艦これ2 光の絶望と影の希望   作:蒼海 輪斗

10 / 21
遂に本格的に戦闘開始。


第九話 漆黒の雷撃

未確認艦隊、呉鎮ヲ攻撃ス!!

 

 朝の新聞記事の一面にはこのように書かれていた。遂に海軍省は国民にも影の艦隊の存在を発表したようだ。まあ、隠していてもしょうがないからな。

 

提督      「栗林、そういえば海軍省から作戦がきていたな。」

 

栗林      「はい。作戦内容は鎮守府正面海域の制海権を奪還せよ、とのことです。」

 

長門      「そんな簡単に言われてもな…」

 

響       「そうだね…。」

 

栗林      「影の艦隊はとてつもない物量を誇っています。なので相手は確実に長期戦をとってくるはずです。」

 

長門      「そうなったら我々の勝ち目は薄いな…。」

 

十六夜     「だったら短期決戦を仕掛けたらいいじゃないですか?」

 

提督      「できたら俺もそうしたい。だが…」

 

長門      「哨戒に出ている空母蒼永、大永の艦上偵察機彩雲によると敵駆逐艦隊や水雷戦隊、潜水艦隊などかなりの数が出揃っているようだ。」

 

栗林      「短期決戦となれば資材の問題もでてきますし…。」

 

響       「司令官、海軍省の方から支援とかはないのかい?」

 

提督      「まあ、元帥も”できる限りの支援はする”と言ってくれたけど。」

 

栗林      「そういえばそうでしたね。これなら資材の問題はありませんね。残った問題と言えば…」

 

長門      「編成する艦隊ですね。」

 

提督      「そうだな、戦艦を主力にするか空母を主力するかだな。」

 

十六夜     「敵の艦隊には航空戦力がないから空母がいいんじゃない?」

 

響       「いや、敵艦隊には機動力のある艦艇が多いし、大型艦が殆ど投下されていないから空母を出すのはオーバーすぎると思うよ。」

 

栗林      「戦艦にするにしても、艦隊の調整が取りにくいですし…」

 

十六夜     「…じゃあ”第七艦隊”で出撃したらどうですか?」

 

提督・栗林   「第七艦隊?」

 

 第七艦隊は、うちの鎮守府では最大の戦闘力と防御力を兼ね備えている精鋭部隊だ。戦艦二隻、駆逐艦四隻で構成されており旗艦は秘書艦でもある長門が務めている。

 

栗林      「第七艦隊…、いいかもしれませんね。」

 

提督      「そうだな。この艦隊がいいな。」

 

十六夜     「そうでしょ!」

 

 十六夜がそう言って喜んだ。俺たちもやっと問題が解決して一息つこうとした途端、

 

ガチャ!

 

執務室のドアが開かれた。

 

大淀      「提督!空母蒼永から緊急の打電です!」

 

そう言いながら大淀が執務室に入ってきた。

 

栗林      「緊急の打電ですか?」

 

大淀      「読みます。”我、敵水雷戦隊、魚雷艇郡ヲ視認。我ガ鎮守府二向ケ進撃中!”とのことです!」

 

提督      「なんだって!敵の数は!?」

 

大淀      「駆逐艦四、軽巡二、魚雷艇郡多数です!」

 

提督      「長門、今出撃できる艦隊はあるか!?」

 

長門      「第二艦隊なら出撃可能です!」

 

 第二艦隊は呉鎮守府の第七艦隊艦隊に次いで精鋭を誇る艦隊だ。戦艦一、重巡三、駆逐艦二で構成されており、主に遠征や哨戒に参加している。 

 

栗林      「しかし、第二艦隊は現在戦艦、重巡、駆逐艦各一隻ずつしか出撃できません。」

 

十六夜     「それでも今はとにかく敵艦隊を迎撃しないと…」

 

提督      「栗林、第二艦隊の出撃可能艦に出撃命令を。」

 

栗林      「…分かりました。」

 

こうして、第二艦隊の”三隻”が出撃していった。

 

鎮守府正面海域

 

馬見ケ崎    「…なんでよりによって着任した三日後に出撃なんですか…」

 

出羽      「しょうがないですよ。今出撃できる艦隊が私達だけだったんですから。」

 

馬見ケ崎    「うわああああああああああああ!!どうせまた撃沈されるんですよ!私なんかいなくても…ははははは…」

 

出羽      「(情緒不安定すぎる…)大丈夫ですからしっかりしてください!」

 

雪風      「まーちゃん!雪風がいるから心配しなくても大丈夫です!」

 

馬見ケ崎    「雪風…。」

 

雪風      「雪風がいれば絶対沈みませんっ!」

 

馬見ケ崎    「…うん、ありがとう雪風。少し落ち着いた。」

 

出羽      「(雪風ちゃんすごい…)」

 

馬見ケ崎が落ち着いたことで、出羽が索敵を開始した。搭載している瑞雲を三機射出する。三機の瑞雲偵察機はそのまま上空に飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

軽巡二十型   「軽巡二十型ヨリ本部ヘ、我、作戦海域ニ到着ス。次ナル指示ヲ求メル。」

 

???     「了解、そのまま待機を指示します。敵艦隊には警戒すること。」

 

軽巡二十型   「了解シタ。」

 

ツーツーツー

 

軽巡二十型   「?ドウシタ?」

 

駆逐十六型   「上空ニ艦載機ヲ確認…」

 

 

 

 

 

 

 

出羽      「見つけました。三番機より入電、”我、敵水雷戦隊ヲ発見ス”。」

 

馬見ケ崎    「えっ、もう見つかったんですか!?(誤報だったらよかったのに…)」

 

雪風      「水雷戦隊ですか!でも大丈夫です!雪風は沈みませんっ!」

 

出羽      「各艦、警戒態勢を厳としてください!」

 

二人      「はい!」

 

しばらく警戒して航行すると、複数の艦影が見えてきた。

 

雪風      「敵艦を発見しました!」

 

出羽      「水雷戦隊ね…。」

 

影の艦隊の水雷戦隊が姿を現した。

 

出羽      「砲雷撃戦用意!」

 

出羽が主砲の照準をあわせる。馬見ケ崎も主砲の用意をする。雪風は魚雷の発射用意をする。

 

出羽      「撃ち方、始め!!」

 

出羽の号令とともに51糎連装砲、25.5糎三連装砲が火を吹く。そして次々と敵水雷戦隊を挟むように着弾していく。

 

駆逐十六型   「がああああああああああああああああああ!!」

 

駆逐十六型が咆哮を上げ、13糎砲を放つ。続いて軽巡二十型も砲撃を開始した。しかし、さすがは精鋭の第二艦隊。影の艦隊の砲撃を次々と回避していく。そして主砲を放ち反撃を行う。

 

駆逐十六型   「ぐがああああああああああああああああ!!?」

 

駆逐十六型が声を上げて沈んでいった。出羽の51糎砲弾が命中したのだ。

 

出羽      「よし!!撃沈!」

 

雪風      「出羽さんすごいです!」

 

やはり超大和型戦艦の名は伊達ではないようだ。

 

軽巡二十型   「オノレ…、コノ程度デ済ムト思ウナ。」

 

軽巡二十型がそういった途端、”なにか”が高速で近づいてくる音がした。

 

馬見ケ崎    「(えっ、なにこの音。まさか…)」

 

次第に音が大きくなり近づいてきたモノの正体は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…影の魚雷艇郡だった。

 

雷艇甲型    「シャァァァァァァァァァァァ!!」

 

雷艇甲型が咆哮を上げる。その姿は駆逐十六型を小型化し、両脇に魚雷を二発ずつ抱えている。頭部には15粍単装機銃が装備されており、口内には長10糎砲が搭載されている。

 

出羽      「魚雷艇郡!?しかもこんなにたくさん…。」

 

馬見ケ崎    「多すぎる…。」

 

雷艇甲型が一斉に魚雷を投下した。

 

出羽      「っ回避してっ!!」

 

第二艦隊はそれぞれ回避行動に移った。しかし、どれほど避けても魚雷の波は押し寄せてくる。そして遂に馬見ケ崎が被雷した。

 

馬見ケ崎    「ひゃあ!!?」

 

出羽      「馬見ケ崎さん!!」

 

雪風      「まーちゃん!!」

 

馬見ケ崎    「うう、やっぱり私は不運です…。」

 

軽巡二十型   「フフフ、サッキマデノ余裕ハドコニイッタンダ?」

 

出羽      「くっ…。」

 

軽巡二十型   「マダマダコレカラダ…。沈ムガイイ。」

 

軽巡二十型がそう言い放つと雷艇甲型が再び接近してきた。

そして漆黒の魚雷を投下する瞬間に、

 

 

 

 

 

 

雷艇甲型が次々と轟沈していった。

 

軽巡二十型   「!?ナンダト!!」

 

長門      「どうやら間に合ったようだな。」

 

そこには、長門たち”第七艦隊”の姿があった。

 

出羽      「長門さん!?どうして!?」

 

金剛      「テートクに支援に行ってくれと言われたデース!」

 

十六夜     「みんな!大丈夫?後は私たちに任せて!」

 

長門      「主砲三式弾装填!撃てぇー!!」

 

長門の41糎連装砲が火を吹く。三式弾が炸裂し、次々と影の艦隊を沈めていく。

 

軽巡二十型   「クッ、フザケタ真似ヲ…!」

 

十六夜     「これでとどめ!」

 

金剛      「バァーーーーニング、ラァーーーーーブ!!」

 

第七艦隊の主砲が一斉に放たれた。

 

軽巡二十型   「…同胞モコウシテヤラレタノカ…。無念ダ…」

 

次々と爆発が起き、影の艦隊は一隻残らず撃沈された。

 

 

 

   

 

 

十六夜     「やったぁ〜!!」

 

長門      「敵もなかなか骨があるな。」

 

金剛      「やりましたネ〜!」

 

こうして第二艦隊、第七艦隊の戦いにより鎮守府正面海域の安全は保たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???     「影浦提督、どうやら正面海域に展開していた水雷戦隊と魚雷艇郡が全滅したようです。」

 

影浦提督    「そうか。どうやらあいつらの戦力を侮っていたようだな。」

 

???     「提督、次はいかがなされるつもりでしょうか?」

 

影浦提督    「”アレ”の開発は終わったか?」

 

???     「はい、先程試作機が完成しました。」

 

影浦提督    「量産でき次第、戦線に投入しろ。」

 

???     「了解しました。潜水艦隊にはどう指示されるつもりで…。」

 

影浦提督    「待機を命令しろ。我が艦隊の反攻作戦は、始まったばかりだ…。」

 

新たな戦いが起きそうだ。果たして呉鎮守府は正面海域の制海権を掌握することができるのか…

 

 

 

 

次回   鎮守府防空戦




次回、影の大型???が投下される。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。