幻想郷in my house   作:回忌

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ポケット

「お前らの飯?そこに食パンあるだろ」

 

「ジャムないの?」

 

「贅沢イズ敵、今日買い出し」

 

ゴミを捨て、適当に会話して上に上がる

食パンでぶーぶー言うな、あんたら保護されてる身やぞ

買い出しの為に袋を持っていくことにする

変に大きなリュックとか要らない

 

部屋に飾ってある百合に水をやる

昔から飾ってる花だ、露がとても綺麗だ

俺にとって大切な花であるため枯らしたくない

不思議な事にまだ枯れてない、貰ったのはいつだっけな…

 

紫が「綺麗な花ね」と褒めてくれる

俺はそうだな、と返しておいた

あ、と俺は呟き彼女に買い出しに行くことにした

 

「買い出しね、分かったわ」

 

紫はそう言うと、どこかに消えていった

俺はくいと首を伸ばすとレッグポーチに袋をぶち込む

そうして、部屋から出て外に行こうとした時だった

 

「…?誰だ?」

 

こんこんと、キリよくドアがノックされた

スイマセーンと誰かの声がする、高校生くらいか?

とはいえここの年齢を見た目と声で判断できんが…

 

ガチャりとドアを開ける

 

「こんにちは、家主さん」

 

「こんにちは」

 

「…誰だあんたら」

 

ドアを開けるとふよふよと何かが浮いていた

ピンクと白銀、例えるならそれだろうか

 

白髪の方は真面目な顔で、刀を二本帯刀している

多分真剣だろうな、飾りには全く見えない…

服は緑でスカートも緑、スカートには人魂らしき模様がある

 

ピンクの方はゆったりとした顔で、扇子をひらひらとしている

水色の着物がかなり幽玄的だ、後それを押し上げているおもち

にこにことした笑顔が全く崩れないのが怖い、紫はただ胡散臭いだけなんだが…

 

にしても対象的な奴らが来たな

俺に何のようなんだろうか…

 

「私、白玉楼の主である西行寺幽々子と申します」

 

「その従者の魂魄妖夢です、よろしくお願いします」

 

「…敷霊灰汁、なんとでも呼んでくれ」

 

ひらひらと手を振る

本当に、何のようなのだろうか

彼女達がただ顔見せで来るわけも無いだろう

 

「実は折り入って頼みがありまして」

 

「おん」

 

「今から買い出しに行くそうで?」

 

「そうだな」

 

「ついて行きたいのです」

 

「…えぇ」

 

それは流石に無理だと思うが…

お前らを秘匿する為にポッケに突っ込める訳でもない

こいつらちゃんと骨があるだろ、無理に扱ったら死んでまう

別に1人くらい…いやいやダメだわ

 

「無理だろ、あんたらどうやって着いてくるんだ」

 

「ポケットの中に?」

 

「透明になれる訳でもないんだ、ほらお帰りになって下さい」

 

「あーれ〜」

 

ドスドスと押していきリビングに戻してやる

デコピンでぶっ飛ばして戻ってこれないようにする

特に確認もせずに玄関に向かう

 

そして、下駄箱から靴を取りだして靴を履こうと一旦座る

 

「…?」

 

何か、違和感がした

何かが俺に触れて、何かをした?

気味の悪い、何が起こったのか分からん…

 

「誰だ」

 

辺りに、この玄関全体に軽い威圧をする

彼女達から見れば痒くも無いレベルだろうが…

そもそもとしてなんの反応も帰ってくることは無かった

何だか恥ずかしいことをしてしまった…

 

そう思いながら俺はガチャりとドアを開けた

 

 

さてさてこのド田舎にも流石にスーパー位はある

デパートとなると流石に存在しない

ただこのド田舎から出ればデカイデパートがある

生活するだけには困らないが娯楽には困る

ゲームとか購入してなかったら腹上死するとこだった…

 

「ついたついた」

 

スーパーについた俺はカゴを取り食べ物のところに行く

人参やら卵やらが積んであるのが分かる

俺はじゃがいもやらなんやらを取っていく

 

にしても最近は忙しい

こうやって買い物に来る頻度が狭まった気がする

 

…なんでだろうなぁ

 

「お前、灰汁か?」

 

「霊覇?」

 

声に気づいて振り返るとそこには例はと斬鬼の姿があった

何故か知らんがかなり引いていた

俺が何をしたって言うんだ?

 

「いやすまん、アホみたいに菓子買ってるから誰か一瞬分からなかった」

 

「…は?」

 

俺はあわててカゴを確認する

なるほど、これはアホだ

砂糖菓子、菓子パン、クッキー、ぽぺとちっすぷ…

 

アホみたいな菓子詰めだ

んなもん食ってたら不健康になっちまう

入れたのは仕方ないので買うことにしよう…

 

「…霊覇、あいつのカゴ持っといてくれ」

 

「…分かった」

 

少々の間の後霊覇はそう答えた

霊覇が俺のカゴを奪うようにとる

2人はカゴ持っておらず、軽い買い物に来たことが分かる

 

「トイレ行くぞ、場所が悪い」

 

「…あぁ」

 

釈然としないが、彼の言う通りにすることにした

後々面倒くさそうだし、まぁ、良いか

 

何か気になることがあるらしい

 

 

トイレに入る

汚臭がまったくしない、田舎にしては綺麗すぎるトイレだ

ここの清掃員が本気すぎるというものあるが…

 

「さて…」

 

斬鬼は俺を睨む

俺がこいつに何したっけ…

そういえばキルパクしたような、気のせいか

 

「そこの、さっさと出てこい」

 

俺に向けて、斬鬼は言う

意味がわからない、なんだ?どういう事だ…

何やら彼にしか感じれない存在があるらしい

 

静寂

 

なんの声もしない

何も聞こえない

 

聞こえたのは斬鬼のため息だった

 

「仕方ない、引きずり出してやる」

 

こちらに近づくと胸ポケットに手を突っ込む

キャーッと小さな悲鳴がした、あっ、ふーん(察し)

小さな違和感はその悲鳴で明らかになった

 

「首根っこー!」

 

「うわ、本当に小人だ」

 

「ビぁぁーヴマァイ^〜」

 

「菓子食いながら出てきた…!?」

 

「幽々子様それは無銭飲食ですゥ〜」

 

「やっちゃってるぅ!」

 

約三名の小人がPON☆と現れた

いつの間に入り込んだんだか、多分玄関だな

あの微かな違和感はこいしの能力だろう

 

出てきたのはこいし、幽々子、妖夢の3人である

 

来るなっつった面子じゃねぇかよ

 

「頭痛くなってきた」

 

「そうか?俺は可愛く見えてきた」

 

「こんなのが後少なくとも10は居るぞ」

 

「前言撤回」

 

斬鬼の顔が引きつった

俺の気分がわかるかコノヤロウ、1階が使えねぇんだぞ

本当にキレそう、キレはしないけど

 

「凄いねーお兄さん!私が見えてしかも居場所が分かるなんて!

 どうやって私を見つけたの?」

 

「どうやってだと思う?お前らみたいな奇怪な奴は居るんだ」

 

「…なるほどねぇ」

 

幽々子が納得したように頷いた

それはそうとして、と俺は話を置いた

 

「お前ら来るなって言ったじゃないか…」

 

「行くなって言われたら行きたくなるじゃない」

 

「コノヤロウ…」

 

「お前らが最近幻想郷からこいつ家に来た奴らか?」

 

斬鬼が質問する

それに対してそうです、と妖夢は返した

彼はどうしてまぁそうなったか不思議なようだった

そりゃ普通に生きればこうなるとは思わんわ

 

「やれやれ、神だのなんだのがお前ん家に居るってか?」

 

「そ、ウチが今人外魔境だよ」

 

「そん中で生きれるお前も人間じゃねぇ」

 

「シバくぞ」

 

そこで俺は気づいた、ここ、個室しか無い

男子トイレならあるはずのものがここには無い

不味い、俺はそう覚った

 

「斬鬼ここ女子トイレだ!さっさと出るぞ!

 お前らポッケに戻れ!」

 

「あっ、ここ女子トイレだ…」

 

 

 

俺たちは急いで女子トイレを飛び出す

個室をいちいち確認していなかったのが悪いと今は思える

ひとつだけ、たったひとつだけあったのだ

 

青が並ぶ個室の中、ひとつだけ、施錠を示す赤があった

 

そこには1人の女がいた

高校生位の歳、しかし、その髪は妙な事に緑1色だ

向かって右側に白蛇の飾り物がある

 

「幻想郷…」

 

彼女は己の髪飾りを撫でる

最近、心の拠り所がいつの間にか消えた彼女

それは彼女に何も伝えることなくいきなり消えた

 

「神、神…神神神神神神神神」

 

呪詛のように、その言葉を呟く

その顔はようやく獲物にありつけた狩人のようだった

 

光の通らない、深く真っ黒な緑

 

「あぁ…ようやく、ようやく会えそう…

 神が住む場所から来たなら…もしかしたら…」

 

彼女は立ち上がった

掻きむしった頭を元に直し、個室から出る

その瞳は、得体のしれない炎に燃えていた

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