〜〜〜同時刻:ゆきなみ・CIC〜〜〜
磯風が、生きている。よかった...そう思っているのも束の間、俺は
「左対水上戦闘、主砲、射撃管制!」
「了解、主砲、127mmコンバット砲射撃照準!」
といい、砲術長が主砲操作盤を使用する。副長が
「...やるのですか」
「ああ、やってやる...!左砲戦70°、仰角-2°照準!」
「了解...!」
と砲雷長が復唱する。...ゆきなみ型護衛艦、こんごう型護衛艦の改良型でもある主砲のオートメラーラ社製127mm単装速射砲がゆっくりと米海軍巡洋艦ヨークタウンに照準を合わせ、
「第一目標照準、よし!」
「主砲、撃ちー方始め!」
「撃ちー方始め!」
127mm単装速射砲が、火を吹きながら、砲弾がヨークタウンに向かってゆく___
〜〜〜数分前:ヨークタウン・CIC〜〜〜
「レーダーに反応、11時の方向距離80マイル、脱走した哨戒艇です」
「分かった。流石にハープーンやトマホークを使う訳にはいかないからな。主砲でよい。」
「イエッサー!5インチ砲、レディ!」
と砲雷長がそう言うとヨークタウンの主砲であるMk-42 5インチ単装速射砲Mod-1がゆっくりと動き
「司令部からは撃沈しろ、そう言われているが最初は威嚇だ。いいな?」
「イエッサー、5インチ砲、ファイア!」
すると、主砲が磯風が乗船している哨戒艇に発砲し、その哨戒艇に至近距離に着弾する。だがそれでは哨戒艇は止まらない。
「...仕方がない、砲術士、次は当てろ」
「イエッサー!」
と言い、引き金を引こうとする___だがしかし
<<右舷近くに着弾!>>
と言う報告と共に艦内には衝撃波が一気に来る。そう、ゆきなみの砲撃であった。
「!?コマンダー、水上レーダーに反応、...これは...!ゆきなみ級ミサイル巡洋艦です!」
※実際、海上自衛隊はほぼ全ての艦は護衛艦に識別されるがまや型みたいな7000トンを超える護衛艦は外国によっては巡洋艦に識別される事もある。
「なんだと...!?何故探知出来なかった!」
「ゆきなみ級には多少のステルス機能が搭載されているのでそれが働いたのでしょう。」
と副長が冷静に答える。だが優先して排除すべき順位が変わった事は事実
「砲雷長、主砲照準をゆきなみ級へ____」
「敵、発砲!」
「!?衝撃に備え!」
すると、ゆきなみから放たれた一式弾(護衛艦搭載型)がVLS近くに被弾する。ゴゴゴと言う音と共にミシミシと艦内に鳴り響く。だが____
「...爆破、しない?」
<<こちら応急指揮所!VLSと一番主砲塔近くに被弾確認!浸水発生!>>
「砲術科も向かわせろ!絶対にVLSには水一滴も入らせるな!」
「ですが、爆破がしません」
「いや、違う。奴は、奴はあえて無弾頭を撃ったんだ...!」
「は...?」
「クソッ、しくじった!今のでVLS、1番主砲が使えない...!ハープーンはちょうどサンフランシスコに置いてきている...」
やられた。そうCICにいる者たちはそう思った。無理やり動くと傷口を抉るだけ。応急処置が終わるまで、CICにいる乗務員たちは助け出されてゆく人質を、モニターで見る事しか出来なかった____
〜〜〜同時刻:19号型哨戒艇・艦橋:磯風優希〜〜〜
ただ、呆然としていた。僕は目の前で起こっていた海戦を観戦するしか無かった。機銃は37mmの機関砲に換装されているが所詮巡洋艦。豆鉄砲にしかならなかった。
「イソカゼ、大丈夫か?」
「...ああ」
と僕は回答する。本船に近づく、ゆきなみを見ながら___
作「やっと、やっと時を進めれる...!」