レユニオンと往くテラの大地   作:青影

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 ストーリーを読み返したり、プロファイルを見たりすると、案外新しい発見があって中々楽しい。




変化

 

 

アーミヤ視点

 

 

「ミーシャさん、大丈夫でしょうか……」

 

 ミーシャさんに応急処置は施したのですが……やはり即効性があるとはいえ、その分効果が大きいわけでもないので、辛そうです。隣では、エクシアさん、テキサスさん、フランカさん、リスカムさんが相談をしていました。

 

「んー、ここで立ち往生してるとまたレユニオンが来るんじゃな〜い?」

「確かにな。先程からレユニオンの兵士が歩いているのが見える。このままだと見つかるのも時間の問題だ」

「でも動くにはまだ時間がかかるんじゃない?」

「そうだね……アーミヤさん、ミーシャさんの様子はどうですか?」

「えっと……まだしばらく時間がかかりそうです」

「ごめん、アーミヤ……まだ動けなくて……ゴホッ」

「ミーシャさん、目が覚めたんですか!?大丈夫ですよ、まだ時間はありますから……」

「で、でも……私のせいで、みんなを待たせてるし……早く行かないといけないんじゃないの?」

「ミーシャさんの体調の方が大事ですから……落ち着いて呼吸をしてください……はい、そうです……」

 

 ミーシャさんは目が覚めましたが、呼吸が浅く、安定していません。今の私には呼吸を安定させるくらいしかできませんが、他に何かできることがあれば……。

 

「アーミヤちゃん、ちょっといい?」

「はい……え?ハイビスカスさん……?」

 

 突然誰かが後ろから話しかけてきたと思ったらハイビスカスさんでした。

 

「ちょっと診させてもらうね」

 

 そうミーシャさんと私に告げると、突然診察を始めました。ミーシャさんから症状について聞いたり、体を調べたりして、それをメモしているようです。

 

「うんうん……なるほど、ありがとう」

「ハイビスカスさん、何かわかりましたか……?」

「うん。早くちゃんとした治療をした方がいい。アーミヤちゃん、これからミーシャちゃんを近衛局に引き渡すつもりなんだよね?」

「はい……そうですが……」

「この調子だと……その時間すら惜しい。一旦ロドスに戻って治療をした後に引き渡す、とかは……」

「おそらく難しいと思います。近衛局との約束を破ることになりますし、それに近衛局はロドスにあまり情報を与えたくはないようですから」

「そっか、それじゃ……はいこれ」

 

 ハイビスカスさんは、メモを破り、それをミーシャさんに渡しました。

 

「これは……?」

「したほうがいいことと、しちゃいけないことが書いてあるから、できるだけそこに書いてある通りにして欲しいの。いい?そうすれば少しは鉱石病の進行を抑えられるから」

「うん……わかった」

 

 突然のことに驚きましたが、ハイビスカスさんもミーシャさんの体調を心配していたようでした。ハイビスカスさんは、ミーシャさんがメモを読んでいることを確認すると、フェンさんたちの方へ戻っていきました。

「あの子、突然どうしたの?」

 

 先ほどまでの様子が気になったのか、今度はフランカさんがこちらを見に来ました。

 

「その……ハイビスカスさんもミーシャさんの体調が気になったみたいで。それで診察をしていました」

「でも、あの子たちってロドスの見習いの子たちじゃなかったっけ?もしかして、私の思い違いだったり……する?」

「いえ、思い違いではないですが……ハイビスカスさんはとても熱心に話を聞いているので、その知識が役に立ったんじゃないかと」

「なるほどね〜。随分とテキパキとやってたから、もっと慣れてるのかと思っちゃったわ」

「あれ、確かにそうですね……どうしたんでしょう」

 

 ハイビスカスさんは、まだ医療オペレーターとしての任期も短く、前線に出るようになったのもごく最近です。それに、私の記憶が正しければロドスに来るまでは実際に医療に関わったことはないと聞いていましたが……先程の様子は、フランカさんの言う通り、とても慣れた手つきで診察を行なっていました。

 

「あ、アーミヤ……もう動けそう……かも」

 

 ミーシャさんは上半身を起き上がらせて、そのまま立とうとしているところでした。

 

「肩を貸しましょうか?そのまま立てますか?」

「大丈夫、一人で立てるから……よいしょ、っと」

「ふふ、どうやら行けるようになったみたいね〜。それじゃ……」

「はい、進みましょうか」

 

 その後は特に大きな問題もなく進むことができました。ただ、確かにレユニオンがいたるところにいるようで、最初の1回以降はなんとか顔を合わせずに済みましたが、それでも現在も数多くスラムに潜伏しているようでした。

 

 

 

 

 

 

「遅刻だぞ、アーミヤ」

 

 チェンさんは、深刻そうな顔をしてこちらを見てきます。

 

「申し訳ありません。ですが、レユニオンとの戦闘を避けるために安全なルートを通ってきたので時間がかかってしまい……それに今もなお、彼らは付近にいるようですし、一刻も早く彼女を連れて離脱をした方がいいと思います」

「言い訳は不要だ。……それで、キミがミーシャか?」

「……はい」

「わかった……現時刻を以て、キミの身柄は近衛局の保護下に入ることとなる。今後は我々の指示に従ってくれ。『PC94172』、彼女を頼む」

「了解しました。……では、こちらへ」

「アーミヤ……」

 

 ミーシャさんはこちらを名残惜しそうに、そして不安そうに振り向きました。

 

「大丈夫ですよ、ミーシャさん。……チェン隊長。何故龍門がミーシャさんを必要としているかはわかりませんが……必ず、彼女の安全を保障していただけるようお願いします。それと、ミーシャさん病状は芳しくありません。ですから龍門には、事件解決後、ミーシャさんがロドスで生活することを認めていただきたいと思っています」

「……わかった。ウェイ長官に申請しておこう。最も、何も問題がなければ、だが。ともあれ、検査自体は長くはかからん。1週間以内には済むだろう」

「わかりました。……ミーシャさん。しばしのお別れにはなりますが……ロドスは、あなたのことを待っていますから」

「うん……わかった。またね、アーミヤ」

「はい、また」

 

 ミーシャさんに微かに笑顔が戻ったように感じました。近衛局にはできるだけ早く、検査を済ませてほしいところではありますが……ミーシャさんが何か重要な存在である以上、時間がかかりそうな気はします。

 

「近衛局を代表して、ロドス各員の協力に感謝する。それでは、一時解散だ。何か進展があれば、追って連絡をする」

 

 チェンさんもそう告げて、ミーシャさんを連れて去っていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜、ようやく一息つけるわね〜。これでお仕事は完了かしら?」

「そうみたいだね。でもフランカ、まだここがスラムだってことを忘れてない?」

「忘れてないわよ。つまり、まだ敵と会うかもしれないってことでしょ〜?……こんな風に」

 

 フランカさんは素早く前方に飛び出し、レユニオンの兵士を気絶させました。物音もなしに近づいてきていたようで、周りにはかなりの数のレユニオン兵士がいそうです。

 

「アーミヤさん、まずいですよ。これ……囲まれてます」

「そうみたいですね……みなさん、戦闘の用意を」

「ラジャー!いやー、まだ戦い足りないって感じだったからちょうどいいよ〜!ねー、テキサス」

「……ああ、確かにな。と言っても、数ばかりではつまらないが」

 

 みなさん、戦闘をする意気は十分のようです。できるだけ早く、敵の指揮官を見つけたいところではありますが……今のところは見当たりませんね。

 

「では……各員、戦闘開始です!あまり散り散りにならないように、それぞれを視認できる位置取りをお願いします!」

「はいよ〜!っと。にしても、相変わらず数が多いね〜」

「エクシア、戦闘に集中しろ。ほら、後ろから来てるぞ」

「……ほいっと!いやいや〜、わかってるって。テキサスも前から来てるけど?」

「ああ、わかってる」

 

 ペンギン急便のお二人は、互いが互いをカバーするように動いています。これが連携……というのでしょうか。少し羨ましくなります。

 

「行くわよ〜……そこッ!」

「フランカ、前出過ぎ!」

「でもリスカムがカバーしてくれるじゃない?」

「そうだけど……もっと私にも気を配ってほしいんだけど」

「え〜?しょうがないわね〜……っと、まさか不意をつけると思っちゃった?残念でした〜」

「……ありがとう、フランカ。全く、普段からそうしてくれればいいのに……」

 

 BSWのお二人の連携も素晴らしいです。こちらも、お互いを知り尽くしているような動きで、敵を的確に倒しています。

 

「オラっ、喰らえ!」

「ラヴァちゃん、私の後ろに下がってください!そんなに前だと危ないですよ!」

「ビーグル、大丈夫!?ハイビス、ビーグルに治療を!」

「わかりました!……ラヴァちゃん、もっと落ち着いて戦闘した方がいいんじゃないかな」

「お前には言われたくないよ!」

「クルース、残りの敵はどっちにいる?」

「えっとぉ〜……あと1人……いや、もういないかな〜」

「ふぅ……みんな、お疲れ様。一呼吸ついたら、また周辺の警戒を」

 

 行動予備隊A1のみなさんも、見事なチームプレーで襲いくる敵を倒していました。

 

「……ねぇ、敵がどんどん増えてない?倒しても倒してもキリがないっていうか」

「そうかも。ウサギちゃん、周りにあとどれだけいそうかしら?」

「目視でも20人以上は……」

「……不味いな。追い詰められるかもしれない」

「アーミヤさん、一旦開けた場所に出た方がいいんじゃないでしょうか」

「……そうですね。みなさん、あちらに移動します。確かあの場所はちょうど何もなかったはずです!」

 

 全員で移動をして、開けた場所に出ることはできましたが敵もついてきています。それも……20人どころではなさそうです。30、40……下手したら50人を超えているかもしれません。

 

「とりあえず開けた場所には移動できましたが……」

「……っ、あれは」

「追いついたぞ、ロドス。おい……あいつを龍門に引き渡したのか?」

 

 そこにいたのは、先程にも会ったレユニオンの幹部でした。確か名前は……スカルシュレッダー。

 

「おい、何とか言えよ。答えられないってか?」

「────彼女の所在など、あなたには関係ないはずです」

「……貴様!その物言い、後悔させてやる!かかれ、同胞たち!」

 

 彼がそう指示すると、大勢のレユニオンの兵士がなだれ込んできました。

 

「ふっ……ははは!この数ならいくらロドスでも対処できまい!お前らは感染者を裏切ったんだ。その報いを、今ここで受けさせてやる!」

 

 確かに彼らの意思は強大です。彼らの怒り、苦しみ、憤り……それらを、私たちが断ち切らなければなりません。敵というのは、目の前にいる1人1人だけでなく……この大地に蔓延る、鉱石病そのものなのだと、そうドクターたちから教わりました。そして、まさにスカルシュレッダーは怒りに呑まれてしまっています。だから私たちが彼を止めないといけないのです。彼が……過ちを認められるように。道を引き返せるように。

 

 






登場キャラ紹介


・スカルシュレッダー
 最初の関門。今回はどうなるか……。それは神のみぞ知る。

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