至高の夢は終わらない(リメイク版)   作:ゲオザーグ

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続きを書きたいとは思ってるし、ストーリーも頭の中ではできてますが、(主に出したい奴無作為に出しまくってたせいで出番が渋滞して)あんまりにも長引いてしまったんで、結構短い上に半端な感じですが、久々の更新これで勘弁してください・・・


大公の胸中

 時勢を抜きにしても、ただでさえ労力のかかる子育て――それも2人目となれば、苦労もより増そうなものを、見捨てることなく育ててくれた両親にも、邪見に扱わず、世話を焼いてくれた兄にも、感謝しかなかった。

 だからこそ、仮にも身内たる義弟の自分が、何の助けも答えも用意できなかった兄嫁の嘆きに、一応は支援者(パトロン)として金を出していただけの他人たる彼女が、たとえその先が破滅でも、ある種の解決を示したのは、悔しくも認めると共に、お荷物たる自身が袂を分かつにはいい機会だと受け入れていた。

 

『悪いわね。私が持ってないものを、あっさり手放そうとするのが、見るに堪えなかったの。だからアンタも来なさいな。私の求める黄泉への旅路に』

 

 だが彼女は、兄のおまけに過ぎない様な身の自身さえ、拾い上げた。ただ義姉妹や姪と合わせた、己が持ちえなかった、『家族』の欠片(ピース)を欠かすことなく手にせんとする彼女の強欲さは、最早自身の価値観を塗り潰し、心の奥底にあった執着を引き出すに、あまりにも眩しかった。

 

 

 

 

 

 

 ギガストームとカウンター・ベイト、巨大ロボット怪獣2体の激闘は、周囲を巻き込む大規模なものになっていった。殴り倒され、地に伏せた拍子に床版を突き破り、叩き付けられた橋台は圧し折れ、橋上にいた他プレイヤー達を崩落に巻き込む。更には付近に散乱する崩れた瓦礫や、転倒した車などに限らず、運悪く付近にいたプレイヤーやNPCさえも、あるものは何でも使えとばかりに文字通り振り回され、殴りつけられたり、蹴り飛ばされたりと、悲惨な目に遭わされている。

 

「てりゃあっ!」

 

「もらった!」

 

「え!?ガハァッ!

 

「グゲェッ!っの野郎!」

 

 現に、ドロップキックを放ってきた女性キャラ外装(スキン)のプレイヤーの足を、カウンター気味に掴んだギガストームが、棍棒よろしくフルスイングで振り上げると、カウンター・ベイトに叩き付けられたプレイヤーは、ダメージに耐えられずに足が膝から千切れると共に頭が潰れ、反動で舞い上がりながら、首と膝の断面から粒子化して消滅。

 一方下顎にかち上げを叩き込まれ、後退するカウンター・ベイトも、踏み砕いた瓦礫を蹴りつけると、そこから必死の様相で顔を出したプレイヤーが巻き込まれ、直撃して横転したギガストームの足元に転がり落ちる。

 

「アイデデデデ……この世は闇じゃ暗闇じゃ……分不相応とは思いながらも、ノリに任せて挑みはしたが、因果応報とはこのことかいね……」

 

 そして文字通り踏んだり蹴ったりな有様を嘆いていたところを、泣き面に蜂とばかりに、ギガストームの起き上がりがてら周囲の瓦礫ごと掴まれ、駆け寄るカウンター・ベイト目掛け、散弾の如く撒かれる。

 

「え、わ、ギャ~~~!

 

 絶叫と共にカウンター・ベイトへと飛んでいく、『国民的』と称される程の人気と知名度を誇り、何度も演者を変えてアニメが放映されてきた作品の主人公――青い大頭と寸胴、短足の外装(スキン)が目を引く『ハゲてピカピカ』。劇場版にて、己の無力を嘆いた拍子に、幽閉された部屋の扉を突き破り、そのまま特攻で事態を解決してみせた石頭は、当たれば他の瓦礫よりもダメージを与えられそうだが、――操演なしでは立つこともままならなかったほどスーツが重かった事情もあったと言え――ヒーロー達の総攻撃を受けても、微動だにしなかったグランドキングには、その石頭も文字通り他の瓦礫共々石が当たった程度にもならず、そもそも届く前に口から放つ熱線『グランビーム』に払い除けられ、爆発で生じた煙から飛び出し宙に舞う生首は、ギガストームの頭上を飛び越えて地面を転がり、断面から粒子化して消滅していく。

 

「ここまでの殴り合いでHPが4割削れたとはな……最強怪獣の外装(スキン)は伊達じゃねぇってか」

 

「ハッ、こちとら『最後の(ラスト・)世界級優勝者(ワールドチャンピオン)』って呼ばれてんだ。『アインズ・ウール・ゴウン』のたっち・みーにゃ届かずとも、世界級優勝者(ワールドチャンピオン)の意地と実力は持ち合わせてんだよ!」

 

 奇しくも件のたっち・みーがすぐ側で戦っているとは知らないカウンター・ベイトが、かつて自身が成し得た功績を誇ると共に、攻めあぐねて向かい合っていたところに、ギガストームを援護すべく、上下に並んだ車輪と、その側面から腕が伸びる独特な風貌をしたトランスフォーマー、『デモリッシャー』が駆け付け、上の車輪を叩きつけようと振り下ろす。しかしその寸前、十字状の体躯の中心にある顔面を砲撃され、怯んでバランスを崩し、後退したところを、追い打ちとばかりに突撃してきた下出人の振り回す光刃を食らう。

 

『君もここにきていたのは意外だったが、久しいな戦友』

 

「ハッ!それはお互い様ってとこだな。こんなデケェ祭り開くって聞いときながら、無視して拠点(ギルドハウス)で穴倉決め込むなんざできるかよ!」

 

 切り刻まれた顔面から粒子を流しつつ、仰向けに倒れ撃破されたデモリッシャーから飛び退き、カウンター・ベイトの隣に並んだのは、青と黒のカラーリングに、細身の体躯が際立つロボット。その正体は『傭兵領域』のベースとなった作品から、10年の時を経て発売されたシリーズ作に登場した機体、『スティールヘイズ』。そしてそれを駆るプレイヤー、『オルトゥス』は、カウンター・ベイトが世界級優勝者(ワールドチャンピオン)を取得した大会、『終焉世界大会(ワールドエンドチャンピオンシップ)』にて、準決勝(ベスト4)で対決した相手でもあり、ある意味決勝戦以上の大会MVPとして称賛される程の熱い戦いを繰り広げた相手でもある。

 

『うわぁ!?オルトゥスさんも来てたんですか!っと、お久しぶりです、グレイブヤードさん』

 

 そこへ更に駆けつけたのは、スティールヘイズとは対照的に、白を基調とし、サイズが半分ほどしかない機体。こちらの『ランスロット』の搭乗者(パイロット)、『うまき』とは、彼が呼んだ『グレイブヤード』名義で参加した初戦で対峙し、異形系故の部外感に放たれたブーイングをものともせず、作中見せた圧倒的な機動力での攪乱や、高性能な装備の数々を、スケールの差で押し切るパワープレイで勝利している。

 

「おう、久しぶり。今はカウンター・ベイトって改名しててな。今度からはそっちで呼んでくれ」

 

準決勝(ベスト4)で相手した俺だけじゃなく、初戦相手の彼も来るとはな。援護しようかと思っていたが、却って邪魔になりそうだと控えつつ、さっきの様に周囲を片付けていてね。君が望むなら、今からでも手伝おうか?』

 

「『壁越え』の再現、ってか。それもそれで熱いが、テメェ等の気持ちだけ受け取っとくぜ。アイツもアイツで、腹に抱えてるもんがあるみたいだしよ……」

 

 そう言って顔を向けた先のギガストームは、特に不満を持った様子ではないが、さすがに相手が増えるかもしれないとあってか、警戒を怠らず、それでいて後方の兵力を嗾けようともしてこない。相手が一騎打ちをお望みなら、それに応えるだけの自信と余裕はあるらしい。

 

『なるほど、それは残念だ。ならば引き続き、後方の連中を抑えさせてもらいに行くとするよ、戦友。健闘を祈る。うまき、代わりなんていうのは失礼かもしれんが、手伝ってくれるか?』

 

『そのつもりでいたんで、こっちとしても助かります。初戦敗退だって、これでも世界級優勝者(ワールドチャンピオン)目指したんですから、憂さ晴らし代わりに発揮させてください!』

 

 共闘を断られこそすれど、想定はしていたとあって、即座に切り替えたオルトゥスは、うまきを連れてギガストームの横を低空飛行で通り過ぎていく。そして控えていたNPCの中央に陣取っていた、名前の由来である鼻先の角だけでなく、全身が赤く塗装された重武装のZOIDS、『レッドホーン』を翻弄しつつ、護衛も兼ねた周囲のNPC達も殲滅していくのを尻目に、ギガストームは再開の合図とばかりに咆哮を挙げながら突撃していき、カウンター・ベイトを、先程ファイヤーパターンを突き落としたボーンクラッシャーよろしく組み付いて転落していく。

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