心を押し殺して、そう言った冷たい視線を浴びても平気だったが、彼女、七海静香にだけはその畏怖の視線を浴びられることが耐えられなかった。
「簡単に言うなら、怖かったのかもしれません。七海さんが、せっかく出来た友達とも呼べるかもしれない相手が消えてしまうことに」
一晩だけだと言っても、夏世にとっては安らぎを感じた一時だった。自分に優しく接してくれた七海の心を裏切りたくない、そんな一心だったかもしれない。
「でもさ、夏世ちん。それは普通なんじゃないかな」
夏世の言葉に七海がこちらの顔を見て返した。
「私も、大切な友達がさ、どこか遠くに行ったりしたらヤダもん。そうならない為に自分の秘密を守ろうとすることあるよ。知られたくない事って、誰にでもあるしさ・・・」
「七海さんにも?」
「・・・うん」
七海はブランコの鎖を小さな手で、きゅっ、と握った。七海としても、自分の秘密も夏世と同じくらいに重大な物だ。確かに友人に隠し事をしない、という言葉もあるが知らなくても良い事もあるのだと七海は今回の仕事を通して知った。それが現状を大きく変えてしまうきっかけになってしまうことがあるからだ。
だが、七海は思う。”それがどうした”と、
「でも、そんなの関係ない」
自分が信じるのは千寿夏世のその心だ。また八洲許に青臭いなど言われるかもしれない。喧嘩の発端になるかもしれない。それは例え過ちを犯してしまった人だとしても、自分が信じる友達には変わりない。
「私はどんな事があっても、夏世ちんを信じるよ。勉強を教えてくれたり、一緒に遊んだりしてくれた優しい夏世ちんを、私は最後まで信じるって決めたんだ」
そして、過ちを犯しているとしたら自分も同じだ。だからその行為を辞めろとは言えない。そうしなければいけない事情があるのなら、仕方ないのかもしれない。だが、
「けど、戸惑い続けて欲しいんだ。ずっと、それが・・・多分、夏世ちんの本当の優しさだからさ」
殺しのマシーンとなったら終わりだ、とかつて八洲許に言われた事がある。確かに、ただ殺す為の道具になってしまえば、Yes,Noだけで行動を実行する楽な選択で殺しを出来るだろう。
だが八洲許は言った。
―――殺しに慣れたら終わりだ。お前は、これから一生、自分が殺した”業”を背負わなきゃならねぇ
彼から言わせたら、この稼業で人を殺した『罪の意識』という最大最悪の業を手放す事は、一番やってはいけないことだという。人を殺すという事にやるせなさと、切なさ、苦しさを感じ続ける事が、人間でいられる最低ラインなのだとか。
「七海・・・さん」
もしかすると、夏世はその一歩手前まで来ていたのかもしれない。だから、彼女がこれ以上遠くへ行ってしまわないように、七海の言葉は夏世にセーブを掛けるという意味で伝わった。勿論、これは七海が全て計算していた訳ではない。彼女が夏世を想う願いから生まれた偶然なのかもしれない。
「たまに遊ぼうよ。こうやってたまに会ったりしてさ。私の友達も紹介するよ!夏世ちんが知ってる色んな事、教えて欲しい。あ、あと・・・」
そう言うと、七海がポケットから自分の携帯を取り出した。
「友達同士、番号を交換しよう。 この前交換するつもりだったけど、ダルマに邪魔されちゃったから」
「・・・いいんですか?」
七海を気遣うような口調で夏世は言う。
「私が関われば、七海さんに迷惑が掛かる事が起きるかもしれませんよ。その時に一番辛い思いをするのは、七海さんなんですよ? それでも私と友達になってくれるっていうんですか?」
心の底では夏世は不安を感じていたのかもしれない。将監には友達に会いにいくと言って飛び出したのは良いが、これは自分だけが勝手に決めていた事だ。だからここで七海に拒否の反応を見られるのであれば、おとなしくさよらなだけを言うだけだったのに、
彼女は、七海静香はこちらを受け入れると言ってくれた。胸から溢れてくる気持ちは言いようがない。ただたまらなく、脇踊る何かを感じる。
そう戸惑っているか、喜んでいるかよく分からない感情にとらわれる夏世の背中を押すように七海が夏世の手を握った。
「何言ってんだよ夏世ちん」
七海は太陽のようににかっ、と笑って言うのだ。
「友達とは、”なる”のではなく、既に”なっている”ものなのだ!!」
深いようで、そうでないような言葉は、七海という人物を表すには一番適しているなと、夏世は思う。だが、自分はまさしく、この優しさに救われているのだと、この心の暖かさが示している。
「・・・ですよね、そうなのかもしれません」
お互いの表情は昨日知らずの内に殺し合っていた二人とは思えない。七海の光は夏世の曇っていた心を晴れやかにしたのだった。
●
―――その夜、八洲許の住むアパート『山根荘』。
「ほう、夏世ちゃんとメルアド交換できたか。良かったなー」
「えっへん! これで私の友達通帳に新たな名前が刻まれるのだ! 見たか勇次! 私は可能性の獣、七海静香!モブに出来ないことを平然とやってのける!!」
「残念だが、そこには痺れないし、憧れない。血だらけで帰ってきやがって、海水も染みてるから暫くはあの仕事着で仕事できねぇからな。着物の手入れは大変なんだ」
無い胸を張った七海を戒めるように八洲許は自分の布団を敷いていく。あの仕事の晩、七海は被弾しながらも海を潜って上手いこと夏世たちからバレずに観音長屋にたどり着くことが出来た。だが、夏世との戦いで着物は血だらけの海水塗れ。今は元締めに頼んでクリーニングに出しているという。
もう少し、スマートに仕事をやってもらいたいものだと思った八洲許だが、そんな事より七海に投げかける話題がある。これは、これからの彼女の晴らし人としての人生に関わる物だ。
「なぁ、七海」
「どうしたの勇次」
パジャマ姿の七海が首を傾げる。珍しく、八洲許が腕を組んで真剣な表情をしていたからだ。彼は小さく首を動かして言った。
「もしかしたら、これから夏世ちゃんみてぇな友達と殺し合いをする時があるかもしれねぇ。 お前がいいんなら、先に足を洗ってもいいんだぜ、この稼業からな。 墨とか美濃には話をつけておくからよ」
俯いて、七海は暫く黙る。八洲許の言うとおり、この先、どういった仕事があるか分からない。彼が選ぶ仕事には外道仕事は含まれないが、今回のように知り合った人物が仕事に関係のある場合があるかもしれないのだ。
「確かにさ、きつかったよ。夏世ちんに顔が分からないからって、銃口向けられて撃たれたのも。夏世ちんが自分の事を話してくれたのに、こっちは何も明かさないまま騙し通すのも」
お互いに顔が分からなかったら絶対に起きなかったであろう、と七海は思う。顔が割れていなかったとはいえ、友達である夏世に銃を向けられて、しかも撃たれるという事も、正体を明かさないまま彼女を騙したことは七海の心にはとても辛い事だった。
だが、そう言った事が平気で起きてしまうのがこの稼業だ。その辛い現実から八洲許は七海の事を想い、先に辞めさせようとしているのだろう。
「でも勇次、私は辞めないよ」
彼女は言う、強い意志を秘めた瞳で。
「絶対に、お母さん達の仇(かたき)をとるまでは絶対にやめないよ。その為に、勇次は私を晴らし人にしたんでしょ」
それに、と七海は続ける。
「私がいないと、勇次はただの怠け者になって仕事をしない人間になっちゃうから、実家の勇次の嫁に監視を任せられている身としては、引くに引けないのです」
深い、闇のようなその過去を思いながら八洲許は目を伏せる。確かに、彼女をこの道に引き込んだのは自分だ。ならば、その責任はしっかりと取らなければならない。それは他でもなく、彼女が目的を遂げるまでの見守り役としてだ。
「わかったわかった、この話は終わりだ。もう寝るぞバカヤロー」
「ば、バカっていうなし!バカじゃなくて名犬だし!」
自分で犬と言って恥ずかしくないのか、と八洲許は思ったがあまり気にしていてはただただ、このやり取りに疲れるだけだと彼は布団に入る、だが。
「・・・なんでお前まで入ってくるんだ」
何故か自分の布団に七海までもが入ってきたのだ。彼女は、八洲許の肩にしがみつく。最初は無理やり引き剥がそうかと考えて居た八洲許だが途中になってその考えを中断させた。
「・・・ごめんなさい」
小さく震えるその両肩が物語る、七海の謝辞に八洲許は彼女の頭の上に手を置いた。彼女は震える声で続ける。
「いっぱい酷いこと言って、ごめんなさい」
八洲許は彼女の頭を撫でる。犬の頭を撫でるように優しく、不快感を与えないうようにゆっくりとだ。
「俺も似たような事したろ」
「死ねとか言ってごめんなさい」
「竹刀でいっぱい叩いちまった。悪かった」
お互いが謝りながら八洲許は両腕で七海を引き寄せると何も言わずにその胸に抱きしめる。小さな七海の体温が、彼女の存在がとても儚いと感じられた。
これから、彼女の選んだこの血に染まった稼業の本当の戦いが始まるだろう。自分と同じように、どうにもならない現実と、悲劇に、惑う時が来るかもしれない。そこで彼女の心が壊れてしまわないように、自分が彼女を守らなくてはならない。それが、七海の父親替わりを務める自分の役目なのだ。
「今日は、ここで寝てもいいでしょ」
涙で安元の胸元のシャツを濡らした七海そう呟いて八洲許は、仕方ないと言った表情で頷いてみせた。
「お前がいいんならそれでいいぞ。 いつでも隣は空けておいてやるからな」
「えへへ」
小さく笑みを浮かべた七海は安心したように目を閉じた。八洲許もその顔を愛おしくも思いながら、同じく深い眠りについた。
―――七海の晴らし人としての戦いはまだ始まったばかりだ。
「・・・やっぱ無理」
しかし、暫くしてやっぱり八洲許の加齢臭が気になって結局は自分の布団を再度敷いて眠りに入る七海であった。
―――ちなみに。
「ところで社長。ウチが握られてた”弱み”ってのはなんだったんだ」
「私も気になります。会社の危機に関わることだとか」
「・・・これはトップシークレットだ。下手をすると、君たちの首を保証できなくなる、まさしく、社会の闇という奴だ」
・・・言えない。
「そ、そうか。なら無理して聞かなくてもいいよな夏世」
・・・断じて言えるわけがないッ
「そうですね。将監さんは脳筋バスターソードで戦えればいいんですから」
・・・この私がッ
「分かればいいのだ。まぁ将監の退院記念に今日は焼肉でも行くか、勿論この私の奢りだ」
「「やったぜ」」
・・・三ヶ島ロイヤルガーターの社長であるこの私、三ヶ島影以がッ
夏世と将監の追求を上手く躱した三ヶ島は冷や汗を浮かべながら運転中にも関わらず正面に広がる東京エリアの青い空を見上げて内心で続けた。
・・・超高級SMクラブのVIP会員で、鞭打ちプレイにより恍惚な表情を浮かべている写真をネタに脅されていたなんて、絶対に言えるわけがないッ!!
―――仮面無用、完。
はい、終わりました仮面無用。 田中さまは七海が殺した矢野橋を見つけて大手柄を立てて見事逆転ホームランを打ちました。三ヶ島社長は外見有能なイケメン社長だけど凄い性癖の持ち主じゃないかなという腐った妄想から生まれた今回のオチでした。 仮面無用は長引いた。なんでこんなに長引いたって、これでも省略したほうなのです。
本当はこの話、弱みを握られて矢野橋というキモデブ野郎に頭を無理やりナデナデされる涙目の夏世ちゃんが描きたかっんですが、”なげーよオイ!”とセルフツッコミを入れて没になりました。将監のところも、ホントは墨さんが気絶させた後に七海が夏世を将監から開放するために将監を殺そうとして、それを夏世が庇う、という夏世のダメンズウォーカーっぷりを出したかったのですが結局は没、とカットカット。急ぎ足になってしまったのが悔やまれますね。
蛭子親子はパパの方だけ顔出し、カマキリな鹿目まどかは後日出てくると思ってくれて構いません。取り敢えず、自分では結構シリアス続いたなぁと思ってました。最後のオチのせいで、ギャグじゃね?と思った人もいるかもしれませんが。 まぁこの話自体、犬とイルカの友情物語みたいなもんですし。最初は将監を物理的にフェードアウトさせて夏世を晴らし人にしようかと思いましたが、人殺しに戸惑ってる彼女を殺し専門にさせてしまうのはどうなのか、と思ったら無理でした。
そしてもう既に気付いている人もいるかもしれませんが、しれっと櫃間さんが出てたり。まぁ警視総監のほうですが。 トップの人から直接褒められること実際あるか?と思うかもしれませんが、まぁスルーしてください。
さぁ、真面目にやったしもういいでしょう。あいまいみーでも見ながら、私はギャグ回を書く事にしました。という訳で、次回予告も勝手にやります。だから木更さんのギャラはありません。
「暗殺生業晴らし人第七話、~蓮太郎、目玉焼きを焼く~」
なんだ、もうタイトルでネタバレじゃないか(白目)
次回も宜しくお願いします。