蝶舞う時、桜花咲く   作:週末ラテ少年

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後半ガチャになってから更新する作者ェ…



唯流れ行く日常
とある朝の一幕


「……なんか暑い。」

 

 

 開口一番がそれである。

 

 海灯祭が近づきつつある冬の朝、布団の中。

 仕事の都合上夜型になってしまうのが俺の生活習慣であるために、寝具は良いものを使う。その弊害で、冬物で寝る時は暑くなりがちなのだが、今回はそれ以上なのだ。

 まぁ、恐らく()()なのだろう。そう思って布団を軽くめくる。

 

 

「…ぅ…すぅ…」

 

 

 やっぱりだった。

 そこにいたのは胡桃。上司であり、幼馴染であり、可愛い彼女でもある。普段は別々の部屋で寝てるのだが、たまにこうなるのだ。寝る前に「私は詩を書いてから〜…」とか言ってたし、その後に部屋に入ってきたのだろうか。

 

 それは置いといて、この状況をどうにかしなければ。

 今日は揃って休日だし、仕事の日のように無理矢理起こすなり布団の中に彼女一人残していくなりという選択肢は取らずとも良い。後者については、胡桃が機嫌をすんごく悪くするから殆どしないのだが。

 とりあえず、胡桃を起こさないように布団から…出……て………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……暑い。」

 

 

 開口一番がそれ…って、もしかして―――

 時計を見る。短いほうの針が指しているのは1()2()の数字。そして感じる胴体が締め付けられるような感覚。

 感覚は置いといて、二度寝してしまったようだ。

 

 

「あ、起きたー?」

 

 

「え? まぁ、今ね。

……で、なんで俺を()()()()()()わけ?」

 

 

「別にいいじゃん。それとも、可愛い彼女に抱きしめられるのが嫌なの〜?」

 

 

「嫌ではないけどさ…」

 

 

 たまに人肌が恋しくなるとかそういうわけでは断じてない。胡桃の気分なんだろうが、()()()()()()()()()()()のだ。純粋な愛情表現なのか、俺がいるとはいえの寂しさを紛らわすための行為なのかはわからない。

 

 

「ほら、今日は休みの日だけどベッドで半日過ごしてんだからさ。ご飯食べよ。」

 

 

「はぁ~い。」

 

 

 引き剝がしながらも優しく胡桃を下ろし、台所へと向かう。

 基本的に料理は俺がやっている。得意の部類に一応入っているからというのもなくはないのだが、胡桃は料理が下手なのだ。仕方ないってのもある。

 慣れた手つきで軽めの料理を作り、先に食べ始める。暫くすれば胡桃もやって来て、同じくといったところ。

 

 

「あ、本日のご予定はー?」

 

「そだなぁ…。そだ、花屋行ってこよ。」

 

 

 そういえば、新年を迎えた訳だから花屋の品揃えも変わっているはず。

 我が家はそれなりに質素な雰囲気だから、花は飾り立てにちょうど良いのだ。因みに、一番好きなのは桜である。

 

 

「分かった! 私は街をぶらぶらしながら何かしらしとくよー。」

 

「了解。総務司の世話になる事はしないでよねー?」

 

 

 一応釘は刺しておくが、それでもやりかねないのが胡桃。

 洗い物を片付ける間にもう行ってしまった彼女を遠目に、そんな事を考えるのだった。俺も早めに行っておこう。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「よし、こんなもんかな。」

 

 装飾用の花、それと食材諸々。大方買い終わり、満足げである。

 それでも暇――という訳で、海を眺めていた。

 眼下の埠頭を覗くと、毎年のように建てられる提灯などの飾りをつけているのがやや小さく見えている。いい感じだし、撮っておこう。

 肩から提げている写真機を出し、何枚か撮っておく。と、声が聞こえてきた。

 

海灯音楽祭、どんなのになるんだろうなぁ。

 

 「海灯音楽祭」…?

 去年の目玉イベントは稲妻から輸入した花火だったが、今年のそれだろうか。面白そうだし、胡桃にも話しておこう。

 

 そうして帰宅したわけだが、胡桃はおらず。代わりに書き置きがあった。

 

 

「なになに……『辛炎と雲菫のとこに行ってくる』?」

 

 

 辛炎……ロックミュージシャンの彼女のところということは、胡桃はもう聞きつけているのだろうか。

 

 また何か企んでいそうだ。そう思いつつも、買ってきたものの収納に手をつけ始めるのだった。




後半ガチャ…神引きしてしまいました…
だが私は謝らない()
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