幻想郷in my house   作:回忌

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化け物って不味いんだよ

お子さんに語りかける時はまず口調を和らげること

次に目線を同じ高さまで下げること

こうすれば要らぬ威圧を無くすことが出来る…筈

とはいえこのパツキンに意味があるか?いう訳だが。

 

「…というわけで、そういう事になった訳だ」

 

「へー!寝ていた時にそんなことが起きてたんだ!」

 

意味はあった、目がキラッキラになるという意味が

本当に良い笑顔である、笑ってる原因が姉の不幸というのが良くないが

まぁ俺には関係ない、調子に乗ってた奴だしどーもない

野郎がどうなろうとも俺の知ったことでは無いのだ

…要らぬ金をかけさせないでほしい

 

「寝ていた時ねぇ、コイツいつもどこにいるんだか」

 

「この子はいつもは紅魔館の最下層にいるんです」

 

「そらそうだろうよ」

 

俺はうりうりと人差し指で頭を撫でる

本当に蚊を殺さないレベルのそれでやっている

彼女は目をつぶってむーむー言っている

 

「どうしてここにいるんだ?」

 

「部屋の中つまらない!外楽しい!」

 

そういいながらキャッキャッと騒ぐ

どうもこの様子だとかなり長い間閉じ込められていたらしい

所々日本語がおかしい、というよりぎこちない?

見た目らしく外人と思われる、多分

外人としてもレミリアはペラペラ喋っていたからこいつも喋れるはずだが…

 

「どれだけつまらなかったんだ?」

 

「うーん…495年!」

 

「お、そうか(思考停止)」

 

この子達を人間と同じとして見てはいかん

何人か合法ロリが…何人かじゃない、"何人も"だ!

これは酷い、これは幻想郷は楽園ですわ…

そんな楽園は崩壊してるんですけどね、初見さん

 

「私たちを見た目で判断されても困りますよ」

 

「そうだよー!にしてもこの"玩具"遊びがいがあるね!」

 

「誰が玩具じゃマヌケェ!!、降りてこい!触んな!」

 

さとりがじとりとした目で俺を見て言ってきた

霊覇で遊んでいるこいしと元気に遊ばれている霊覇が言ってくる

ふむ、そう思うと人里の人間は可哀想だな

こんなのが大量にいる場所で生活するとか俺には無理だ

 

「ふむ、そういうのもあると思いますよ」

 

「…もう人間の扱いが分かったよ」

 

いやもう人里に居た人間たちが家にいない時点でそういう事だと思うんだが…

これ倫理観とち狂ってる奴妖怪だったらどうなるんかな…

少し気になることだが気にするほどでも無い、うん

そこで俺は時計を確認する、うんもう帰った方がいい

いつの間にか外は暗くなっていた…

不審者が現れるという情報は特に無いため、さっさと帰った方がいいだろう

 

「もう帰ろう…なんか疲れた」

 

「なんでなんだろうねぇー」

 

それはお前"ら"のせいだと言ってやりたい

とはいえそう言う体力ももはや無かったのでフラン達を持ち上げる

そのまま彼女達は流れるように俺の胸ポケに入っていった

本当に自然な動作だ、まるで自分の家はそこだと言わんばかりに

 

ふと、横を見ると斬鬼が霊覇を抱えていた

どうも霊覇は気絶している様子だった

 

「俺が家まで連れていく」

 

「そうか、頼む」

 

俺はそう言うと、家に向かう

暗闇は恐怖を与えてくる存在だが、俺は特に感じなかった

特に、胸ポケに二人いるならば尚更である

女にそんな恥を見せてたまるってな

 

 

【某市・霊覇宅】

 

「こいつの鍵は…懐か」

 

身体中をまさぐり、鍵を取り出す

こいしとかいう小人に遊ばれたくらいで寝るなんて…

こいつ実はそんなに体力ないのか…?

俺はそう思いながらこいつを家の中にぶち込む

 

家、というより、マンション

 

大抵の奴らは自宅生だが、俺達は違う

俺は和式の家だし、こいつはマンション

ジョンはまだ親がいるから自宅生…か?

灰汁に関しては親が蒸発して広い家で一人暮らしだ

 

寝台の上に置いてやると、俺は座る

今から帰るが、その前に少し休みたい

霊覇はガタイはいい方だ、だから少し重いのだ

 

「なーんて、貴方に人一人が重いはずがないのに」

 

どこからか、そんな声が聞こえてきた

俺はハッとして顔を上げた

そこには卑しい顔をした1人の少女が居た

いや、卑しいか分からない…何せ目元が帽子で見えないのだから

しかし、その口は人ではありえないほど"笑って"いた

それだけで、卑しい目をしているのは明らかだ

 

俺は冷静に、彼女の言うことを返す

 

「何がおかしい?」

 

「おかしいのは貴方だよ?どうして"隠す"の?」

 

相変わらず彼女は笑ったままだった

俺は彼女の真意が分からないフリをして質問を繰り返す

分からない、要領が悪い馬鹿のように

 

「隠す?何をだ?何を俺はお前に隠しているってんだ?」

 

「――私そういうの嫌い」

 

いつの間にか目の前に彼女は立っていた

そして俺は気付いた、気付いてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…彼女は全く笑っていなかった

 

口元は歪んで、卑しく笑っていたが目元は笑っていなかった

なんなら少し怒ったような雰囲気すら出していた

あまりの予想外な展開に俺は少し後ろに下がった

 

「ねぇ、紅白斬鬼」

 

彼女は俺の名前を言ってくる

差し当たりのない位の、逆に惚れそうな優しい声

先程の絶対零度の声はいつの間にか消えていた

 

「私は知ってる、貴方の正体を」

 

「だからなんだ」

 

俺は逆に彼女を睨みつけた

逆張りに違いはないだろうが押されるより断然いい

なんならなんとか反撃できないか?

 

「ね、隻眼天狗さん…どうしてここにいるの?」

 

出来たもんじゃなかった

どうも酷いところを突いてきやがった

俺はため息をついた

 

これだけで、"現れた"筈だ

 

「うん、それでいいんだよ」

 

「…何がいいってんだ?」

 

俺はそう返しながら彼女を胸ポケットに入れた

小人を入れた感覚というのはなんともまぁ分からないものだ

彼女自身の特性があるからかとしれないが

 

「後はじっくり、帰りながら言ってやろう」

 

俺はそういいながら、霊覇の家を出た

雨も降っていない夜道をからんころんと下駄の音が響き渡った

 

 

 

 

 

 

鍵はかけなかった

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