土曜の最も良いところはやはり、『明日は日曜日』というところだろう。オシャレ*1した芳子ちゃんを伴って街に繰り出した桔梗少年にとってそれは『帰宅時間を気にしなくて良い』という意味となる。
となれば、存分に遊び倒そうという流れになるのは至極当然なわけで。2人はちょっと遠出して芳子ちゃんが『行った事がない』と言っていた大型ショッピングモールへとやってきていた。
「うわぁー……大きい……」
「地域最大級らしいよ? 僕もこのモール自体は来た事ないから楽しみだなぁ。芳子ちゃんは何処から見て回りたい?」
「えっと、折角だから一階からぐるっと見て回りたいかな……ダメ?」
「全然ダメじゃないよ。芳子ちゃんの行きたいところ全部行こうね♡」
なんてイチャつきぶりから分かるように、2人の気分は上々。だが、その甘々ぶりは、周囲の女性陣には中々許容し難いのか、すれ違う人々は皆恋人繋ぎで戯れる2人を二度見*2していく。
やはり、世間的に見れば美男と野獣*3のようにチグハグに見えるのだろう。
だが、メンタルがカーボナード*4より強靭な桔梗少年は周囲の視線に一切怯むことはなく、彼によってこの数日で脳を灼かれ過ぎた芳子ちゃんもまた、他人の視線程度でどうこうなる精神性は何処かに捨て去ってしまっている*5。
だからこそ彼等の放つ甘々オーラは凄まじく*6、それが余計に人目を引いているのだ。
「わ、スタパ*7。こういう街中にあるお店もあるんだ」
「うん。建物の中にお店が詰まってる感じだからね。でも街中じゃスタパの隣にツリーズ*8と309*9があるのは珍しいかも?」
「ライバルだもんね。あ、でもこのお店は見た事ないかも」
「あ、ルノワール*10あるんだ。ちょっと高級でビジネスマン向けっぽい感じのお店だった筈」
「へぇ〜」
「ふふふ。芳子ちゃん、何処か入ってみたい?」
「え、高そうだし大丈夫だよ」
「大丈夫、気にしないで良いって。この前医療系ベンチャー株に突っ込んだら、なんか新型医療用ナノマシンがどうこうで50万が1500万に増えたからさ*11。いやまぁ、税金とか引いたら1000万くらいしか残らないけど、それでもコーヒーぐらい余裕余裕。メニュー全部頼んでもいいよ?」
「桔梗くんすごいねやっぱり……じゃあ、うん、やっぱり憧れるしスタパ行ってみたいかも」
「良いよ〜、フェラペチーノ*12でも飲んでみる? 今は……抹茶チョコバナナカスタード? 欲張り過ぎでは?」
「あはは、でも美味しそう。大きいの頼んで半分こしない?」
「芳子ちゃんと間接キス出来ると聞いて」
「あ————嫌だったら別に、その……」
「嫌なわけないでしょ!? お金払ってでもしたいよ? 芳子ちゃんお小遣いいる? 100万くらい。KWD*13で」
「そっか、へへ……桔梗くんは優しいね。あ、お小遣いは要らないからね。ことあるごとに貰いすぎだし悪いよ……」
「いやいや、優しいのは芳子ちゃんでは? 芳子ちゃんとデートする権利とか、1時間100万円が相場でしょ」
「それは無いけど、ママ活とかだったら、桔梗くんにもっと出す人は居ると思うよ? やっぱり優しいのは桔梗くんの方だって。私今でも時々夢じゃないかってほっぺたつねってるもん」
「ん゛ッ゛*14……芳子ちゃんやっぱり可愛い過ぎでしょ……天使か……?」
「桔梗くん、褒めながら渡してもその100万円は受け取れないからね……? というか持ち歩いてるの……?」
「芳子ちゃんとデートするからにはこれぐらいは当然*15」
なんて具合で終始とにかく甘い2人の行動*16。そんな汎用人型糖分散布兵器のせいでコーヒーショップ各店では一気にエスプレッソの注文が激増しているのは言うまでもなく、なんなら店員すらレジに自費を捩じ込んで特大サイズを飲んでいるレベルだ。
だが『絵に描いたような美少年が絵に描いたような非モテ女にメロメロになっている』という状況に対する嫉妬と羨望によって灼けた脳に濃厚シロップめいた極甘イチャラブを流し込まれ、崩壊寸前の自我を無理矢理カフェインで覚醒させている彼女達にとっては、無糖のソレですら甘く感じてしまう。
なんとも迷惑な話ではあるが、桔梗少年達が法を犯しているわけでもなく、コーヒーショップも儲かっているだけなので誰も損はしていない。ただ、この後フェラペチーノをシェアする予定にイチャイチャカップルを想像してしまった連中が追加のエスプレッソをどんどん頼むせいでバリスタの負担が跳ね上がっているのは事実なのだが。
しかし、幸い2人はフェラペチーノをテイクアウトした為、各店の狂騒は一時的なものとなり、代わりに無差別殺戮糖分散布兵器がF.O.E.*17としてモールを練り歩く事となる。
服屋では試着大会を行い*18、映画館で恋愛映画を観て*19、フードコートで学生らしくちょっとジャンクなお昼ご飯を食べて*20、青春感溢れるデートを楽しむ2人の後ろで築かれた屍の山達はやがて『何なんだあの美少年』という疑問に突き動かされ、推定
その影響で若干聖地化してしまったこのショッピングモールはこの年前年比10倍の過去最高益を叩き出し、近隣の土地を買い漁って巨大化する事となるのだが、それはまた別の話。
好きなキャラクター
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皇塚桔梗
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粟草紀子
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尾花茅子
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河原撫子
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袴田藤子
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萩原久仁子
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諸葛芳子