レユニオンと往くテラの大地   作:青影

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 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。




Therefore, there is no other way(故に他に道はなく)

 

 

ラヴァ視点

 

 

 

「う〜ん……龍門の地形は本当に複雑ですね」

「本当にこんな場所に捜索対象がいるんでしょうか」

 

 アタシたち行動予備隊A1とアーミヤで龍門のスラムに人探しに来ていた。ったく、フェンもアーミヤも誰を探すのかすらまだ分かってないのに、よくあそこまで全力になれるよな。

 

「このまま探しても埒が明かないですね。アーミヤさん、手分けして探しませんか?」

「……そうしましょうか」

「でも、大丈夫でしょうか。その……もし戦闘になった時に危険じゃないでしょうか」

「それなら心配いらないわよ〜、ウサギちゃん」

 

 あいつらがどう手分けして探すか考えている時に、BSWの2人が来た。確かフランカとリスカムだったか?緩い方がフランカで、お堅い感じの方がリスカムで……?ってめっちゃわかりやすいな。

 

「こんにちは、アーミヤさん。それで、手分けというのは……?」

「はい……『このまま捜索しても捜索対象が見つからないのではないか』と、フェンさんが」

「あら〜、やるわね。確かにここはかなり広いし、手分けした方が早いでしょうし……お手柄よ、ねぇリスカム?」

「そうですね。……今なんで私に聞いたの?」

 

 二人ともフェンのことをかなり評価してた。なんというか意外だな。

 

「なぁクルース。あれ、なんなんだ?」

「さぁ〜?やっぱフェンちゃんはすごいってことじゃな〜い?」

「流石私たちのフェン隊長ですね!」

 

 こいつらはいつも通りだな。なんかハイビスはやけに神妙な顔をして考え事をしているが。その様子をクルースとビーグルも気づいたみたいで、3人で思わず顔を合わせたよ。いやそんなアタシに話しかけろみたいな顔するなよ。嫌だって。

 

「ラヴァちゃんラヴァちゃん。ハイビスちゃん、どうしたんでしょう」

 

 ビーグルが小声で話しかけてきた。いや怪しまれるじゃん。ハイビスが考え事をしてなかったら「私も会話に混ぜてくださいよ〜!」とか言って来るところだったよ。

 

「いや知らねぇよ。ただアイツがあそこまでして考え事をするのは珍しいかもな」

「ですよねですよね!ちょっと聞いてきてもいいですかね!」

「やめとけよ。というかやめておいてくれ。藪蛇になったら目も当てられないし、どうせハイビスのことだから大したことじゃないさ」

「えー」

 

 おいビーグル、やめてくれ。そんな名残惜しそうにこっちとハイビスを交互に見ないでくれ。またアタシがハイビスの愚痴言ったみたいじゃんか。クルースもクルースであくびなんてしてないでどうにかしてくれ。

 

「えーと、いいかなみんな。チーム分けについてなんだけど」

 

 フェンもこっちに来た。そういやそうだった。危うく忘れるところだった。ハイビスもフェンが戻って来たのに気がついて顔を上げた。

 

「まず第一チームがアーミヤさん、私、クルース。第二チームがフランカさんとリスカムさん」

 

 おい待て。ってことは……

 

「第三チームはラヴァ、ハイビス、ビーグル。リーダーは……ラヴァ、頼める?」

 

「いやいやいや。リーダーやるのはまだいいけど、ハイビスと同じチームに入れるのは勘弁してくれ」

「『勘弁してくれ』って……ハイビス、どうしようか。……ハイビス?」

 

 フェンに話しかけられても、ハイビスは心ここにあらずって感じだ。

 

「えーと……はい。そうですよね。私が第一チームの方に入ってもいいですか?」

 

 いや元気なさすぎだろハイビス。さすがの私も心配になるぞ。まるでアタシが悪いみたいじゃんか。

 

「あ、うん……そしたらクルース、第三チームの方に入ってもらっていい?」

「はいは〜い、わかったよぉ〜」

「それじゃ捜索開始。あ、捜索対象の特徴は────」

 

 

 

 

 

 

「ハイビスちゃん、大丈夫でしょうか」

 

 チームに分かれて捜索を始めてすぐにビーグルが話しかけてきた。

 

「そりゃアタシだってアレを見りゃ心配になる。ただ今は任務中だし、後で聞けばいいだろ」

「それはそうですけどぉ……」

 

 にしても、何が原因であんな悩んでるんだろうな。思い当たる節は……山ほどあるが。

 

「ラヴァちゃ〜ん、ここ入ってもいいかなぁ〜?」

「ん?ここは……家か?」

 

 クルースが入ろうとしていたのは誰かの家だった。家って言ってもスラムで言う"家"なんて、ただ衣食住をするだけの場所だ。場所が悪けりゃ天井もない。ただ、ここはその中でもかなりいい立地で、雨風を凌げそうだし、棚もある。人気もないし、今は誰も住んでないみたいだ。

 

「捜索対象……ミーシャはここ最近龍門に来たらしいし関係ない気はするが……一応調べておくか」

 

アタシたちは床や棚を調べた。棚の中には鍵がかかった引き出しもあったが、老朽化で簡単に開いた。その中には誰かの日記があっただけで、他にめぼしいものはなかった。

 

「おーい、そっちはなんかあったか?」

「なんにもないですねー」

「こっちもないよぉ。他のところ行こ〜?」

「クルースが入ろうって言ったんだろうが……」

 

 そうこう話しているうちに通信が入った。

 

「こちらチーム1。捜索対象を発見しました。場所の情報は全員に送りましたのでそちらを確認してください。また、近くにレユニオンの兵士を発見しました。各自、警戒して行動してください。以上」

「よし、アタシたちも行くか」

「はいは〜い」

「危ない人たちもいるみたいですし、気を引き締めていきましょう!」

 

 3人で目標地点に向かい始めたが、何か忘れてるような気がする……けどまぁいいか。忘れるようなことだし、多分そんな大事なことじゃないだろ。

 

 

 

 

 

 

「……やっべ、忘れてた」

 

 ハイビスは相変わらずだ。大人しくていいが、逆に調子が狂う。ただ問題はそうじゃない。さっき日記を見つけた時にポケットに入れて後で見ようと思ってた。そしたら通信が入ったから日記を持ったままあそこを離れちまった。さすがに他人の日記を取ってくってのは感じ悪いし返したいが、今から戻しには行けないよな。まぁ今は誰もいないみたいだったし、持ち主はもういないかもしれないと考えると……どうだろうな。あそこで誰にも見られずに残しておくよりはマシかもしれない。

 

「あなたたち、誰?どうして私を探しに来たの……?」

 

 それはさておき、アタシたちはちょうどミーシャのところに来てた。って言ってもアタシ含むA1の奴らは全員部屋の外で警戒体制を敷いてるだけだが。まぁ、感染者でサルカズってなると……な。警戒されるだろうってのもあるんだろう、多分。

 

「私たちはロドス・アイランド製薬という、感染者向けの医療提供を行っている組織なんです。その活動の一環として、あなたさえよければ、力になりたいと思っているのですが……」

「何を……も、もしかして、そんなこと言って私を捕まえるつもりなの!?」

 

 まぁそうだよな。そりゃアタシだってロドスにいなきゃそんな言葉は信用できない。改めて考えると、アタシは運が良かったんだと思う。ハイビスに連れられてロドスに来たが、なんだかんだそのまま残ってる。ちゃんと鉱石病の治療も受けられてるし……人生ってわかんないもんだよな、ホント。

 

「……というわけです。ひとまず、ここを一緒に離れませんか?」

「……。わかった、行くよ。どっちみち、今の私に選択肢なんてないんでしょ?」

「そういうわけではないんですが……でも、ありがとうございます。ミーシャさん」

 

 選択肢がない、か。感染者ってのは一気に選べる選択肢が減る。アタシもそれは実感してるが、それをより感じているのはフェンたちだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 向こうはペンギン急便のエクシアとも合流して、作戦を立て終わったらしい。フェンが通信で連絡を受けた。って言っても壁1つ越しだけどな。

 

「フェンさん、聞こえますか?」

「はい、こちらフェン。聞こえます」

「こちらの状況は聞こえていましたか?」

「はい。敵が迫っているようですね」

「そうです。なので、行動予備隊A1の皆さんには後方の敵の撃破をお願いしたいのですが、よろしいですか……?」

「わかりました」

「敵に囲まれないようにだけ気をつけてくださいね!」

 

 そこで通信は切れた。直後、部屋の向こうから人気が消え……逆側から、ものすごい量の足音が聞こえた。

 

「みんな、聞いてくれ。安全に気をつけながら、できるだけアーミヤさんたちの方に敵が行かないようにする。多分色々な方向から敵が迫ってくるから、アーミヤさんたちをを追いながら敵を倒していくのがいいと思う。クルースはアーミヤさんたちを追って、行く方向を教えて。ビーグルは後方から敵の足止めをお願い。ハイビスはビーグルの支援を。ラヴァはビーグルが足止めしてる敵を優先して撃破して。私は前方を切り開く。いい?」

「えーと、わかった!敵の足止めだね!」

「わかったよ〜。みんな気をつけてね〜」

 

 ハイビスはまだ呆けている。仕方ない、多少発破をかけてやるか。

 

「ああ。……おい、ハイビス。後で話は聞くから、今は戦いに集中しろ」

「あ、はい……ありがとう、ラヴァちゃん」

 

 ハイビスはこちらを向き、にこやかな笑顔を向けた。……なんでそんな穏やかなんだよ。それじゃまるで……。

 

「各員、戦闘準備!行くよ!」

 

 フェンの掛け声で、アタシたちは戦闘を開始する。ハイビスは不安だが、心配してもどうしようもない。何より、アタシが隣にいるんだ。絶対に死なせやしない。

 

 






登場キャラ紹介



・ラヴァ
 本作の裏主人公というかそういう感じのサムシング。今後もちょくちょく出てくる。



・ハイビスカス
 (異格ハイビス見ながら)デカすぎんだろ……。声もめっちゃいい。


・ビーグル
 ビーグル、異格来るよね……?コーデ?知らない子ですね……。


・クルース
 開眼しない糸目。開眼してもいいのよ。


・フェン
 行動予備隊A1の隊長。総合戦略ではみんなお世話になったはず。異格キャラのプロファイル、ボイスでフラグがビンビン。


・フランカ
 公式からのフラリス提供助かる。フラリスてぇてぇ。


・リスカム
 優等生ちゃん。強いぞリスカム!可愛いぞリスカム!頑張れリスカム!


・ミーシャ
 アーミヤキラー。今回は生き残ってくれますか……?






 アンケートをした結果、前の書き方の方がいいという人の方が多かったので戻します。投票、ありがとうございました。

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