レユニオンと往くテラの大地   作:青影

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 アニメ、終わりましたね…2期は6章までみたいなのでノヴァ戦が今から楽しみです。それはそれとして相思相殺入ります。




相思相殺
顔合わせ


 

 

ドクター視点

 

 

 

 無事チェルノボーグから脱出したレユニオン一行、それと私。これから私をどうするか少し心配だったが、あくまでも"捕虜"という立場らしい。とはいえ名ばかりのもので、見張りこそつけるものの基本的には自由にしていいようだ。どちらにせよすることがないのでこちらとしても問題はないが。

 

「こっちだ。ついてこい」

 

 タルラに呼ばれ、そちらに歩いてゆく。ようやく自力で歩けるようになったが、それでも少し歩くだけですぐに疲れる。少しは運動をした方がいいのかもしれない。

 

「紹介しよう。彼女はフロストノヴァ、私の……なんだ?友達、でいいか?」

「好きにしろ」

 

 フロストノヴァの名の通り、まるで冬を体現したような姿だった。服も髪も肌も真っ白で、またもやウサギのような耳が生えていた。

 

「彼女にドクターの見張りをしてもらう。何かあったら彼女か彼女のメンバーに声をかけるといい」

「他にも仲間が?」

「あぁ。後で実際に会うことになるだろうがな。スノーデビル小隊という名前を聞いたことはないか?」

「……ない、と思う。言い忘れていたが、どうやら私は記憶喪失らしい」

「そうか。……何?」

 

 タルラもWの時と同じくまるで二度見したような反応をした。

 

「Wには話したんだが、彼女のことも覚えていないし、他のこともほとんど思い出せない。だから……その、色々と教えてくれると助かる」

 

 タルラは大きく溜息をつき、フロストノヴァは呆れたような顔をした。

 

「なるほど……ようやくWがあそこまで文句を言いながら作戦に出た理由が分かった。彼女の真相への道はさらに遠のいたわけだしな……」

「ドクター、と言ったか?敵に対して重要な情報を流すのは得策ではないと思うが」

「敵?」

 

 敵……敵か。言われてみれば、私にとっての敵とは誰なのだろうか。記憶がない今、味方も敵も認識していなかったが……。

 

「私にとって、敵とは誰だと思う?」

 

 2人はなんとも言えない顔をする。タルラは深く考え込み、フロストノヴァはこちらの目を見つめてきた。

 

「お前の敵は私達ではないのか?少なくとも味方ではないだろう。こうしてお前を捕虜にしているわけだしな」

 

 フロストノヴァはそう言い切る。しかし、彼女はさらにこう続けた。

 

「しかし、今後のお前の選択次第でレユニオンは味方になる可能性もあるだろう、違うか?タルラ」

 

 フロストノヴァはタルラを見る。

 

「当然だ。ドクター、君が望むと言うのなら事が済んだ後に我々と共にくると良い」

「……だそうだ。お前が役に立つかどうかはわからないが、Wが執着するほどの人物なのだ。さぞかし特別な何かを持っているのだろう」

「タルラ、フロストノヴァ……ありがとう」

「何もお礼を言われるようなことはしていない。ただ事実を述べたまでだ」

「ふっ……フロストノヴァも出会った頃より随分丸くなったな」

「お前だってそうだろう」

 

 そんなタルラとフロストノヴァの微笑ましい光景を眺めていると、自然と温かさを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、私は龍門に行く。ドクターは頼んだぞ、フロストノヴァ」

「あぁ。くれぐれも身の安全には気をつけろよ、タルラ」

 

 お互いに声を掛け合う2人。タルラは他の兵士のいる方へ歩き始め、フロストノヴァはこちらに向いた。

 

「フロストノヴァ、色々聞きたいことがあるんだがいいか?」

「答えられる範囲ならな」

 

 私たちは近くにあった岩に腰を掛ける。ようやく一休みすることができそうだ。ここまでそう長い間歩いたわけではなかったが、丸一日歩いたと勘違いしそうなほど疲れが溜まっていた。

 

「まずは……今さっきタルラが言っていた龍門とはなんだ?何処かの地名か?」

「そうか、それも忘れているのか。龍門とは、炎国にある大きな都市だ。お前たちがいたチェルノボーグから最も近い都市でもある。そして、多くの国で使われている龍門幣もここから発行されているものだ」

 

 これだ、と言って彼女は龍門幣を見せてくれた。青と白を基調としており、左側には龍のような刻印があった。

 

「なるほど……不思議なデザインだな。それで、今度は何をしに龍門へ向かったんだ?」

「私も詳しくは知らない。今回はここに残るからな。ただ、スカルシュレッダーの姉を探すつもりだとは聞いたな。それ以外は知らん」

「スカルシュレッダー?」

「あぁ、まだ若いが優秀な戦士だ。私も1度か2度あった程度だがな。年齢的にメフィストやファウストとも仲良くなれるかもしれないな」

「メフィストとファウストも知らないな……」

「そうだったのか、彼らはお前の救出作戦に参加していたはずだからてっきり既に会っているものかと思っていたが。彼らもまだ若い。ファウストは優秀な狙撃手で、メフィストはやや気弱なところはあるが、医療の心得がある。今は彼らもここにいるはずだ、近いうちに会う機会もあるだろう」

「レユニオンには子供も多いのか?」

 

 聞く限りでは子供でも戦うのが普通のようだ。確かに、ロドスもアーミヤと呼ばれていた少女をリーダーとしていたようだし、そこまでおかしなことではないのかもしれない。

 

「確かに多いな。大半は孤児や鉱石病に感染してしまい家族から捨てられたようなものたちだ。子供だけでなく、大人も似たようなものだが……この大地は、大人だろうが子供だろうが容赦なくその牙を剝くのだ」

 

 ただ聞くだけでも、この大地が過酷なものだと伝わってくる。あまり年老いた人を見ないと思ったが、おそらくはそこまで長生きができる人は数少ないのだろう。

 

「そうか……それは辛いな。ところで、鉱石病とは何だ?」

「……」

 

 フロストノヴァは驚いたように目を見開いてこちらを見る。

 

「それすらも忘れているとはな。逆に何を覚えているのだ?と言いたいところだが……説明しよう。鉱石病は他の病気とは大きく異なる。まず、現在までに治すための薬は作られていない。症状の進行を緩和する程度が関の山だ。感染の原因は源石だ。……源石は分かるか?」

 

 私は、ここに帰ってくる途中にWから聞かされた話を思い出す。

 

「あの、天災の時に降って来た……」

「そうだ。その破片によって感染者は生まれる。そして、源石は成長し、いずれ爆発する。それがまた新たな感染者を生む。そして、感染者もいずれは爆発する。それもまた、同じだ。また新たな感染者を生む。終わりのない連鎖というわけだ」

 

 想像を絶する内容だった。確かに、天災は恐ろしい。人がいくら死んでもおかしくはない。ただ、それが引き起こす二次災害も天災に勝るとも劣らない恐ろしいものであった。

 

「惨い……どうにかできないのか?」

「できない。残念ながらな」

「そうなのか……」

「そして何より、感染者は迫害される。感染者というだけで、見向きもされない」

 

 この世界は、私の思っていたより遥かに過酷なようだ。そういえば、あの偽物のレユニオンも「感染者に自由を」と言っていたような気もする。彼らのやり方を容認することはとてもできないが、彼らの言い分そのものは最もなのかもしれない。

 

「そして、感染者の自由のために活動しているのが私達レユニオンというわけだ。理解したか?」

 

 そして、まさにレユニオンこそが感染者の自由のために戦う組織……と。

 

「理解した。ありがとう」

「記憶を無くしたお前から見て、この世界はどう見える?」

 

 フロストノヴァはそんな質問をしてきた。確かに、彼らから見える世界と私から見える世界は違うだろう。

 

「そうだな……酷い世界であることに間違いはないだろう。多くの人が自由を渇望し、そして朽ちていったと思う。ただ、それでも希望の光は未だ潰えていないとわかった」

「そうか。希望の光……か。我々が感染者にとっての希望の光となれるといいな」

 

 彼女はそうぽつりと言った。そして、しばらく無言の時間が続いた。ただ、それは互いに考えを巡らせ、未来に思いを馳せるための時間となっていた。

 

 






登場キャラ紹介


・フロストノヴァ
 うさぎの白い方。原作と比べるとかなり丸い。ただ、寿命がもうあまり長くはないことは変わらない。

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