3.4が近くなったので急いで書き上げました
璃月港に戻ってきた頃にはもう、日は天衡山の向こうへと行っていた。
注文した料理が届くと、ちょうどよく講談師の声が響く。
さて、今日は璃月が建国される迄の話です。
「へえ。今日は面白そうな話だな…」
空とパイモンの方を見ると、二人は箸を片手に聴こうとしているよう。俺もなんだけど。
約6000年前、現在の岩王帝君は璃月に降臨し、仙人と共に天衡山で人々を導き始めました。
現在存在する黒岩場は、この頃から採掘が行われていたそうです。
「黒岩場…行かないから印象薄かったけど、そんな昔からあったんだね。」
「それは確かに。」
ーーこの頃、帝君には仲の良い魔神がいました。
塵の魔神「帰終」と言い、絡繰りの扱いに長けた魔神です。
「帰終機」も、彼女が発明したものだとか。
そのうち帝君は、帰終が治めていた場所へ、民と共に移り住みました。
帝君の庇護下にあった人々は「離の民」と呼ばれ、その「離」と彼女の名から、その場所は「帰離集」や「帰離原」と呼ばれました。
そして時が経ち、魔神戦争が始まりました。
民を護る為、帝君と帰終は必死で戦いました。しかしーーー
「しかし…ってどう言う事だ?」
「……」
帰終という神は現代たる今では歴史書などでしか聞かない。
つまりーー
ーーー戦いの中で、帰終は命を落としてしまいました。
ーーそういう事なのだ。
ーー残されたのは帝君、帰離集、そして護っていた民。
帰離集は崩壊し、全てでなくとも多くの民が殺されてしまいました。
「…これが、あの幽霊が死んじゃった経緯なのか…」
「魔神に、殺された…」
力があればというあの言葉。
今考えれば、近そうであまりにも遠すぎる願いだったのだ。
ーー帝君は民を護るために、残された人々、そして仙人たちと共に南へと向かいます。
「世の塵を払い、民を守る」。
たどり着いたその場所で、岩王帝君は「璃月」という国を興したのです。
◇
「ーー如何だったでしょうか? この筋の講談をするのは初めてでして。」
その声に、俺は軽く拍手で答えた。空とパイモンも、同じのよう。
「んじゃ、冷めてきてるだろうし早く食べるか。」
「そうだな!」
改めて3人で食べ始める。
そうやって舌鼓を打っていると、見知った顔が見えた。
「あーっ! 桜雹に旅人たちだ!」
「3人が同時に居るのは初めてだな。」
遠目に見えたのは胡桃と鍾離先生。2人が外で一緒にいるのも珍しいのだがまぁいい。
「え、桜雹って胡桃たちと知り合いなのか?」
「知り合いも何もねぇ…」
「揃って往生堂に勤めてるよ?」
彼女と息を合わせてそう言う。
真正面にいるパイモンは何故か固まっていた。
「え、えーっと…だな…
あ、そうだ! 魈から聞いたけど、桜雹に恋仲の人がいるって本当なのか?」
「え、師匠それ知ってんの!?」
「ふ〜ん…」
「まぁ、居るけど…
…そこに。」
「えっ?」
「…あ、なるほど。」
意味が分からず頭にハテナを浮かべてるパイモン。
逆に空は理解してるようで、早々にネタバラシが要りそうだ。
「あーっと…胡桃のことだよ?」
そう言って見回すと、空はやっぱりかと手を頭に当てている。
胡桃はニヤニヤしてるし、鍾離先生は無言だ。
そしてパイモンだがーー
「えぇぇぇぇぇーーーーー!?」
その日の夕方、璃月港に1人の叫び声が響いた。
-伝説任務・桜花の章 第一幕 雹が舞い散る時 完-
えー、ハイ。
1ヶ月更新してなくてすみませんでした。
海灯祭…頑張って介入させられるように頑張ります…
あとキャラ設定も書きます…