トレセン学園のとある一室、カーテンが閉め切られた空き教室にて、チーム『怒理威夢』のメンバーが集っていた。
しかし…この場に彼女らを担当する予定のトレーナーはいない。
まぁ生徒だけだからこそ、まじりっけ無く話せることもあるのだろう。
トレーナーもこの集いのことは未だ知らないし、知らされてもいない。
まぁ、仲間内でつるむのに、いちいちトレーナーの了承も要らないだろうが。
そして、今回の集いの主目的は……。
「ほ〜ん。そんで、デュラちゃんはあの人が自分のトレーナーで良いって認めたんスか?」
マスクをつけた小柄な栗毛のウマ娘の言葉に、デュラちゃんはコクリと小さく頷く。
「写メ…さっそく待ち受けにした…」
画面を一同に向けて、携帯の画面を見せる。
あのトレーナーとデュラちゃんのツーショット写真だ。
「おお〜…」と声が上がり、次第に笑いに変わる。
「くくく…こりゃまた、近年稀に見るキョトン顔っスねぇ〜…」
「まぁ、まずは合格と言ったところか…だが、せめてあとひとりには認められてほしいモンだがねぇ…」
一見、画面を見せびらかすデュラちゃんの表情には特に大きな変化は見られない。だが、付き合いの長いメンバー達には口元が少し上がっているのが見て分かった。
高く掲げられた画面から、自慢げなのもわかる。
「ククク…だが奴は我々気性難四天王最弱…(なお、比較対象…)」
「次はアンタが行くっスよ!!超絶ワガママ!!ヤダヤダ魔女っ娘スイープたん!!」
そう言う一同の視線の先には…。
シン……。
「アレ?」
「そういや、今日はあのコ来てないっスか?暗い教室に集まるとか、魔女の集まりっぽくていいわね〜とか言ってたのに…」
「また教官にでも捕まってんじゃあねーの?」
「もしくは補修か…」
そんな時、ガラッと教室の扉が開く。
「おっす〜♪みんな集まってどした〜?まぁちょうどいいや!!アタシらと阿寒湖マリモパーティーしよーぜ〜♪」
一昔前のゲームハードを手に、学園きっての問題児であるゴールドシップがやって来た。
「ゴルシさん…」
「わたしもいますよ〜?」
その後ろからひょっこりと顔を見せるのは優等生でありながら、そのゴールドシップの盟友、ジャスタウェイだ。
「ったく…アンタといい、リョテイさんといい、ナカヤマといい…けっこう好き放題寄ってくれるな…」
「まーいいだろ〜?仲良くやろうぜぇ〜?」
「フフフ…わたしは新たなる芦毛ちゃん達との出会いがあれば何でも…」
「ジャス?」
「って言うのは冗談ですはい!!」
盟友にジロリと睨まれ、前言撤回するジャスタウェイ。
まぁこれもいつもの通りだ。
そうして、遠からず二度目の試練がトレーナーにやってくるのであった。
次は誰になるんじゃろ?