頭が痛い
というよりこの方頭痛が止まった記憶が無い
寝ても寝てもいつまでも夢を見ることは出来ない
頭痛が全てを支配し、モンエナジーは喉を何回も通る
全てはコイツ…いや、コイツ"ら"のせいだ
「…お前ら静かに出来ねぇのかよ」
『無理』
「軽く死んでくれや」
○
事の始まりはとある公園だ
俺はあの時ある人を探していたから、公園に居た
まぁこんなに探してもいないヤツだ
高校生になっても見つからないなら諦めるしかない
そう思い、公園のベンチに座りコーヒーを飲む
「…はぁ」
コーヒーの苦さが余計に哀愁を誘った
青い缶コーヒーをゴミ箱に投げ捨てる
季節は冬で、その温かさが胸に残った
雪はまだ降ってない、まだ冬の初めだ
マフラーをキツめに巻く
熱を逃がしたくない、あまりに寒いのは嫌だ
そう、思った時だった
「…」
何か、聞こえた
最初ら風が落ち葉を転がす音かと思った
だがそこらの木はハゲ散らかしている
枯葉はどこにも落ちていない
俺は、下に目を移した
この時に何も見なかった事にすれば良かった
「…もし」
「…Holy shit」
自分の足元に、人影があった
いや、普通あるはずが無い
自分が見下ろすというのは、有り得ないのだ
赤子が下に居ればみるだろう
だが、赤子の声は聞こえない
聞こえるのは女性の声
「…もし、もし」
「あ、聞こえてるぞ…」
目の前のそれが受け入れられない
なんだコイツ
俺は幻覚でも見ているのか?
なんだあの9cmくらいの人型は
俺はジオラマの町に入り込んだのか?
逆か?ジオラマの人間がこっちに入り込んだのか?
困惑する俺に彼女は質問をしてきた
俺の方が質問したいよ
「唐突なんですが、貴方の家に入らせて頂けないでしょうか…」
特徴的な、ドアカバーの様な帽子を被った女はそう言う
コイツを家に上がらせるか
この金髪胡散臭野郎を信用して家にあがらせるか
とはいえ多分大丈夫だろう
見たところ見た目がアレなだけだ
元の大きさだったらべっぴんさんが誘っているような物だろう
ここから少し見える顔…傘に隠れて少しだけ見えたが…
それはかなり、人間の物とは思えないものだった
「…分かった」
俺はそう言うと、彼女を手で掴む
これで多分何かしようにも出来ない筈だ
コイツは勘で分かるが人間じゃない、それだけは確実だ
手の中で少し震えていたが、抵抗が止まった
何も握り潰す気じゃないんだよ、俺は
そう思いながら帰路についたのであった
○
俺は街から少し外れたところの家に住んでいる高校生だ
外れていると言えど、ほんの一キロだ
いつもは自転車を使い、直ぐに帰っている
だが、今回は歩きだ
本来ならかなり帰るのが遅く感じるだろう
特にこの得体の知れない者を持っていれば
こいつについてよく分からない
というか頭の中で議論中である
こいつが爆弾か、それとも赤子か
それが分からない
こんなに小さいのが強い、というのは童話でよくある
一寸の戦士にやられた者に石を投げられて死んだ者
チビが油断出来ないのは、歴史が証明している
家に入り、自室に上がる
握り込む必要も無いので手のひらに乗せている
やはり小さい、見ての通り9cmだった
机の上にソイツを置いて、俺は椅子に座った
「…はぁ」
出かける前に用意しておいたココアを飲む
陰陽玉の描かれたソレを机に置く
「…何者だ、お前」
ポツリと、俺は言う
こいつがただの人間じゃ無いことは分かりきっている
見た目からわかるそれを、俺は聞く
「…私は八雲紫、幻想郷という場所の管理人です」
「…そうかい、その管理人がどうしてここに」
そこからは彼女…紫の説明だった
幻想郷という所には妖怪などの忘れられた者達が集まるらしい
自然に誘われる結界のおかげでもあるらしい
ある時そこで異変が起き、全てが崩壊した
避難はできたらしいのだが、反動で体が小さくなった挙句外に飛ばされた
力も元より少なくなった
しかも冬である
この寒さの中逃げ場を探さなければならない
そこで俺に声をかけたという訳だ
たまたま公園ベンチに居た俺に声をかけた
もしかしたら悲鳴を上げて潰されていたかも知れないのに
こうしてきてみれば結界を貼るにもよく、街からも近くも遠くもない
「…なるほど、そう言う…」
俺はため息をついた
この身にあるのは有り余る金と、生きていくだけの人生
そこにこんなに刺激があっても悪くはないかもしれない
「…良いでしょうか」
「良いだろう、分かった…だが条件がある」
俺は一つだけ、と付け足した
彼女が息を飲む声が聞こえた
もしかして性玩具になれとか言われると思ってんるじゃ…
まぁ、そんなものじゃない
「その幻想郷を見せてみろよ、お前が元に戻ったらな」
「…えぇ、喜んで」
…
「して、八雲だったか」
「えぇ、私はそういう名前ですわ」
「俺は…
「いい名前ですわね」
「褒めても何も出ねぇよ、俺は寝るよ」
布団に横になった
後は、彼女達に任せればいい
…この時任せなければ良かったと、後悔した
灰汁「…なんかしたうるせぇな、何してんだ」
下
紫「皆静かにィ!?弾幕ごっこをするなぁ!?」
皆「「「コイツが悪い!!!」」」