「————というわけで、第三次大戦はその初期に無人兵器が台頭した事で無人機対無人機の攻撃迎撃の応酬へと舵を切り、現在では『無人戦争』などと呼ばれる事になったわけです。人的資源を削り合う第二次大戦以前の戦争から、技術力と資本力で行われる戦争へと舵を切った事で結果的に『平和戦争』とすら揶揄されるこの戦いですが、1年7ヶ月に渡った大国同士の激突は周辺国を巻き込んだ大戦へと発展し、世界経済と人類の文化的発展に重い影を落としました。しかし皮肉なことにこの大戦で培われた戦訓や技術が現在の工学の礎となったこともまた事実なのです。さて、今日はここまで。今回で中学校で習った範囲の総復習は終わりになります。次回からはいよいよ『最終戦争』として有名な第四次世界大戦と其処から現代に至るまでの『近代史』について学ぶこととしましょう。では、学級委員」
「起立、礼、着席」
「はい、お疲れ様でした」
なんて調子で午前中最後の授業が終わってしまえば、全校生徒が待ちに待った昼休み。
今日のお弁当は何かな、とランダムな楽しみがある自宅勢、購買に走る購買勢、自炊飯をチャチャっと掻っ込んでスマホに興じる独居勢。
各々が楽しげに振る舞う中で、皇塚桔梗と袴田藤子は、教室を抜け出して校舎の外れへと向かっていた。
「こっちの旧校舎の方の中庭には
「へぇ、詳しいんだ?」
「私、中等部からのエスカレーター組なのよね。それで高等部にもよく来てたの」
「ああ、確か向こうのあの校舎が中等部なんだっけ」
「そうそう。あ! 見えてきたわ」
「あー、確かに良い雰囲気の場所だね」
なんて会話をしつつ無事四阿に着いた2人は、早速藤子の持ってきたお弁当を広げて楽しい昼食会を開始する。
「あはは、なんだか運動会みたいだね」
「そうねえ、ちょっと作りすぎちゃった。残してくれても良いからね?」
「まさか。せっかく藤子ちゃんが作ってくれたんだし、残したりしないって。それじゃあ、いただきます」
「うふふ、ありがとう。どうぞ召し上がれ」
そう和やかに言葉を交わしつつ、胃袋に気合を入れた桔梗少年が挑むのは、お弁当という名の三段重箱。まぁ当然藤子も食べるので折半と考えても、やはりその量は一般男子にとっては莫大だ。
だが、そんな事が些細に思えるほど、そのお重の中身が美味しそうなのもまた事実。
さて、そんなお弁当の中から桔梗少年がまず箸をつけたのはワカメと胡麻塩を混ぜ込んだおにぎりと、鶏皮の塩胡椒炒め。
「なんか優しい味がするね、このおにぎり」
「そ、そうかしら?」
「うん。あとこの炒め物、隠し味はレモン? これも美味しい。さすが藤子ちゃん料理上手だねえ」
などと桔梗少年が手放しに褒めるのは、混じり気のない本心からの事。というか桔梗少年も一応人間である以上、食や性欲、睡眠欲に排泄欲といった根源的な感覚に嘘はつけないものだ。
マズいものを美味いと褒める行為にはどうしてもぎこちなさが滲むものだし、美味いものを悪様に罵る行為は自己否定行為に他ならない以上、これもまたぎこちなくなるもの。
そして何より、ものを食べるという行為自体にその感想は如実に表されるものなのだ。勢いよく、それでいて下品では無い所作でムシャムシャと重箱を食べ進める桔梗少年の振る舞いそのものが、どんな言葉よりも雄弁に「美味い」と藤子に語っている。
当然、自他共に認める食いしん坊である藤子もお弁当を食べ進めてはいるのだが、桔梗少年の食べっぷりはともすればそれ以上。
そうして2人でペロリとお昼ご飯を平らげてしまえば、そこからはのんびりとした昼休みを過ごすだけ。
まぁ流石に人気のない四阿とはいえ度が過ぎた行為*1は問題だが、イチャつく程度の行為なら出来ない事はない。
故に、桔梗少年は素直に自分の欲望に従って、残る休み時間を藤子に埋もれて過ごすこととしたらしい。
「お、重たくないかしら? 絶対重いわよね?」
「全然平気だしフワフワモチモチで最高だよ?」
「そ、そうなの……?」
なんて、藤子が困惑の声を上げてしまうのも無理はない。桔梗少年が何の躊躇いもなく藤子にお願いしたのは、彼の知識では『対面座位』や『唐草居茶臼』と呼ばれる女性上位の姿勢。
もちろん、『入ってない』し『脱いでもない』ので実際にはただの膝乗せハグなのだが、通常*2男の膝に女が乗るなどというとんでもない出来事はまず起こらない*3。
況してや藤子は身長200cm体重145kgにも達する重量級。当然普通の男の子が受け止め切れる重量では無いし、女子*4であっても『重い』と主張するのが当然なのだ。
それを『フワフワだぁ♡』と心底嬉しそうに埋もれている桔梗少年はやっぱりヤバい奴なわけで。
「ねぇ、やっぱり重いわよね?」
「全然? というか奥さんの1人や2人抱っこ出来ないなんて旦那さん失格じゃない?」
「……何処から突っ込めば良いのかしら」
「うーん? じゃあ今度藤子ちゃんと久仁子ちゃんを2人一気に抱っこしようか*5? ほら、片手お姫様抱っこでさ。そうすれば藤子ちゃんも実感湧くだろうし」
「出来ても出来なくても怖いから遠慮させて欲しいわね……」
なんて、若干慄いている藤子だが、桔梗少年はそんなことはお構いなしで、たわわに実る藤子の大爆乳に顔を埋め、鳩尾の『両乳肉と腹肉の谷間』で深呼吸をキメており、濃厚なメスの匂いに御満悦である。
ちなみにこの行為、こちらの世界で言えば『美少女が竿とふぐりの境目に顔を突っ込んで深呼吸している』のと感覚的には等価であると言えば、その途轍もなさがわかるだろうか。
藤子がしきりに『重いのでは?』と話を振るのも、全てはこのクソ恥ずかしい行為への羞恥心が故のこと。今もゾワゾワとした背徳的な感覚が彼女の中で駆け巡り、とんでもなくイケナイ事をしている自覚と共に、赤ちゃんの部屋がギュンギュンと脈打っているのだ。
彼女にとって幸いだったのは、体育の授業が午後だったことだろう。お互い汗をかいた状態でこの様な行為に及べば理性のタガが爆散するのは目に見えている。そうなれば、流石に退学待ったなし。というか現場でも理性はだいぶピンチだが、まだ退学の恐怖の方がなんとか勝ってくれている状態だ。
そんな藤子の状態を分かっていて爆乳潜りを堪能しているのだから桔梗少年も意地が悪いが、下乳の蒸れたメス臭に夢中な彼は、時間いっぱいまで彼女の肉布団に埋もれるという強い決意を胸に、深呼吸を続行する。
結局、昼休み終了の予鈴が鳴るまで続いたその行為によって、腰砕けになってしまった藤子は体調不良の名目で体育の授業を欠席することになるのだが、それはまた別の話である。
好きなキャラクター
-
皇塚桔梗
-
粟草紀子
-
尾花茅子
-
河原撫子
-
袴田藤子
-
萩原久仁子
-
諸葛芳子