幻想郷in my house   作:回忌

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無意識の狙撃手

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛......」

 

貴重な土曜日が急なバイトで潰れた

午前はあいつらをどうするかの葛藤をしながらゲームしてた

午後はいきなりバイトが入って急いで職場に向かった

はっきり言ってブチ切れそうだったが、なんとか怒りを抑えた

この程度でグチグチグチグチ言っては弱い、弱すぎる

 

それ故にまたこうしてモンエナジーをがぶ飲みしながら「Enemy combat」をしている訳だ

 

これは言ってしまえばクソリアルな銃ゲーである

どれくらいリアルか?殆ど現実と言っていい程の物である

敵は基本3、4発で死に、当たりどころが悪ければ一発

無論ヘッドショットなんかは即死である

回復アイテムは注射器や包帯、色々ある

状態異常は骨折、毒、出血、もう色々あって書くのもめんどくさい

 

それから水分ゲージと空腹ゲージというものもある

リアルに基づいているのでとうぜん腹も減る、喉も乾く

基本レーション、モンエナジーである

牛乳やらオレンジジュースやらなんやらあるが…んな贅沢品戦場には少ない

 

あ、そうそうマガジンを確認しないと時たまジャムる

 

装弾不良か何か知らんが他のゲームみたいにボタン押して終わりでは無い

敵もいない時はちゃんと装填されているか確かめないとならない

それが何時でも起これりえるというのが本当にクソである

 

言い忘れたがちゃんと四肢欠損もあるゾ

 

言ってしまえばこのゲームはマゾやM達がやるゲームでもある

なお人気はかなりある、何故かわからんがみんなやってる

大金を掛けた世界大会があるレベルなのだ

 

「すぅー…」

 

深呼吸

このゲームは基本集中である

どこから視認されているか、どこから狙われているか

スナイパーライフルの場合レンズの反射光が見える

ただまぁ、こちらが近距離オンリーの場合何も出来ずに殺されるかもしれない

 

「あ、あれって敵じゃない?」

 

「あぁ?…あぁ、スナイパーか…」

 

指摘に気づく

小さな指が指す所には白の十字の光があった

スナイパーがいる証拠である

自分はスナイパーは時折持つ

昔の名残で持ってしまう癖があるのだ

味方が居れば囮になってもらう…のだが…

 

「行くしかないか」

 

「倒せるの?」

 

「おう、人ってのは一点に目が行きがちなんだ」

 

特にああいう何かを狙ってるヤツはな、と俺は付け足す

昔それでやらかしてしまったからよく分かる

何かに集中してしまえば何かは確実に疎かになる

それを忘れていた…だからあんな…

 

「っとぉ…」

 

いつの間にか室内に居た

辺りを見る、地雷等のトラップは特にない

ワイヤートラップは確認出来ない、というか暗い

まぁ、そこら辺は気合いだ

サプレッサーを付けたハンドガンを構える

基本的にサプレッサーというものは耳を保護する物

それ故に完全な無音には絶対にならない

俺は基本ステルスを貫く

だから武器は基本音がしない、しにくいものばかりだ

FAMASにサプレッサーを付けたものをメインとし、SOCOMにサプレッサーを付けたものをサブとする

逃げる為の閃光手榴弾、発煙弾、手榴弾を使用するタイプのブービートラップ

早く動く為装備は軽めの物が多い

 

「さて…」

 

階段を見つける

この時迂闊に前へ足を進めると対人地雷で吹き飛ぶことがある

みんな死にたくないのかそれともキルポが欲しいのかそこらかしこに地雷がある

スナイパーは勿論配置する、後ろを見る程の余裕は無い

それ程余裕があるならむしろ移動した方が良い

 

「やっぱりあるよな…」

 

俺はドアがあったであろう場所の下にワイヤーが張られているのを見つける

まぁ、どうせ設置しているだろうと思っていた

こいつの場合は越えればいい話だが、後々ろくなことにならない

ワイヤーカッターを取り出し、解除にかかる

 

「…集中」

 

勿論のこと解除が長押しで終わるはずがない

ワイヤーの図が出てきて自分で切らなければならない

これがこういうトラップならまだいい方なのだ

地雷とかも簡単に撤去出来るし

 

ドラマでよくある色とりどりの銅線がある時限爆弾の場合面倒くさい

もしもの為の銅線の切り方みたいなのは作った時に入手できる

だが大抵は現実でメモして戦場に持ってくることは無い

そしてこちらは切り方の順番など知るはずも無い

大会の場合は絶対に持ってこなくてはならないが、どちらかと言うと遠隔爆破の出来るC4が好まれる

 

「良し」

 

「上手いねーお兄さん」

 

「この程度褒めてたら全部褒める事になるぞ…」

 

アホみたいに警戒心の高いヤツの場合、罠一個の筈が無い

酷い時には10以上とかあって萎える、ソースは俺

 

階段を上がる

反射光を気にしないお粗末なスナイパーはどうやら罠ひとつで安心しているらしい

その証拠に上から小さな鼻歌が聞こえてきた

 

「弾を使うまでもない」

 

ナイフを抜く

狙うのは首の横

そこに二回ナイフを叩き込む

階段から顔を覗かせる

そこには片膝を立て、頭をリズムにのせたスナイパーが居た

 

音を立てずに近づく

 

「…」

 

どんどんスナイパーの頭が近づく

そして、スナイパーの背後に着いたその時…

 

「――!!!」

 

口笛の軽快な音ともに口を腕で閉じ、ナイフを首元に突き立てる

奴はライフルを落とし、必死に抵抗する

だがここまで来ればもう遅い

 

ナイフの二発目を差し込む

 

力が抜ける

スナイパーは何も言わず、ばたりと倒れ込んだ

 

「良し」

 

「お兄さんすごーい」

 

「お、ありが…」

 

俺はそこまで言いかけて、ふと我に返る

さっきから助言が飛んできたが俺は1人だ

ましてや通話を繋いだ覚えもない

 

…と、言うことは

 

「誰だお前」

 

「古明地こいし!よろしくね、お兄さん!」

 

黒い帽子を被り、可愛らしい黄色の服を着た女の子

それがPCの画面の横で笑顔で手を振るのを見て、頭を抱えた

 

お前、いつの間に入ってきたんだよ

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