金曜日のラスト1限。1-Aの時間割では体育が割り振られているこの時間、体育館の中は黄色い悲鳴と怒号に包まれていた。
大きく弓形に弧を描いたボールがバスケットへと吸い込まれるように落下し、リングの上で跳ねたその直後。ディフェンス側の大柄な美少女がそのボールを弾こうと手を伸ばす中で、閃光の様に駆け抜けた白く美しい細腕がボールを鷲掴み、妨害を捩じ伏せ再びボールをリングへと叩き込んだ。
自陣エンドラインから3ポイントショットを行い、それが失敗する可能性を見越して自らリバウンドに入りダンクを決める。
言葉にすれば簡単そうに聞こえなくもないが、現実でそんな事を行うにはシュート後2秒以内に相手の選手達を躱して28mのフィールドを駆け抜ける走力と、そもそもそれだけの距離を隔てて3ポイントを放つ超人的なショットコントロールが必要となる非現実的偉業だ。
だが、絶望的な事に、皇塚桔梗少年が同様の行為によって点をもぎ取るのは、コレで試合開始から7回目なのである。
その大元の原因は、体育教師が『一学期前半はバスケやるぞー。A組は……40人学級か。8チームイケるな。じゃあお前ら好きに5人組作って良いぞ』などというふざけたセリフを吐いた事。そんな事を言えば、桔梗少年がまだ接点の作れていない地味子達でドリームチームを結成するに決まっているのである。
そんなわけで、
このチーム、桔梗少年以外でまともに動けて居るのは一応水泳部とはいえスポーツ女子の粟草さんぐらいで、辛うじて及第点なのがボサボサ髪の尾花さん。袴田さんはモチモチボディの乳腹尻をバルンバルンと揺らして頑張っているもののどうしても鈍重だし*1、萩原さんはこの試合中だけでも5回、何もないところで転んでいる。*2とまぁ、端的に言えばクソチームなのだが、桔梗少年に『地味子バフ』が四重に掛かる事で全ての欠点を帳消しにする最強チームと化しているのだ。
何せ、どんなパスを出そうが残像の残る勢いでカットに入られそのまま何処からでも3ポイントショットを放ってセルフリバウンドの流れに持ち込んでくるのである。ドリブルで突破しようにもまるで熟練のスリの如くボールを奪って行くのだから、相手チームとしては『ふざけんな』以外の感想は出てこない。
絶望が美少年の姿を纏ってコートに顕現しているかのような悍ましいまでの大活躍は、今回たまたま桔梗少年チームに当たってしまった美少女達の心を折るには十分に過ぎた。特にバスケ経験者の心の傷は深く、すっかりと脳を灼かれて体育館の床に汗以外の水気を垂らしてしまっている。*3
が、このチーム、諸葛芳子と河原撫子を有するチームと当たった時のみ若干弱くなる*4ため、突如彼女達の奪い合いが発生し、試合中にバスケ部員の死骸*5と交換する形でしょっちゅう試合に参加させられている。
特に期せずしてクラスメイト達に『対皇塚桔梗最終兵器』認定された芳子ちゃんの効果は凄まじく*6、彼女のクラスカーストに若干の上方修正を与えるレベルとなったのは桔梗少年にとって嬉しい誤算と言えるだろう。
だが、悲しいかな体育館全体を使って2コートで試合を回す関係上、今の様に芳子ちゃんと河原さんが隣コートで試合中という状況も発生するわけで。
そうなった場合のスコアボードは、中々イかれた事になってしまうのである。
「えー、204対0で粟草チームの勝ち。皇塚お前、次の授業はチームランダムで組ませるからな」
「そんなぁ、横暴ですよ先生」
「授業を進行するためのバランス調整の範囲だっちゅうの。お前1人活躍したら他のメンバーの授業評価にならんからな。大体、そんなぁ、なのはお前を相手するチームだろうが」
そう呆れた様に告げる体育の
だが、教師をそれほど悩ませたとしても、桔梗少年にとってこの授業での活躍は意味あるものだった。
「いやぁ、凄いじゃん皇塚くん。男バスとかやってた?」
「ははは、素人なんだよねこれが。粟草さんの方こそ、パスとかフォローとか結構慣れた感じだよね? 水泳部じゃなかったっけ?」
「小学校の頃にちょっとミニバスやってたんだよねー。水泳にハマって辞めちゃったけどさ。っていうか素人は流石に嘘じゃん? どう見てもプロだよプロ」
「いや本当本当、フィジカルでゴリ押してるだけだって。……あ、そういえば萩原さんは大丈夫だった? 足捻ったりしてない?」
「大丈夫です……さっきから本当にごめんなさい、転んでばっかりで……」
「大丈夫大丈夫、気にしないで。……あー、でも萩原さん身長の割に軽すぎじゃない? ちゃんとご飯食べないとダメだよ?」
「えっと、ごめんなさい……」
「あはは、怒ってるわけじゃないってば。そうだ、今度お弁当作って来てあげようか?」
「フェッ……!?」
「あら? 皇塚くん、料理とかするのかしら?」
「うん。まぁね。袴田さんも? って、そりゃそうか。家庭科部って言ってたっけ」
「うふふ。私は見ての通り食べるのが好きだから。部活やる前から自然と料理はしていたの。でも、それなら、もしかして諸葛さんが持って来てるのは愛夫弁当なのかしら?」
「そうだよ?」
「まぁ、素敵ね!」
「はえー、恋愛漫画でも中々見ないレベルでシンデレラ*8やってるっスね諸葛氏。さては孔明?」
「ははは、僕別に王子とかじゃないけどね*9。でも尾花さんの言う通り芳子ちゃん頭良いから僕が惚れたのも計画通りだったりするかも?」
「だとしたら流石特待生ッスね」
そんな冗談めいた会話を弾ませる至福の時間。そう、桔梗少年にとってチームメイトの地味子達と自然な流れで会話ができるこの授業時間は、神の与えたもうた福音と言っても過言ではない極上の時間なのである。総当たり戦の順番的に彼らのチームはもう出番が無いというのもゆっくりと駄弁れて嬉しいところだ。
そして、何より嬉しいのはチームメイトと一塊になっているこの状況。桔梗少年視点では両手どころか四肢全部に花な状態なので、この喜びは至極当然のもの。それを遠目に見守る
何しろ桔梗少年、近くで見れば見るほど顔がいいし、かなり激しい運動後だと言うのに汗臭いどころか、むしろ花のように爽やかで甘い香りが強く香る謎体質*10なのである。
そして何より、所作がいちいちエロいのだ。ボディタッチは多い*11し、ふとした瞬間の流し目や考え事の際に曲げた人差し指の背を唇の下に当てるあざとい仕草など挙げればキリがない。
————こんなの好きになっちゃうよ
と地味っ子4人集が思ったのは言うまでもなく、そして無理もない事だろう。そしてその様子を超感覚で観察している桔梗少年はといえば。
* * * * * *
可゛愛゛い゛な゛ぁ゛♡♡♡
と、脳内でオホ声気味に咆哮する桔梗少年。読者諸兄はご賢察の通り、彼は断続的な絶頂状態におかれている。これを見越して体育の着替えの前に一工夫*12しておかなければ、今頃体育館の床と彼のズボンは大変な事になっていた事だろう。
まぁ脛に仕込んであるボトルや逸物を拘束する器具ががちょっと邪魔な関係でバスケのパフォーマンスは下がり気味なのだが、彼のフィジカルからすれば完全に誤差の範囲。
タンクの中身についても放課後デートの際に芳子ちゃんが処分する手筈*13となっており、この時間を乗り越えれば証拠は容易に隠滅可能。
そんな余裕があるからこそ、彼は自身の暴発を気にせず積極的に地味子ハーレムを満喫しているのである。
今日の授業は何もかも最高だったが、振り返ってまず初めに思い浮かぶのは萩原久仁子。運動音痴な久仁子ちゃんがすっ転びがちなのを良い事に、彼女を助けるという建前でその長い身体を抱きしめ、転倒によって振り乱れるサラサラぱっつんロングを降り注ぐシャワーの様に浴び、うなじに顔を埋めるという役得 of 役得。
大柄な体躯故かちょっと匂いの濃いその身体はしかし、鶴の様に細く繊細な印象を受ける、華奢で軽い物。試合中でなければそのままお姫様抱っこして体育倉庫まで攫ってしまう所だったが、胸いっぱいに彼女の体臭を吸い込む程度で我慢したのは、桔梗少年にとっては辛い決断であった*14。
そしてその次に印象深い子を挙げるならば、粟草紀子。モフモフの鳥の巣頭と雀斑ツリ目一重が絶妙に『イモい』彼女はしかし、運動部所属なだけあって動きが良く、最も桔梗少年とパスを交わしたチームメイトと言って良い。汗をかきながら玉いじりして激しく床を軋ませていたのだから実質セックスした様なものだ*15。
そして、桔梗少年の激しいプレーについて行こうとした結果滝の様に汗を流す事になった紀子ちゃんとの勝利のハグにより、全身にスポーツ系地味子エキスを取り込んだ桔梗少年は同量のクラックコカイン*16を浴びたかの様な多幸感を感じていたのである。
だが、ハグの多幸感では袴田藤子も負けていない。乳、尻、太腿、そして腹。全てがムッチムチの藤子とハグすれば、身体全体が母なる肉海に沈み込み、まさに全身女体浴状態を体感できるのだ。
フェロモンなのか香水なのか、はたまた柔軟剤なのかどうにもミルキーな匂いのする藤子ちゃんの身体に埋もれる感覚は、正直桔梗少年以外の男子でもハマってしまうかもしれないほどの気持ちよさであった。
さて、ここまで印象深いチームメイトを挙げて来た中で、トリを飾る事になった尾花茅子が印象に残らなかったのかといえば、答えは否だ。
彼女が素晴らしかったのは、チラリズム的エロス。長袖長ズボンで参加している桔梗少年とは逆に、暑がりなのか半袖ジャージとブルマー*17を着用している彼女は、何かと動くたびにその『体毛』をチラホラとはみ出させてしまっていたのである。
激しく動けば袖口から覗くフサフサの脇毛。ブルマーが食い込む鼠蹊部からチラリとはみ出たちぢれ毛。背中側の体毛も濃いのか、走る度に揺れるボサボサ尻尾髪の下から覗くうなじもモシャモシャとしていて実に趣深かった。
そして彼女の小遣い程度で全身脱毛が出来るわけもなく、当然腕の毛や脛の毛もそれなりにフワフワとしているのだから、マニアには堪らない状況だろう。この時期のリアルな少女限定のモシャモシャ感はそうそう味わえるものではないのだ。
そしてもちろん、桔梗少年はその筋にも明るいド変態である。当然ハグやら何やらに託けて、時間の許す限り存分にモフりまくった。
その際にちょっと鼠蹊部に手が当たったりしたのだが、茅子ちゃんは嫌がらなかったので桔梗少年的にはセーフである。*18
総括すれば、チームメイト達は皆どれも素晴らしくセクシー*19で、そして『脈アリ』。
これでテンションが上がらなければ男失格だろうとポワポワした頭で考える桔梗少年は、47回目をタンクに注ぎ込みながら実にいい笑顔で残り少ないチームメイトとの時間を楽しみ、放課後の芳子ちゃんとのデートに備えるのであった。
なお、これは余談だが、そのデートの際にタンクの中身をよく噛んで飲んだ芳子ちゃんのせいで結局桔梗少年のパンツは死んでしまったのだが、それはまた別の話である。
お返しのプレゼントは忌憚の無いご感想を頂ければ幸いです。
好きなキャラクター
-
皇塚桔梗
-
粟草紀子
-
尾花茅子
-
河原撫子
-
袴田藤子
-
萩原久仁子
-
諸葛芳子