艦これ2 光の絶望と影の希望   作:蒼海 輪斗

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今回もオリキャラを投下します。


第八話 奇跡の駆逐艦と不運の重巡

 第六駆逐隊と空母蒼永、大永と影の艦隊の戦闘から三日がたった。あの海戦は後に”第二次鎮守府正面海域海戦”と呼ばれるようになった。

 

十六夜     「提督!それじゃ演習いってくるね!」

 

提督      「ああ、頑張れよ。」

 

栗林      「気をつけてくださいよ。」

 

十六夜     「はーい!」

 

そう言って十六夜は執務室から出ていった。ようやく十六夜は声を出せるようになった。今は遠征と演習だけを行わせている。もちろん秘書艦としても復帰している。

 

長門      「提督、空母蒼永、大永を第二機動部隊に配属してよかったのですか?」

 

提督      「ああ。第一機動部隊は一航戦や二航戦だけでも航空戦力は足りてるし、今は遠征任務すら危うい状況だ。蒼永たちは一航戦に並ぶ力を持っているが、もしもに備えて温存しておきたい。」

 

栗林      「提督の言う通りです。今は影の艦隊が正面海域を徘徊しており、遠征任務すらできるか怪しい状況です。十六夜さんの件もありますし、危険は冒したくありません。」

 

長門      「そうですね…。私ももう危険は冒したくありません。」

 

長門も気にしているだろう。なにせ自分が第七艦隊の旗艦だったからな。責任を感じるはずだ。

 

すると俺のスマホの着信音が鳴った。

 

提督      「あっ、悪い。少し外すぞ。」

 

栗林      「はい、分かりました。」

 

そうして俺は電話に出るために、提督室の中に入った。

 

電話の相手は…

 

提督      「海軍省からか…。」

 

ピッ…

 

提督      「もしもし、はい、蒼海です。」

 

海軍関係者   「あっ、蒼海提督!今お電話を元帥にかわります。」

 

元帥から…?俺はなにかしたか?

 

ガチャ…

 

元帥      「もしもし、蒼海君かな?」

 

提督      「はい。そうです。今日はどんなご要件で…」

 

元帥      「あぁ、実はもうひとり艦娘が君の鎮守府に着任することになってね。」

 

提督      「呉鎮守府に…ですか?」

 

元帥      「そうだよ。十代で優秀な提督になった君のことだ。頼めるかい?」

 

俺が今考えていることはひとつだ。

 

提督      「はい。任せてください。」

 

断る理由なんてどこにもなかった。

 

 

 

 

 

???     「それで新しい艦娘が明日着任するんですか。」

 

洗い物をしながら彼は俺に問いかけた。

 

提督      「そうなんだ。元帥の頼みだから断る理由なんてありませんよ。」

 

???     「まあ、参謀総長もそんな人ですからね…。そういえば、兄さんの調子はどうですか?」

 

俺にそう問い続ける彼は陸軍駐屯連帯長、長谷川正さんの弟、長谷川直樹さん。ここの鎮守府内にある提督、海軍関係者、陸軍連隊員などが集う食堂の料理長をしている。

 

提督      「ああ、正さんなら相変わらず元気ですよ。」

 

このように、俺は週二くらいで通っているものなのですでに顔なじみである。

 

長谷川直樹   「そうですか。蒼海さん、あんまり無理しないでくださいよ。」

 

提督      「分かっていますよ。」

 

そして俺は、執務室へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

翌日

 

マルゴーマルマル

 

 いつもの如く、提督業に休みはない。朝起きて身支度を整え、執務室へと向かう。執務室に着くと、栗林が書類をまとめていた。

 

提督      「おはよう栗林。」

 

栗林      「提督、おはようございます。」

 

こうして二人で執務を始めた。

 

栗林      「提督、そういえば今日は新しい艦娘が着任するんですよね?」

 

提督      「そうだったな。マルナナサンマルには着くらしい。」

 

確か元帥は重巡だと言っていたな。うちの鎮守府には海外艦以外重巡は全員いるんだけどな。新鋭艦か?

 

 

 

 

マルナナサンマル

 

 呉鎮守府の正面玄関に一人の艦娘が立っている。新しく着任する艦娘だろう。しかし、

 

???     「…本当に大丈夫かなぁ…。どうせ大した戦果残すことなく沈んちゃうんだろうなぁ…。私なんかいなくても大丈夫なんじゃないかな。」

 

見るからにネガティブな艦娘が着任する…。

 

 

 

提督室

 

トントントン

 

どうやら来たみたいだな。

 

提督      「どうぞ。」

 

俺がそう言うと、扉が開き一人の艦娘が入ってきた。

 

???     「…はじめまして、馬見ヶ崎型重巡洋艦一番艦、馬見ヶ崎です…。」

 

重巡、馬見ヶ崎が自己紹介をした。見た目はどちらかと言うと美人系だ。

 

だが…

 

馬見ヶ崎    「あっ、使えなかったら別に解体してもいいですよ…。」

 

栗林      「えっ?」

 

やっぱり元帥の言ったとおりだった。

 

 

 

この艦娘、ネガティブすぎる…

 

馬見ヶ崎    「どうせ私は史実どおり、目立った活躍もなく艦隊のお荷物になるだけなんですから…。」

 

栗林      「いや、流石にそれは…」

 

馬見ヶ崎    「いや!絶対にそうなんです!きっと遠征すらまともにできません!私はどうせ不運な重巡なんです…。」

 

だから、と馬見ヶ崎は言った。

 

馬見ヶ崎    「…皆にも迷惑をかけたんです…。」

 

提督      「そんなことない!」

 

突然提督が声を上げた。栗林は驚いた。提督は普段声を上げることはないからだ。

 

馬見ヶ崎    「えっ?」

 

提督      「お前が来る前に元帥からお前の史実を教えてもらった。確かにお前は目立った活躍もなく、米航空機の空襲で戦没した。だが、お前はその時何を守っていた?」

 

馬見ヶ崎    「…確か、大型輸送船でした…。」

 

提督      「お前が沈没した後、その輸送艦はどうなったと思う?」

 

馬見ヶ崎    「…どうせ沈められt」

 

提督      「無事に本土に帰還して、輸送物資を届けたそうだぞ。」

 

馬見ヶ崎    「えっ?本当に…?」

 

栗林      「そのとおりです。海軍省の情報なので嘘はありません。」

 

提督      「つまりお前の沈没は決して無駄じゃない。お前のおかげで命を救われた人が少なからずいるんだ。…もっと誇りを持て。大丈夫、お前ならできる。」

 

馬見ヶ崎    「…いいんですか、私はここにいて…」

 

栗林      「いいに決まってます。だって馬見ヶ崎さんはこの世界の海を守るために生まれた”艦娘”なんですから。」

 

栗林の一言により馬見ヶ崎はようやく決心したようだ。

 

馬見ヶ崎    「…自分にできることはします。でも、あまり期待しないでくださいよ…。」

 

 

 

 

 

マルマルマルマル(正午)

 

執務室

 

提督      「本日分の執務も終わりか…。」

 

栗林      「そうですね。さすが十六夜さん、相変わらず執務のスピードが早いですね。」

 

十六夜     「そんなことないですよ〜。同じこと繰り返すだけだから。」

 

長門      「本当に駆逐艦なのか…」

 

 それは長門に同感する。十六夜は本当に駆逐艦なのか?火力も通常の駆逐艦より優れているし、改二にも引けを取らない戦闘力を着任当時から持っている。

栗林が言うには、もとから十六型駆逐艦の十六夜型駆逐艦は巡洋艦に匹敵する火力と装甲を持っており、なお、高速である高性能な艦隊防空型大型駆逐艦であると言っている。

 そうなると旧海軍は裏でとんでもない兵器を開発していたことになる。歴史はよく分からないな。

 

トントントン

 

俺がそうこう考えていると、ノックがした。

 

栗林      「誰ですか?」

 

栗林がそう聞くと、勢いよくドアが開かれた。

 

???     「しれぇ!!馬見ヶ崎さんが着任したって本当ですか!?」

 

そう言いながら、執務室に入ってきたのは、陽炎型駆逐艦の八番艦”雪風”だ。史実では、十数回以上の主要海戦に参加しておきながら、その全てを無傷又は軽い損傷で生き延びた駆逐艦だ。いろんな愛称があり”幸運艦”や”奇跡の駆逐艦”などとも言われている。

 

栗林      「雪風さん…、ノックするのはいいですけど、扉を勢いよく開けすぎです。」

 

雪風      「ねぇどうなんですかっ!?」

 

栗林      「(聞いてないな…)」

 

提督      「あ、ああ、そうだけど…。」

 

雪風      「そうですか!今から会ってきます!!」

 

そう言って、雪風は執務室から出ていった。

 

提督      「栗林、雪風と馬見ヶ崎にはなにか関係があるのか?」

 

俺が疑問に思い栗林に問いかけた。すると栗林はこう答えた。

 

栗林      「そうですね。史実では雪風さんと馬見ケ崎さんは輸送任務や哨戒任務などでよく同じ行動をとっていたらしいです。」

 

提督      「そうなのか。」

 

本当に栗林はなんでも知ってるな。一度その頭の中を覗いてみたいくらいだ。

 

 

 

雪風      「ああ!!見つけました!」

 

馬見ケ崎    「えっ?あっ、雪風…」

 

雪風      「まーちゃん(あだ名)が着任したってしれぇから聞いたんです!」

 

馬見ケ崎    「そうですか。」

 

雪風      「また一緒に戦えますね!」

 

馬見ケ崎    「うん…。でもあの時はごめんね。一人にさせちゃって…。迷惑だったでしょ…。」

 

雪風      「そんなことないです!また一緒に頑張りましょう!!」

 

馬見ケ崎    「…そうですね。分かりました。頑張りましょう。」

 

雪風      「そうですよ!雪風たちは、沈みません!!」

 

再び新たな仲間が加わった。

 

 

 

 

 

 

次回    漆黒の雷撃




次回、影の艦隊と戦闘!
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