「ふぁ〜…寝不足気味だなぁ…」
昨夜は色々とトレーニングメニューとか考えててろくに眠れなかった…。
チームトレーナーになるって、こんなに大変だったのか…。
ま、とは言っても彼女の姉からは「少し…考えさしてもらえますかい?」って、切実な表情で言われたから先延ばしにしたんだけど…。
現状オレの担当は、あの子だけだけども。
念のためもうひとり分のトレーニングメニューの候補も幾つか用意してある。
そもそも別に強制でチームに入れってわけでも無い。
あの子の中で、オレと組む以外にレースをするってビジョンがあるんだったら、それに従うのもまたありだろうし…。
と…考え事をしている間に、そろそろトレーナー室が見えてきて…。
「って、アレ?」
トレーナー室の扉が少し空いてる…。
昨夜ちゃんと鍵かけたよなぁ?
そんなことを思いつつ、ガラガラ…と扉を開けると…。
「え、何コレ?」
そこには既に数名のウマ娘たちが集まっていた。
ソファーでゴロゴロしている子、その横で来客用の机を使って神経衰弱をしている子、何やらトランプでババ抜きをしながら賭けをしている子、ただその場に直立不動の状態のまま、何が何やらよくわからないことをしている子…。
「おん?」
「オイリーダー…来たぜ?」
入り口に立つオレに、一斉に視線が向く。
「や、やぁ…君たちは…」
「ああ、勝手にたむろってるだけっスよ。大抵この面子で」
「なぁ〜んか波長が合うんだよなぁ〜」
「な」
唖然としていると、背後から声が聞こえてきた。
「あ、どもっス…」
そんな中で、オレが担当することになったマスクの彼女がついさっきやってきたと言った風な様子で立っていた。
「アネキ…コレは一体?」
「あん?決まってんだろ。『怒理威夢』のリーダーであるアタシをスカウトするってのがどう言うことか…試してもらうためさ」
以前よりも、言葉にドスが無い。
恐らく興奮するとあの怖い口調になるらしい。
それにしても…。
「試すっていうと?」
「アタシのチームは所謂トレセン学園のはみ出しモン。アンタは理事長に頼まれてチームを組むことになったんだろう?なら、そんな連中を束ねる器量があるか…しばらく世話になってみようってわけさね」
「ふむ…なるほど…」
確かに、遅かれ早かれチームを組むのはほぼほぼ決定事項。
理事長も、それに目の前の彼女らも、勢いとは言えあんな大言壮語を吐いたオレに期待を寄せて貰えているのは素直に嬉しい。
それに…今更無理ですなんて言えないし…。
「なるほど。要するにお試し期間…ってヤツか?」
「まぁ、そんなとこかね」
えぇ〜…マジでかぁ〜…。
まさかトレーナー一年生で、急にこのメンバーを見ることになったとは…。
…まぁやるだけやってみるけどさぁ,
トホホ…。
次回、メンバー紹介。