艦これ2 光の絶望と影の希望   作:蒼海 輪斗

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遂に始まった第二次い号作戦。戦いの行方は…?


第十九話 開始!!第二次い号作戦

朝の光が窓から差し込む。提督は身支度を整えていた。

 

提督      「(この作戦でこの国、日本の命運が決まる…)」

 

             『皇国ノ興亡、コノ一戦二アリ』

 

自然とこの言葉が頭に浮かんだ。確かに今の状況にぴったりかもしれない。

 

栗林      「提督、まもなく作戦開始時間です。」

 

提督      「そうか。分かった。」

 

俺はそう言い、司令室へと向かった。基本的に俺は司令室で指揮をとっている。

 

大淀      「提督、全艦隊出撃用意できました。」

 

提督      「分かった。」

 

俺はそう言いつつ、艦隊に出撃命令を出した。

 

艦隊が一斉に抜錨し、出撃していく。

 

大淀      「全艦隊、出撃完了しました。」

 

栗林      「遂に始まりますね。」

 

提督      「そうだな。俺たちができるのは祈ることくらいだな。」

 

俺はある艦娘の姿を思い浮かべ、祈った。

 

提督      「頼んだぞ…十六夜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南鳥島海域

 

十六夜たち、第七艦隊と第一機動部隊が南鳥島海域に到達しようとしていた。

 

蒼永      「そろそろ作戦海域に到達します。大永、敵艦隊は発見した?」

 

大永      「いいえ、まだです。」

 

十六夜     「敵は潜水艦でもあるから逆探にも気をつけないと。」

 

立春      「そうですね。」

 

 影の艦隊の潜母700型は名前の通り、潜水艦である。しかし、軽空母並の艦載機の搭載量を誇っており影の艦隊では空母として運用されている。つまり潜水艦、空母の両方として警戒する必要がある。

 

その時

 

大永      「彩雲三番機より入電!我、敵艦隊ヲ発見ス!」

 

蒼永      「!敵艦隊の編成は?」

 

大永      「潜母三!軽巡一!駆逐二!」

 

出羽      「一艦隊発見しましたね。」

 

すると大永が続けて報告した。

 

大永      「敵潜母、艦載機の発艦を開始してる!」

 

十六夜     「えっ!嘘っ!!」

 

出羽      「馬見ヶ崎さん!強風の発艦をお願いします!」

 

馬見ヶ崎    「…あ、はい…」

 

出羽      「蒼永さんと大永さんは直掩機の展開をお願いします!」

 

蒼永      「ええ。」

 

大永      「分かってるわ。」

 

 早速戦闘が開始されようとしていた。空母戦は基本的に敵の航空機による攻撃を防ぎつつ、自軍の攻撃隊により攻撃を仕掛ける。

 

大永      「出羽さん、なにかあったときのために徹甲弾を装填しておいてくれる?」

 

出羽      「えっ。五式弾じゃなくていいんですか?」

 

 五式弾とは(作者が作った)三式弾よりも対空防御に優れた対空砲弾である。空母戦を考えるなら徹甲弾よりも対空砲弾を装填したほうが対空値は上がる。

 

十六夜     「出羽さん、もしかしたら戦艦がいるかもしれません。」

 

 十六夜が言うように、機動部隊には戦艦が編成されている可能性もある。空母を護衛するためだ。

 

蒼永      「そうね。影の艦隊の戦艦は対空能力が高いからまともに戦えるのは出羽さんと馬見ヶ崎さんくらいよ。」

 

馬見ヶ崎    「え?わ、私もですか…?」

 

出羽      「あと十六夜さんもですね。」

 

十六夜     「え。なに言ってるんですか〜。私はそんなに強くないですよ〜。戦艦の片目を撃ち抜いたくらいですし…。」

 

出羽      「(駆逐艦にしては十分すごいと思うけど…)」

 

出羽がそう思った途端、出羽の対空電探が敵機を捉えた。

 

出羽      「対空電探に感あり!」

 

大永      「遂に来たわね。」

 

十六夜     「そうですね。」

 

 少しずつ、影の艦隊の攻撃隊が接近してくる。流星艦攻、彗星艦爆、烈風など影に染まった航空隊だ。

 

十六夜     「敵機!雷撃機三十!艦爆十!」

 

十六夜が叫ぶ。

 

蒼永      「大丈夫。直掩が行ったわ!」

 

 蒼永、大永が前もって発艦させていた戦闘機、”烈風”が敵攻撃隊に向けて突っ込んで行った。

 

 烈風が攻撃を開始した。影の烈風も迎撃を開始する。空中は敵味方が入り乱れて戦闘が始まった。次々と艦載機が火を吹いて落ちていくが、それが味方機か敵機かまでは分からなかった。

 

立春      「敵機数機が突撃してきます!」

 

どうやら烈風が取りこぼしたようだ。彗星艦爆が数機突撃してきた。

 

十六夜     「立春!いくよっ!」

 

立春      「はい!お姉さま!」

 

 十六夜と立春が蒼永と大永の前に立つ。空母は艦載機の攻撃目標にされやすいからだ。二人を守るために十六夜たちは前に出たのだ。

 

十六夜     「13糎連装砲、てーー!!」

 

 十六夜と立春の13糎連装砲が火を吹いた。対艦、対空を想定して作られた13糎連装砲は対空戦闘にも強い。次々と影の彗星艦爆が火を吹いた。

 

立春      「敵機迎撃成功です!」

 

馬見ヶ崎    「すごい…。重巡の私よりも全然強い…」

 

出羽      「他の皆さんは大丈夫でしょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

南西諸島海域

 

三隻の戦艦が、影の艦隊の重巡二十一型二隻と交戦している。

 

???     「主砲全斉射!!」

 

放たれた主砲弾が重巡二十一型に命中する。

 

重巡二十一型  「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」

 

叫び声を上げながら、重巡二十一型は爆沈した。

 

???     「やりましたね。お姉さま!」

 

???     「そうね。でも、まだ敵がいるかもしれないから十分警戒して。」

 

???     「念の為に瑞雲を発艦させますね。」

 

 この三人は、佐世保鎮守府から応援にきた”空母殲滅型高速戦艦”の”庄内型戦艦”の三姉妹だ。指揮をとっているのは一番艦”庄内”、庄内に指示を受けているのは二番艦の”酒田”、そして警戒のため瑞雲を発艦させているのは三番艦の”湯殿”だ。

 

 庄内型戦艦は敵航空隊の攻撃を耐え凌ぐ対空火器を装備し、その機動力を持って敵機動部隊に接近し、大口径の主砲を持って敵空母艦隊を殲滅するために建造された”空母殲滅型高速戦艦”の一つだ。41糎三連装砲を搭載し、三番艦湯殿は航空戦艦として瑞雲偵察機、試製六連装魚雷発射管を搭載している。

 

庄内      「重巡艦隊がいるってことは敵戦艦部隊が近いってことですね。」

 

酒田      「そうですね…。気を引き締めていきましょう。」

 

すると、湯殿が叫んだ。

 

湯殿      「瑞雲一番機より入電!『我、敵大規模戦艦郡ヲ発見ス』!!」

 

庄内      「大規模戦艦群!?」

 

酒田      「湯殿!敵艦隊はどれくらいの数!?」

 

それで出た答えは、最悪だった。

 

湯殿      「戦艦十二隻、重巡十六隻、駆逐艦多数確認…」

 

庄内      「戦艦が十二隻…!」

 

 今回の作戦で呉鎮守府、佐世保鎮守府が投入した戦艦の数は八隻。一方の影の艦隊は四隻も数で上回っている。

 

湯殿      「百十型が十一隻、隻眼の七十型が一隻です!」

 

酒田      「隻眼の…」

 

庄内      「戦艦七十型…」

 

 

 

 

少し遠方の海域ではその影の艦隊の大規模戦艦群が瑞雲を発見していた。

 

戦艦百十型1  「三時方向。敵機。」

 

 戦艦百十型のうち一隻が旗艦である戦艦七十型に報告した。その戦艦七十型は左目に眼帯をつけている。以前の戦闘で十六夜に左目を撃ち抜かれた戦艦七十型である。

 

戦艦七十型   「例の駆逐艦は見つかったか?」

 

重巡二十一型  「まだ確認されてません。」

 

戦艦七十型   「そうか。見つけ次第私に報告しろ。」

 

 この戦艦七十型は以前十六夜に左目を撃ち抜かれた後に、ずっと十六夜の行方を追っていた。戦艦である自分が駆逐艦に”負けた”のが許せなかったのだろう。

 

すると前もって発艦させておいた影の瑞雲から入電が入った。

 

「我、敵艦隊ヲ発見ス。編成ハ戦艦一、空母二、重巡一、駆逐艦二。駆逐艦ハ十六夜型デアルト考エラレル。」

 

その時、戦艦七十型はフッ、と冷たい笑みをこぼした。

 

戦艦七十型   「やっとみつけたぞ。この屈辱、今晴らしてやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

南鳥島海域

 

 蒼永たち第一機動部隊は、無事に作戦の第一目的である南鳥島海域を奪還した。被害は馬見ヶ崎小破のみだ。

 

馬見ヶ崎    「結局私は被弾するだけでなにもできなかったです…。やっぱり必要ないんですね…。」

 

また馬見ヶ崎が自分の被弾をマイナスにとらえて悲観している。(ほぼ毎日だけど…)

 

出羽      「そ、そんなことありませんよ!」

 

出羽は馬見ヶ崎を必死に励ましている。

 

すると、連絡が入った。

 

出羽      「はい。こちら第一機動部隊。…え…。」

 

報告を聞いて突然出羽は黙り込んだ。

 

十六夜     「出羽さん?どうしたんですか?」

 

大永      「どうしたのよ?」

 

全員が不思議がっていると、出羽が口を開いた。

 

出羽      「だ、第二機動部隊が敵戦艦群の攻撃により壊滅状態…」

 

全員      「えぇ!!?」

 

出羽      「それだけじゃありません…。第一戦艦郡も現在交戦中、被害甚大とのことです…」

 

十六夜     「そんな!まさかここの潜母艦隊は…」

 

馬見ヶ崎    「囮だった…訳ですね。」

 

 なんと影の艦隊は潜母艦隊を囮にし、主力艦隊をおびき寄せていたのだ。そのうちに他の戦艦部隊を攻撃していたのだ。

 

大永      「まさかおびき寄せられていたとはね…」

 

蒼永      「見事に騙されたわ…」

 

すると十六夜は言った。

 

十六夜     「いきましょう。助けに。」

 

馬見ヶ崎    「え?」

 

十六夜     「助けにいきましょう。早く行かないと間に合わないですよ!」

 

出羽      「…そうですね。悔やんでいる暇があったら助けに行きましょう。」

 

大永      「そうね。いきましょう。」

 

立春      「はい!」

 

こうして第一機動部隊は仲間の救援に向かった。もう何一つ奪わせないために…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呉鎮守府

 

ビーッ!!  ビーッ!!

 

工廠内に警報音が鳴り響く。白い作業服を着た整備兵たちがあちこち走り回る。

 

???     「艦隊が帰投するぞ!損傷艦多数!!予備のドックも空けろっ!!」

 

 整備兵たちに指示しているのは、工廠整備兵長の北村北斗。艦娘の修理や装備の整備などを担当している。

 

整備兵1    「整備兵長!大破三隻、中破七隻です!」

 

整備兵2    「深刻な被害です!」

 

北村      「慌てるな!被害の大きい艦娘は修復材を使用しろ!被害の少ない艦娘は緊急修理だ!」

 

整備兵たち   「はいっ!!」

 

次々と被弾した艦娘が工廠内に入ってくる。そこへ栗林が入ってきた。

 

栗林      「北村整備兵長!」

 

北村      「栗林少佐!かなりの被害です!戦艦も多数被弾した模様です!」

 

栗林      「分かりました。明石さん!大破した艦娘の皆さんの修理にはどれくらいかかりますか?」

 

明石      「ええ!?えーと…。急いで十六時間です!」

 

さまざまな会話が飛び交う。その様子を被弾しなかった艦娘たちが見ている。

 

榛名      「お姉さまたち大丈夫でしょうか…」

 

霧島      「お姉さまたちなら大丈夫よ。…私の計算上だけど…」

 

瑞鶴      「翔鶴姉、大丈夫かな…。大破してたけど…。」

 

その様子を提督は窓から眺めていた。

 

提督      「(これは思った以上に、苦しい戦いになるな…。本当に彼女たちには申し訳ない…。)」

 

そして提督は心の中で祈った。

 

提督      「(十六夜、無事でいてくれ…)」

 

 

 

 

 

 

 

南西諸島海域

 

 爆発音が次々と響く。庄内型戦艦三隻と戦艦百十型六隻が撃ち合っているのだ。しかし、庄内たちのほうが現時点ではかなり劣勢だ。

 

庄内      「くっ、このままじゃいずれ被弾するわ!」

 

酒田      「湯殿!航空攻撃はできる!?」

 

湯殿      「もう攻撃可能な瑞雲がありません〜!」

 

酒田      「そんな〜!!」

 

戦艦百十型   「フフフ、どうやらここまでのようだな。」

 

戦艦百十型が不気味な笑みを浮かべる。

 

酒田      「くっ…」

 

その時

 

ブウーーン!!

 

上空からエンジン音と風切り音が聞こえてきた。

 

戦艦百十型   「なんd」

 

バァーン!!

 

戦艦百十型が爆発した。

 

庄内      「もしかして…!」

 

 上空を見上げると、彗星艦爆が戦艦百十型に急降下爆撃を敢行していたのだ。そして水上には、

 

蒼永      「間に合ったみたいね。」

 

大永      「なかなか危なかったんじゃない?」

 

庄内      「蒼永さん!大永さん!」

 

十六夜     「ふぅ~~~。間に合って良かった〜。」

 

 なんとか、庄内たちが被弾する前に敵戦艦郡を急降下爆撃で壊滅させることに成功した。しかし、

 

戦艦七十型   「来たか…」

 

戦艦七十型が姿を現した。

 

十六夜     「!あいつは…」

 

そうだ。十六夜が左目を撃ち抜いたあの戦艦七十型だ。

 

戦艦七十型   「この傷の借り、返しにきたぞ…。」

 

十六夜と戦艦七十型が睨み合う。この戦いは、誰にも止められない…

 

    

 

 

 

 

 

次回最終話   絶望と希望   




次回、第一章最終話です。(ここまで頑張った自分を褒めてやりたい)
果たして、作戦を成功させ十六夜たちは無事に鎮守府に帰れるのか…。
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