眠い授業を乗り切る
その任務はほぼ全生徒には課せられた任務だ
大体成績の良い奴は任務を余裕で遂行できる
だがそうでない奴はこれが出来ない
何故ならアホみたいな眠気に襲われるからだ
理解できない英語、訳の分からん国語
先生達の呪文により俺たちは眠りに誘われる
それに歯を食いしばり、ノートを写す
なお自分は絵を書いている模様
クラスに一人はいた無駄に絵が上手い奴である
基本的にあんな絵やこんな絵を書いたりしている
そして暇を潰し、任務を乗り越えれば――
「あ、来たか」
部活だ
と言っても自分は美術部の為運動はしない
それはサバゲーで全て完結する
それに今はほぼボードゲーム部である
「よぉ、灰汁、眠そうな顔してんな」
この黒髪微赤目の男は紅白斬鬼
若干腹の立つ野郎だがそこまで気にすることでは無い
今気付いたが幻想郷の大妖怪と同じ雰囲気をしている
大体の教科は出来る、歴史に詳しい
運動は普通に出来る
「いつも通りだな」
少しシワの入ったキツい目にキリとした顔
学校では「職業軍人」と言われる程軍人扱いされる
…まぁ軍服来たらほぼ軍人なのだが
こいつは気桐霊覇、時折苗字を忘れかける
歴史苦手、その他は並に出来る
こいつも普通に運動できる
なんならこの部活の奴らは普通にできる
「死んでなかった、良かったね」
掴みどころのない真顔
学校で謎多き人物と畏怖されている人間
名前は俺達も知らない、本当にわからん
故にここではジョンと呼ぶ、所以はジョン・ドゥだ
ディープスロートでもミスターXでもフォックスでもいいのだが。
どれもこれも長いのでジョンが一番である
これが愉快な仲間たちである
「お前ら暇か?」
目の前でコイン積みをしている3人に言う
今ところコロッセオのようなものが出来上がっている
面白いのは霊覇が載せる度揺れていることだ
あの顔の通り不器用なのは草生える、いや森
「暇だからこうしてんだ」
「顧問いないからな、全く気絶とか」
「誰だったかな、戦争の生々しい絵を見せたの」
「うぐ」
霊覇が実話準拠の絵をこもんに見せたら泡吹いて倒れた
骨の断面、溢れ出た臓物、まぁ本当に実話準拠だった訳だ
コンクールで賞を取れたもののそれは顧問と引き換えだった
あれから永遠に顧問が来ることはなく、ほぼ無法地帯と化している
なお顧問は精神医療中である
「誰から始めたよ」
「霊覇が余った一円を重ねたことから始まったよ」
「あぁ!?俺はただ重ねてただけだ!お前らが途中勝手に乗せたんだろ!?」
「黙れ、お前が始めた物語だ」
斬鬼の言葉に反論出来ず、崩れ落ちる
床に手が落ちる振動、それによりコロッセオは簡単に崩れ落ちた
いや、落ちたのは観客の様に立てられた硬貨のやじろべえ達だった
一人落ちれば連動するようにパタパタと倒れていく
「お、倒れたな…霊覇、焼肉奢りだ」
「はぁ!?焼肉!?」
「夜は焼肉っしよぉおぉぉぉぉ!!!」
ジョンが骨の折れるレベルでの海老反りをしながら叫ぶ
こうなると面倒だ、俺は携帯を取り出す
連絡先は無論家である
ガチャりと誰かが受話器を取った音がした
「…俺だ」
『…紫ですわ』
あいつどうやって受話器持ってんだ?
まぁ両手がある状態でもう一本腕を出すヤツだ、聞かないでおこう
「今日遅れる、理由は…あー」
「誰と話してんのソレ」
「最近住み着いた小人」
「へー」
「そう、興味ねぇだろ」
「どうでもいい」
サラッと暴露されたことに受話器を持っている奴が絶句したような気がする
まぁ『ハァァァァァ』ってヤバい過呼吸になりそうな声するし
「焼肉するから遅れる、それじゃ」
『あ、ああ!!ちょっと!』
切る
お説教は後だ後だ!
今はうまい飯を食って全てを忘れよう
「テンゴーダウン…」
「死んだのかよ」
「胃が」
「成程」
斬鬼は全てを察した様子だった
まぁ、そんなことはどうでもいい
「焼肉!行くぞ!」
「「おおー!」」
「俺の金だボケェ!!!」
一人の漢の涙目が溢れ、財布がガラガラになったらしい
それは一瞬で全校生徒の耳に入ることだろう
〇
終わった――全て終わった…
私達の隠密ライフが…今ここで終わった
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…
「う"、ああ"、ウウウウウウ"。」
とある男の自室
そこのパソコンの横で胃薬を一錠貪る妖怪が一人
その口にどうやればその胃薬が入るかは未知である
というか妖怪という存在自体説明はほぼ不可である
複雑すぎて説明する気にならない
「は、腹がぁぁぁ…灰汁ゥゥゥ…」
他の首領達のせいで胃はボドホドダー!している
その上に先程の電話なのでそろそろ胃を自壊しそうだ
なお灰汁は灰汁で未知の存在に白髪が生えかけている
ストレスのせいだが誰が原因か明白だろう
そして、また胃が痛み始めたので彼女は胃薬を貪り始めた
〇
その頃灰汁達――
「FOOOOOOOOO!!夜は焼肉っしょぉぉぉおお!!!」
「うめぇうめぇ!!コーラコーラ!!」
「俺の…俺の諭吉…あぁ…」
箸で肉をつかみながら爆食いするジョン
席でビール瓶(コーラ)を振り回す斬鬼
財布の中身を見て絶望する霊覇
一方の俺は横目で肉にかぶりつく
美味い、本当に美味い
人の金で食べる焼肉は美味しいというがそれは本当だ!
こんな美味しい物を食べて金を払わなくていい?最高じゃないか
実を言えばこの人の金で食う飯は美味い理論はほぼ全てに当てはまる
近くのスッシーとかジョイフーとかそういう飲食店は軒並み当てはまる
取り敢えず美味い、それで涙を流す奴が居れば尚更美味い
「うぐっ、うぐおっおっ、おお…オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!」
「ほら、涙拭けよ」
奇声を発しかけている霊覇にハンカチを投げる
それを掴み取り、彼は目元の涙を拭う
それでもしゃくり上げるような声は止まらない
まったく、焼肉の奢り位で泣くとは
というか泣かせたヤツ誰だ、出て来い
「最近焼肉行ってなかったからね、ほんま美味いわぁ」
「そうだな、バイトも忙しかったし良いストレス発散だ」
2人は悪意の無い満面の笑みを霊覇に向ける
とはいえそれは彼にとっては悪意しかないだろう
俺が見たら多分、悪意にしか感じない
「うぐおおおお…」
「取り敢えず食おうぜ、肉が冷めちまう」
呻いている霊覇なんかより肉だ
俺たちはそう思いながら肉にかぶりついたのだった
雷煌?居ましたねそんなエロ主人公