後、投稿が遅れてすみません…。
マルゴーマルマル
提督 「……朝か…。」
俺は、そうつぶやき、布団から起き上がった。響はまだ眠っているようだ。まだ早いしそっとしておこう。
執務室にはいると、栗林がいた。
栗林 「提督、おはようございます。」
提督 「おはよう、栗林。」
そう朝の挨拶を交わす。
栗林 「今日の予定は、提督は南西諸島海域の視察、第一艦隊は近海域の警備、第二艦隊と第六駆逐隊は遠征、第三艦隊は提督の警護、残りの艦隊は演習、ですね。」
提督 「そうだな。今日は視察だから明石も連れていく。」
俺がいない間は、栗林に代理提督を頼むことにしている。
提督 「頼んだぞ、栗林。」
栗林 「はい、任せて下さい。」
そうだ、そろそろ響を起こさないとな。
自室に戻ると、まだ響は眠っていた。
時間も時間だし、早く起こさないとな…。
提督 「響ぃ〜〜。朝だ。起きろ〜。」
…なんだか、昔妹にしていたような起こし方をしてるな…。
提督 「お〜い。起きろ〜。」
響 「ん〜〜…」
提督 「お〜い…。」
なかなか手強い…。揺さぶってもなかなか目を覚まさない。
悪戦苦闘すること10分。ようやく響は目を覚ました。
響 「司令官、おはよう…。」
提督 「おはよう…。起こすのに苦労した…。」
響 「悪いね、司令官。実は私は寒いのは苦手なんだ…。」
提督 「まあ、その気持は分からなくもないな。特に今の季節は。」
響 「でも、司令官の言う通り早く起きないとね。暁たちに迷惑がかかってしまうからね。」
提督 「そうだな。早く身支度したほうがいい。今日は遠征だろ。」
響 「そうだったね。それじゃ急がないと。それじゃ、司令官。」
ガチャ… バタン…
まるで、”あの頃”に戻ったみたいだな。懐かしい…
提督 「そうだ。俺も準備をしないとな。」
俺も、準備を始めた。
提督 「それじゃあ、頼んだぞ、栗林。」
栗林 「はい、任せて下さい。」
そう言って俺は、海上自衛隊の護衛艦「あきづき」に乗艦した。護衛には第三艦隊がついている。
こうして俺は、南西諸島海域の視察に向かった。
その頃、鎮守府正面海域沖
暁 「さあ、今日も遠征任務頑張るわよ!」
響 「хорошо」
雷 「そうね、頑張りましょう。ねっ、電!」
電 「はいなのです。」
そうして第六駆逐隊は遠征に出ていた。
暁 「んっ、あれは何かしら?」
暁がなにかを発見した。
響 「暁、どうしたんだい?」
暁 「いや、ちょっと何かが見えるのよ…。」
雷 「確かに、何か見えるわ。」
電 「他の艦娘なんじゃないですか?」
正面海域で艦娘と出会うことは珍しいことではない。遠征途中に他の鎮守府の艦娘に会うこともあるし、深海棲艦と戦った後に海上で保護される艦娘もいる。
しかし、今回は全然違った。
暁 「えっ、あれってまさか…」
雷 「どうしたのよ、暁。そんなに驚い…て…。」
電 「はわわわわわ〜。大変なのです!」
響 「司令官に報告しないとね。」
呉鎮守府 司令室
栗林 「提督がいないとなんか落ち着きませんね。」
長門 「そうですね。あと書類の量が…」
栗林 「今のところ秘書艦が長門さんの一人だけですからね。」
そんなどうでもいい会話をしながら二人は執務仕事をしていた。
すると、慌ただしい足音が近づいてきた。
栗林 「なんでしょうか?」
すると司令室の扉がいきよいよく開かれた。
大淀 「たっ、大変ですっ!!」
栗林 「どうしたんですか、大淀さん。そんなに慌てて。」
大淀 「いっ、十六夜さんが…」
栗林 「十六夜さんがどうs、えっ?」
大淀 「十六夜さんが鎮守府正面海域にて発見されました!!」
まさかの報告に、長門のみならず栗林も驚愕した。
栗林 「早く提督に連絡を…」
南西諸島海域
提督 「ここが南西諸島海域か…。」
海自隊員 「それにしても、なにもいませんね…。」
俺はそのとおりだと思った。三ヶ月前まで深海棲艦が蔓延っていたのに、最近は全然確認がされていない。おそらく例の”影の艦隊”の仕業だろう。
金剛 「テートクー!もしかしたら潜水艦が潜んでいる可能性もありマース!気をつけてくだサーイ!」
第三艦隊の旗艦である金剛が俺に声をかけた。
提督 「分かってる。安心しろ。」
海上自衛隊の駆逐艦は対潜戦闘が得意である。なので別に潜水艦に気を使う必要はない。それに、ここの海域の深海棲艦はおそらく全滅している。
だからと言って俺は油断はしていなかった。ここは戦場だ。いつやられてもおかしくない状況である。機雷が設置されている可能性もある。もし機雷に触雷したらおしまいだ。
明石 「提督!鎮守府から緊急の打電がきました!」
提督 「何っ!緊急!?」
”緊急”と言われた途端、俺は焦った。俺がいない間に鎮守府が爆撃されたとか、深海棲艦か”影の艦隊”が攻め込んできたとか、悪い方に想像がついた。そして俺は恐る恐る電報を読みはじめた。
その内容は…
「我、鎮守府正面海域二テ駆逐艦十六夜ヲ発見ス。」
俺は目を疑った。
十六夜が、生きている?十六夜は三ヶ月前に影の艦隊の襲撃を受けて轟沈したはずだ。
まさか、生きていた?
電報の続きには現在鎮守府で保護しているらしい。
このときの俺の決断は…
提督 「艦長、鎮守府に戻って下さい。」
艦長 「えっ、今からですか?」
提督 「はい、お願いします。」
艦長 「…分かりました。 面舵一杯!!全力で鎮守府へと帰投する!。」
艦長に俺の考えていることが伝わったみたいだ。
明石 「提督!?視察はいいんですか!」
提督 「視察よりもこっちのほうが大事だろう!」
明石 「えぇ、まあ、そうですけど…」
提督 「安心しろ、視察はいつだっていける。」
そう言いながら俺は状況をまとめていた。
影の艦隊に襲撃され、轟沈した。轟沈した艦娘はよっぽどのことがなければ、帰還することはまずない。なのに十六夜は帰還した。一体どういったことなのか。
俺には見当もつかなかった…。
鎮守府についた。急いで提督室に向かった。すると途中で栗林が待っていた。
提督 「栗林!!」
栗林 「提督!帰ってきたんですね。」
提督 「当たり前だろう。それで十六夜が発見されたらしいが…」
栗林 「今は医務室で寝ています。かなりの損傷を負っていたようで体中が傷だらけでした。」
提督 「それで、意識はどうなんだ?」
栗林 「発見時はありませんでしたが、軍医の診察によると命に別条はないようです。」
提督 「そうか。」
栗林 「…それにしてもどうやって戻ってきたんでしょうか。」
俺が持っている疑問を栗林の感じていたようだ。
提督 「お前でもわからないのか?」
栗林 「はい。前例はありますが、今回のようなことは初めてです。それに轟沈に追い込んだのが深海棲艦ではなく、新たに確認された敵…”影の艦隊”です。未知なる敵に襲われて生還できる可能性は比較的低いです。」
流石は東大も顔負けの天才補佐官だ。俺と考えている次元が違う。
すると、提督室のドアが開き白衣をまとった軍人が入ってきた。
??? 「提督、意識不明の艦娘が意識を取り戻しました。」
そう俺に報告しにきた軍医は、横山 忠広。呉鎮守府の軍医長をしている人だ。
提督 「そうか、報告ありがとう。栗林、いくか。」
栗林 「そうですね。本人に聞いたほうが話は早いです。」
こうして俺たちは、医務室に向かった。
窓を見ると、艦娘たちが演習をしていた。どうやら十六夜の帰還を知っているのは、長門や大淀、十六夜を発見した第六駆逐隊の一部の艦娘だけのようだ。
栗林 「ここが医務室ですか。」
提督 「すでに大淀が様子をみてくれているそうだ。」
そう言いながら俺ははドアを開けた。
大淀 「あっ、提督!」
提督 「大淀、急に悪かったな。」
大淀 「いえ、そんなことありません。」
栗林 「そういえば十六夜さん…」
大淀 「十六夜さんならこちらです。」
大淀に案内されたベットには、彼女がいた。
窓の外を眺めている十六夜に俺は声をかけた。
提督 「十六夜…」
俺の声が聞こえたのか、十六夜はゆっくりとこちらを振り返った。
そして俺にむかって微笑んだ。
提督 「十六夜、もう大丈夫か…?」
十六夜はうなずいた。
よかった。
思わず涙がでそうになる。その時、栗林が何かを感じたのか十六夜にこう言った。
栗林 「十六夜さん、もしかして話せないんですか?」
んっ?…確かに言われてみればそうだ。俺が話かけたときもうなずいたり、微笑んだりしただけで言葉は交わしていない。まさか…
提督 「十六夜、お前、話せないのか?」
俺がそう言うと、十六夜はうつむき加減にうなずいた。
やっぱりだ。
十六夜は言葉を失っていた…
次回 第六話 動き出す影
次回、遂に影の艦隊が動き出す。